JPH0572848U - 用紙ガイド機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】用紙処理装置の用紙搬送経路に、構造が簡単で
各種用紙サイズに適合する用紙ガイド機構を設ける。 【構成】 各種幅の異なる用紙が搬送される経路に用紙
の幅に応じたサイドガイド１０，１０ａを配置すると共
に、サイドガイド１０に対応する用紙よりも幅の広い用
紙が搬送された場合、そのサイドガイド１０を用紙の搬
送動作によって用紙搬送経路から退避させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、複写機又は印字装置等の用紙処理装置内に設けられ、用紙を安定 して搬送可能にする用紙ガイド機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、複写機又は印字装置等の用紙処理装置は、Ａ４サイズ、Ｂ５サイズ等 の幅の異なる用紙に複写、印字を行えるように、同一サイズの用紙を多数収容し た給紙カセットを用紙サイズ毎に複数組み込んでいる。用紙処理装置を使用する 者は、この複数組み込まれた給紙カセットの内、所望のサイズの用紙が収容され た給紙カセットを選択し、この給紙カセットから繰り出された用紙に複写、印字 が行われる。

【０００３】 給紙カセットから繰り出された１枚の用紙は、搬送ローラ対等によって複写、 印字が行われる部分（以下、用紙処理部と称する）まで搬送される。そして、こ の用紙処理部で複写、印字が施された用紙は、別の搬送ローラ対等によって用紙 排出口まで搬送され、用紙排出口から排出される。

【０００４】 上記用紙処理装置では、給紙カセットから繰り出された用紙を、斜行しないよ うに安定して用紙処理部まで搬送しなければならない。これは、用紙が斜行した 状態で用紙処理部に搬送されると複写、印字状態も斜行してしまうからである。 このため用紙処理装置には、用紙が搬送される経路に、用紙が斜行しないように 各種用紙の幅に対応するガイド機構が設けられている。

【０００５】 従来の用紙処理装置のガイド機構には、搬送される用紙のセンタを基準として 用紙の両側縁部をサイドガイドによって規制するもの、搬送される用紙の一側縁 部を当て付けて、他側縁部をサイドガイドによって規制するものがある。センタ 基準のガイド機構は、用紙サイズにかかわらず用紙のセンタを中心として、搬送 される用紙の幅に応じて両側のサイドガイドを移動させる。一方、サイド基準の ガイド機構は、用紙の一側縁部を中心として、搬送される用紙の幅に応じて他側 縁部のサイドガイドを移動させる。 このように従来のガイド機構は、搬送される用紙の幅に応じてサイドガイドを 移動させ、用紙の斜行を防止している。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

上述したサイドガイドの移動は、通常、用紙処理装置に用紙サイズの情報をイ ンプットすることにより行われているが、このサイドガイドを移動させるための 機構、制御手段、駆動源等が必要になる。この結果、用紙処理装置が高価格なも のになり、さらに大型で構造が複雑なものとなってしまう。 この考案は、用紙搬送経路に、構造が簡単で各種用紙サイズに適合する用紙ガ イド機構を提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するために、本発明の用紙ガイド機構は、用紙に複写、印字を 施す用紙処理装置内の用紙が搬送される用紙送り経路に配置され、搬送される用 紙の斜行を防止する用紙ガイド機構において、搬送される用紙の各種サイズに対 応して、少なくとも用紙の一側縁を部案内する複数のサイドガイドと、この複数 のサイドガイドにそれぞれ設けられ、サイドガイドを前記用紙案内面に対して進 退可能に支持する支持手段と、を備え、用紙が搬送されない場合、すべてのサイ ドガイドは用紙案内面より進出し、用紙が搬送された場合、用紙幅より狭い側の サイドガイドは用紙の進行力及び重量によって用紙案内面より退避され、用紙幅 に対応するサイドガイド及びそれより広い側のサイドガイドは用紙案内面より進 出、維持され、用紙幅に対応するサイドガイドは搬送される用紙の少なくとも一 側縁部を規制して斜行を防止することを特徴としている。

【０００８】

【作用】

各種幅の異なる用紙が搬送される経路に用紙の幅に応じたサイドガイドを配置 すると共に、サイドガイドに対応した用紙よりも幅の広い用紙が搬送された場合 に、そのサイドガイドを用紙の搬送動作によって前記経路から退避させる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例を添付図面に沿って具体的に説明する。 図１乃至図３は本考案の第１の実施例を示す図であり、図１は本考案に係るガイ ド機構のサイドガイドの構成を示す図、図２はガイド機構全体を示す平面図、そ して、図３は図２のガイド機構をＸ方向から見た図である。

【００１０】 図１には、各種用紙の幅に対応して配置される多数のサイドガイドの内、代表 的に１つが示されている。サイドガイド１０は、用紙５０が搬送される面を有す るロアーガイドプレート１の下方に配置され用紙５０の搬送方向と直交する軸２ に回動自在に支持されている。サイドガイド１０は、用紙の搬送方向に沿って延 出する部材１１によって構成されており、この部材１１は、ロアーガイドプレー ト１の下方に位置する支持部１１ａとロアーガイドプレート１の上面から突出す る突出部１１ｂとを備えている。支持部１１ａには穴１２が形成されており、こ の穴１２に軸２が遊嵌されている。また、支持部１１ａの前端部には、前記突出 部１１ｂとのバランスを保つためのバランサ１３が取り付けられている。この結 果、サイドガイド１０は、図１（ａ）に示すように、ロアーガイドプレート１に 対して平行となるようにバランスを保って軸２に支持されている。

【００１１】 サイドガイド１０がバランスを保って軸２に支持されている状態で、前記突出 部１１ｂは、その上半分がロアーガイドプレート１に形成された長手窓３から突 出している。突出部１１ｂの前端部１５は、図１に示すように曲線状の傾面１６ および図２に示すように搬送される用紙を受け入れやすいよう外側に屈曲した案 内面１７が形成されている。用紙５０が搬送されて用紙の先端部が前端部１５の 傾面１６に当接すると、用紙５０の搬送動作によって（用紙の進行力及び重量に よって）、サイドガイド１０は軸２の部分を中心に時計方向に回動する。この結 果、長手窓３から突出していた突出部１１ｂは下方へ逃げ、用紙５０を通過させ る（図１（ｂ）参照）。

【００１２】 このサイドガイド１０は、図２に示すように、用紙サイズの幅毎に用紙センタ を中心にして１対づつ軸２に支持されている。この図において符号ＡはＢ５サイ ズの用紙の幅に対応しており、符号ＢはＡ４サイズの用紙の幅に対応している。 この図では、２つの用紙サイズに対応する２対のサイドガイドしか図示されてい ないが、もちろん使用される用紙の幅に応じて多数設けられている。用紙は図３ に示されるように、ロアーガイドプレート１とその上面に配置されているアッパ ガイドプレート５との間を通過して行く。なお、用紙は図示されていない搬送ロ ーラ対によって搬送される。

【００１３】 次に、実際に異なる幅の用紙が搬送される際の動作について説明する。 図２において、Ｘ方向にＢ５サイズの用紙が搬送されると、用紙は１対のサイ ドガイド１０の案内面１７によってサイドガイド１０，１０の間に搬送される。 ここで、用紙の両側縁が規制され、用紙は斜行せずに送られる。一方、Ｘ方向に Ａ４サイズの用紙が搬送されると、用紙は１対のサイドガイド１０ａの案内面１ ７ａによって、サイドガイド１０ａ，１０ａの間に搬送される。この場合、内側 に配置されているサイドガイド１０，１０は、用紙の先端がそれぞれの傾面１６ に当接することによってバランスが崩れ、図１（ｂ）に示すように、突出部１１ ｂは長手窓３から下に逃げる。この結果、図３（ｂ）で示すように、用紙の両側 縁が両サイドガイド１０ａによって規制され、用紙は斜行せずに送られる。そし て用紙がサイドガイドを通過すると、下に逃げていたサイドガイド１０，１０は バランスを取り戻し、図１（ａ）に示す状態に戻る。

【００１４】 なお、図面では示されていないが、さらに幅の広いＢ４の用紙が搬送されると 今度は、サイドガイド１０，１０および１０ａ，１０ａの突出部がそれぞれの長 手窓３，３ａから下に逃げる。

【００１５】 図４及び図５は、本考案の第２の実施例を示す図である。 前記実施例では、搬送される用紙のセンタを中心に両側にサイドガイドを配置 したが、この実施例では、搬送される用紙の一側縁を基準として、他側縁側にサ イドガイドを配置している。なお、この実施例において、前記実施例と同一の部 分については同一の参照符号を付し、その説明を省略する。

【００１６】 軸２は上案内リブ２６を貫通して支持されており、各サイドガイドは搬送され る用紙の上側で軸２にバランスを保って支持されている。図５に示すように、用 紙５０は下側案内リブ２５上を搬送されるようになっており、用紙の一側縁は基 準サイドガイド２０によって規定される。前記軸２には、Ａ４サイズの用紙の幅 に対応する部分にサイドガイド１０ａが、Ｂ４サイズの用紙の幅（Ｂ５サイズの 横の長さにも対応）に対応する部分にサイドガイド１０ｂが支持されている。す なわち、この実施例では、基準サイドガイド２０および軸２に支持されたサイド ガイドによって、用紙の斜行を防止するようになっている。このように、基準サ イドガイドを設けることによって、前記実施例よりも更に部品点数を減らすこと が可能になり、コストの低減を図ることができる。

【００１７】 図４（ａ）において、Ｂ４サイズの用紙５０が上案内リブ２６と下案内リブ２ ５との間に矢印で示す方向に搬送されるとする。搬送された用紙の前端部が、Ａ ４サイズ用のサイドガイド１０ａの傾面１６ａに当接すると、サイドガイド１０ ａはバランスが崩れ、軸２を中心として反時計方向に回動されて図４（ｂ）およ び図５に示す状態になる。このとき用紙５０は、基準サイドガイド２０およびサ イドガイド１０ｂによって斜行が防止される。そして、用紙がこの部分を通過し 終わると、サイドガイド１０ａはバランスを取り戻し、図４（ａ）に示す状態に 戻る。

【００１８】 以上、本考案の実施例を説明したが、本考案は上記実施例に限定されることは なく種々の変形が可能である。例えば、センタ基準のガイド機構、サイド基準の ガイド機構に応じて、サイドガイドの形状、配置位置等種々変形することが可能 である。

【００１９】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の用紙ガイド機構のサイドガイドは、搬送される 用紙の進行力及び重量のみによって駆動されるようになっている。このため、用 紙の幅に応じてサイドガイドを移動させる機構、駆動源等を設ける必要はなくな り、用紙処理装置のコストを安くすることができ、かつ小型で構造を簡単にする ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のガイド機構のサイドガイドの構成を示
す図であり、（ａ）はサイドガイドのバランスがとれて
いる状態を示す図、（ｂ）は用紙の通過によってサイド
ガイドが回動された状態を示す図である。

【図２】本考案に係るガイド機構全体を示す平面図であ
る。

【図３】図２に示したガイド機構をＸ方向から見た図で
あり、（ａ）はサイドガイドのバランスがとれている状
態を示す図、（ｂ）は用紙の通過によって内側のサイド
ガイドが回動された状態を示す図である。

【図４】第２の実施例のガイド機構のサイドガイドの構
成を示す図であり、（ａ）はサイドガイドのバランスが
とれている状態を示す図、（ｂ）は用紙の通過によって
サイドガイドが回動された状態を示す図である。

【図５】第２の実施例のガイド機構の構成を示す図であ
る。

【符号の説明】

２…軸、３…長手窓、１０…サイドガイド、１３…バラ
ンサ、５０…用紙。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 用紙に複写、印字を施す用紙処理装置内
   の用紙が搬送される用紙送り経路に配置され、搬送され
   る用紙の斜行を防止する用紙ガイド機構において、 搬送される用紙の各種サイズに対応して、少なくとも用
   紙の一側縁部を案内する複数のサイドガイドと、この複
   数のサイドガイドにそれぞれ設けられ、サイドガイドを
   前記用紙案内面に対して進退可能に支持する支持手段
   と、を備え、 用紙が搬送されない場合、すべてのサイドガイドは用紙
   案内面より進出し、 用紙が搬送された場合、用紙幅より狭い側のサイドガイ
   ドは用紙の進行力及び重量によって用紙案内面より退避
   され、用紙幅に対応するサイドガイド及びそれより広い
   側のサイドガイドは用紙案内面より進出、維持され、用
   紙幅に対応するサイドガイドは搬送される用紙の少なく
   とも一側縁部を規制して斜行を防止することを特徴とす
   る用紙ガイド機構。
2. 【請求項２】 各種幅の異なるサイズの用紙が搬送され
   る用紙搬送路と、 この用紙搬送路内において搬送される用紙の幅に対応し
   て複数配置され、搬送される用紙の少なくとも一側縁部
   を規制して斜行を防止するサイドガイドと、 前記各サイドガイドに設けられ、規制される用紙よりも
   幅の広い用紙が搬送された場合、この用紙の搬送動作に
   よってサイドガイドを用紙搬送路から退避させる退避手
   段と、を有することを特徴とする用紙ガイド機構。