JPH0572831U - ３次元転倒式仕分装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 搬送物に衝撃を与えずに仕分けできる仕分装
置を提供する。 【構成】 枠組み１０内を走行するコンベヤチェ−ン１
２に多数のスタンド１７を設け、ヨーク１８および軸受
台２２を介して左右何れにも転倒可能にトレイ２０を支
持し、仕分け時に前記トレイ２０を左斜め前方または右
斜め前方に転倒可能に支持する。ヨーク１８および軸受
台２２は、走行方向に向かって傾斜する長短一対のヨー
ク片および軸受けブラケットをそれぞれ有して傾斜軸２
４を挿通する。ヨークと軸受台との間に非転倒時のトレ
イを水平に保持する姿勢保持手段３０を設け、トレイ下
部両側にトレイの傾到を制御するインデックスプレート
２５を取付ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、各種物品を仕分搬送する３次元転倒式仕分装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

空港旅客ターミナルや小口荷物の配送センターにおいて、荷物の仕分搬送に使 用されている装置は、スラットを傾倒させて仕分けするスラット傾倒形仕分装置 がその大部分である。また傾倒の方式にもスラットの中央軸芯と前記コンベヤ軸 芯とを含む垂直面内に回動軸を設けて左右いずれかに回動傾倒させるもの（特公 昭４５−２１７７４号）と、スラットを下部両端に近い２点で支持し、左右いず れかのリンクをかけ外してスラットを自重で仕分け方向に傾倒させるもの（特公 昭５９−１３４０７号）とがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の仕分け装置は、仕分け地点でスラットが急激に傾倒し搬送物の搬送 方向も急激に偏向を余儀なくさせるため、払い出し速度も大きく搬送物の受ける 衝撃も大きく、したがって荷傷みも激しいものがあった。また搬送物が前記シュ −トに斜め方向に払い出されるため、仕分けシュ−トの幅を広くとらねばならな かった。本考案は、上記従来の仕分装置に見受けられた仕分けの際生ずる荷傷み を排除し、衝撃に弱い搬送物にも対応できる仕分装置の提供を目的とするもので ある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため本考案は、枠組み内を走行するコンベヤチェ−ンに多 数のスタンドを設けて左右何れにも転倒可能にトレイを支持した自動仕分け装置 において、仕分け時に前記トレイを左斜め前方または右斜め前方に転倒させる傾 斜軸に支持させたことを特徴とする。また、前記ヨークおよび軸受台は走行方向 に向かって傾斜する長短一対のヨーク片および軸受けブラケットをそれぞれ有し て仕分け時に前記トレイを左斜め前方または右斜め前方に傾倒させる傾斜軸を挿 通するとともに、ヨークと軸受台との間に非転倒時のトレイを水平に保持する姿 勢保持手段を設け、トレイ下部両側にトレイの転倒を制御するインデックスプレ ートを取付けたものである。

【０００５】

【作用】

走行中のトレイを仕分けのため左または右に前記前下がりの傾斜軸を中心に回 動させれば、トレイの前部は大きな回動半径で、またトレイの後部は小さな回動 半径で回動するため、トレイの前部は後部に対して前下がりに、かつ左または右 に傾斜させながら仕分けシュ−トに向け斜めに向きをかえ転倒する。そのため搬 送物もトレイより仕分けシュ−トに斜めに向きをかえた姿勢で払い出される。

【０００６】

【実施例】

次に図面に基づいて本考案を具体的に説明する。図１は本考案の３次元転倒式 仕分装置の一実施例の側面図、図２は図１の正面図、図３は図１中のトレイを外 した状態の分解斜視図である。図示のように、チャンネル状部材１１、１１を向 い合わせた枠組み１０内にコンベヤチェーン１２を走行させる。コンベヤチェー ン１２の各リンク１３には、走行用の車輪１４、１４と、揺れ止め用の水平ロー ラ１５、１５と、チェーン駆動装置（図示省略）に係合する係合ローラ１６とを 備えている。コンベヤチェーン１２の適当間隔ごとのリンク１３にスタンド１７ を立設し、ヨーク１８および軸受台２２を介してトレイ２０を取付ける。なお、 図示例の各リンク１３には、チェーン駆動装置に係合して駆動される係合ローラ １６を設けているが、リニヤモータ駆動方式とするときには係合ローラに代えて 電機子（図示省略）を取付ける。

【０００７】 ヨーク１８は、チェーン走行方向に向かって傾斜する長短一対のヨーク片１８ ａ、１８ｂを有している。一方トレイ２０に固着したトレイベース２１の下面に 軸受台２２を設ける。この軸受台２２は間隔をおいて突出させた長短一対の軸受 けブラケット２２ａ、２２ｂをもち、この軸受けブラケット２２ａ、２２ｂとヨ ーク片１８ａ、１８ｂとに共通の軸線をもつ傾斜軸２４、２４を挿通してトレイ ２０が走行方向に対して斜め前傾状態で転倒できるように支持する。また、軸受 台２２の軸受けブラケット２２ｂ近くの両側には、ストッパ３８が固着されてい る。このストッパ３８は、後述するごとくヨーク片１８ｂの傾斜辺１９に当接し てトレイの転倒角を規制するためのものである（図５）。

【０００８】 トレイベース２１の後端に横軸２６を設けて前記ヨーク１８を挟む両側におい て僅かに走行方向に対して上向きとされたインデクスプレート２５を取付ける。 このインデクスプレート２５は、トレイ２０の転倒を制御するもので、図３に示 すように断面コ字形をなす本体２７、２７と、本体２７、２７を連結するつなぎ 材２８、２９とよりなる。断面コ字形をなす本体２７、２７の溝部２７ａは、仕 分け位置において、転倒用のローラ４０が挿合される。すなわち、枠組み１０に おける仕分け位置の直前にブラケット３６を設けて起伏自在にアーム３７を取付 け、アーム３７の先端のローラ４０を前記本体２７、２７の溝部２７ａに挿合さ せる。ローラ４０が本体２７の溝部２７ａに挿合されると、トレイの走行に伴い 横軸２６を中心にしてインデクスプレート２５が僅かに押し上げられてトレイが 転倒しはじめる。トレイが転倒して軸受け台に設けたストッパ３８がヨーク片１ ８ｂの傾斜辺１９に当接すると、それ以上のトレイの傾きが制止される。なお、 仕分け終了後には、インデクスプレート２５に挿合ないし当接する復帰用ローラ またはガイド部材（図示省略）によりトレイ２０を水平状態に戻すものである。

【０００９】 また、図３、図４に示すように、トレイベース２１の下部には、非転倒時のト レイ２０を水平に保持するための姿勢保持手段３０を有している。この手段３０ は、前記軸受台２２に設けたスプリング受座３２、圧縮スプリング３３及び押当 てピン３４と、つなぎ材２９の裏面に設けたカム３１と、ヨーク片１８ｂから後 方に向けて突出させたピン３５とから構成されている。図４は、圧縮スプリング ３３の弾力でカム３１の溝３１ａをピン３５に係合させているため、トレイベー ス２１を介してトレイ２０は左右に傾くことなく水平に維持されている状態を示 す。トレイ転倒時には、前記カム３１の溝３１ａとピン３５との係合が外れ、前 述のようにストッパ３８がヨーク片１８ｂの傾斜辺１９に当たった状態で静止す る。

【００１０】 上記装置を使用するには、各トレイ２０に搬送物を搭載し、コンベヤチエーン １２の駆動により枠組み１０に沿って走行させる。通常走行中には、姿勢保持手 段の圧縮スプリング３３の弾力でカム３１の溝３１ａをピン３５に係合させてい るため、トレイ２０は左右に傾くことなく水平に維持される（図４）。所望の仕 分け位置のアーム３７を起立させておき、トレイ２０のインデクスプレート２５ が傾到用ローラ４０に挿合されると、カムとピンとの係合が外れトレイは傾斜軸 ２４、２４を中心にして回動する。トレイ２０は、走行方向の向けて傾斜する傾 斜軸２４、２４に支持されているため、左または右斜め前方に転倒する。トレイ 転倒時には、ストッパ３８がヨーク片１８ｂの傾斜辺１９に当たった状態で静止 する（図５）。この転倒動作によって、搬送物は斜め前方の慣性方向に払い出さ れて速度が緩められ、搬送物へ強い衝撃を与えずにスムーズに仕分けシュ−トに 払い出すことができる。仕分け終了後には、復帰用ローラまたはガイド部材（図 示省略）によりトレイ２０を水平に戻すものである。

【００１１】

【考案の効果】

上記のように本考案は、トレイを左前方または右前方に転倒させながら左また は右へ傾斜させる前下がりの傾斜軸を設けたため、仕分け時における搬送物の払 い出し速度は緩められ、搬送物への強い衝撃は排除でき衝撃に弱い搬送物にも対 応することが可能である。また払出時の搬送物の姿勢が搬送時とほぼ同じ姿勢を 維持するため、仕分けシュ−トの投入口幅を著しく大きくする必要もない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の３次元転倒式仕分装置の一実施例を示
す側面図である。

【図２】図１の正面図である。

【図３】トレイを外して示した図１の分解斜視図であ
る。

【図４】姿勢保持手段の正面図である。

【図５】姿勢保持手段の作用時の正面図である。

【符号の説明】

１０ 枠組み １１ チャンネル状部材 １２ コンベヤチェーン １３ リンク １４ 車輪 １５ 水平ローラ １６ 係合ローラ １７ スタンド １８ ヨーク １８ａ、１８ｂ ヨーク片 １９ 傾斜辺 ２０ トレイ ２１ トレイベース ２２ 軸受台 ２２ａ、２２ｂ 軸受けブラケット ２４ 傾斜軸 ２５ インデックスプレ−ト ２６ 横軸 ２７ 本体 ２７ａ 溝 ２８、２９ つなぎ材 ３０ 姿勢保持手段 ３１ カム ３１ａ カム溝 ３２ スプリング受座 ３３ 圧縮スプリング ３４ 押当てピン ３５ ピン ３６ ブラケット ３７ アーム ３８ ストッパ ４０ 転倒用ローラ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 枠組み内を走行するコンベヤチェ−ンに
   多数のスタンドを設けて左右何れにも転倒可能にトレイ
   を支持した自動仕分け装置において、仕分け時に前記ト
   レイを左斜め前方または右斜め前方に転倒させる傾斜軸
   に支持させたことを特徴とする３次元転倒式仕分装置。
2. 【請求項２】 枠組み内を走行するコンベヤチェ−ンに
   多数のスタンドを設け、前記スタンド上部にヨークおよ
   び軸受台を介して左右何れにも転倒可能にトレイを支持
   した自動仕分け装置において、前記ヨークおよび軸受台
   は走行方向に向かって傾斜する長短一対のヨーク片およ
   び軸受けブラケットをそれぞれ有して仕分け時に前記ト
   レイを左斜め前方または右斜め前方に傾倒させる傾斜軸
   を挿通するとともに、ヨークと軸受台との間に非転倒時
   のトレイを水平に保持する姿勢保持手段を設け、トレイ
   下部両側にトレイの転倒を制御するインデックスプレー
   トを取付けたことを特徴とする３次元転倒式仕分装置。