JPH0572559B2 - - Google Patents

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JPH0572559B2
JPH0572559B2 JP60045648A JP4564885A JPH0572559B2 JP H0572559 B2 JPH0572559 B2 JP H0572559B2 JP 60045648 A JP60045648 A JP 60045648A JP 4564885 A JP4564885 A JP 4564885A JP H0572559 B2 JPH0572559 B2 JP H0572559B2
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metal
ions
solution
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anode
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JP60045648A
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Reiko Fujita
Masami Tooda
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Tokyo Shibaura Electric Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
[発明の技術分野] 本発明は原子力発電設備および核燃料サイクル
関連旋設などから発生する放射性金属廃棄物の表
面に付着もしくは沈着した放射性物質を除去する
除染液の生成方法に関する。 [発明の技術的背景とその問題点] 原子力発電設備および核燃料サイクル関連旋設
で使用した配管、機器、燃料集合体等の内側には
放射性の酸化被膜が形成され、これが表面線量率
を高める原因になつている。定期検査時等の被曝
低減の見地からこれら酸化被膜の除去すなわち除
染が必要である。この除去には通常金属材料の表
面に形成された酸化被膜および金属母材を溶解
し、付着もしくは沈着した腐蝕生成物および核分
裂生成物を溶液中に脱落させることが要求され
る。このような除染方法には大きく分けて、化学
的除染法、機械的方法を含む物理的方法、電気化
学的方法がある。これらの方法のうち、化学的除
染法は酸化被膜の特性を考慮した酸化還元剤、錯
化剤、インヒビタをブレンドした除染剤を使用す
る方法である。この方法は酸化被膜の溶解速度の
点では優れているが、放射性二次廃棄物が大量に
発生する問題があつた。 このような問題点を解決する方法として、たと
えば米国特許第4217192号明細書で開示されてい
る化学エツチングを使用した原子力工業における
放射能で汚染された金属の除染方法とそのシステ
ムが知られている。 この方法はセリウム3価イオンとセリウム4価
イオンを含んだ硝酸溶液からなる電界液中に放射
能で汚染された被除染物としての金属と電解液再
生の為の一対の電極を同一容器内に浸漬して被除
染物の放射能を除去したのちクリーニングされた
被除染物を電解液中からとり出す酸化、還元効果
を利用した化学除染(エツチング)である。 しかしながら、上記方法ではセリウム4価イオ
ンを生成するための電流が0.5〜1.5Aでセリウム
4価イオンが0.01〜0.3mol/、硝酸1〜
8mol/の除染液が生成するが、セリウム4価
イオンを生成する電解条件が明らかにされていな
い。本発明者らの実験によれば陰極材料によつて
は上記0.5〜1.5Aの電流領域では、陰極で水素発
生反応の代わりにセリウム4価イオンがセリウム
3価に還元される反応が起り、セリウム4価イオ
ンを生成する電流効率が低下する現象が見出ださ
れた。 また、同様に、陽極材料によつては上記0.5〜
1.5A電流領域でセリウム3価イオンがセリウム
4価に酸化される反応の代わりに酸素発生反応が
起り、セリウム4価イオンを生成する電流効率が
低下する現象が見出だされた。また、除染工程で
除染したのちの使用済除染液中に沈殿または浮遊
する不溶分を分離する工程が存在しないため電解
液(除染液)中でエツチングされた残渣がスラリ
ー状化し、浮遊したりして電解液としての消耗が
激しく、その役目を果たさないだけでなく寿命が
短くなる欠点も見出だされた。 さらに上記方法は、バツチ処理方法で連続的で
ないため処理操作にその都度手間を要し、作業員
の放射線被曝時間が長くなり、強硝酸溶液と高温
度を使用するため、亜硝酸ガスや硝酸のミスト等
が発生し、作業環境が悪化する。 そこで、電流効率がすぐれ、また使用済み除染
液を連続的に再生でき、しかも放射性二次廃棄物
量が少ない除染液の生成方法が望まれる。 [発明の目的] 本発明は以上の問題点を解決するためになされ
たもので、陽極で低酸化状態の金属イオンを酸化
して高酸化状態の金属イオンを生成させるための
実用的に使用でき、効率のよい、かつ、放射性二
次廃棄物の発生の少ない放射性金属廃棄物用除染
液の生成方法を提供することを目的とする。 [発明の概要] 上記目的を達成するため、本発明にかかる放射
性金属廃棄物用除染液の生成方法は、水溶液中で
多価の酸化状態を有する金属の低酸化状態の金属
化合物を溶解させた濃度が0.01〜10.0mol/で
ある酸性溶液に、白金と同等かもしくは白金より
酸素過電圧を高くして酸素の発生を抑制した金属
製、金属酸化物製または導電材料にこれらの物質
をコーテイングした陽極と、白金と同等かもしく
は白金より水素過電圧を低くして水素の発生を促
進させた金属製、金属酸化物製または導電材料に
これらの物質をコーテイングした陰極とを、両電
極間に隔壁を介挿させることなく浸漬して、前記
両極間に電流密度が0.01〜2.0A/cm2である電流を
流し、前記両極で低酸化状態の金属イオンを酸化
して高酸化状態の金属イオンを生成させることを
特徴とする。 本発明の陽極に使用可能な材料としては、白金
のほかに、黒鉛、金、パラジウム、および導電材
料に白金コーテイングを施したもの等が例示さ
れ、陰極に使用可能な材料としては、白金のほか
に、ロジウム、金、チタン、タングステン等が例
示される。 また、本発明において、水溶液中で多価の酸化
状態を有する金属の低酸化状態の金属化合物を溶
解させた酸性溶液の濃度を、0.01〜10.0mol/
の範囲としたのは、0.01mol/未満では放射性
金属廃棄物用除染液としての効果がなく、
10.0mol/を越える濃度では放射性金属廃棄物
用除染液のコストが高くなつて実用的でなくなる
うえに電流効率が悪くなるためである。また、両
電極間に流す電流密度を0.01〜2.0A/cm2としたの
は、この範囲で高い電流効率と生産効率が得られ
るからである。 [発明の実施例] 図は本発明を実施するために好適な装置の配置
の一例を示した系統図である。 図において、符号1は電解槽であり、この電解
槽1内には低酸化状態の金属イオンを溶解させた
酸性溶液2が貯溜されている。 この低酸化状態の金属化合物を溶解させた酸性
溶液2には、白金と同等かもしくは白金より酸素
過電圧の高い金属または金属酸化物製陽極3およ
び白金と同等かもしくは白金より水素過電圧の低
い金属または金属酸化物製陰極4が浸漬され、両
電極間に所定電流密度で電圧が印加される。 図中符号5は除染槽であり、この除染槽内に
は、前記電解槽1で、低酸化状態の金属イオンを
溶解させた酸性溶液2が電解されて、高酸化状態
となつた高酸化状態の金属イオンが溶解した酸性
溶液つまり除染液6が貯溜されている。前記高酸
化状態の金属イオンが溶解した除染液6には、放
射能物質で汚染された金属物品すなわち被除染物
7が浸漬されている。この除染槽5と前記電解槽
1とは循環配管8,9で連結されており、この循
環配管9の途中には循環ポンプ10が設けられ
て、低酸化状態の金属イオンを溶解させた酸性溶
液2、高酸化状態の金属イオンが溶解した除染液
6が電解槽1と除染槽2との間を循環するように
なつている。 以下に本発明にかかる除染液の生成方法の第1
の実施例について説明する。 第1の実施例は水溶液中で多価の酸化状態を有
する金属としてセリウムを選択し、低酸化状態の
金属化合物としてはセリウム3価化合物である硝
酸第1セリウムCe(NO33を用いる。セリウム3
価化合物は水または酸に容易に溶解する化合物で
あることが重要である。前記硝酸第1セリウムを
溶解させた酸性溶液としては硝酸溶液を用いる。
前記硝酸第1セリウム濃度0.8mol/、硝酸濃
度2.0mol/の電解液に、前記陽極としてチタ
ンに白金コーテイングを施したものと、前記陰極
としてチタンに白金コーテイングを施したものを
浸漬させる。前記陽極および陰極の間に電圧を印
加して電流密度を0.2A/cm2で電流を流す。つぎ
に第1の実施例の作用を説明する。 セリウム3価塩が溶解している酸性溶液中で
は、以下に示す電解酸化反応によつてセリウム3
価イオン(Ce3+)はセリウム4価イオン(Ce4+
に変換される。 (陽極) Ce3+→Ce4++e- …(1) 2OH-→H2O+(1/2)O2(↑)+2e- …(2) (陰極) H++e-→(1/2)O2(↑) …(3) Ce4++e-→Ce3+ …(4) 上記(1)式により生成したセリウム4価イオン
(Ce4+)は極めて酸化力が強く、被除染物に接触
させると、金属母材表面層から放射能汚染物質と
ともに金属表面が溶解される。反応は金属の化学
式をMとして以下に示すとおりである。 M+Ce4+→M++Ce3+ …(5) 本発明にかかる除染液の生成方法を用いれば、
陽極と陰極との間に印加した電圧による電解酸化
反応により陽極近傍にセリウム4価イオンが効率
よく生成する。ところで陽極ではセリウム4価イ
オンの生成反応と酸素発生反応が競争している。
陽極として鉄のように酸素過電圧の小さい金属材
料を用いると、セリウム4価イオンの生成より酸
素発生に使われる電流の割合いが大きくなるた
め、セリウム4価イオン生成の電流効率が悪くな
る。したがつて、陽極は酸素の発生し難い金属材
料すなわち酸素過電圧の高い金属材料であること
が重要である。一方、陰極の表面では水素発生反
応とセリウム4価イオンがセリウム3価イオンに
還元される反応が競争している。陰極として水銀
のように水素過電圧の大きい金属材料を用いると
水素発生反応よりセリウム3価イオン生成に使わ
れる電流の割合いが大きくなるため、セリウム4
価イオン生成の電流効率が悪くなる。したがつ
て、陰極は水素の発生しやすい金属材料、すなわ
ち、水素過電圧の低い金属材料であることが重要
である。 第1表に本発明の第1の実施例と従来例とにつ
いてセリウム4価イオン生成に関する電流効率を
測定した結果を比較して示す。従来例では陽極に
チタンを、陰極にステンレス鋼を用いた。セリウ
ム4価イオン生成に関する電流効率ηは以下のと
おりである。 η=(96485×Ce4+生成量(mol/) ×電解液液量())/(電解時間(sec) ×電流(A)) 第1表に、本発明の実施例と従来例のセリウム
4価イオン生成の電流効率を比較して示す。
【表】 第1表から本発明の実施例の方が従来例に比べ
て約1.5倍のセリウム4価イオン生成に関する電
流効率が得られることがわかる。これは陽極に酸
素過電圧の低い金属材料を用いることによつて、
セリウム4価イオンが生成しにくくなり、セリウ
ム4価イオンの生成より酸素の発生に使われる電
流の割合いが大きくなるためである。一方、陰極
に水素過電圧の高い金属材料を用いることによつ
て、セリウム4価イオンがセリウム3価イオンに
変換される割合いが大きくなり、水素の発生に使
われる電流の割合いが小さくなるためである。 以上説明したように、この第1の実施例では陽
極として、酸素過電圧の大きな金属材料を用いる
ので酸素の生成よりセリウム4価イオンの生成に
使われる電流の割合いが大きくなり、セリウム4
価イオンが効率よく生成できる。 なお第1の実施例においてセリウム3価化合物
として硝酸第1セリウムCe(NO33を使用した
が、そのかわりに硫酸第1セリウム[Ce
(SO43]、硝酸第1セリウムアンモニウム[Ce
(NO33・2(NH4NO3)]、炭酸セリウムCe2
[(CO33]、しゆう酸第1セリウム[Ce2(C2O43
を用いることも可能である。前記セリウム3価化
合物の濃度は0.8mol/に限らず0.01〜2.0mol/
で使用可能である。前記低酸化状態の金属化合
物を溶解させた酸性溶液としては硝酸溶液のかわ
りに、硫酸溶液、炭酸溶液、しゆう酸溶液を用い
ることも可能である。また前記酸性溶液の濃度と
しては、2.0mol/に限らず0.01〜10.0mol/
の範囲で使用可能である。前記陽極としてチタン
に白金コーテイングを施したもののかわりに白
金、チタン以外の金属に白金コーテイングを施し
たものを用いることも可能である。前記陰極とし
てチタンに白金コーテイングを施したもののかわ
りに白金、チタン以外の金属に、白金コーテイン
グを施したもの、金、チタンに金コーテイングを
施したもの、チタン以外の金属に金コーテイング
を施したものを用いることも可能である。前記陽
極および陰極の間に印加する電圧の電流密度は
0.2A/cm2に限らず0.01〜2.0A/cm2、好ましくは
0.05〜2.0A/cm2の範囲で使用可能である。 つぎに本発明にかかる除染液の生成方法の第2
の実施例について説明する。 第2の実施例は水溶液中で多価の酸化状態を有
する金属としてクロムを選択し、低酸化状態の金
属化合物としては、クロム3価化合物である硫酸
クロムCr2(SO43を用いる。クロム3価化合物は
水または酸に容易に溶解する化合物であることが
重要である。前記硫酸クロムを溶解させた酸性溶
液としては硫酸溶液を用いる。前記硫酸クロム濃
度0.1mol/、硫酸濃度1.0mol/の電解液に、
前記陽極として、二酸化鉛と陰極として、チタン
に白金コーテイングを施したものを浸漬させる。
前記陽極および陰極の間に電圧を印加して電流密
度0.1A/cm2で電流を流す。 つぎに第2の実施例の作用を説明する。 クロム3価塩が溶解している酸性溶液中では以
下に示す電解酸化反応によつてクロム3価イオン
(Cr3+)は重クロム酸イオン(Cr2O7 2-)に変換
される。 (陽極) 2Cr3++7H2O →Cr2O7 2-+14H++6e- …(6) 2OH- →H2O+(1/2)O2(↑)+2e- …(7) (陰極) H++e-→(1/2)O2(↑) …(8) Cr2O7 2-+14H++6e-→2Cr3++7H2O …(9) 上記(6)式により生成した重クロム酸イオン
(Cr2O7 2-)は極めて酸化力が強く、被除染物に
接触させると金属母材表面層から放射能汚染物質
とともに、金属表面が溶解される。反応は金属の
化学式をMとして以下に示すとおりである。 M+(1/6)Cr2O7 2-+(7/3)H+ →M++(1/3)Cr3++(7/6)H2O …(10) 上記実施例の除染液の生成方法を用いれば、陽
極と陰極との間に印加した電圧による電解酸化反
応により陽極近傍に重クロム酸イオンが効率よく
生成する。ところで陽極では重クロム酸イオンの
生成反応と酸素発生反応が競争している。陽極と
して鉄のように酸素過電圧の小さい金属材料を用
いると、重クロム酸イオンの生成より酸素発生に
使われる電流の割合いが大きくなるため、重クロ
ム酸イオン生成の電流効率が悪くなる。したがつ
て、陽極は酸素の発生し難い金属材料すなわち酸
素過電圧の高い金属材料であることが重要であ
る。一方、陰極の表面では水素発生反応と重クロ
ム酸イオンがセリウム3価イオンに還元される反
応が競争している。陰極として水銀のように水素
過電圧の大きい金属材料を用いると水素発生反応
よりクロム3価イオン生成に使われる電流の割合
いが大きくなるため、重クロム酸イオン生成の電
流効率が悪くなる。したがつて、陰極は水素の発
生し易い金属材料、すなわち、水素過電圧の低い
金属材料であることが重要である。 第2表に本発明の第2の実施例と従来例とにつ
いて重クロム酸イオン生成に関する電流効率を測
定した結果を比較して示す。従来例の場合、陽極
にチタンを、陰極にステンレス鋼を用いた。重ク
ロム酸イオン生成に関する電流効率ηは以下のと
おりである。 η=(96485×Cr2O7 2-生成量(mol/) ×電解液液量())/(電解時間(sec) ×電流(A)) 第2表に、本発明の実施例と従来例の重クロム
酸イオン生成の電流効率を比較して示す。
【表】
【表】 第2表から本発明の実施例の方が従来例に比べ
て約11倍の重クロム酸イオン生成に関する電流効
率が得られることがわかる。これは陽極に酸素過
電圧の低い金属材料を用いることによつて、重ク
ロム酸イオンが生成しにくくなり、重クロム酸イ
オンの生成より酸素の発生に使われる電流の割合
いが大きくなるためである。一方、陰極に水素過
電圧の高い金属材料を用いることによつて重クロ
ム酸イオンがクロム3価イオンに変換される割合
いが大きくなり、水素の発生に使われる電流の割
合いが小さくなるためである。 以上説明したように、上記実施例では陽極とし
て、酸素過電圧の大きな金属材料を用いるので、
酸素の生成より重クロム酸イオンの生成に使われ
る電流の割合いが大きくなり、重クロム酸が効率
よく生成できる。 なお、第2の実施例においてクロム3価イオン
化合物として、硫酸クロム(Cr2(SO43)のかわ
りに硝酸クロム(Cr(NO33)、水酸化クロム
(Cr(OH)3)を用いることも可能である。前記ク
ロム3価化合物の濃度は0.1mol/に限らず0.01
〜1.0mol/で使用可能である。前記低酸化状
態の金属化合物を溶解させた酸性溶液としては硫
酸溶液のかわりに、硝酸溶液、塩酸溶液を用いる
ことも可能である。また前記酸性溶液の濃度とし
ては、2.0mol/に限らず0.01〜10.0mol/の
範囲で使用可能である。前記陽極として二酸化鉛
のかわりに鉛を用いることも可能である。前記陰
極としてチタンに白金コーテイングを施したもの
のかわりに白金、チタン以外の金属に、白金コー
テイングを施したもの、金、チタンに金コーテイ
ングを施したもの、チタン以外の金属に金コーテ
イングを施したものを用いることも可能である。
前記陽極、陰極間に印加する電圧の電流密度は
0.1A/cm2に限らず0.01〜2.0A/cm2、好ましくは
0.01〜1.0A/cm2の範囲で使用可能である。 つぎに本発明にかかる除染液の生成方法の第3
の実施例について説明する。 第3の実施例は水溶液中で多価の3価イオン状
態を有する金属としてバナジウムを選択し、低酸
化状態の金属化合物としては、バナジウム4価化
合物である硫酸バナジルVOSO4を用いる。バナ
ジウム4価化合物は水または酸に容易に溶解する
化合物であることが重要である。前記硫酸バナジ
ルを溶解させた酸性溶液としては硫酸溶液を用い
る。前記硫酸バナジル濃度0.2mol/、硫酸濃
度4.0mol/の電解液に、前記陽極として、チ
タンに白金コーテイングを施したもの、陰極とし
てチタンに白金コーテイングを施したものを浸漬
させる。前記陽極および陰極の間に電圧を印加し
て、電流密度0.3A/cm2で電流を流して除染液を
生成させる。 つぎに第3の実施例の作用を説明する。 バナジウム4価塩が溶解している酸性溶液中で
は、以下に示す電解酸化反応によつてバナジルイ
オン(VO2+)は過バナジルイオン(VO2 +)に変
換される。 (陽極) VO2++H2O→VO2 ++2H++e- …(11) 20H→H2O(1/2)O2(↑)+2e- …(12) (陰極) H++e-→(1/2)O2(↑) …(R) VO2 ++2H++e-→VO2++H2O …(14) 上記の(11)式により生成した過バナジルイオン
(VO2 +)は、極めて酸化力が強く、被除染物に接
触させると金属母材表面層から放射能汚染物質と
ともに、金属表面が溶解される。反応は、金属の
化学式をMとして以下に示すとおりである。 M+VO2 ++2H+→M++VO2 2++H2O (15) 第3表に本発明の第3の実施例と従来例とにつ
いて過バナジルイオン生成に関する電流効率を測
定した結果を比較して示す。従来例の場合には、
陽極にチタンを、陰極にステンレス鋼を用いた。
過バナジルイオン生成に関する電流効率ηは以下
のとおりである。 η=(96485×VO2 +生成量(mol/) ×電解液液量())/(電解時間(sec) ×電流(A)) 第3表に、本発明の実施例と従来例の過バナジ
ルイオン生成の電流効率を比較して示す。
【表】 上記実施例によれば、陽極と陰極との間に印加
した電圧による電解酸化反応により陽極近傍に過
バナジルイオンが効率よく生成する。ところで陽
極では、過バナジルイオンのの生成反応と酸素発
生反応が競争している。陽極として鉄のように酸
素過電圧の小さい金属材料を用いると、過バナジ
ルイオンの生成より酸素発生に使われる電流の割
合いが大きくなるため、過バナジルイオン生成の
電流効率が悪くなる。したがつて、陽極は酸素の
発生し難い金属材料すなわち酸素過電圧の高い金
属材料であることが重要である。一方、陰極の表
面では水素発生反応と過バナジルイオンがバナジ
ルイオンに還元される反応が競争している。陰極
として水銀のように水素過電圧の大きい金属材料
を用いると水素発生反応よりバナジルイオン生成
に使われる電流の割合いが大きくなるため、過バ
ナジルイオン生成の電流効率が悪くなる。したが
つて、陰極は水素の発生しやすい金属材料、すな
わち、水素過電圧の低い金属材料であることが重
要である。 第3表から本発明の実施例の方が従来例に比べ
て約2.0倍の過バナジルイオン生成に関する電流
効率が得られることがわかる。これは陽極に酸素
過電圧の低い金属材料を用いることによつて、過
バナジルイオンが生成しにくくなり、過バナジル
イオンの生成より酸素の発生に使われる電流の割
合いが大きくなつたためである。一方、陰極に水
素過電圧の高い金属材料を用いることによつて、
過バナジルイオンがバナジルイオンに変換される
割合いが大きくなり、水素の発生に使われる電流
の割合いが小さくなるためである。 以上説明したように、上記実施例では陽極とし
て、酸素過電圧の大きな金属材料を用いるので、
酸素の生成より過バナジルイオンの生成に使われ
る電流の割合いが大きくなり、過バナジルイオン
が効率よく生成できる。 なお、第3の実施例においてバナジウム4価化
合物として、硫酸バナジル(VOSO4)のかわり
に、酸化バナジウム(VO2)、しゆう酸バナジル
(VOC2O4)を用いることも可能である。前記バ
ナジウム4価化合物の濃度は0.2mol/に限ら
ず、0.01〜1.0mol/の範囲で使用可能である。
前記低酸化状態の金属化合物を溶解させた酸性溶
液としては、硫酸溶液のかわりに硝酸溶液、しゆ
う酸溶液を用いることも可能である。また、前記
酸性溶液の濃度としては、4.0mol/に限らず
0.01〜10.0mol/の範囲で使用可能である。前
記陽極としてチタンに白金コーテイングを施した
もののかわりに、白金、チタン以外の金属に白金
コーテイングを施したものを用いることも可能で
ある。前記陰極としてチタンに白金コーテイング
を施したもののかわりに、白金、チタン以外の金
属に白金コーテイングを施したもの、金、チタン
に金コーテイングを施した物、チタン以外の金属
に金コーテイングを施したものを用いることも可
能である。前記陽極および陰極の間に印加する電
圧の電流密度0.3A/cm2に限らず0.01〜2.0A/cm2
好ましくは0.05〜0.2A/cm2の範囲で使用可能であ
る。 [発明の効果] 本発明によれば、以下の効果がある。 (1) 陽極においては酸素発生に使われる電流の割
合より低酸化状態の金属イオンを高酸化状態の
金属イオンにする酸化反応に使われる電流の割
合を大きくする一方、陰極においては水素発生
に使われる電流の割合を高酸化状態の金属イオ
ンを低酸化状態の金属イオンにする反応に使わ
れる電流の割合より大きくすることにより、全
体として低酸化状態の金属イオンを高酸化状態
の金属イオンにする電流効率が高くなる。 (2) 両電極間に隔膜がなくても高い効率で低酸化
状態の金属イオンを高酸化状態の金属イオンに
することができるので、隔膜を省略して放射性
二次廃棄物の量を減少させることができる。 (3) 陰極に用いる白金と同等かもしくは白金より
水素過電圧を低くして水素の発生を促進させた
金属製、金属酸化物製または導電材料にこれら
の物質をコーテイングしたものは、一般に酸性
溶液中に解け出さないので、陰極からの溶解物
による放射性二次破棄物の量を殆どなくするこ
とができる。 (4) 低酸化状態の金属イオンを高酸化状態の金属
イオンにする反応を電気化学的に行うので、従
来の酸化剤を用いる方法における二次廃棄物の
量を殆どなくすることができる。 以上説明したように本発明による除染液の生成
方法によれば、低酸化状態の金属イオンを高酸化
状態の金属イオンにする酸化反応の電流効率が良
くなるので、操作時間が短縮できる。
【図面の簡単な説明】
図は本発明にかかる除染液の生成方法を実施す
るに好適な装置の一例を示す系統図である。 1……電解槽、2……低酸化状態の金属イオン
を溶解させた酸性溶液、3……陽極、4……陰
極、5……除染槽、6……高酸化状態の金属イオ
ンが溶解した酸性溶液(除染液)、7……被除染
物、8……循環配管、9……循環配管、10……
循環ポンプ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 水溶液中で多価の酸化状態を有する金属の低
    酸化状態の金属化合物を溶解させた濃度が0.01〜
    10.0mol/である酸性溶液に、白金と同等かも
    しくは白金より酸素過電圧を高くして酸素の発生
    を抑制した金属製、金属酸化物製または導電材料
    にこれらの物質をコーテイングした陽極と、白金
    と同等かもしくは白金より水素過電圧を低くして
    水素の発生を促進させた金属製、金属酸化物製ま
    たは導電材料にこれらの物質をコーテイングした
    陰極とを、両電極間に隔壁を介挿させることなく
    浸漬して、前記両極間に電流密度が0.01〜2.0A/
    cm2である電流を流し、前記両極で低酸化状態の金
    属イオンを酸化して高酸化状態の金属イオンを生
    成させることを特徴とする放射性金属廃棄物用除
    染液の生成方法。 2 前記低酸化状態の金属化合物は水または酸に
    溶解し、溶液中で低酸化状態の金属イオンになる
    Ce3+、Cr3+、VO2+のいずれかであることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の放射性金属廃
    棄物用除染液の生成方法。 3 前記高酸化状態の金属イオンは溶液中で
    Ce4+、Cr2O7 2-、VO2 +のいずれかであることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の放射性金
    属廃棄物用除染液の生成方法。 4 前記酸性溶液は、硝酸、硫酸、塩酸、炭酸、
    しゆう酸のいずれかを含む溶液であることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の放射性金属廃
    棄物用除染液の生成方法。
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