JPH0572442B2 - - Google Patents
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- JPH0572442B2 JPH0572442B2 JP61303914A JP30391486A JPH0572442B2 JP H0572442 B2 JPH0572442 B2 JP H0572442B2 JP 61303914 A JP61303914 A JP 61303914A JP 30391486 A JP30391486 A JP 30391486A JP H0572442 B2 JPH0572442 B2 JP H0572442B2
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Landscapes
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は、浸炭用鋼材と製造方法に関するもの
であつて、特に冷間加工性にすぐれ、浸炭処理時
にオーステナイト粒の部分的粗大化による不均一
な焼入歪の発生や疲労などによる機械的性質の劣
化を防止でき、さり軟化焼鈍省略の可能な浸炭用
鋼材の有利な製造方法を提案する。 (従来の技術) 鋼材の浸炭処理は、歯車やシヤフト通の機械構
造用部品の耐摩耗性、耐疲労性の向上を目的とし
て広く実施されているが、高温かつ長時間の処理
を要するため、生産性及び省エネルギーの点で問
題が多い。また、この浸炭処理は、処理コストが
高価であるという以外には品質上の問題点とし
て、浸炭処理による鋼材のオーステナイト粒の混
粒粗大化が挙げられる。この粗大オーステナイト
粒が発生すると、焼入性不均一による部品形状の
歪の発生により、歯車等では歯当りが悪化し寿命
が低下したり、はめ合い不良による部品の矯正加
工が必要となり、いわゆる部品の歩留りを著しく
劣化させる。さらにオーステナイド粒粗大化によ
る機械的性質の劣化や浸炭硬化深さのバラツキ等
の問題も、惹起する。 こうした問題点を防止する方法として、従来か
かるオークテナイト組織の粗大化を制御するた
に、YやAl、Nb、Tiなど結晶粒微細、化元素を
鋼に含有させる方法が提案され実施されている。
例えば、特公昭54−1647号においては、加熱温度
を1150℃以上とし、浸炭処理時に微細に析出して
オーステナイト結晶粒が混粒になるのを抑制する
作用を有すNb、Al化合物(窒化物、炭化物)を
添加してできるだけ多量にオーステナイト中に分
散固溶せしめ、次いで熱間圧延、熱間鍛造等の熱
間加工を施す。なお、この熱間加工は1000℃以上
の高温で終了させ、オーステナイト結晶粒度を粒
度番号No.5以下の粗粒にして冷却する方法であ
り、浸炭時のオーステナイト粒粗大化防止には極
めて有効な方法である。 (発明が解決しようとする問題点) しかしながら、近年、歯車等の加工コスト低減
の目的で冷間鍛造により加工されることが多くな
り、素材の変形能向上の観点から軟化焼鋭や球状
化焼鈍が施される。ところが、こういつた熱処理
が施されると、上述の特公昭54−1647号で開示さ
れる方法では、オーステナイオ粒の粗大化を防止
する析出物(Nb、Al炭窒化物)が熱処理により
大半析出してしまい、その結果がほとんど失なわ
れてしまう。さらに、冷間鍛造による塑性歪がよ
り粗大化を助長することから十分な効果が上げら
れないのが実状であつた。また、冷間鍛造に先立
つて熱処理を施す必要からコスト・アツプも招い
ていた。 本発明の目的は、オーステナイト粒の粗大化阻
止で実現できると共に軟化焼鈍省略の可能な技術
を提案するところにある。 (問題点を解決するための手段) 上掲の目的は、次の事項を要旨構成とする方
法、すなわちオーステナイト粒成長抑制元素とし
てのAlを0.005〜0.07wt%およびNを0.00.〜
0.03wt%少なくとも含有している炭素鋼または低
合金鋼を、1050℃以上の温度に加熱し、仕上圧延
温度950℃以上の熱間圧延を行い、次いで0.001〜
1℃/secの冷却速度を当る徐冷却を行い、フエ
ライト・パーライト組織とすることを特徴とする
浸炭用鋼材の製造方法の採用によつて有利に実現
される。 (作用) 上述した課題解決手段として整理した本発明思
想を主旨とするところは、熱間圧延に先立つて、
1050℃以上の高温加熱をすることにより、浸炭処
理時のオーステナイ粒粗大化防止に有効に働らく
Al窒化物を極力固溶させ、引続いてAl窒化物の
析出を起こらない950℃以上で熱間圧延を行い、
オーステナイト粒を微細化した後、1℃/sec以
下、0.001℃/sec以上の冷却速度である徐冷を行
うことにより、そのままでも冷間加工可能な軟ら
かいフエライト・パーライト組織とすることにあ
る。これは添加されたAl及びNを浸炭処理時ま
でAlNとして析出することを防止し、浸炭時に
その寄与を最大限利用することにある。 以上のごとく本発明では、Al窒化物のオース
テナイト粒成長抑制効果とミクロ組織のフエライ
ト・パーライト化及び直接軟化による中間焼鈍等
の省略により、浸炭時のオーステナイト粒細粒化
を最大限に利用するものであることから、所期の
目的を達成するには、Al及びNの含有量を制御
する必要がある。以下にかかるAl、N含有量限
定の理由について述べる。 Alは、熱間圧延前のオーステナイト粒の成長
を抑制す上で有効であることから添加する。
0.005wt%(以下は「%」で略記する)未満では
この効果が十分に現われない、一方、0.07%を超
えるとAl2O3などの非金属介在物が増加し、冷間
加工性を低下させることから、0.07%を上限とし
た。 Nは、鋼中のAlと結合し、Al窒化物として析
出することによりオーステナイト粒成長抑制効果
示す。この効果を顕著にするには、0.003%以上
の含有が必要である。添加量は多いほど効果が大
きく、また焼入性が向上するため好ましいが、
0.03%を越える効果が飽和することと、コストア
ツプを招くことから上限を0.03%とした。 本発明法に適用にされる鋼としては探炭素鋼及
び低合金鋼で、特に制約されるものではなが、一
般的に肌焼鋼と呼称され、浸炭される鋼であれば
よい。成分組成は、例えば、C:0.05〜0.3%、
Si:0.40%以下、Mn:0.3〜1.8%を含む炭素鋼、
あるいは必要に応じてNi:4.5%以下、Cr:2%
以下、Mo:1%以下、Nb:0.1%以下、V:0.2
%以下およびB:0.005%以下の1種又は2種以
上を含む低合金鋼が好適である。 以上の鋼を常法にて溶製し、1050℃以上の温度
域において加熱する。Al窒化物は1050℃を越え
るとほぼ完全に固溶することから下限を1050℃と
した。 次いで熱間圧延を950℃以上で行う。この工程
は、熱間圧延後の除冷により軟化しなフエライ
ト・パーライト組織を得るための前段階として重
要である。構造用鋼の直接軟化処理方法として
は、例えば、「特開昭58−58235号」で開示されて
いるような圧延温度を750〜1000℃の低温で行い
わゆる制御圧延(コントロールド・ローリング)
法を適用後制御冷却にて製造されることが多い。 要するに、本発明ではこういつた制御圧延法を
採用しないことが特徴である。制御圧延法では、
低温圧延によりオーステナイト粒は再結晶を十分
起すことなく伸長するので粒内に加工歪が蓄積す
る。フエライト・パーライト変態の促進にはこの
状態は極めて有利である。しかし、浸炭処理時の
オーストナイト粒の粗大化抑制作用のあるAl窒
化物の析出も著しく促進されるので抑制効果が低
下してしまう。また、熱間圧延時のオーステナイ
ト粒も非常に微細化されるため得られるフエライ
ト・パーライト組織は微細となることから、冷間
加工時に変形抵抗を上昇をまねく。 このように理由により本発明で、熱間圧延の圧
延仕上温度を下限を950℃とし、Al窒化物析出の
心配のない温度域でオーステナイト粒の微細化を
再結晶を利用して行うのである。 次いで、こうして得られた熱延材を0.001℃/
sec〜1℃/secの冷却速度で除冷し、材ミクロ組
織をフエライト・パーライト組織とする。この場
合冷却速度の上限を1℃/sec以下に限定した理
由は、本発明の対象とする鋼及び圧延条件の範囲
では1℃/secを超えるとマルテンサイト、また
はベイナイトの混入が起り、軟化したフエライ
ト・パーライト組織が得られなためである。一
方、下限を0.001℃/secとした理由は、十分に軟
化したフエライト・パーライト組織が得られるも
のの、長時間を除冷のために加熱設備の強化や生
産性の低下を招き、却つてコスト・アツプとなつ
て好ましくないからである。 (実施例) 以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。 第1表に示した成分組成の鋼No.1〜2を常法に
て溶製し、150mm角ビレツトに分塊圧延し、20mm
φの棒鋼を仕上けるのに際して、第2表に示す加
熱、圧延及び冷却条件にて製造した。その後、ミ
クロ組織観察、圧縮試験における限界圧縮(据
込)率を求めた。また浸炭時のオーステナイト粒
の粗大化状況を調査する目的でガス浸炭(930℃
×4hr→850℃×30分→100℃油冷、カーボン・ポ
テンシヤル=0.85%)処理を行い、オーステナイ
ト粒度及び混粒発生率を調査した。なお、混粒発
生率は試験片のオーステナイト粒を現出させた
後、光学顕微鏡にて50視野観察し、全視野面積に
対する混粒の合計面積の割合で求めた。その結果
を同じく第2表に示す。 第2表におい、供試No.3は、加熱温度が本発明
の限定範囲外にあり、限定圧縮率は高いものの地
のオーステナイト粒も粗く、混粒の発生率が高
い。これに対し、供試No.1、2及び16はオーステ
ナイト粒も細かく、かつ混粒の発生がない。 供試No.5、6、7及び12は、圧延仕上温度が本
発明の限定範囲外にあり、いずれも混粒の発生が
ある。これに対して同じ加熱温度、冷却速度でも
供試No.4では圧延仕上温度が合格しているとこの
ようなことは無い。 供試No.8及び11は、冷却速度は本発明の限定範
囲外であるが、No.8では混粒の発生が認められ
る。No.11はいずれもすぐれた特性を示し問題ない
が、徐冷時間が長大となる過ぎ、生産製、コスト
の点で難があつた。 供試No.13は、供試No.8に軟化焼鈍処理を施こす
従来技術例であるが、オーステナイト粒の粗大化
及び混粒の発生が認められる。 供試No.14は、加熱温度、仕上温度が低く、本発
明の限定範囲外である。これでは限界圧縮率は著
しく高くなるが、混粒の発生が著しい。 供試No.15及び17は、Al、Nのいずれかが本発
明の限定範囲外にあり、いずれも混粒の発生があ
つた。
であつて、特に冷間加工性にすぐれ、浸炭処理時
にオーステナイト粒の部分的粗大化による不均一
な焼入歪の発生や疲労などによる機械的性質の劣
化を防止でき、さり軟化焼鈍省略の可能な浸炭用
鋼材の有利な製造方法を提案する。 (従来の技術) 鋼材の浸炭処理は、歯車やシヤフト通の機械構
造用部品の耐摩耗性、耐疲労性の向上を目的とし
て広く実施されているが、高温かつ長時間の処理
を要するため、生産性及び省エネルギーの点で問
題が多い。また、この浸炭処理は、処理コストが
高価であるという以外には品質上の問題点とし
て、浸炭処理による鋼材のオーステナイト粒の混
粒粗大化が挙げられる。この粗大オーステナイト
粒が発生すると、焼入性不均一による部品形状の
歪の発生により、歯車等では歯当りが悪化し寿命
が低下したり、はめ合い不良による部品の矯正加
工が必要となり、いわゆる部品の歩留りを著しく
劣化させる。さらにオーステナイド粒粗大化によ
る機械的性質の劣化や浸炭硬化深さのバラツキ等
の問題も、惹起する。 こうした問題点を防止する方法として、従来か
かるオークテナイト組織の粗大化を制御するた
に、YやAl、Nb、Tiなど結晶粒微細、化元素を
鋼に含有させる方法が提案され実施されている。
例えば、特公昭54−1647号においては、加熱温度
を1150℃以上とし、浸炭処理時に微細に析出して
オーステナイト結晶粒が混粒になるのを抑制する
作用を有すNb、Al化合物(窒化物、炭化物)を
添加してできるだけ多量にオーステナイト中に分
散固溶せしめ、次いで熱間圧延、熱間鍛造等の熱
間加工を施す。なお、この熱間加工は1000℃以上
の高温で終了させ、オーステナイト結晶粒度を粒
度番号No.5以下の粗粒にして冷却する方法であ
り、浸炭時のオーステナイト粒粗大化防止には極
めて有効な方法である。 (発明が解決しようとする問題点) しかしながら、近年、歯車等の加工コスト低減
の目的で冷間鍛造により加工されることが多くな
り、素材の変形能向上の観点から軟化焼鋭や球状
化焼鈍が施される。ところが、こういつた熱処理
が施されると、上述の特公昭54−1647号で開示さ
れる方法では、オーステナイオ粒の粗大化を防止
する析出物(Nb、Al炭窒化物)が熱処理により
大半析出してしまい、その結果がほとんど失なわ
れてしまう。さらに、冷間鍛造による塑性歪がよ
り粗大化を助長することから十分な効果が上げら
れないのが実状であつた。また、冷間鍛造に先立
つて熱処理を施す必要からコスト・アツプも招い
ていた。 本発明の目的は、オーステナイト粒の粗大化阻
止で実現できると共に軟化焼鈍省略の可能な技術
を提案するところにある。 (問題点を解決するための手段) 上掲の目的は、次の事項を要旨構成とする方
法、すなわちオーステナイト粒成長抑制元素とし
てのAlを0.005〜0.07wt%およびNを0.00.〜
0.03wt%少なくとも含有している炭素鋼または低
合金鋼を、1050℃以上の温度に加熱し、仕上圧延
温度950℃以上の熱間圧延を行い、次いで0.001〜
1℃/secの冷却速度を当る徐冷却を行い、フエ
ライト・パーライト組織とすることを特徴とする
浸炭用鋼材の製造方法の採用によつて有利に実現
される。 (作用) 上述した課題解決手段として整理した本発明思
想を主旨とするところは、熱間圧延に先立つて、
1050℃以上の高温加熱をすることにより、浸炭処
理時のオーステナイ粒粗大化防止に有効に働らく
Al窒化物を極力固溶させ、引続いてAl窒化物の
析出を起こらない950℃以上で熱間圧延を行い、
オーステナイト粒を微細化した後、1℃/sec以
下、0.001℃/sec以上の冷却速度である徐冷を行
うことにより、そのままでも冷間加工可能な軟ら
かいフエライト・パーライト組織とすることにあ
る。これは添加されたAl及びNを浸炭処理時ま
でAlNとして析出することを防止し、浸炭時に
その寄与を最大限利用することにある。 以上のごとく本発明では、Al窒化物のオース
テナイト粒成長抑制効果とミクロ組織のフエライ
ト・パーライト化及び直接軟化による中間焼鈍等
の省略により、浸炭時のオーステナイト粒細粒化
を最大限に利用するものであることから、所期の
目的を達成するには、Al及びNの含有量を制御
する必要がある。以下にかかるAl、N含有量限
定の理由について述べる。 Alは、熱間圧延前のオーステナイト粒の成長
を抑制す上で有効であることから添加する。
0.005wt%(以下は「%」で略記する)未満では
この効果が十分に現われない、一方、0.07%を超
えるとAl2O3などの非金属介在物が増加し、冷間
加工性を低下させることから、0.07%を上限とし
た。 Nは、鋼中のAlと結合し、Al窒化物として析
出することによりオーステナイト粒成長抑制効果
示す。この効果を顕著にするには、0.003%以上
の含有が必要である。添加量は多いほど効果が大
きく、また焼入性が向上するため好ましいが、
0.03%を越える効果が飽和することと、コストア
ツプを招くことから上限を0.03%とした。 本発明法に適用にされる鋼としては探炭素鋼及
び低合金鋼で、特に制約されるものではなが、一
般的に肌焼鋼と呼称され、浸炭される鋼であれば
よい。成分組成は、例えば、C:0.05〜0.3%、
Si:0.40%以下、Mn:0.3〜1.8%を含む炭素鋼、
あるいは必要に応じてNi:4.5%以下、Cr:2%
以下、Mo:1%以下、Nb:0.1%以下、V:0.2
%以下およびB:0.005%以下の1種又は2種以
上を含む低合金鋼が好適である。 以上の鋼を常法にて溶製し、1050℃以上の温度
域において加熱する。Al窒化物は1050℃を越え
るとほぼ完全に固溶することから下限を1050℃と
した。 次いで熱間圧延を950℃以上で行う。この工程
は、熱間圧延後の除冷により軟化しなフエライ
ト・パーライト組織を得るための前段階として重
要である。構造用鋼の直接軟化処理方法として
は、例えば、「特開昭58−58235号」で開示されて
いるような圧延温度を750〜1000℃の低温で行い
わゆる制御圧延(コントロールド・ローリング)
法を適用後制御冷却にて製造されることが多い。 要するに、本発明ではこういつた制御圧延法を
採用しないことが特徴である。制御圧延法では、
低温圧延によりオーステナイト粒は再結晶を十分
起すことなく伸長するので粒内に加工歪が蓄積す
る。フエライト・パーライト変態の促進にはこの
状態は極めて有利である。しかし、浸炭処理時の
オーストナイト粒の粗大化抑制作用のあるAl窒
化物の析出も著しく促進されるので抑制効果が低
下してしまう。また、熱間圧延時のオーステナイ
ト粒も非常に微細化されるため得られるフエライ
ト・パーライト組織は微細となることから、冷間
加工時に変形抵抗を上昇をまねく。 このように理由により本発明で、熱間圧延の圧
延仕上温度を下限を950℃とし、Al窒化物析出の
心配のない温度域でオーステナイト粒の微細化を
再結晶を利用して行うのである。 次いで、こうして得られた熱延材を0.001℃/
sec〜1℃/secの冷却速度で除冷し、材ミクロ組
織をフエライト・パーライト組織とする。この場
合冷却速度の上限を1℃/sec以下に限定した理
由は、本発明の対象とする鋼及び圧延条件の範囲
では1℃/secを超えるとマルテンサイト、また
はベイナイトの混入が起り、軟化したフエライ
ト・パーライト組織が得られなためである。一
方、下限を0.001℃/secとした理由は、十分に軟
化したフエライト・パーライト組織が得られるも
のの、長時間を除冷のために加熱設備の強化や生
産性の低下を招き、却つてコスト・アツプとなつ
て好ましくないからである。 (実施例) 以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。 第1表に示した成分組成の鋼No.1〜2を常法に
て溶製し、150mm角ビレツトに分塊圧延し、20mm
φの棒鋼を仕上けるのに際して、第2表に示す加
熱、圧延及び冷却条件にて製造した。その後、ミ
クロ組織観察、圧縮試験における限界圧縮(据
込)率を求めた。また浸炭時のオーステナイト粒
の粗大化状況を調査する目的でガス浸炭(930℃
×4hr→850℃×30分→100℃油冷、カーボン・ポ
テンシヤル=0.85%)処理を行い、オーステナイ
ト粒度及び混粒発生率を調査した。なお、混粒発
生率は試験片のオーステナイト粒を現出させた
後、光学顕微鏡にて50視野観察し、全視野面積に
対する混粒の合計面積の割合で求めた。その結果
を同じく第2表に示す。 第2表におい、供試No.3は、加熱温度が本発明
の限定範囲外にあり、限定圧縮率は高いものの地
のオーステナイト粒も粗く、混粒の発生率が高
い。これに対し、供試No.1、2及び16はオーステ
ナイト粒も細かく、かつ混粒の発生がない。 供試No.5、6、7及び12は、圧延仕上温度が本
発明の限定範囲外にあり、いずれも混粒の発生が
ある。これに対して同じ加熱温度、冷却速度でも
供試No.4では圧延仕上温度が合格しているとこの
ようなことは無い。 供試No.8及び11は、冷却速度は本発明の限定範
囲外であるが、No.8では混粒の発生が認められ
る。No.11はいずれもすぐれた特性を示し問題ない
が、徐冷時間が長大となる過ぎ、生産製、コスト
の点で難があつた。 供試No.13は、供試No.8に軟化焼鈍処理を施こす
従来技術例であるが、オーステナイト粒の粗大化
及び混粒の発生が認められる。 供試No.14は、加熱温度、仕上温度が低く、本発
明の限定範囲外である。これでは限界圧縮率は著
しく高くなるが、混粒の発生が著しい。 供試No.15及び17は、Al、Nのいずれかが本発
明の限定範囲外にあり、いずれも混粒の発生があ
つた。
【表】
【表】
(発明の効果)
以上の説明および実施例の結果から明らかなご
とく、従来法で製造された浸炭用鋼では混粒の発
生がさけ難くかつ冷間加工に際しては前もつて軟
化焼鈍や球状化焼鈍を要していたのに対し、本発
明によれば、混粒の発生がなく耐粗粒化に優れる
他、軟化焼鈍を省略して直接冷間加工の可能な鋼
材の製造が可能である。
とく、従来法で製造された浸炭用鋼では混粒の発
生がさけ難くかつ冷間加工に際しては前もつて軟
化焼鈍や球状化焼鈍を要していたのに対し、本発
明によれば、混粒の発生がなく耐粗粒化に優れる
他、軟化焼鈍を省略して直接冷間加工の可能な鋼
材の製造が可能である。
Claims (1)
- 1 オーステナイト粒成長抑制元素としてのAl
を0.005〜0.07wt%およびNを0.003〜0.03wt%少
なくとも含有している炭素鋼または低合金鋼を、
1050℃以上の温度に加熱し、仕上圧延温度950℃
以上の熱間圧延を行い、次いで0.001〜1℃/sec
の冷却速度に当る徐冷却を行い、フエライト・パ
ーライト組織とすることを特徴とする浸炭用鋼材
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30391486A JPS63157816A (ja) | 1986-12-22 | 1986-12-22 | 浸炭用鋼材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30391486A JPS63157816A (ja) | 1986-12-22 | 1986-12-22 | 浸炭用鋼材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63157816A JPS63157816A (ja) | 1988-06-30 |
JPH0572442B2 true JPH0572442B2 (ja) | 1993-10-12 |
Family
ID=17926787
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30391486A Granted JPS63157816A (ja) | 1986-12-22 | 1986-12-22 | 浸炭用鋼材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS63157816A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05163525A (ja) * | 1991-12-09 | 1993-06-29 | Sanyo Special Steel Co Ltd | 微細組織を有する結晶粒安定化肌焼用鋼の製造方法 |
JP4716546B2 (ja) * | 2000-07-19 | 2011-07-06 | 三菱製鋼室蘭特殊鋼株式会社 | Vを含有しない熱間鍛造用非調質鋼 |
JP6752624B2 (ja) * | 2016-05-26 | 2020-09-09 | 高周波熱錬株式会社 | 浸炭用鋼の製造方法 |
JP7257351B2 (ja) * | 2020-03-17 | 2023-04-13 | 愛知製鋼株式会社 | 真空浸炭用粗形材及びその製造方法 |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS541647A (en) * | 1977-06-06 | 1979-01-08 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Optical fiber connector |
JPS5529126A (en) * | 1978-08-23 | 1980-03-01 | Hitachi Ltd | Self-protecting type semiconductor controlled rectifying device |
JPS569326A (en) * | 1979-07-03 | 1981-01-30 | Daido Steel Co Ltd | Manufacture of case hardening steel |
JPS5789425A (en) * | 1980-11-20 | 1982-06-03 | Daido Steel Co Ltd | Manufacture of steel for carburizing |
JPS57104626A (en) * | 1980-12-19 | 1982-06-29 | Sumitomo Metal Ind Ltd | Manufacture of fine-grain case-hardening steel |
JPS5816024A (ja) * | 1981-07-21 | 1983-01-29 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 高温浸炭用はだ焼鋼の製造方法 |
JPS58130269A (ja) * | 1982-01-28 | 1983-08-03 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 硬化深さの大きな軟窒化処理物品の製法 |
JPS59123714A (ja) * | 1982-12-30 | 1984-07-17 | Kobe Steel Ltd | オ−ステナイト結晶粒粗大化温度の高い鋼材の製造方法 |
-
1986
- 1986-12-22 JP JP30391486A patent/JPS63157816A/ja active Granted
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS541647A (en) * | 1977-06-06 | 1979-01-08 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Optical fiber connector |
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JPS569326A (en) * | 1979-07-03 | 1981-01-30 | Daido Steel Co Ltd | Manufacture of case hardening steel |
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Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63157816A (ja) | 1988-06-30 |
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