JPH0571446U - 易溶金属浴用転がり軸受 - Google Patents
易溶金属浴用転がり軸受Info
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- JPH0571446U JPH0571446U JP2084892U JP2084892U JPH0571446U JP H0571446 U JPH0571446 U JP H0571446U JP 2084892 U JP2084892 U JP 2084892U JP 2084892 U JP2084892 U JP 2084892U JP H0571446 U JPH0571446 U JP H0571446U
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- ring
- raceway surface
- rolling bearing
- inner ring
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 亜鉛浴中で使用される軸受には、従来スリー
ブ状のすべり軸受が使用されていた。摺動面は、ステラ
イト溶射された硬化層が設けられ、亜鉛酸化物の噛込み
によるロッキングを防止するために、摺動面に間隙を設
けていたが、摺動面の溶損とともに軸受内輪の回転振れ
の原因となっていた。 【構成】 亜鉛浴中で使用される軸受を、総ころ型の円
筒ころ軸受とし、ラジアル内部間隙を調整してかつ内輪
3の外周面にフランジ部32と着脱可能な鍔輪4を設
け、フランジ部32と鍔輪4との間の軌道面31をころ
2の軌道面11より広幅とする。
ブ状のすべり軸受が使用されていた。摺動面は、ステラ
イト溶射された硬化層が設けられ、亜鉛酸化物の噛込み
によるロッキングを防止するために、摺動面に間隙を設
けていたが、摺動面の溶損とともに軸受内輪の回転振れ
の原因となっていた。 【構成】 亜鉛浴中で使用される軸受を、総ころ型の円
筒ころ軸受とし、ラジアル内部間隙を調整してかつ内輪
3の外周面にフランジ部32と着脱可能な鍔輪4を設
け、フランジ部32と鍔輪4との間の軌道面31をころ
2の軌道面11より広幅とする。
Description
【0001】
本考案は、易溶金属浴中、特に溶融亜鉛メッキ浴内に浸漬されて、回転部材を 軸承する転がり軸受に関する。
【0002】
溶融亜鉛メッキ槽内の亜鉛浴中には、図3に示すように、鋼板5を浸漬移送す るロール7が溶融亜鉛6中に浸漬されているが、このロール7の軸は、亜鉛浴中 で浸漬された軸受により軸承されている。
【0003】 亜鉛浴中の温度は、450〜470℃程度であって、従来の軸受は、耐熱性ス テンレス鋼により形成されたすべり軸受であり、内輪・外輪の摺動面は、ステラ イト溶射を行って、高温での硬度を確保して、摺動面に耐磨性が付与されていた 。
【0004】 亜鉛浴中のすべり軸受は、使用中に、亜鉛浴内に巻き込まれて懸濁するフラッ クスや亜鉛酸化物の粒子をすべり面の間隙に巻き込み、すべり面を損傷するので 、内輪・外輪のすべり面間に一定の間隙を設け、溶融亜鉛自体を潤滑剤として使 用される。
【0005】 本出願人は、既に、溶融亜鉛浴中など易溶金属浴中で、耐熱性及び耐蝕性に優 れた特殊鋼による転がり軸受を別願にて提案した。この鋼は、高炭素Cr−Mo 鋼を基礎にして、亜鉛浴温度以上の温度で焼戻して硬化させた焼戻し二次硬化鋼 である。
【0006】
従来のスリーブ状すべり軸受は、本体を耐熱性ステンレス鋼として、摺動面を ステライトの肉盛としているが、溶融亜鉛浴中で、摺動面の溶損・浸食が大きく 、軸受の寿命が短いという問題があった。
【0007】 また、亜鉛酸化物等の噛込みによるロッキングを避けるため、軸受の摺動面間 隙を大きく設定しているため、また摺動面の磨耗・溶損に伴い、鋼板移送用ロー ルに回転振れが生じ、亜鉛メッキ鋼板の仕上がりに品質上の変動が生ずる一因を なしていた。
【0008】 本考案は、以上の問題に鑑み、軸受の長寿命化とともに浴中浸漬ロールの回転 精度を向上させ、更に、軸受の組立作業性にすぐれた亜鉛浴その他易溶金属浴中 での使用に適した軸受を提供しようとするものである。
【0009】
本考案の軸受は、内周面に軌道面を有する外輪と、外周面に軌道面を有する内 輪と、当該外輪の軌道面と当該内輪の軌道面との間に介装されるころ転動体と、 から成る易溶金属浴中に浸漬使用される転がり軸受であって、外輪には、当該外 輪の軌道面を転走するころ転動体を案内する案内鍔が備えられ、内輪には、当該 内輪の軌道面の一方片側にフランジ部が備えられ、他方片側には周溝が形成され て、閉環リング若しくは切欠きリングが当該周溝に嵌合されて鍔輪となし、当該 フランジ部と当該鍔輪との間の当該軌道面幅が、当該ころの長さよりも広幅とさ れたことを特徴とするものである。
【0010】
本考案の軸受の実施例を、図面に基づき説明する。
【0011】 図1は、溶融亜鉛メッキ用の亜鉛浴中で使用される総ころ型円筒ころ軸受の断 面図を示すが、軸受は、軌道輪外輪1と内輪3と、外輪1の内周面の軌道面11 と内輪3の外周面の軌道面31との間に保持された転動体としてのころ2から構 成されている。
【0012】 外輪1は、軌道面11の両側に、ころ2を案内する案内鍔12,12が設けら れ、当該ころ2を抱くように軌道溝13が形成されている。
【0013】 内輪3は、その外周の軌道面31の片側、即ち本例では内輪の一端部にフラン ジ部32が、軌道面31より拡径されて設けられ、他端部には、軸走面31と同 一円周面上に周溝33が刻設されている。
【0014】 当該周溝33には、閉環したリング41が嵌号係止されて、鍔輪4とされてお り、その鍔輪4の外径は、軌道面31より大きく、概ねフランジ部32の外径と 同程度とされている。
【0015】 フランジ部32と鍔輪4とが、軌道面31を転走するころ2の逸脱を阻止して おり、換言すれば、外輪1からの内輪3の抜けを防止しているが、フランジ部3 2と鍔輪4との間の軌道面31の幅は、ころ2の長さより広幅とされ、本例では 約3倍となっている。従って、ころ2は、内輪3の軌道面31の幅の範囲内でス ラスト方向への移動が可能となる。
【0016】 上記の実施例では、鍔輪4を構成するリングに閉環したものを利用して、内輪 3の端部に圧入して、当該周溝33に嵌合したが、これに代えて、図2に示すよ うに、円環の一部が切開されて切欠き部40を設けた切欠きリング41を当該周 溝33に嵌合してもよい。
【0017】 本考案の亜鉛浴用ころ軸受においては、適度のラジアル内部間隙が設けられ、 この間隙は、浴中浮遊の夾雑物、例えば亜鉛化合物・亜鉛酸化物の噛み込みに対 してころ2の逃げを設け、かつ、移走用のロールの回転振れを小さくする。ラジ アル内部間隙は、一例として0.5〜1.5mm程度とされる。
【0018】 本考案の亜鉛浴用転がり軸受は、外輪1、内輪3、転動体2及び鍔輪4のリン グ4は、高速度鋼、例えば、SKH4鋼により成型加工され、油焼入れ後550 〜600℃での高温焼戻しにより、焼戻し二次硬化して、常温でロックウェルC 硬度HRC60程度に調質される。亜鉛浴温度は、470程度であるから亜鉛浴中 での長期の使用においても、軟化し難く、浸漬使用中の軌道面11,31の硬度 を、HRC55には保持できるので、軌道面の耐衝撃性、耐磨耗性が維持でき、か つ高炭素Cr−Mo鋼であるので、対亜鉛耐蝕性がある。
【0019】 他の焼戻し二次硬化鋼としては、C0.5〜0.7%、Si0.8〜2.2% 、Cr3.0〜5.0%、Mo2.1〜3.5%及びV0.7〜2.2%を含有 する鋼が安価でかつ加工性にすぐれているので好適に使用できる。この組成の鋼 も、同様に、金属浴温度以上の高温度での焼戻しによって、二次硬化を示して、 浴中使用下での充分な硬度と耐食性を発揮する。
【0020】 軸受の組立においては、外輪1の転走溝13に必要数のころ2を配置して、内 輪3を装入して後、リング41の鍔輪4を装着する。総コロ方式であっても、鍔 輪4のため、内輪3が抜けることはない。
【0021】 亜鉛浴槽への移送ロールの組み込みに際しては、移送ロールのロール軸を、内 輪3の中空部に挿入して、外輪1を、メッキ槽の軸受ケースに装着するが、内輪 3に対して外輪1は、内輪3の広幅の軌道面31の範囲内でスラスト方向への移 動が可能とされているから、軸受ケースへの装着が極めて容易になし得るのであ る。
【0022】 上記実施例では、溶融亜鉛浴中で使用する転がり軸受を励磁したが、本考案の 転がり軸受は、他の易溶金属浴、例えば、鋼板錫メッキ用の錫浴、半田合金その 他の低融点のろう接合金浴等の金属浴に対しても適宜適用されるものである。
【0023】
本考案の易溶金属浴中で浸漬使用されるころ軸受は、一端にフランジ部を設け た内輪の他端に着脱可能な鍔輪を設けたので、総ころ方式であってもフランジ部 と鍔輪との間の軌道面を転動する転動体の装着組立が容易で、かつ装着後使用中 は、内輪の軸受けからの抜けが確実に防止できる。
【0024】 また、ラジアル内部間隙とともに、ころの長さより内輪の軌道面を広幅とした ので、内輪と外輪のスラスト方向への相対的移動可能として、軸受の浴槽への組 立て作業が極めて容易にすることができ、さらに、内輪の軌道面は、浸漬使用中 にころ前部に懸濁するフラックスや亜鉛酸化物の粒子を含む溶融金属を迂回させ る通路となるので、ころへの懸濁物の噛み込みの頻度を少なくすることができ、 ころや軌道輪の軌道面の磨耗を低減することができる。
【0025】 ころ軸受としたので、ラジアル内部間隙を適当に設定して、亜鉛浴中の上記懸 濁物のころ噛込みを防止し、かつ移走ロールの回転振れを最小限に抑制すること ができ、溶融亜鉛メッキ浴で使用する場合の鋼板のメッキの均質化に寄与するこ とができる。
【図1】本考案の実施例に係る溶融亜鉛メッキ槽中で使
用されるころ軸受の縦断面図。
用されるころ軸受の縦断面図。
【図2】溶融亜鉛メッキ槽中で使用されるころ軸受の鍔
輪における横断面図。
輪における横断面図。
【図3】溶融亜鉛メッキ装置の概念図。
1 外輪 11 軌道面 12 案内鍔 2 ころ 3 内輪 31 軌道面 32 フランジ部 4 鍔輪 7 移送用ロール
Claims (3)
- 【請求項1】 内周面に軌道面を有する外輪と、外周面
に軌道面を有する内輪と、当該外輪の軌道面と当該内輪
の軌道面との間に介装されるころ転動体と、から成る易
溶金属浴中に浸漬使用される転がり軸受において、 外輪には、当該外輪の軌道面を転走するころ転動体を案
内する案内鍔が備えられ、 内輪には、当該内輪の軌道面の一方片側にフランジ部が
備えられ、他方片側には周溝が形成されて、閉環リング
若しくは切欠きリングが当該周溝に嵌合されて鍔輪とな
し、 当該内輪の当該フランジ部と当該鍔輪との間の当該軌道
面幅が、ころの長さよりも広幅とされたことを特徴とす
る易溶金属浴中で浸漬使用される転がり軸受。 - 【請求項2】 上記転がり軸受が、溶融亜鉛メッキ浴中
に浸漬された鋼板移送保持用ロールを軸承する円筒ころ
軸受である請求項1記載の転がり軸受。 - 【請求項3】 上記転がり軸受の外輪、内輪及びころ
が、C0.5〜0.7%、Si0.8〜2.2%、Cr
3.0〜5.0%、Mo2.1〜3.5%及びV0.7
〜2.2%を含有し且つ、焼入れ後少なくとも溶融亜鉛
浴温度以上の高温度で焼戻された鋼によって形成された
請求項2記載の転がり軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2084892U JP2547742Y2 (ja) | 1992-03-06 | 1992-03-06 | 易溶金属浴用転がり軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2084892U JP2547742Y2 (ja) | 1992-03-06 | 1992-03-06 | 易溶金属浴用転がり軸受 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0571446U true JPH0571446U (ja) | 1993-09-28 |
JP2547742Y2 JP2547742Y2 (ja) | 1997-09-17 |
Family
ID=12038511
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2084892U Expired - Fee Related JP2547742Y2 (ja) | 1992-03-06 | 1992-03-06 | 易溶金属浴用転がり軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2547742Y2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001090728A (ja) * | 1999-09-09 | 2001-04-03 | Ina Waelzlager Schaeffler Ohg | ラジアルアキシアル軸受ユニット |
KR101128657B1 (ko) * | 2006-04-20 | 2012-03-26 | 가부시키가이샤 킨요샤 | 요동롤러의 요동방법 |
-
1992
- 1992-03-06 JP JP2084892U patent/JP2547742Y2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2001090728A (ja) * | 1999-09-09 | 2001-04-03 | Ina Waelzlager Schaeffler Ohg | ラジアルアキシアル軸受ユニット |
KR101128657B1 (ko) * | 2006-04-20 | 2012-03-26 | 가부시키가이샤 킨요샤 | 요동롤러의 요동방법 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2547742Y2 (ja) | 1997-09-17 |
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Legal Events
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