JP2547742Y2 - 易溶金属浴用転がり軸受 - Google Patents

易溶金属浴用転がり軸受

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JP2547742Y2
JP2547742Y2 JP2084892U JP2084892U JP2547742Y2 JP 2547742 Y2 JP2547742 Y2 JP 2547742Y2 JP 2084892 U JP2084892 U JP 2084892U JP 2084892 U JP2084892 U JP 2084892U JP 2547742 Y2 JP2547742 Y2 JP 2547742Y2
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善紀 古川
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、易溶金属浴中、特に溶
融亜鉛メッキ浴内に浸漬されて、回転部材を軸承する転
がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融亜鉛メッキ槽内の亜鉛浴中には、図
3に示すように、鋼板5を浸漬移送するロール7が溶融
亜鉛6中に浸漬されているが、このロール7の軸は、亜
鉛浴中で浸漬された軸受により軸承されている。
【0003】亜鉛浴中の温度は、450〜470℃程度
であって、従来の軸受は、耐熱性ステンレス鋼により形
成されたすべり軸受であり、内輪・外輪の摺動面は、ス
テライト溶射を行って、高温での硬度を確保して、摺動
面に耐磨性が付与されていた。
【0004】亜鉛浴中のすべり軸受は、使用中に、亜鉛
浴内に巻き込まれて懸濁するフラックスや亜鉛酸化物の
粒子をすべり面の間隙に巻き込み、すべり面を損傷する
ので、内輪・外輪のすべり面間に一定の間隙を設け、溶
融亜鉛自体を潤滑剤として使用される。
【0005】本出願人は、既に、溶融亜鉛浴中など易溶
金属浴中で、耐熱性及び耐蝕性に優れた特殊鋼による転
がり軸受を別願にて提案した。この鋼は、高炭素Cr−
Mo鋼を基礎にして、亜鉛浴温度以上の温度で焼戻して
硬化させた焼戻し二次硬化鋼である。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】従来のスリーブ状すべ
り軸受は、本体を耐熱性ステンレス鋼として、摺動面を
ステライトの肉盛としているが、溶融亜鉛浴中で、摺動
面の溶損・浸食が大きく、軸受の寿命が短いという問題
があった。
【0007】また、亜鉛酸化物等の噛込みによるロッキ
ングを避けるため、軸受の摺動面間隙を大きく設定して
いるため、また摺動面の磨耗・溶損に伴い、鋼板移送用
ロールに回転振れが生じ、亜鉛メッキ鋼板の仕上がりに
品質上の変動が生ずる一因をなしていた。
【0008】本考案は、以上の問題に鑑み、軸受の長寿
命化とともに浴中浸漬ロールの回転精度を向上させ、更
に、軸受の組立作業性にすぐれた亜鉛浴その他易溶金属
浴中での使用に適した軸受を提供しようとするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本考案の軸受は、内周面
に軌道面を有する外輪と、外周面に軌道面を有する内輪
と、当該外輪の軌道面と当該内輪の軌道面との間に介装
されるころ転動体と、から成る易溶金属浴中に浸漬使用
される転がり軸受であって、外輪には、当該外輪の軌道
面を転走するころ転動体を案内する案内鍔が備えられ、
内輪には、当該内輪の軌道面の一方片側にフランジ部が
備えられ、他方片側には周溝が形成されて、閉環リング
若しくは切欠きリングが当該周溝に嵌合されて鍔輪とな
し、当該フランジ部と当該鍔輪との間の当該軌道面幅
が、当該ころの長さよりも広幅とされたことを特徴とす
るものである。
【0010】
【実施例】本考案の軸受の実施例を、図面に基づき説明
する。
【0011】図1は、溶融亜鉛メッキ用の亜鉛浴中で使
用される総ころ型円筒ころ軸受の断面図を示すが、軸受
は、軌道輪外輪1と内輪3と、外輪1の内周面の軌道面
11と内輪3の外周面の軌道面31との間に保持された
転動体としてのころ2から構成されている。
【0012】外輪1は、軌道面11の両側に、ころ2を
案内する案内鍔12,12が設けられ、当該ころ2を抱
くように軌道溝13が形成されている。
【0013】内輪3は、その外周の軌道面31の片側、
即ち本例では内輪の一端部にフランジ部32が、軌道面
31より拡径されて設けられ、他端部には、軸走面31
と同一円周面上に周溝33が刻設されている。
【0014】当該周溝33には、閉環したリング41が
嵌号係止されて、鍔輪4とされており、その鍔輪4の外
径は、軌道面31より大きく、概ねフランジ部32の外
径と同程度とされている。
【0015】フランジ部32と鍔輪4とが、軌道面31
を転走するころ2の逸脱を阻止しており、換言すれば、
外輪1からの内輪3の抜けを防止しているが、フランジ
部32と鍔輪4との間の軌道面31の幅は、ころ2の長
さより広幅とされ、本例では約3倍となっている。従っ
て、ころ2は、内輪3の軌道面31の幅の範囲内でスラ
スト方向への移動が可能となる。
【0016】上記の実施例では、鍔輪4を構成するリン
グに閉環したものを利用して、内輪3の端部に圧入し
て、当該周溝33に嵌合したが、これに代えて、図2に
示すように、円環の一部が切開されて切欠き部40を設
けた切欠きリング41を当該周溝33に嵌合してもよ
い。
【0017】本考案の亜鉛浴用ころ軸受においては、適
度のラジアル内部間隙が設けられ、この間隙は、浴中浮
遊の夾雑物、例えば亜鉛化合物・亜鉛酸化物の噛み込み
に対してころ2の逃げを設け、かつ、移走用のロールの
回転振れを小さくする。ラジアル内部間隙は、一例とし
て0.5〜1.5mm程度とされる。
【0018】本考案の亜鉛浴用転がり軸受は、外輪1、
内輪3、転動体2及び鍔輪4のリング4は、高速度鋼、
例えば、SKH4鋼により成型加工され、油焼入れ後5
50〜600℃での高温焼戻しにより、焼戻し二次硬化
して、常温でロックウェルC硬度HRC60程度に調質さ
れる。亜鉛浴温度は、470程度であるから亜鉛浴中で
の長期の使用においても、軟化し難く、浸漬使用中の軌
道面11,31の硬度を、HRC55には保持できるの
で、軌道面の耐衝撃性、耐磨耗性が維持でき、かつ高炭
素Cr−Mo鋼であるので、対亜鉛耐蝕性がある。
【0019】他の焼戻し二次硬化鋼としては、C0.5
〜0.7%、Si0.8〜2.2%、Cr3.0〜5.
0%、Mo2.1〜3.5%及びV0.7〜2.2%を
含有する鋼が安価でかつ加工性にすぐれているので好適
に使用できる。この組成の鋼も、同様に、金属浴温度以
上の高温度での焼戻しによって、二次硬化を示して、浴
中使用下での充分な硬度と耐食性を発揮する。
【0020】軸受の組立においては、外輪1の転走溝1
3に必要数のころ2を配置して、内輪3を装入して後、
リング41の鍔輪4を装着する。総コロ方式であって
も、鍔輪4のため、内輪3が抜けることはない。
【0021】亜鉛浴槽への移送ロールの組み込みに際し
ては、移送ロールのロール軸を、内輪3の中空部に挿入
して、外輪1を、メッキ槽の軸受ケースに装着するが、
内輪3に対して外輪1は、内輪3の広幅の軌道面31の
範囲内でスラスト方向への移動が可能とされているか
ら、軸受ケースへの装着が極めて容易になし得るのであ
る。
【0022】上記実施例では、溶融亜鉛浴中で使用する
転がり軸受を励磁したが、本考案の転がり軸受は、他の
易溶金属浴、例えば、鋼板錫メッキ用の錫浴、半田合金
その他の低融点のろう接合金浴等の金属浴に対しても適
宜適用されるものである。
【0023】
【作用及び効果】本考案の易溶金属浴中で浸漬使用され
るころ軸受は、一端にフランジ部を設けた内輪の他端に
着脱可能な鍔輪を設けたので、総ころ方式であってもフ
ランジ部と鍔輪との間の軌道面を転動する転動体の装着
組立が容易で、かつ装着後使用中は、内輪の軸受けから
の抜けが確実に防止できる。
【0024】また、ラジアル内部間隙とともに、ころの
長さより内輪の軌道面を広幅としたので、内輪と外輪の
スラスト方向への相対的移動可能として、軸受の浴槽へ
の組立て作業が極めて容易にすることができ、さらに、
内輪の軌道面は、浸漬使用中にころ前部に懸濁するフラ
ックスや亜鉛酸化物の粒子を含む溶融金属を迂回させる
通路となるので、ころへの懸濁物の噛み込みの頻度を少
なくすることができ、ころや軌道輪の軌道面の磨耗を低
減することができる。
【0025】ころ軸受としたので、ラジアル内部間隙を
適当に設定して、亜鉛浴中の上記懸濁物のころ噛込みを
防止し、かつ移走ロールの回転振れを最小限に抑制する
ことができ、溶融亜鉛メッキ浴で使用する場合の鋼板の
メッキの均質化に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例に係る溶融亜鉛メッキ槽中で使
用されるころ軸受の縦断面図。
【図2】溶融亜鉛メッキ槽中で使用されるころ軸受の鍔
輪における横断面図。
【図3】溶融亜鉛メッキ装置の概念図。
【符号の説明】
1 外輪 11 軌道面 12 案内鍔 2 ころ 3 内輪 31 軌道面 32 フランジ部 4 鍔輪 7 移送用ロール

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周面に軌道面を有する外輪と、外周面
    に軌道面を有する内輪と、当該外輪の軌道面と当該内輪
    の軌道面との間に介装されるころ転動体と、から成る易
    溶金属浴中に浸漬使用される転がり軸受において、 外輪には、当該外輪の軌道面を転走するころ転動体を案
    内する案内鍔が備えられ、 内輪には、当該内輪の軌道面の一方片側にフランジ部が
    備えられ、他方片側には周溝が形成されて、閉環リング
    若しくは切欠きリングが当該周溝に嵌合されて鍔輪とな
    し、 当該内輪の当該フランジ部と当該鍔輪との間の当該軌道
    面幅が、ころの長さよりも広幅とされたことを特徴とす
    る易溶金属浴中で浸漬使用される転がり軸受。
  2. 【請求項2】 上記転がり軸受が、溶融亜鉛メッキ浴中
    に浸漬された鋼板移送保持用ロールを軸承する円筒ころ
    軸受である請求項1記載の転がり軸受。
  3. 【請求項3】 上記転がり軸受の外輪、内輪及びころ
    が、C0.5〜0.7%、Si0.8〜2.2%、Cr
    3.0〜5.0%、Mo2.1〜3.5%及びV0.7
    〜2.2%を含有し且つ、焼入れ後少なくとも溶融亜鉛
    浴温度以上の高温度で焼戻された鋼によって形成された
    請求項2記載の転がり軸受。
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