JPH0571210B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、脱穀機の穀粒選別装置に関するも
ので、大豆用コンバインに搭載する脱穀機に利用
できる。

従来の技術 従来は、例えば、大豆用コンバインに搭載した
脱穀機では、穀粒の供給を受けて回転する一番選
別ベルトコンベアーを傾斜姿勢に配設し、この一
番選別ベルトコンベアーの下降端側を一番受樋の
上方に臨ませると共に、上昇端側を排塵口側に臨
ませ、そして、該コンベアーの下降端側と上昇端
側とに沿つて起風を通過させるようにしたものは
実開昭58−85942号公報によつて知られている。
また、上昇回転する一番選別ベルトコンベアーを
一番受樋の後方直近から後方上方に向けて斜設
し、該一番選別ベルトコンベアー上側の傾斜面に
沿つて後方上部へ向けて通風させるように構成し
たものは実公昭58−44822号公報によつて知られ
ている。

発明が解決しようとする問題点 かかる従来技術のものは、いづれも二番選別ベ
ルトトを有しない構成であり、しかも、二番選別
ベルトコンベアー上側の傾斜面に沿わせて通風す
る構成でもないため、二番物の回収及び良好な選
別作用が期待できない問題があつた。

本発明は、この従来技術の問題点を解消するこ
とを目的とし、次のような技術的手段を講じた。

問題点を解決するための手段 この発明は、移送螺旋を内臓した一番移送樋２
２の後方直近から移送螺旋を内臓した二番移送樋
２３の後方上方にわたる間に位置し穀粒の供給を
受けて上昇回転する一番選別ベルトコンベアー１
と、この一番選別ベルトコンベアー１の下側後方
部に位置し前記二番移送樋２３の後方直近位置か
ら前記一番選別ベルトコンベアー１の終端より後
方位置まで延出される二番選別ベルトコンベアー
２とを上昇回転方向下手側が高位となるよう傾斜
させて設け、該一番選別ベルトコンベアー１の前
方部には起風機３を設け、この起風機３より発生
する起風を、この一番選別ベルトコンベアー１の
上方と、該一番選別ベルトコンベアー１と前記二
番選別ベルトコンベアー２との間において通風さ
せる選別風路４を設けてなる脱穀機の穀粒選別装
置の構成とする。

発明の作用 刈取装置で刈取られた大豆稈は、脱穀機へ供給
されこの脱穀機の脱穀室内で脱穀処理され、脱穀
済み大豆粒とこの脱穀処理のときに発生した稈屑
の一部とが、漏下網より漏下して揺動する選別装
置へ供給され、この選別装置で後方へ揺動移送中
に大豆粒と稈屑とに選別されて、上昇回転する一
番選別ベルトコンベアー１上側面へ選別済み大豆
粒と稈屑の一部とが供給され、この一番選別ベル
トコンベアー１上側面を下方へ流下しながら起風
機３より発生する起風によつて風選され、この風
選済み大豆粒は該一番選別ベルトコンベアー１上
側面の下端部より、移送樋内へ供給され、この移
送樋より昇穀機を経て機外へ排出され回収され
る。

又該起風機３より発生する起風によつて風選さ
れた莢付未脱粒や未熟大豆等の二番物と稈屑と
は、該一番選別ベルトコンベアー１上側面の上端
部より、二番選別ベルトコンベアー２上側面へ供
給され、この二番選別ベルトコンベアー２上側面
を下方へ流下しながら、該起風機３より発生する
起風が選別風路４を経て、該二番選別ベルトコン
ベアー２上側面を通風され、この通風によつて二
番物と稈屑とに風選され、風選済み二番物は該二
番選別ベルトコンベアー２上側面の下端部より、
二番移送樋内へ供給され、この二番移送樋より該
昇穀機を経て機外へ排出回収され、風選済み稈屑
は該起風機３より発生する起風によつて機外へ排
出される。

発明の効果 従つて、この発明によれば、一番物は一番選別
ベルトコンベアとこの上側面を通風する選別風と
によつてよりよい選別効果が期待できるものであ
りながら、特に、一番選別ベルトコンベアー１よ
り二番選別ベルトコンベアー２上側面へ供給され
る二番物は、該二番選別ベルトコンベアー２上側
面を下部へ流下しながら、起風機３より発生する
起風が選別風路４を経て、該二番選別ベルトコン
ベアー２上側面を全面部に亘つて通風することに
より、この二番選別ベルトコンベアー２上側面を
流下中の二番物と稈屑とが確実に風選されること
になり、常に良好な選別作用が期待でき、選別性
能を高めることができるに至つた。

実施例 なお、図例において、大豆用コンバインを実施
例として説明すると、大豆用コンバイン５は下部
にクローラ及びこのクローラを回転駆動する伝動
機構を内蔵するギヤーケース６及び走行装置７を
設け、この走行装置７上側には原動機８、運転席
９及び脱穀機１０等を設けた構成であり、該ギヤ
ーケース６は該原動機８により回転駆動される構
成であり、このギヤーケース６内には左右両側に
設けた該クローラの回転を遮断するクラツチを設
けた構成である。

該脱穀機１０前方部には刈取る大豆稈を分離す
る分離杆１１を設け、この分離杆１１上側にはこ
の分離大豆稈を掻込む五角形状の回転駆動するリ
ールトタイン１２を設け、該分離杆１１後側には
該リールトタイン１２で掻込中の大豆稈を刈取る
刈取装置１３を設け、この刈取装置１３後側には
刈取つた刈取大豆稈を掻込む円板形状で回転駆動
する掻込装置１４を設け、この掻込装置１４後側
には掻込まれた刈取大豆稈を回転駆動により一側
方向へ移送するオーガ１５を設け、このオーガ１
５後側にはこのオーガ１５で一側に移送された刈
取大豆稈を回転駆動により上方後部へ移送してビ
ータフアン１６内へ移送供給する移送装置１７を
設け、該ビータフアン１６で該脱穀機１０内へ刈
取大豆稈を供給する構成である。

前記脱穀機１０内上部には脱穀室１８を形成
し、この脱穀室１８には外周面部に扱歯を配設し
た扱胴１９を軸支し、この扱胴１９下側にはこの
脱穀室１８内で脱穀処理された大豆粒とこの脱穀
処理のときに発生する稈屑の一部とが漏下する漏
下網２０を設け、この漏下網２０下側にはこの漏
下網２０より漏下した大豆粒と稈屑とを受けて後
方へ揺動移送しながら選別する選別装置２１を設
け、この選別装置２１は側面視波形状の移送波
条、選別網及び篩線よりなり、該選別装置２１の
該選別網下側には上昇回転駆動する一番選別ベル
トコンベアー１を下端部が下方へ傾斜する状態に
設け、この一番選別ベルトコンベアー１の下端縁
には、この下端縁と連通する移送螺旋を内蔵して
設けた一番移送樋２２を設け、該一番選別ベルト
コンベアー１の下側後方部には、回転駆動する二
番選別ベルトコンベアー２を、該一番選別ベルト
コンベアー１と平行状でかつ傾斜させて設け、該
二番選別ベルトコンベアー２の下端縁には、この
下端縁と連通する二番移送螺旋を内蔵して設けた
二番移送樋２３を設け、該一番選別ベルトコンベ
アー１前方部には起風機３を設け、この起風機３
は該二番移送樋２３を経て連通する選別風路４を
形成して、この選別風路４を経て該起風機３より
発生する起風は、該二番選別ベルトコンベアー２
上側面を通風する構成とし、又該起風機３より発
生する起風は、該一番移送樋２２を経て該一番選
別ベルトコンベアー１上側面を通風する構成であ
る。

該選別装置２１より該一番選別ベルトコンベア
ー上側面へ供給された大豆粒と稈屑とは、この一
番選別ベルトコンベアー１上側面を下方へ流下中
に、該起風機３より発生する起風によつて風選さ
れ、風選済み大豆粒は該一番移送樋２２内へ供給
され、この一番移送樋２２内の該移送螺旋で一側
部へ移送され、前記脱穀機１０横側に設けた昇穀
機２４内へ供給され、この昇穀機２４内のバケツ
トコンベアーで上部へ搬送されて機外へ排出され
回収される構成であり、又該一番選別ベルトコン
ベアー１上側面で風選された莢付未脱粒や未熟大
豆粒等の二番物と稈屑とは、この一番選別ベルト
コンベアー１上側面の上端部より該二番選別ベル
トコンベアー２上側面へ供給され、この二番選別
ベルトコンベアー２上側面を下方へ流下中に、該
起風機３より発生する起風によつて風選され、風
選済み二番物は該二番移送樋２３内へ供給され、
この二番移送樋２３内の該二番螺旋で一側部へ移
送され、該昇穀機２４内へ供給され、この昇穀機
２４内の該バケツトコンベアーで上部へ搬送され
て機外へ排出され回収される構成であり、又該二
番選別ベルトコンベアー２上側面で風選された稈
屑は、該起風機３より発生する起風によつて機外
へ排出される構成である。

前記脱穀室１８内で発生した排稈と稈屑とは、
この脱穀室１８より排塵室内へ排出され、この排
塵室内の排塵フアン２５で揺動する排塵棚２６上
へ排出され、この排塵棚２６上を後方へ揺動移送
されて機外へ排出される構成である。

大豆稈の刈取り脱穀作業は、操縦者が大豆用コ
ンバイン５の運転席９に搭乗して操作することに
よつて行なわれ、走行は原動機８を回転させるこ
とにより走行装置７のクローラが回転駆動し、こ
のクローラを大豆稈の植付畝に合せて走行させな
がら、前部のリールトタイン１２の回転により刈
取る大豆稈を掻込みながら、この掻込中に刈取装
置１３でこの大豆稈が刈取られ、この刈取大豆稈
を掻込装置１４で掻込みオーガ１５内へ供給さ
れ、このオーガ１５で一側部へ移送され、移送装
置１７で上部へ移送されてビータフアン１６内へ
供給され、このビータフアン１６より脱穀機１０
内の脱穀室１８内へ供給され、この脱穀室１８内
の扱歯で脱穀処理され、脱穀済み大豆粒とこの脱
穀処理のときに発生した稈屑の一部とが漏下網２
０より選別装置２１上へ漏下供給され、この選別
装置２１で後方へ揺動移送中に選別され、選別済
み大豆粒と選別済み稈屑の一部とが、この選別装
置２１の選別網より一番選別ベルトコンベアー１
上側面へ漏下供給され、この上昇回転する一番選
別ベルトコンベアー１上側面を下部へ流下中に、
起風機３より発生する起風によつて風選され、風
選済み大豆粒はこの一番選別ベルトコンベアー１
上側面の下端縁より移送樋２２内へ供給され、こ
の移送樋２２内の移送螺旋で、この移送樋２２を
経て昇穀機２４内へ移送排出され、この昇穀機２
４で上部へ搬送されて機外へ排出され回収され
る。

又該一番選別ベルトコンベアー１上側面で風選
された二番物と稈屑とは、この一番選別ベルトコ
ンベアー１上側面の上端縁より、二番選別ベルト
コンベアー２上側面へ供給され、この回転駆動す
る二番選別ベルトコンベアー２上側面を下方へ流
下中に、該起風機３より発生する起風が選別風路
４を通風することにより風選され、風選済み二番
物はこの二番選別ベルトコンベアー２上側面の下
端縁より二番移送樋２３内へ供給され、この二番
移送樋２３内の二番移送螺旋で、この二番移送樋
２３を経て該昇穀機２４内へ移送排出され、この
昇穀機２４で上部へ搬送されて機外へ排出され回
収される。又風選済み稈屑は該起風機３より発生
する起風によつて機外へ排出される。

前記脱穀室１８内で発生した排稈及び稈屑は、
この脱穀室８内より排塵室内へ排出され、この排
塵室内の排塵フアン２５で揺動する排塵棚２６上
へ排出され、この排塵棚２６上を後方へ揺動移送
されて機外へ排出される。

前記一番選別ベルトコンベアー１上側面の上端
部より、前記二番選別ベルトコンベアー２上側面
へ供給される大豆粒及び稈屑は、この二番選別ベ
ルトコンベアー２上側面を下方へ流下中に、該選
別風路４を経て通風される前記起風機３より発生
する起風によつて風選されることにより、常に安
定した良好な選別性能を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

図は、この発明の一実施例を示すもので、第１
図はその一部の断面せる拡大側面図、第２図は大
豆用コンバインの全体側面図、第３図は大豆用コ
ンバインの全体平面図である。 図中、符号１は一番選別ベルトコンベアー、２
は二番選別ベルトコンベアー、３は起風機、４は
選別風路を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 移送螺旋を内臓した一番移送樋２２の後方直
   近から移送螺旋を内臓した二番移送樋２３の後方
   上方にわたる間に位置し穀粒の供給を受けて上昇
   回転する一番選別ベルトコンベアー１と、この一
   番選別ベルトコンベアー１の下側後方部に位置し
   前記二番移送樋２３の後方直近位置から前記一番
   選別ベルトコンベアー１の終端より後方位置まで
   延出される二番選別ベルトコンベアー２とを上昇
   回転方向下手側が高位となるよう傾斜させて設
   け、該一番選別ベルトコンベアー１の前方部には
   起風機３を設け、この起風機３より発生する起風
   を、この一番選別ベルトコンベアー１の上方と、
   該一番選別ベルトコンベアー１と前記二番選別ベ
   ルトコンベアー２との間において通風させる選別
   風路４を設けてなる脱穀機の穀粒選別装置。