JPH0571123B2 - - Google Patents
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- JPH0571123B2 JPH0571123B2 JP60092208A JP9220885A JPH0571123B2 JP H0571123 B2 JPH0571123 B2 JP H0571123B2 JP 60092208 A JP60092208 A JP 60092208A JP 9220885 A JP9220885 A JP 9220885A JP H0571123 B2 JPH0571123 B2 JP H0571123B2
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- Thin Magnetic Films (AREA)
Description
〈産業上の利用分野〉
本発明は薄膜磁気ヘツドあるいは強磁性薄膜抵
抗素子、例えば磁気スイツチ、各種検出器等に用
いられるFe−Si−Al系合金からなる軟磁性薄膜
用材料に関するものである。 〈従来技術〉 近年、磁気応用分野では磁心が小型化、高周波
化、高密度化する傾向にあり、特に磁気記録分野
では高記録密度化に伴い、狭トラツク、短波長、
高周波帯域の方向にある。例えば固定ヘツド型デ
ジタルオーデイオ、PCM,垂直磁気記録分野等
において、狭トラツク、短波長、及び高周波帯域
の方向に進んでいる。 磁性素子の小型化、高周波化に対しては、軟磁
性材料の薄板、薄帯が利用されつつあるが、十分
に対応できる材料であるとはいえない。そこで注
目されているのが、スパツタ法、蒸着法、メツキ
法等により製造される軟磁性薄膜である。この薄
膜は低周波領域では保磁力、透磁率の点で劣る
が、その形状の有利さから高周波領域では格段に
優れている。すなわち薄膜は、電気抵抗の低い金
属材料に特有のうず電流損失を著しく低減するこ
とが可能であるために、高周波帯域における透磁
率の低下をおさえることができる。 一般に、薄膜材料は薄膜磁性素子の主要構成要
素であり、その中でも軟磁性薄膜は磁性素子の性
能を決定するものである。これには、Ni−Fe系
合金、Fe−Si−Al系合金、さらにはアモルフア
ス系磁性薄膜が試作、検討されている。 〈発明が解決しようとする問題点〉 ところが、上記軟磁性薄膜用材料にはそれぞれ
一長一短があり、これまでの報告では必ずしも満
足のできる結果が得られていない。なかでも、
Fe−Si−Al系合金は、媒体の高抗磁力化に対応
できる飽和磁束密度の高い材料として期待されて
いるにもかかわらず、透磁率、耐蝕性の点に問題
がある。また、この合金は機械的強度が高いが、
薄膜素子、特に薄膜ヘツドとして用いる場合には
膜形成後に微細加工を施す必要があり、取り扱い
の容易さ、加工の容易さの面でより一層機械的強
度を高くする必要がある。 上記問題点および課題を解消し得る軟磁性薄膜
用材料が実現できれば、薄膜磁性素子、特に薄膜
磁気ヘツドの実用化に貢献できる。 従つて本発明はこのような実状に鑑みてなされ
たもので、その主たる目的は透磁率が高く、耐蝕
性に優れ、しかも機械的強度の高い軟磁性薄膜用
材料を提供することにある。 〈問題点を解決するための手段〉 上記目的は軟磁性薄膜用材料の合金組成を、重
量比でSiを4〜12%、Alを3〜8%、Pt,Ru,
及びRh(以下これらを白金族元素と呼ぶ)のうち
一種を1.0%を越え3%まで、及びCe,Y,Dy,
La,Sm、及びGd(以下これらを希土類元素と呼
ぶ)のうち1種もしくは2種以上を0.01〜2%含
み、残部Feとすることににより達成される(以
下、重量%を単に%で示す。) すなわち軟磁性薄膜用材料として、Fe−Si−
Al合金に1.0%を越え3%までの白金族元素と
0.01〜2%の希土類元素を同時に添加することに
より、透磁率、耐蝕性、機械的強度を大きく向上
させることができる。 Si量、Al量がそれぞれ4〜12%、3〜8%の
範囲で透磁率が高くなることが認められ、特に、
Si量、Al量がそれぞれ9〜11%、5〜7%の範
囲でより高透磁率となるのでこの組成範囲である
ことがより好ましい。白金族元素の添加量が1.0
%以下ではその効果が明確でなく、3%を越えて
添加しても耐蝕性、機械的強度、透磁率の飛躍的
な向上は認められない。希土類元素の添加量範囲
についても白金族元素の場合と同様の理由から
0.01〜2%の範囲がよい。 また、本発明の軟磁性薄膜を製造する方法は特
に規定しないが、スパツタ法、蒸着法、メツキ法
等により任意に選択できる。 〈実施例〉 以下、本発明をスパツタ法を用いた実施例によ
り詳しく説明する。 実施例 1 基板として5cm四方のポリイミドフイルムを用
い、この上にスパツタ法により表に示した組成の
合金を厚さ3μm被着した。なお、白金族元素およ
び希土類元素の添加効果を明確にするためにSi量
は10%、Al量は6%と一定にした。これらのス
パツタ膜を分析した結果、表に示した元素の他に
3ppm以下のS、5ppm以下のCが検出された。
S,C等の不純物が多く含まれていると、白金族
元素を添加しても、これらの不純物に起因する孔
食が発生し、また希土類元素の添加はかえつて耐
蝕性を害することになるので好ましくない。ま
た、スパツタ膜の組織観察により第2相の析出は
認められなかつた。膜形成後、非酸化性雰囲気中
で300〜800℃の範囲で熱処理を施し以下の試験に
供した。 まず、これらのスパツタ膜について、耐蝕性試
験を行つた。耐蝕性試験としては塩水噴霧試験法
(JIS Z 2371)を用いた。評価方法は、合金No.
1の腐食面積を100として相対腐食面積を算出し
た。 また、同時に作成した同一組成のスパツタ膜に
ついて引張試験を行い、合金膜にクラツクが発生
するときの強度を測定した。評価方法は合金No.1
の強度を100として相対評価した。 これらの結果を表に示す。この結果より、Fe
−Si−Al合金に白金族元素、1種もしくは2種
以上の希土類元素を同時に添加することにより、
無添加あるいは白金族元素及び希土類元素をそれ
ぞれ単独で添加したFe−Si−Al合金よりも耐蝕
性および機械的強度が向上していることがわかる
(合金No.4〜14)。特に、本試験結果のなかでは合
金No.6(3.0%Ru、0.1%Ce)は合金No.1に比べ耐
蝕性が1/10、強度が1.8倍という良好な特性が得
られている。
抗素子、例えば磁気スイツチ、各種検出器等に用
いられるFe−Si−Al系合金からなる軟磁性薄膜
用材料に関するものである。 〈従来技術〉 近年、磁気応用分野では磁心が小型化、高周波
化、高密度化する傾向にあり、特に磁気記録分野
では高記録密度化に伴い、狭トラツク、短波長、
高周波帯域の方向にある。例えば固定ヘツド型デ
ジタルオーデイオ、PCM,垂直磁気記録分野等
において、狭トラツク、短波長、及び高周波帯域
の方向に進んでいる。 磁性素子の小型化、高周波化に対しては、軟磁
性材料の薄板、薄帯が利用されつつあるが、十分
に対応できる材料であるとはいえない。そこで注
目されているのが、スパツタ法、蒸着法、メツキ
法等により製造される軟磁性薄膜である。この薄
膜は低周波領域では保磁力、透磁率の点で劣る
が、その形状の有利さから高周波領域では格段に
優れている。すなわち薄膜は、電気抵抗の低い金
属材料に特有のうず電流損失を著しく低減するこ
とが可能であるために、高周波帯域における透磁
率の低下をおさえることができる。 一般に、薄膜材料は薄膜磁性素子の主要構成要
素であり、その中でも軟磁性薄膜は磁性素子の性
能を決定するものである。これには、Ni−Fe系
合金、Fe−Si−Al系合金、さらにはアモルフア
ス系磁性薄膜が試作、検討されている。 〈発明が解決しようとする問題点〉 ところが、上記軟磁性薄膜用材料にはそれぞれ
一長一短があり、これまでの報告では必ずしも満
足のできる結果が得られていない。なかでも、
Fe−Si−Al系合金は、媒体の高抗磁力化に対応
できる飽和磁束密度の高い材料として期待されて
いるにもかかわらず、透磁率、耐蝕性の点に問題
がある。また、この合金は機械的強度が高いが、
薄膜素子、特に薄膜ヘツドとして用いる場合には
膜形成後に微細加工を施す必要があり、取り扱い
の容易さ、加工の容易さの面でより一層機械的強
度を高くする必要がある。 上記問題点および課題を解消し得る軟磁性薄膜
用材料が実現できれば、薄膜磁性素子、特に薄膜
磁気ヘツドの実用化に貢献できる。 従つて本発明はこのような実状に鑑みてなされ
たもので、その主たる目的は透磁率が高く、耐蝕
性に優れ、しかも機械的強度の高い軟磁性薄膜用
材料を提供することにある。 〈問題点を解決するための手段〉 上記目的は軟磁性薄膜用材料の合金組成を、重
量比でSiを4〜12%、Alを3〜8%、Pt,Ru,
及びRh(以下これらを白金族元素と呼ぶ)のうち
一種を1.0%を越え3%まで、及びCe,Y,Dy,
La,Sm、及びGd(以下これらを希土類元素と呼
ぶ)のうち1種もしくは2種以上を0.01〜2%含
み、残部Feとすることににより達成される(以
下、重量%を単に%で示す。) すなわち軟磁性薄膜用材料として、Fe−Si−
Al合金に1.0%を越え3%までの白金族元素と
0.01〜2%の希土類元素を同時に添加することに
より、透磁率、耐蝕性、機械的強度を大きく向上
させることができる。 Si量、Al量がそれぞれ4〜12%、3〜8%の
範囲で透磁率が高くなることが認められ、特に、
Si量、Al量がそれぞれ9〜11%、5〜7%の範
囲でより高透磁率となるのでこの組成範囲である
ことがより好ましい。白金族元素の添加量が1.0
%以下ではその効果が明確でなく、3%を越えて
添加しても耐蝕性、機械的強度、透磁率の飛躍的
な向上は認められない。希土類元素の添加量範囲
についても白金族元素の場合と同様の理由から
0.01〜2%の範囲がよい。 また、本発明の軟磁性薄膜を製造する方法は特
に規定しないが、スパツタ法、蒸着法、メツキ法
等により任意に選択できる。 〈実施例〉 以下、本発明をスパツタ法を用いた実施例によ
り詳しく説明する。 実施例 1 基板として5cm四方のポリイミドフイルムを用
い、この上にスパツタ法により表に示した組成の
合金を厚さ3μm被着した。なお、白金族元素およ
び希土類元素の添加効果を明確にするためにSi量
は10%、Al量は6%と一定にした。これらのス
パツタ膜を分析した結果、表に示した元素の他に
3ppm以下のS、5ppm以下のCが検出された。
S,C等の不純物が多く含まれていると、白金族
元素を添加しても、これらの不純物に起因する孔
食が発生し、また希土類元素の添加はかえつて耐
蝕性を害することになるので好ましくない。ま
た、スパツタ膜の組織観察により第2相の析出は
認められなかつた。膜形成後、非酸化性雰囲気中
で300〜800℃の範囲で熱処理を施し以下の試験に
供した。 まず、これらのスパツタ膜について、耐蝕性試
験を行つた。耐蝕性試験としては塩水噴霧試験法
(JIS Z 2371)を用いた。評価方法は、合金No.
1の腐食面積を100として相対腐食面積を算出し
た。 また、同時に作成した同一組成のスパツタ膜に
ついて引張試験を行い、合金膜にクラツクが発生
するときの強度を測定した。評価方法は合金No.1
の強度を100として相対評価した。 これらの結果を表に示す。この結果より、Fe
−Si−Al合金に白金族元素、1種もしくは2種
以上の希土類元素を同時に添加することにより、
無添加あるいは白金族元素及び希土類元素をそれ
ぞれ単独で添加したFe−Si−Al合金よりも耐蝕
性および機械的強度が向上していることがわかる
(合金No.4〜14)。特に、本試験結果のなかでは合
金No.6(3.0%Ru、0.1%Ce)は合金No.1に比べ耐
蝕性が1/10、強度が1.8倍という良好な特性が得
られている。
【表】
【表】
実施例 2
外径10mm、内径6mm、厚さ0.5mmのガラス基板
を用いて、これに実施例−1と同一条件で合金膜
を3μm被着し、同様に熱処理を施した後、5MHz
における実効透磁率を測定した。この結果を表に
示す。表から明らかなように白金族元素、1種も
しくは2種以上の希土類元素を同時に添加すると
実効透磁率は向上していることがわかる。特に、
合金No.6は合金No.1に比べ1.6倍の透磁率が得ら
れている。 なお、希土類元素の添加量は0.01%乃至2.0%
の範囲であれば、相対腐食面積、相対引張強度、
及び実効透磁率ともに向上する。また、Si量、
Al量がそれぞれ4〜12%、3〜8%の範囲で透
磁率が高くなることが認められ、特に、Si量、
Al量がそれぞれ9〜11%、5〜7%の範囲でよ
り高透磁率となる。 〈発明の効果〉 以上説明したように、本発明による軟磁性薄膜
用材料によれば、従来の軟磁性薄膜用材料に比べ
て優れた耐蝕性、機械的強度、高透磁率という実
用的薄膜にとつて欠かすことのできない3つの条
件を同時に満たす高性能薄膜を実現することがで
きる。
を用いて、これに実施例−1と同一条件で合金膜
を3μm被着し、同様に熱処理を施した後、5MHz
における実効透磁率を測定した。この結果を表に
示す。表から明らかなように白金族元素、1種も
しくは2種以上の希土類元素を同時に添加すると
実効透磁率は向上していることがわかる。特に、
合金No.6は合金No.1に比べ1.6倍の透磁率が得ら
れている。 なお、希土類元素の添加量は0.01%乃至2.0%
の範囲であれば、相対腐食面積、相対引張強度、
及び実効透磁率ともに向上する。また、Si量、
Al量がそれぞれ4〜12%、3〜8%の範囲で透
磁率が高くなることが認められ、特に、Si量、
Al量がそれぞれ9〜11%、5〜7%の範囲でよ
り高透磁率となる。 〈発明の効果〉 以上説明したように、本発明による軟磁性薄膜
用材料によれば、従来の軟磁性薄膜用材料に比べ
て優れた耐蝕性、機械的強度、高透磁率という実
用的薄膜にとつて欠かすことのできない3つの条
件を同時に満たす高性能薄膜を実現することがで
きる。
Claims (1)
- 1 重量比でSiを4〜12%、Alを3〜8%、Pt,
Ru,及びRhのうち一種を1.0%を越え3%まで、
Ce,Y,Dy,La,Sm、及びGdのうち1種もし
くは2種以上を0.01〜2%含み、残部Feからなる
軟磁性薄膜用材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9220885A JPS61252615A (ja) | 1985-05-01 | 1985-05-01 | 軟磁性薄膜用材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9220885A JPS61252615A (ja) | 1985-05-01 | 1985-05-01 | 軟磁性薄膜用材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61252615A JPS61252615A (ja) | 1986-11-10 |
JPH0571123B2 true JPH0571123B2 (ja) | 1993-10-06 |
Family
ID=14048025
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9220885A Granted JPS61252615A (ja) | 1985-05-01 | 1985-05-01 | 軟磁性薄膜用材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61252615A (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5779143A (en) * | 1980-11-05 | 1982-05-18 | Hitachi Metals Ltd | Magnetic thin film |
-
1985
- 1985-05-01 JP JP9220885A patent/JPS61252615A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5779143A (en) * | 1980-11-05 | 1982-05-18 | Hitachi Metals Ltd | Magnetic thin film |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61252615A (ja) | 1986-11-10 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |