JPH057076Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ワゴンタイプの自動車などに使用す
る回転シート用のターンテーブル装置に関する。

（従来の技術） 従来、この種回転シート用ターンテーブル装置
は、例えば実開昭59−40135号公報に記載されて
いるごとく、自動車のフロア側にロアパネルを固
定し、該ロアパネルの上部にアツパパネルを回転
自由に支持すると共に、このアツパパネル上にシ
ートを固定して、該シートを前記アツパパネルを
介して前記ロアパネルに対し回転させるようにし
ている。

ところで自動車のシートには、固定式及び回転
式の如何を問わず全てのものにシートベルトを取
付ける必要がある。

しかして前記固定シートにシートベルトを取付
ける場合には、前記シートが移動しないことか
ら、前記シートベルトの一端を支持するシートベ
ルトアンカをフロアなど任意の静止部材に取付け
ることが可能であるが、前記回転シートの場合
に、前記シートベルトを支持するシートベルトア
ンカを前記静止部材に取付けたりすると、前記シ
ートの回転時に、該シートと前記シートベルトア
ンカとの相対位置が変更されて、前記シートベル
トの使用ができなくなる場合がある。

そこで、前記シートを如何なる位置に回転させ
る場合にあつても、前記シートベルトの使用を可
能とするために、前記シート側の可動部材、例え
ば該シートを支持する前記アツパパネルに、前記
シートベルトアンカを取付け、該シートベルトア
ンカに前記シートベルトの一端を支持させること
を考えたのである。

（考案が解決しようとする問題点） ところが前記シートベルトアンカを前記アツパ
パネルに取付ける場合、前記シートベルトアンカ
に大きな荷重がかかつたようなときに、この荷重
が前記アツパパネルを介して該アツパパネルと前
記ロアパネルとの支持部に集中するのであり、従
つて前記シートベルトアンカにかかる荷重を受止
めるために、前記アツパパネルの強度や、該アツ
パネルと前記ロアパネルとの支持部などの強度を
強化する必要があり、前記アツパパネルの重量が
大となつたり、製作コストが高くなるなどの不具
合が考えられるのである。

本考案は以上のごとき問題に鑑みて考案したも
ので、その目的は、アツパパネルにロアシートレ
ールを固定する止め具を有効利用して、全体重量
の軽減や製作コストの低廉を図れながら、前記シ
ートが如何なる回転位置にあつても前記シートベ
ルトの使用が可能な回転シート用のターンテーブ
ル装置を提供することにある。

（問題点を解決するための手段） しかして本考案は、自動車のフロアＦ側に固定
するロアパネル２上に、アツパパネル３を回転自
由に支持して、該アツパパネル３にシートＳを、
前記アツパパネル３に止め具Ｌを介して固定され
るロアシートレール６ａと前記シートＳに固定さ
れるアツパシートレール６ｂとから成るシートト
ラツクを介してスライド可能に支持するようにし
た回転シート用ターンテーブル装置であつて、前
記アツパパネル３にシートベルトアンカ７を設け
ると共に、前記止め具Ｌに、前記ロアパネル２に
向かつて突出する突出軸８ｂと該突出軸８ｂの突
出軸端部に位置する係合フランジ８ａとから成る
係止体８を一体形成して、前記止め具Ｌによる前
記ロアシートレール６ａのアツパパネル３への固
定により前記係止体８を前記アツパパネル３の下
面に取付ける一方、前記ロアパネル２に、前記ア
ツパパネル３の回転時に前記突出軸８ｂの移動を
可能とする通路９ａと、前記係合フランジ８ａの
上方に位置して該係合フランジ８ａの上方への移
動を阻止する阻止片９ｂとを備えたブラケツト９
を固定したことを特徴とするものである。

（作用） 本考案によれば、アツパパネルにロアシートレ
ールを固定する止め具に、突出軸８ｂと係合フラ
ンジ８ａとから成る係止体８を一体形成している
ので、部品点数及び組付工程の削減を図れるのは
勿論のこと、アツパパネルとロアパネルとの間の
狭い〓間でも組付可能である。

しかして前記シートＳは、前記アツパパネル３
を伴いながら前記ロアパネル２に対し所定位置に
自由に回転し、このとき前記アツパパネル３に前
記シートベルトアンカ７が取付けられ、該シート
ベルトアンカ７が前記シートＳと共に追従回転さ
れるため、このシートＳを何如なる位置に回転さ
せる場合にあつても、前記シートベルトアンカ７
に支持するシートベルトの使用が可能となるので
あつて、しかも前記シートベルトアンカ７にかか
る荷重が、前記両パネル２，３の支持部と、前記
係合フランジ８ａと阻止片９ｂの当接部との２箇
所でそれぞれ受止められ、前記アツパパネル３の
強度を強化したりすることなく、前記荷重を確実
に受止めることが可能となる。

（実施例） 以下、本考案にかかる回転シート用ターンテー
ブル装置を図面の実施例によつて説明する。

第１図及び第２図は、１人掛用の回転シートに
適用したターンテーブル装置を示しており、自動
車のフロアＦ上にレツグ１を立設し、該レツグ１
の上部にロアパネル２を一体に固定すると共に、
このロアパネル２上に、中心部位に円形状の開口
部３ａを形成したアツパパネル３を配設する一
方、外周縁部に前記アツパパネル３における開口
部３ａの周縁部に乗上げ状に係合可能とした段部
４ａをもつ支持リング４を形成し、この支持リン
グ４を前記ロアパネル２上に、前記リング４の段
部４ａと前記ロアパネル２との間に前記アツパパ
ネル３における開口部３ａの周縁部が介装される
ごとく、複数の固定リベツトＬを介して固定する
ことにより、前記アツパパネル３を前記ロアパネ
ル２に対し回転可能と成し、このアツパパネル３
の上部に、シートクツシヨンフレーム５を介して
シートＳを支持し、該シートＳの回転時に、前記
アツパパネル３と前記クツシヨンフレーム５とを
前記リング４を中心として追従回転させるように
している。

また前記各図の実施例では、前記アツパパネル
３の上面にシートトラツクを構成するロアシート
レール６ａをボルトＭ及びナツトＮから成る止め
具Ｌを介して一体に取付けると共に、前記シート
Ｓを支持するシートクツシヨンフレーム５の下部
側に、前記ロアシートレール６ａに係合するアツ
パシートレール６ｂを一体に取付け、該アツパシ
ートレール６ｂの前記ロアシートレール６ａに対
する摺動により、前記シートＳを摺動調節可能と
している。

しかして以上の回転シート用ターンテーブル装
置において、前記アツパパネル３の外周側縁部に
上方に向けて膨出する膨出部３ｂを一体に形成し
て、該膨出部３ｂの上面に前記ロアシートレール
６ａを載置して、前記アツパパネル３の下面側か
ら該パネル３及び前記ロアシートレール６ａの下
壁に前記ボルトＭのねじ軸を挿通して、その挿通
端部に前記ナツトＮを螺締することで、前記ロア
シートレール６ａを前記アツパパネル３に固定し
ている。

また前記アツパパネル３における膨出部３ｂの
外側端部に、下方に向けて垂直状に延びる垂直壁
３ｃを一体に形成して、この垂直壁３ｃにシート
ベルトアンカ７を固定し、該シートベルトアンカ
７にシートベルトSBの一端を結合している。

一方、止め具Ｌを構成するボルトＭの頭部に前
記ロアパネル２に向かつて突出する突出軸８ｂと
該突出軸８ｂの突出軸端部に位置する係合フラン
ジ８ａとから成る係止体８を一体形成する一方、
前記アツパパネル３における膨出部３ｂの内方部
位で且つ前記ロアパネル２の上部側に、前記シー
トＳの回転時に前記突出軸８ｂの移動を許す通路
９ａと、前記係合フランジ８ａの上方への移動を
阻止する阻止片９ｂとを備えたブラケツト９を固
定するものであり、このブラケツト９は、該ブラ
ケツト９から前記ロアパネル２と前記レツグ１を
経て下方に延びる固定ボルトＢを介して固定す
る。

前記ブラケツト９は、断面概略矩形筒状とな
し、その上部側に前記係止体８の係合フランジ８
ａに係合して上方への移動を阻止する阻止片９
ｂ，９ｂを形成すると共に、この各阻止片９ｂ間
に前記係止体８における突出軸８ｂの移動を許す
通路９ａを形成する。

更に前記ブラケツト９は、例えばその４個を用
い、該各ブラケツト９を、第３図に示すように、
前記ロアパネル２の四隅部で前記リング４を中心
とする前記アツパパネル３の回転軌跡上にそれぞ
れ配置すると共に、前記係止体８も複数個を設け
るのであり、斯くして前記シートＳを180度又は
360度回転させたときに、前記各係止体８を前記
各ブラケツト９に結合させるごとく成すのであ
る。

次に以上の構成から成るターンテーブル装置の
作用について説明する。

先ず前記回転シートＳの回転時には、前記シー
トクツシヨンフレーム５と前記ロア及びアツパシ
ートレール６ａ，６ｂとを介して前記アツパパネ
ル３が回転し、またこのアツパパネル３と共に前
記シートベルトアンカ７も一体回転するのであ
り、従つて前記シートＳが何如なる箇所に回転位
置された場合にも、前記シートベルトアンカ７に
支持された前記シートベルトSBの使用が可能と
なる。

また前記シートＳを所定箇所まで回転位置させ
たとき、前記止め具Ｌに設けた前記係止体８の係
合フランジ８ａが、前記ロアパネル２側に固定し
た前記ブラケツト９の通路９ａ内に位置されるの
である。従つて前記シートベルトSBを介して前
記シートベルトアンカ７に大きな荷重がかかつた
時、この荷重は、前記ロアパネル２にアツパパネ
ル３を支持する前記支持リング４で受止められる
だけではなく、前記係合フランジ８ａが前記ブラ
ケツト９の阻止片９ｂに当接されることから、前
記係合フランジ８ａと前記阻止片９ｂとの間でも
受止められるのであり、換言すれば前記シートベ
ルトアンカ７にかかる荷重が、前記リング４及
び、前記係合フランジ８ａと阻止片９ｂとの間の
２箇所で受止められるのである。

（考案の効果） 以上説明したように本考案にかかる回転シート
用のターンテーブル装置によれば、アツパパネル
にロアシートレールを固定する止め具に、突出軸
８ｂと係合フランジ８ａとから成る係止体８を一
体形成しているので、部品点数及び組付工程の削
減を図れるのは勿論のこと、アツパパネルとロア
パネルとの間の狭い〓間でも組付ることが出来、
従つてシートのフロアに対する高さが必要以上に
高くなることがないのであり、しかも前記シート
Ｓは、前記アツパパネル３を伴いながら前記ロア
パネル２に対し所定位置に自由に回転し、このと
き前記アツパパネル３に前記シートベルトアンカ
７が取付けられ、該シートベルトアンカ７が前記
シートＳと共に追従回転されるため、このシート
Ｓを何如なる位置に回転させる場合にあつても、
前記シートベルトアンカ７に支持するシートベル
トの使用が可能となるのであつて、しかも前記シ
ートベルトアンカ７にかかる荷重が、前記両パネ
ル２，３の支持部と、前記係合フランジ８ａと阻
止片９ｂの当接部との２箇所でそれぞれ受止めら
れ、前記アツパパネル３の強度を強化したりする
ことなく前記荷重を確実に受止めることが出来、
前記ターンテーブル装置の全体重量を軽減及び製
作コストの低廉を図ることが出来るに至つたので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる回転シート用ターンテ
ーブル装置の斜面図、第２図は同縦断面図、第３
図は同要部の平面図である。 ２……ロアパネル、３……アツパパネル、７…
…シートベルトアンカ、８……係止体、８ａ……
係合フランジ、９……ブラケツト、９ａ……通
路、９ｂ……阻止片、Ｆ……フロア、Ｌ……止め
具、Ｓ……シート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車のフロアＦ側に固定するロアパネル２上
   に、アツパパネル３を回転自由に支持して、該ア
   ツパパネル３にシートＳを、前記アツパパネル３
   に止め具Ｌを介して固定されるロアシートレール
   ６ａと前記シートＳに固定されるアツパシートレ
   ール６ｂとから成るシートトラツクを介してスラ
   イド可能に支持するようにした回転シート用ター
   ンテーブル装置であつて、前記アツパパネル３に
   シートベルトアンカ７を設けると共に、前記止め
   具Ｌに、前記ロアパネル２に向かつて突出する突
   出軸８ｂと該突出軸８ｂの突出軸端部に位置する
   係合フランジ８ａとから成る係止体８を一体形成
   して、前記止め具Ｌによる前記ロアシートレール
   ６ａのアツパパネル３への固定により前記係止体
   ８を前記アツパパネル３の下面に取付ける一方、
   前記ロアパネル２に、前記アツパパネル３の回転
   時に前記突出軸８ｂの移動を可能とする通路９ａ
   と、前記係合フランジ８ａの上方に位置して該係
   合フランジ８ａの上方への移動を阻止する阻止片
   ９ｂとを備えたブラケツト９を固定したことを特
   徴とする回転シート用ターンテーブル装置。