JPH057075U - 釣り竿のリールシート構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 長期に亘って使用しても可動フード等を脱落
させることが無く、しかも、可動フードを強力に固定す
るリールシート構造を合理的に構成する。 【構成】 ガイド溝１０の固定フード側の端部を解放す
る凹部Ｔを固定フード４と可動フード５との間のシート
ベース部６に形成し、ガイド溝１０の反固定フード側の
端部を、該ガイド溝１０に沿う方向からシートベース部
６で閉塞される形状に形成して、案内片の凹部Ｔを介し
たガイド溝１０への挿入を可能に構成し、又、このガイ
ド溝１０の凹部側を閉塞することにより案内片の凹部側
への移動を阻止するストッパー１１、及び、保持面Ｓを
有した保持部材１２夫々を一体形成状態でシートベース
部６に備える。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、リールの脚部の一方を保持する固定フードと、リールの脚部の他方 を保持する可動フードと、この可動フードを所定の位置に保持する固定機構とを 備えると共に、この固定機構を、シートベース部に形成した保持面に係脱操作さ れるロック片を備えて構成し、かつ、シートベース部の両側部夫々に形成された ガイド溝に係入することによってシートベース部からの脱落が阻止される案内片 を、この固定機構、あるいは、前記可動フードの少なくとも一方に形成して成る 釣り竿のリールシート構造の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、上記のように構成されるリールシート構造としては実開平１−１５５３ ６０号公報に示されるものが存在し、この従来例では、リールシート部の上面に 形成された保持面に係脱する状態にロック片を形成し、かつ、このロック片を係 脱操作する揺動型の操作具を備えて成り、又、この従来例ではシートベース部の 両側部にガイド溝が形成され、このガイド溝に係合する案内片を可動フードに形 成してあり、又、このガイド溝は反固定フードの側が解放する形状に形成され、 このリールシートの組み立て時には、可動フードを、このガイド溝の解放側の端 部から挿入するよう構成されている。 尚、現在市販されているこの種のリールシートでは、ガイド溝の解放側から可 動フードが抜け落ちないよう、この側に端部に接着等の手段によりストッパーを 取り付けるものも存在する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ここで、実釣時においてリールシートに対してリールの着脱を行う際の操作に ついて考えるに、この操作時には、リールの脚部とフードとの接触を避けて迅速 な操作を行うよう、可動フードを反固定フードの側の端部まで移動させるのが普 通であり、しかも、この操作時には、この可動フードに比較的強い力が加えられ ることが多い。 しかし、このように可動フードに強い力を加える操作を繰り返して行うと、ガ イド溝の端部にストッパーを備えた構造のものでも、このストッパーが剥離して 可動フードを脱落させることもあり、改善の余地がある。 又、従来からのリールシートについて考えるに、冒頭に記した構造のリールシ ートでは、シートベース部に形成された保持面に対するロック片の係合により可 動フードが固定されるため、この保持面はシートベースと別個に製作された高強 度の部材の取り付けにより形成されることが多い、しかし、この保持面には竿の 軸芯に沿う方向の強い外力が作用するので、この保持面が形成された部材を取り 付ける場合にもガタツキを発生させないよう、強力に固定を行わねばならず、こ の点にも改善の余地がある。 本考案の目的は、長期に亘って使用しても可動フード等を脱落させることが無 く、しかも、可動フードを強力に固定するリールシート構造を合理的に構成する 点にある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案の特徴は、冒頭に記したように、固定フードと、可動フードと、固定機 構とを備え、この固定機構を、保持面に係脱操作されるロック片を備えて構成し 、シートベース部のガイド溝に係入する案内片を、固定機構、あるいは、可動フ ードの少なくとも一方に形成して成る釣り竿のリールシート構造において、 前記ガイド溝の固定フード側の端部を解放する凹部を前記固定フードと可動フ ードとの間のシートベース部に形成し、又、前記ガイド溝の反固定フード側の端 部を、該ガイド溝に沿う方向からシートベース部で閉塞される形状に形成して、 前記案内片の前記凹部を介したガイド溝への挿入を可能に構成し、又、このガイ ド溝の凹部側を閉塞することにより前記案内片の前記凹部側への移動を阻止する ストッパー、及び、前記保持面を有した保持部材夫々を一体形成状態でシートベ ース部に備えて成る点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。

【０００５】

【作用】 上記特徴を例えば図１乃至５に示すように構成すると、実釣時に可動フード５ を反固定フードの側の端部まで移動させる際に可動フード５に比較的強い力が加 えられても、案内片９Ａはシートベース部６に接触して、その移動が阻止される ものとなり、又、このリールシートの組み立て時には可動フード５等の案内片５ Ａ、９Ａを凹部Ｔを介してガイド溝１０に挿入できることになる。

【０００６】 又、このように、案内片５Ａ、９Ａを凹部Ｔを介してガイド溝１０に挿入した 後には、ストッパー１１と保持部材１２とをシートベース部６に取り付けること により、案内片の凹部側への移動が阻止されると共に、ストッパー１１と保持部 材１２とが一体的に形成されているので固定機構Ｒを介して元竿１の軸芯に沿う 方向の外力が作用しても、この保持部材１２とシートベース部６との間、及び、 ストッパー１１とシートベース部６との間で、この外力による変位が阻止される ことになる。

【０００７】 つまり、この構造では、従来のように、ガイド溝１０に対して案内片を反固定 フード側から挿入するものとは逆に、固定フード４の側から挿入し得るので、従 来のように、可動フード５の移動を反固定フードの側の端部で阻止するための手 段を特別に形成する必要が無く、又、ストッパー１１と保持部材１２とが一体的 に形成されるので、可動フード５を脱落させることが無く、又、可動フード５に 強い外力が作用しても保持部材１２の取り付け状態が不良になってガタツキを発 生させることもないのである。

【０００８】

【考案の効果】

従って、長期に亘って使用しても可動フード等を脱落させることが無く、しか も、可動フードを強力に固定し得るリールシート構造が合理的に構成されたので ある。 特に本考案では、ストッパーにより可動フードの前進（固定フード側への移動 ）が阻止されるので、可動フードと固定フードとが比較的離間した状態に維持さ れリールの装着を迅速に行えるという効果を奏し、又、使用時にはリールの脚部 の押圧によりストッパーに脱落を生じ難いという効果も奏する。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図１乃至図５には元竿１に形成されたリールシートを表してあり、このリール シートは、釣り用リール２の脚部３の一方を係合保持する固定フード４と、前記 脚部３の他方を係合保持するべく元竿１の長手方向に沿って移動自在に支持され る可動フード５と、この可動フード５と共に移動する固定機構Ｒとをシートベー ス部６に形成して成っている。

【００１０】 前記固定機構Ｒを、シートベース部６の上面に形成された鋸歯状の保持面Ｓと 係合状態に達して可動フード５の移動を阻止するバネ板製のロック片７と、この ロック片７を係脱操作する揺動型の操作片８と、これらを支持する支持片９とで 構成し、又、シートベース部６の両側部に形成されたガイド溝１０に対して、支 持片９に形成された案内片９Ａ，９Ａ、及び、可動フード５に形成された案内片 ５Ａ，５Ａ夫々を係入させてある。

【００１１】 前記ガイド溝１０，１０の固定フード側の端部を解放する凹部Ｔを前記固定フ ード４と可動フード５との間のシートベース部６に形成し、又、前記ガイド溝１ ０，１０の反固定フード側の端部を、該ガイド溝１０，１０に沿う方向からシー トベース部６で閉塞される形状に形成して、前記案内片５Ａ，５Ａ、９Ａ，９Ａ の前記凹部Ｔを介したガイド溝１０，１０への挿入を可能に構成し、かつ、シー トベース部６との接当により前記案内片９Ａ，９Ａの反固定フード側への移動規 制を行うべく構成し、更に、ガイド溝１０，１０の凹部側を閉塞することにより 前記案内片５Ａ，５Ａ、９Ａ，９Ａの前記凹部側への移動を阻止するストッパー １１、及び、前記保持面Ｓを有した保持部材１２を一体形成状態でシートベース 部６に備えている。

【００１２】 即ち、このリールシートは元竿１の外面に対して金型（図示せず）を配置し、 この金型の内部に樹脂を注入する、所謂、インジェクション成型の手段により元 竿１の外面に対してシートベース部６と一体的に形成され、この形成時に前記固 定フード４、ガイド溝１０，１０、凹部Ｔが成形され、又、リールシートの組み 立て時に、可動フード４、固定機構Ｒ夫々を凹部Ｔを介して固定フード側から挿 入し、この後、可動フード５、固定機構Ｒ夫々の凹部側への脱落を阻止するスト ッパー１１、及び、保持面Ｓを有する保持部材１２の一体形成物を上方（固定フ ードが形成された側）から嵌め込む形態で取り付けている。

【００１３】 〔別実施例〕 本考案は上記実施例以外に、例えば、図６に示すように、元竿の外面に取り付 ける構造のリールシートに適用することも可能であり、このリールシートにおい ても、ストッパー１１と保持部材１２とが一体的に形成される。 又、本考案では元竿と別体に製作される構造のリールシートとして、シートベ ース部を筒状等に形成しておき、元竿に対して接着等の手段により固定する形態 のものにも適用することが可能であり、又、ガイド溝に係入する案内片を可動ガ イド、あるいは、ロック機構の一方に形成しても良い。

【００１４】 尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記 すが、該記入により本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】リールシートの一部切欠き側面図

【図２】ストッパー、保持部材の構造等を表す斜視図

【図３】リールシートの斜視図

【図４】ストッパー等を表す断面図

【図５】ガイド溝等を表す断面図

【図６】別実施例の斜視図

【符号の説明】

２ リール ３ 脚部 ４ 固定フード ５ 可動フード ６ シートベース部 ７ ロック片 １０ ガイド溝 １１ ストッパー １２ 保持部材 Ｒ 固定機構 Ｓ 保持面 Ｔ 凹部

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 リール（２）の脚部（３）の一方を保持
   する固定フード（４）と、リール（２）の脚部（３）の
   他方を保持する可動フード（５）と、この可動フード
   （５）を所定の位置に保持する固定機構（Ｒ）とを備え
   ると共に、この固定機構（Ｒ）を、シートベース部
   （６）に形成した保持面（Ｓ）に係脱操作されるロック
   片（７）を備えて構成し、かつ、シートベース部（６）
   の両側部夫々に形成されたガイド溝（１０）に係入する
   ことによってシートベース部（６）からの脱落が阻止さ
   れる案内片を、この固定機構（Ｒ）、あるいは、前記可
   動フード（５）の少なくとも一方に形成して成る釣り竿
   のリールシート構造であって、前記ガイド溝（１０）の
   固定フード側の端部を解放する凹部（Ｔ）を前記固定フ
   ード（４）と可動フード（５）との間のシートベース部
   （６）に形成し、又、前記ガイド溝（１０）の反固定フ
   ード側の端部を、該ガイド溝（１０）に沿う方向からシ
   ートベース部（６）で閉塞される形状に形成して、前記
   案内片の前記凹部（Ｔ）を介したガイド溝（１０）への
   挿入を可能に構成し、又、このガイド溝（１０）の前記
   凹部側を閉塞することにより前記案内片の凹部側への移
   動を阻止するストッパー（１１）、及び、前記保持面
   （Ｓ）を有した保持部材（１２）夫々を一体形成状態で
   シートベース部（６）に備えて成る釣り竿のリールシー
   ト構造。