JPH0570625A - 吸水性樹脂組成物及びそれを用いてなる吸収性物品 - Google Patents

吸水性樹脂組成物及びそれを用いてなる吸収性物品

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JPH0570625A
JPH0570625A JP3233000A JP23300091A JPH0570625A JP H0570625 A JPH0570625 A JP H0570625A JP 3233000 A JP3233000 A JP 3233000A JP 23300091 A JP23300091 A JP 23300091A JP H0570625 A JPH0570625 A JP H0570625A
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喜一 伊藤
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直子 前川
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 水の存在下で一般式、XR3-n SiYn (式
中、Xは吸水性樹脂の官能基と反応しうる官能基を示
し、Rは有機基を示し、Yは加水分解性基を示し、nは
1〜3の整数である)で表されるシランカップリング剤
で処理された吸水性樹脂と、平均粒子径が0.05μ以
下の超微粒子状の、表面が疎水性でないシリカとからな
る吸水性樹脂組成物及びそれを用いてなる吸収性物品。 【効果】 本発明の吸水性樹脂組成物は、吸水性樹脂本
来の吸水能を損なうことなく、拡散性等の吸収性が大幅
に改善された組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸水性樹脂組成物及び
それを用いてなる吸収性物品に関するものである。更に
詳しくは、本発明は、拡散速度の改良された吸水性樹脂
及びそれを用いてなる吸収性に優れた吸収性物品に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、吸水性樹脂は、生理用品や紙おむ
つ等の衛生材料分野のみならず、止水剤、結露防止剤、
さらに鮮度保持剤、溶剤脱水剤等の産業用途、緑化、農
園芸用途等にも実用化されつつあり、今後、応用範囲は
さらに拡大されていくと思われる合成樹脂である。この
種の吸水性樹脂としては、澱粉−アクリルニトリルグラ
フト共重合体の加水分解物、カルボキシメチルセルロー
ス架橋体、ポリアクリル酸(塩)架橋体、アクリル酸
(塩)−ビニルアルコール共重合体、ポリエチレンオキ
サイド架橋体等が知られている。
【0003】しかしこれらの吸水性樹脂は、そのまゝで
は吸水能が低かったり、或は吸水能が高くても吸水速度
や拡散速度が遅かったり、水と混合した場合にいわゆる
“ままこ”(水膨潤吸水むら)を生ずるなどのために、
効率よく吸水を行わせることができず、吸水に長時間を
必要とするなどの欠点があった。ここで吸水速度とは樹
脂そのものの吸水速度であり、“ままこ”にならないよ
うに吸収させた時の速度である、また拡散速度とは樹脂
粒子全体への液の拡散性を示し、例えば本発明で後述し
たような装置で測定した値で、いわゆる“ままこ”にな
りにくさであり、吸水速度とは異なる。
【0004】吸水性樹脂のこれらの欠点に対して従来か
らいろいろな改良法が提案されているが、有力な手法と
して吸水性樹脂表面近傍を特定の架橋剤と反応させたり
特定の化合物で処理することにより、表面近傍の架橋密
度を高めたり表面を疎水化したりする方法が知られてい
る。
【0005】例えば、吸水性樹脂を多価グリシジル化合
物で処理する方法が特公昭60−18690号公報、特
公昭61−48521号公報、特公昭62−16135
号公報、特開昭60−147475号公報、特開昭60
−163956号公報、特開平2−1841号公報等に
開示されており、吸水性樹脂を多価アルコールで処理す
る方法が特公昭63−19215号公報等に開示されて
おり、又、架橋剤濃度の高いモノマーを吸水性樹脂に含
浸させ表面近傍で重合させる方法が特開平1−1263
14号等に開示されている。また、特開昭61−211
305号公報、特開昭61−252212号公報には吸
水性樹脂をシランカップリング剤で処理する方法が開示
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らが知る限りでは、従来の方法では吸収能力、吸収速
度、拡散速度等全てを満足する吸水性樹脂は得られてい
ない。
【0007】発明が解決しようとする課題は、吸水性樹
脂の吸水能力を低下させることなく、拡散速度を大巾に
改良した吸水性樹脂組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
〔発明の概要〕 <要旨>本発明は、吸水性樹脂の吸水能力を低下させる
ことなく、拡散速度を大巾に改良した吸水性樹脂組成物
を提供するものである。
【0009】本発明者らは、吸水性樹脂の前記の問題点
を解決するために種々検討を重ねた結果、水の存在下で
シランカップリング剤で処理されたカルボキシル基及び
/又はカルボキシレート基を含有する吸水性樹脂とシリ
カとから得られる吸水性樹脂組成物が前記の問題点を解
決することを見い出し本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明は、水の存在下で一般式 XR3-n SiYn (式中、Xは吸水性樹脂の官能基と反
応しうる官能基を示し、Rは有機基を示し、Yは加水分
解性基を示し、かつnは1〜3の整数である)で表わさ
れるシランカップリング剤で処理されたカルボキシル基
及び/又はカルボキシレート基を含有する吸水性樹脂と
平均粒子径が0.05μ以下の超微粒子状の、表面が疎
水性でないシリカとからなる吸水性樹脂組成物及びそれ
を用いてなる吸収性物品である。
【0011】〔発明の具体的説明〕 <吸水性樹脂> 本発明に用いられる吸水性樹脂としては、水の存在下で
一般式 XR3-n SiYn (式中、Xは吸水性樹脂の官能基と反
応しうる官能基を示し、Rは有機基を示し、Yは加水分
解性基を示し、かつnは1〜3の整数である)で表わさ
れるシランカップリング剤で処理されていることが必須
条件である。
【0012】本発明でシランカップリング剤で処理され
る吸水性樹脂としては、カルボキシル基やカルボキシレ
ート基を含有する吸水性樹脂であることが必要である。
かかる吸水性樹脂の例としては、例えばアクリル酸
(塩)重合体、メタクリル酸(塩)重合体、アクリル酸
(塩)/メタクリル酸(塩)共重合体、でん粉/アクリ
ル酸(塩)グラフト共重合体、でん粉/アクリル酸エス
テルグラフト共重合体のケン化物、でん粉/メタクリル
酸エステルグラフト共重合体のケン化物、アクリル酸エ
ステル/酢酸ビニル共重合体のケン化物、メタクリル酸
エステル/酢酸ビニル共重合体のケン化物、でん粉/ア
クリロニトリルグラフト共重合体のケン化物、でん粉/
アクリルアミドグラフト共重合体のケン化物、でん粉/
アクリロニトリル/2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸グラフト共重合体のケン化物、でん粉
/アクリロニトリル/ビニルスルホン酸グラフト共重合
体のケン化物等の各重合体の架橋物、更にアクリル酸で
架橋されたポリエチレンオキシド、ナトリウムカルボキ
シメチルセルロースの架橋物等が挙げられる。
【0013】<シランカップリング剤>本発明では前記
吸水性樹脂は水の存在下シランカップリング剤で処理さ
れていることが重要な特徴である。
【0014】本発明で使用されるシランカップリング剤
は、一般式 XR3-n SiYn (式中、Xは吸水性樹脂の官能基と反応しうる官能基を
示し、Rは有機基を示し、Yは加水分解性基を示し、n
は1〜3の整数である)で表される化合物である。ここ
で吸水性樹脂の官能基と反応しうる官能基Xとしては、
例えばグリシジル基、アミノ基及びメルカプト基などを
含有する有機基があげられ、有機基Rとしては、例えば
メチル基及びエチル基等の低級アルキル基が挙げられ、
また加水分解性基Yとしては、例えばアルコキシ基及び
アセトキシ基などがあげられる。
【0015】そのシランカップリング剤(I)の例とし
ては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β
−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメト
キシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピル
トリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピル
トリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ
−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、オクタデシ
ルジメチル〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕ア
ンモニウムクロライドなどが挙げられる。
【0016】本発明におけるシランカップリング剤の使
用量は、吸水性樹脂の種類、存在せしめる水の量等によ
っても多少ことなってくるが、通常、吸水性樹脂に対し
て0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜3重
量%である。同使用量が少なすぎると吸水速度及びゲル
強度の向上効果が得られなくなるし、多すぎると処理後
の樹脂の吸水倍率が低下する。
【0017】また、本発明においてはシランカップリン
グ剤とともに、さらに一般的にシラノール縮合触媒とし
て知られているジブチル錫ジラウリレート、ジブチル錫
ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート等を添加して
処理をすれば、より効果的に吸水速度の制御された高吸
水性ポリマーを得ることができる。このシラノール縮合
触媒の使用量は、シランカップリング剤に対して、通常
0.1〜500重量%、好ましくは1〜100重量%で
ある。
【0018】<水>本発明における吸水性樹脂のシラン
カップリング剤による処理は、水の存在下で行わせるの
を必須とする。水不存在下でシランカップリング剤処理
をしても所期の目的を達成することができない。水の存
在形態としては、高吸水性ポリマーが予め所定量の水を
含有してなるものでも、水を追加添加してなるものでも
よい。
【0019】本発明における水の存在量は、高吸水性ポ
リマーに対して0.5〜300重量%、好ましくは5〜
100重量%である。水の量が少なすぎると、高吸水性
ポリマーが処理時に膨潤状態にならないために、シラン
カップリング剤との反応が有効に進行せず、処理に長時
間を要するなど、工業的実施上の不利となる。また、水
の量が多すぎると、得られた樹脂のゲル強度は向上する
が、シランカップリング剤による吸水速度の向上効果が
低下し、多量のシランカップリング剤が必要となり、樹
脂の吸水能も低下する。
【0020】<処理の方法>水の存在下のシランカップ
リング剤処理は種々の態様において実施することができ
る。その処理態様例としては、例えば 吸水性樹脂と水とシランカップリング剤との混合物
を、撹拌下反応させる方法、 吸水性樹脂と水とシランカップリング剤との混合物を
不活性溶媒中、スラリー状態で反応させる方法、 吸水性樹脂と水とシランカップリング剤を不活性溶媒
中混合し、不活性溶媒を除去後、反応させる方法、 等が挙げられる。
【0021】これらの各場合において使用する不活性溶
媒として、例えば、メタノール、エタノール等のアルコ
ール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;
ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン、テ
トラヒドロフラン等のエーテル類;nーペンタン、n−
ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、
トルエン、キシレン等の炭化水素類;四塩化炭素、塩化
メチレン、クロロホルム、エチレンジクロライド等のハ
ロゲン化炭化水素類等が挙げられる。これらの不活性溶
媒は、1種類を用いてもよいし、2種類以上を適宜に併
用してもよい。
【0022】この不活性溶媒の使用量は、吸水性樹脂の
種類や不活性溶媒の種類等によっても異なるが、吸水性
樹脂に対して、通常5〜1000重量%、好ましくは1
0〜500重量%である。不活性溶媒の使用量が少ない
と、処理において取り扱う物質量が少なくなり、処理装
置等の容積効率がよくなるが、処理時の吸水性樹脂の分
散性が悪くなり、吸水性能に分布ができるために、効果
的な分散方法が必要となる。また、不活性溶媒の使用量
が多すぎると、処理反応が進行しやすくなる反面におい
て、取り扱う物質量が多くなり、装置等の容積効率が悪
くなり、処理コストが高くなるなど、工業的に不利とな
る。
【0023】本発明における水の存在下のシランカップ
リング剤による処理温度は、シランカップリング剤の種
類、シラノール縮合触媒の量、不活性溶媒の種類と量、
水の存在量、及び吸水性樹脂の種類等によっても異な
り、一概に規定できないが、通常20〜180℃好まし
くは50〜150℃の範囲から適宜に選定される。シラ
ンカップリング剤による処理時間も、一概に規定できな
いが、通常0.5〜6時間の範囲にある。必要に応じて
行われるシランカップリング剤による処理の完結は、処
理温度を例えば100℃以上の高温に保持すること、あ
るいは蒸発により水分を除去することなどにより達成さ
れる。シランカップリング剤により処理された樹脂は、
そのまま、或は、水分を除去して、場合により不活性溶
媒による洗浄が行われる。
【0024】<超微粒子状シリカ及び組成物>本発明に
用いられる超微粒子状シリカは、平均粒子径が0.05
μ以下、好ましくは0.02μ以下の範囲のものであ
る。平均粒子径が0.05μを越えると拡散速度の向上
効果が得られにくく、本発明の効果を充分に発揮させる
ためには、添加量を増やさねばならず、経済的に不利と
なる。
【0025】シランカップリング剤で処理された吸水性
樹脂と超微粒子状シリカとの混合比率は、吸水性樹脂の
粒径や形状によっても異なるが、吸水性樹脂に対して、
通常0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜2.5重
量%である。超微粒子状シリカの混合量が0.05重量
%未満の場合には、充分な効果が得られない。また5重
量%を越える場合には、添加量に見合った効果が得られ
ず、吸水性を損なうこともある。また超微粒子状シリカ
でも、表面を疎水化してあると、拡散速度の向上効果が
得られず、逆に拡散速度を損なうこともある。またシリ
カでなく他の無機粉末を用いた場合にも拡散速度の向上
効果は得られない。
【0026】本発明による組成物は、例えば上記の吸水
性樹脂に、上記特定の超微粒子状シリカの所定量を好ま
しくは均一に混合分散させることにより得ることができ
る。混合分散は、従来公知の種々の方法ないし手段によ
り行うことができるが、一般的に粉末混合に用いられる
混合機を用いれば容易に行うことができる。なお、本発
明の目的と効果を著しく損わない限り、本発明による組
成物に芳香剤、脱臭剤、キレート化剤、殺菌剤等のよう
な第三成分を添加することを排除するものではない。
【0027】このようにして得られる本発明組成物は、
吸水性樹脂本来の吸水諸性能を損なうことなく、拡散速
度を大幅に改良したものなので、各種衛生材料特に使い
捨ておむつや生理用品等に代表される吸収性物品に有効
に使用できる。
【0028】<吸収性物品>本発明による吸水性樹脂組
成物を用いる吸収性物品としては、本発明で後述するよ
うな簡単なものから、市販されているものまで、すべて
の吸収性物品に採用することができる。その一例として
使い捨ておむつのを挙げると、その構造は表面に液透過
性シート、裏面に液不透過性シートからなる使い捨てお
むつであり、両シートの間に位置する吸水性樹脂を含有
する吸水層を設けたものである。
【0029】この吸水層としては、 シート状に加工された2枚の綿状パルプの間に、吸水
性樹脂を均一に散布し、この綿状パルプをエンボス加工
し、ティッシュでくるんだ吸水層、 綿状パルプと吸水性樹脂を均一に混合し、それをティ
ッシュでくるみ、その上に綿状パルプを配し、さらにそ
れをティッシュでくるんだ吸水層、 シート状に加工された3枚の綿状パルプの間に、吸水
性樹脂を均一に2層に散布し、この綿状パルプをエンボ
ス加工し、ティッシュでくるんだ吸水層、 シート状に加工された綿状パルプの間に、吸水性樹脂
を均一に散布し、その上にティッシュを配し、もう一枚
の綿状パルプを載せエンボス加工し、ティッシュでくる
んだ吸水層、 等を挙げることができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるも
のではない。なお、吸水性樹脂組成物の人工尿吸収能、
拡散速度は以下の方法に従い測定した。又、吸水性樹脂
組成物を用いてなる吸収性物品についての評価は下記の
おむつ構成体について、人工尿による吸収時間、戻り量
及び拡散性を測定し、行なった。
【0031】<人工尿組成> 尿素 1.94% 塩化ナトリウム 0.80% 塩化カルシウム 0.06% 硫酸マグネシウム 0.11% 純水 97.09%
【0032】<人工尿吸水能>吸水性樹脂1gを250
メッシュのナイロン袋(20cm×10cmの大きさ)
に入れ、1リットルの上記組成を有する人工尿に30分
浸漬する。(同時にブランクのナイロン袋も浸漬する)
30分後、ナイロン袋を引き上げ15分水切り後重量測
定をし、ブランク補正して、吸水性樹脂1gが吸水した
人工尿の重量を吸液量とした。
【0033】<拡散速度>第1図に示す装置を用いて測
定した。吸水性樹脂1.0gを小穴のあいた支持板の上
の不織布上に置く。下面より人工尿と接触させたときに
吸水性樹脂が人工尿を吸水する量を測定した。開始後2
分間に吸収した人工尿の量をもって拡散速度とした。各
吸水性樹脂組成物の人工尿吸水能、拡散速度を表−2に
示す。
【0034】<吸収性物品についての評価>シート状に
加工された綿状パルプ(坪量150g/m2 、350c
m×120cmの大きさ)を2枚用意し、この間に、各
種吸水性樹脂または吸水性樹脂組成物5gを均一に散布
し、この綿状パルプをエンボス加工し吸水層を構成し
た。この吸水層を2枚のテイッシュ(坪量20g/
2 、350cm×120cmの大きさ)で挟み、下に
ポリエチレンシート、上に市販のおむつより取り外した
トップシートを載せ、ポリエチレンシートとトップシー
トとをヒートシールすることにより、吸収体を作成し
た。
【0035】この後に、中央部から50mlの人工尿を
3回(合計150ml)30分間隔で吸収させ、(3回
目の吸収に要した時間を測定し吸収時間とした)60分
後に50g/cm2 の圧力で3分間に戻ってくる人工尿
を濾紙に吸収させ、吸収された人工尿を戻り量とした。
戻り量測定後吸収体中の吸水性樹脂層での人工尿の拡散
距離を測定し、拡散性とした。吸収時間、戻り量、拡散
性の3つのおむつ構成体の評価を表−2に示した。
【0036】<製造例1>攪拌機、還流冷却機、温度
計、窒素ガス導入管を付設した容量500mlの四つ口
丸底フラスコに、シクロヘキサン121gを入れ、ソル
ビタンモノステアレート0.9gを添加して溶解させた
後、窒素ガスを吹き込み、溶存酸素を追い出した。
【0037】別に、容量300mlのコニカルビーカー
中でアクリル酸45gと水6.4gとの混合液に、氷冷
下、水酸化ナトリウムの25%水溶液70.0gを加え
て、カルボキシル基の70%を中和した。この場合の水
溶液に対するモノマー濃度は、中和後のモノマー濃度と
して45重量%に相当する。次いで、架橋剤としてN,
N′−メチレンビスアクリルアミド0.0048g、次
亜リン酸ナトリウム0.0109g、及び重合開始剤と
して過硫酸カリウム0.0312gを加えて溶解させた
後、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出した。
【0038】前記の四つ口丸底フラスコの内容物に、こ
の容量300mlのコニカルビーカーの内容物を添加
し、攪拌して分散させ、窒素ガスをバブリングさせなが
ら油浴によりフラスコ内温を昇温させたところ、55℃
付近に達してから内温が急激に上昇し、数分後に75℃
に達した。次いで、その内温を65〜70℃に保持し、
且つ攪拌しながら1時間反応させた。尚、攪拌は250
rpmで行った。
【0039】1時間反応後、攪拌を停止すると、湿潤ポ
リマー粒子が丸底フラスコの底に沈降したので、デカン
テーションでシクロヘキサン相と容易に分離できた。得
られた樹脂を減圧乾燥器に移し、80〜90℃に加熱し
て乾燥させ、さらさらとした吸水性樹脂Aを得た。
【0040】<製造例2>製造例1で重合して得られた
樹脂を取り出すことなく、1時間重合後、続けて油浴を
100℃に昇温し4時間かけて共沸脱水を行った。攪拌
を停止すると樹脂粒子が丸底フラスコの底に沈降したの
で、デカンテーションでシクロヘキサン相と容易に分離
できた。得られた湿潤樹脂の含水率を分析した結果、2
2重量%であった。
【0041】次に、回転子を入れた、内容量200ml
のナス型フラスコに、この湿潤ポリマー60g(乾燥ポ
リマー量50g)と、シクロヘキサン60g、シランカ
ップリング剤として、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン0.025g(対ポリマー0.05重量
%)、およびシラノール縮合触媒としてジ−n−ブチル
錫ジラウリレート0.05g(対シランカップリング剤
200重量%)とを添加、混合し、60℃で30分処理
後、105℃に昇温後1時間処理した。得られた樹脂を
減圧乾燥機に移し、80〜90℃に加熱して乾燥させ、
さらさらとした吸水性樹脂Bを得た。
【0042】<製造例3>製造例1で重合して得られた
樹脂50gにメタノール50gを加えて攪拌下に、水1
0gとエチレングリコールジグリシジルエーテル0.0
5gとの混合液を添加混合し、エバポレーターに装着し
105℃に昇温後1時間処理した。得られた樹脂を減圧
乾燥機に移し、80〜90℃に加熱して乾燥させ、さら
さらとした吸水性樹脂Cを得た。
【0043】<製造例4>攪拌機、還流冷却機、温度
計、窒素ガス導入管を付設した容量500mlの四つ口
丸底フラスコに、シクロヘキサン121gを入れ、ソル
ビタンモノステアレート(HLB4.7)0.9gを添
加して溶解させた後、窒素ガスを吹き込み、溶存酸素を
追い出した。
【0044】別に、容量300mlのコニカルビーカー
中でアクリル酸30gと水44.7gとの混合液に、氷
冷下、水酸化ナトリウムの25%水溶液46.7gを加
えて、カルボキシル基の70%を中和した。この場合の
水溶液に対するモノマー濃度は、中和後のモノマー濃度
として45重量%に相当する。次いで、架橋剤として
N,N′−メチレンビスアクリルアミド0.042g及
び重合開始剤として過硫酸カリウム0.104gを加え
て溶解させた後、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い
出した。
【0045】前記の四つ口丸底フラスコの内容物に、こ
の容量300mlのコニカルビーカーの内容物を添加
し、攪拌して分散させ、窒素ガスをバブリングさせなが
ら油浴によりフラスコ内温を昇温させたところ、55℃
付近に達してから内温が急激に上昇し、数分後に73℃
に達した。次いで、その内温を65〜70℃に保持し、
且つ攪拌しながら1時間反応させた。尚、攪拌は250
rpmで行った。
【0046】1時間反応後、攪拌を停止すると、湿潤ポ
リマー粒子が丸底フラスコの底に沈降したので、デカン
テーションでシクロヘキサン相と容易に分離できた。得
られた樹脂を減圧乾燥器に移し、80〜90℃に加熱し
て乾燥させ、さらさらとした吸水性樹脂Dを得た。
【0047】<製造例5>製造例4で重合して得られた
樹脂を取り出すことなく、1時間重合後、続けて油浴を
100℃に昇温し4時間かけて共沸脱水を行った。攪拌
を停止すると樹脂粒子が丸底フラスコの底に沈降したの
で、デカンテーションでシクロヘキサン相と容易に分離
できた。得られた湿潤樹脂の含水率を分析した結果、1
7重量%であった。次に、回転子を入れた、内容量20
0mlのナス型フラスコに、この湿潤ポリマー60g
(乾燥ポリマー量50g)と、シクロヘキサン60g、
シランカップリング剤として、γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン0.025g(対ポリマー0.0
5重量%)、およびシラノール縮合触媒としてジ−n−
ブチル錫ジラウリレート0.05g(対シランカップリ
ング剤200重量%)とを添加、混合し、60℃で30
分処理後、105℃に昇温後1時間処理した。得られた
樹脂を減圧乾燥機に移し、80〜90℃に加熱して乾燥
させ、さらさらとした吸水性樹脂Eを得た。
【0048】<製造例6>製造例1で重合して得られた
樹脂50gにメタノール50gを加えて攪拌下に、水1
0gとエチレングリコールジグリシジルエーテル0.0
5gとの混合液を添加混合し、エバポレーターに装着し
105℃に昇温後1時間処理した。得られた樹脂を減圧
乾燥機に移し、80〜90℃に加熱して乾燥させ、さら
さらとした吸水性樹脂Fを得た。
【0049】<実施例1〜10及び比較例1〜13>前
記製造例1〜6で得られた吸水性樹脂A〜F(100
g)に各種超微粒子状シリカやその他の無機粉末を表−
1に示した量で加え、均一に混合し、吸水性樹脂組成物
を調製した。使用した吸水性樹脂、超微粒子状シリカ又
はその他の無機粉末の種類及び混合量は表−1に示され
る通りである。
【0050】また、表−2は、表−1の吸水性樹脂組成
物又は吸水性樹脂の人工尿吸水能、拡散速度及び該樹脂
組成物又は該樹脂を用いてなる吸収性物品の吸収時間、
戻り量、拡散性を測定した結果を示すものである。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【発明の効果】本発明による吸水性樹脂組成物は、吸水
性樹脂の吸水能力を低下させることなく、拡散速度が大
巾に改良されたものであり、また、それを用いてなる吸
収性物品は優れた吸収性を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】高吸水性ポリマーの吸水速度を測定するために
用いた装置の概略を示す図。
【符号の説明】 1 高吸水性ポリマー(1g) 2 小穴の開いた支持板 3 不織布 4 人工尿 5 ビューレット 6 ゴム栓 7 バルブ 8 バルブ 9 空気入口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 末一 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社四日市総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水の存在下で一般式 XR3-n SiYn (式中、Xは吸水性樹脂の官能基と反
    応しうる官能基を示し、Rは有機基を示し、Yは加水分
    解性基を示し、かつnは1〜3の整数である)で表わさ
    れるシランカップリング剤で処理されたカルボキシル基
    及び/又はカルボキシレート基を含有する吸水性樹脂と
    平均粒子径が0.05μ以下の超微粒子状の、表面が疎
    水性でないシリカとからなる吸水性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 水の存在下で一般式 XR3-n SiYn (式中、Xは吸水性樹脂の官能基と反
    応しうる官能基を示し、Rは有機基を示し、Yは加水分
    解性基を示し、かつnは1〜3の整数である)で表わさ
    れるシランカップリング剤で処理されたカルボキシル基
    及び/又はカルボキシレート基を含有する吸水性樹脂と
    平均粒子径が0.05μ以下の超微粒子状の、表面が疎
    水性でないシリカとからなる吸水性樹脂組成物を用いて
    なる吸収性物品。
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