JPH0570479A - N−ベンジルオキシカルボニル−α−L−アスパルチル−L−フエニルアラニンメチルエステルの製造法 - Google Patents
N−ベンジルオキシカルボニル−α−L−アスパルチル−L−フエニルアラニンメチルエステルの製造法Info
- Publication number
- JPH0570479A JPH0570479A JP23587391A JP23587391A JPH0570479A JP H0570479 A JPH0570479 A JP H0570479A JP 23587391 A JP23587391 A JP 23587391A JP 23587391 A JP23587391 A JP 23587391A JP H0570479 A JPH0570479 A JP H0570479A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- apm
- methyl ester
- phenylalanine methyl
- alpha
- reaction
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Peptides Or Proteins (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 工業的に効率良くアスパルテームを製造する
方法を提供する。 【構成】 有機溶媒中で、L−PM(L−フェニルアラ
ニンメチルエステル)とZ−Asp無水物(N−ベンジ
ルオキシカルボニル−L−アスパラギン酸無水物)とを
反応させZ−α−APM(N−ベンジルオキシカルボニ
ル−α−L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチ
ルエステル)を製造する方法において、反応液中のL−
PM濃度が1%以下になるような条件下で、反応系内の
Z−Asp無水物がL−PMに対して過剰になるよう
に、添加速度をコントロールしながら少量ずつ添加し、
反応させることによりZ−α−APMを高収率で製造す
る。 【効果】 通常の一括挿入法に比べ、α選択率で、Z−
α−APMを製造することができ、以後のα−APM単
離工程の大きな収率改善ができる点で工業的にきわめて
有利なものである。
方法を提供する。 【構成】 有機溶媒中で、L−PM(L−フェニルアラ
ニンメチルエステル)とZ−Asp無水物(N−ベンジ
ルオキシカルボニル−L−アスパラギン酸無水物)とを
反応させZ−α−APM(N−ベンジルオキシカルボニ
ル−α−L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチ
ルエステル)を製造する方法において、反応液中のL−
PM濃度が1%以下になるような条件下で、反応系内の
Z−Asp無水物がL−PMに対して過剰になるよう
に、添加速度をコントロールしながら少量ずつ添加し、
反応させることによりZ−α−APMを高収率で製造す
る。 【効果】 通常の一括挿入法に比べ、α選択率で、Z−
α−APMを製造することができ、以後のα−APM単
離工程の大きな収率改善ができる点で工業的にきわめて
有利なものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、L−フェニルアラニン
メチルエステルとN−ベンジルオキシカルボニル−L−
アスパラギン酸無水物から高選択率でN−ベンジルオキ
シカルボニル−α−Lアスパルチル−L−フェニルアラ
ニンメチルエステルの製造法に関する。
メチルエステルとN−ベンジルオキシカルボニル−L−
アスパラギン酸無水物から高選択率でN−ベンジルオキ
シカルボニル−α−Lアスパルチル−L−フェニルアラ
ニンメチルエステルの製造法に関する。
【0002】α−L−アスパルチル−L−フェニルアラ
ニンメチルエステル(以下、α−APMと略記する。)
は、ジペプチド系甘味料として広く知られ良質な甘味特
性ならびに蔗糖の200倍近い高甘味度を有し、ダイエ
ット甘味剤としてその需要が大きく伸長しているもので
ある。
ニンメチルエステル(以下、α−APMと略記する。)
は、ジペプチド系甘味料として広く知られ良質な甘味特
性ならびに蔗糖の200倍近い高甘味度を有し、ダイエ
ット甘味剤としてその需要が大きく伸長しているもので
ある。
【0003】
【従来の技術】α−APMは、N−保護−L−アスパギ
ン酸無水物とL−フェニルアラニンメチルエステル(以
下、L−PMと略記する。)とを有機溶媒中で縮合反応
させ、N−保護−α−L−アスパルチル−L−フェニル
アラニンメチルエステル(以下、N−保護−α−APM
と略記する。)とし、ついで、この反応生成物からN−
保護基を脱離して目的のα−APMを得る方法が最も一
般的である(USP−3,786,039)。
ン酸無水物とL−フェニルアラニンメチルエステル(以
下、L−PMと略記する。)とを有機溶媒中で縮合反応
させ、N−保護−α−L−アスパルチル−L−フェニル
アラニンメチルエステル(以下、N−保護−α−APM
と略記する。)とし、ついで、この反応生成物からN−
保護基を脱離して目的のα−APMを得る方法が最も一
般的である(USP−3,786,039)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来知られている製造
例においては、目的とするN−保護−α−APM以外
に、その異性体であるN−保護−β−L−アスパルチル
−L−フェニルアラニンメチルエステル(以下、N−保
護−β−APMと略記する。)の副生は避けられない。
例においては、目的とするN−保護−α−APM以外
に、その異性体であるN−保護−β−L−アスパルチル
−L−フェニルアラニンメチルエステル(以下、N−保
護−β−APMと略記する。)の副生は避けられない。
【0005】N−保護−β−APMから得られるβ−A
PMは甘味を持たないためにZ−β−APMの副生は、
最終目的物であるα−APMの収率を低下させる。
PMは甘味を持たないためにZ−β−APMの副生は、
最終目的物であるα−APMの収率を低下させる。
【0006】さらに、目的のα−APMと副生したβ−
L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステ
ル(以下、β−APMと略記する。)の混合物からα−
APMを分離する方法としては、α−APMとβ−AP
Mを水性媒体中、β−レゾルシル酸と接触させ、α−A
PMを難溶性の付加物として、不純物のβ−APMと分
離する方法が知られている(特開昭49−6305)。
L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステ
ル(以下、β−APMと略記する。)の混合物からα−
APMを分離する方法としては、α−APMとβ−AP
Mを水性媒体中、β−レゾルシル酸と接触させ、α−A
PMを難溶性の付加物として、不純物のβ−APMと分
離する方法が知られている(特開昭49−6305)。
【0007】また、α−APMを水性媒体中でハロゲン
化水素酸と接触させることによって、難溶性のα−AP
Mのハロゲン化水素酸塩を生成させ、不純物として共存
するβ−APMを分離する方法も知られている(特開昭
49−41425)。
化水素酸と接触させることによって、難溶性のα−AP
Mのハロゲン化水素酸塩を生成させ、不純物として共存
するβ−APMを分離する方法も知られている(特開昭
49−41425)。
【0008】このように酸の付加物として一旦単離した
α−APMの塩からα−APMを得るために中和工程が
必要である。通常、中和操作はα−APMの塩を水に溶
解して、これに塩基を加えて中和することにより、結晶
として生成したα−APMを分離する方法がとられる。
α−APMの塩からα−APMを得るために中和工程が
必要である。通常、中和操作はα−APMの塩を水に溶
解して、これに塩基を加えて中和することにより、結晶
として生成したα−APMを分離する方法がとられる。
【0009】しかし、これらの方法では、水溶液中にか
なりの量のα−APMを失うために、収率が低くなる。
また、この方法で単離したα−APMは、塩類を多く含
んでおり、最終製品にするために、再結晶や脱塩等の操
作が必要であり、さらに収率が低下する。
なりの量のα−APMを失うために、収率が低くなる。
また、この方法で単離したα−APMは、塩類を多く含
んでおり、最終製品にするために、再結晶や脱塩等の操
作が必要であり、さらに収率が低下する。
【0010】我々は、先に、30重量%以下のベンジル
オキシカルボニル−β−L−アスパルチル−L−フェニ
ルアラニンメチルエステルを含むベンジルオキシカルボ
ニル−β−L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメ
チルエステルの水懸濁液を白金族触媒の存在下水素でか
んげんした後、生成したα−L−アスパルチル−L−フ
ェニルアラニンメチルエステルを完全に溶解する温度で
触媒を分離し、その瀘洗液をβ−L−アスパルチル−L
−フェニルアラニンメチルエステルが析出しない温度ま
で冷却し、析出したα−L−アスパルチル−L−フェニ
ルアラニンメチルエステルを分離して、続いて水溶媒で
再結晶精製を行うとともに、この再結晶瀘洗液を上記懸
濁液に循環使用するα−L−アスパルチル−L−フェニ
ルアラニンメチルエステルの製造方法を見出し出願し
た。
オキシカルボニル−β−L−アスパルチル−L−フェニ
ルアラニンメチルエステルを含むベンジルオキシカルボ
ニル−β−L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメ
チルエステルの水懸濁液を白金族触媒の存在下水素でか
んげんした後、生成したα−L−アスパルチル−L−フ
ェニルアラニンメチルエステルを完全に溶解する温度で
触媒を分離し、その瀘洗液をβ−L−アスパルチル−L
−フェニルアラニンメチルエステルが析出しない温度ま
で冷却し、析出したα−L−アスパルチル−L−フェニ
ルアラニンメチルエステルを分離して、続いて水溶媒で
再結晶精製を行うとともに、この再結晶瀘洗液を上記懸
濁液に循環使用するα−L−アスパルチル−L−フェニ
ルアラニンメチルエステルの製造方法を見出し出願し
た。
【0011】しかしこの方法においても、水からα−A
PMを分離する工程でβ−APMと同量のα−APMを
ロスする欠点が有り、縮合工程におけるβ体の生成を減
らすことは、α体の生成率の増加に加えて、精製ロスの
低下をもたらすため二重の効果が期待できる。
PMを分離する工程でβ−APMと同量のα−APMを
ロスする欠点が有り、縮合工程におけるβ体の生成を減
らすことは、α体の生成率の増加に加えて、精製ロスの
低下をもたらすため二重の効果が期待できる。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる欠
点を克服すべく鋭意検討した結果、驚くべきことに、有
機溶媒中で、L−PMとN−ベンジルオキシカルボニル
−L−アスパラギン酸無水物(以下、Z−Asp無水物
と略記する。)とを反応させN−ベンジルオキシカルボ
ニル−α−Lアスパルチル−L−フェニルアラニンメチ
ルエステル(以下、Z−α−APM略記する。)を製造
する方法において、反応液中のL−PM濃度が1%以下
になるような条件下で反応させ、系内のZ−Asp無水
物がL−PMに対して過剰になるように添加速度をコン
トロールしながら少量ずつ添加し、反応させることによ
り、目的とするα選択率が飛躍的に向上することを見出
し、本発明を完成するに至った。
点を克服すべく鋭意検討した結果、驚くべきことに、有
機溶媒中で、L−PMとN−ベンジルオキシカルボニル
−L−アスパラギン酸無水物(以下、Z−Asp無水物
と略記する。)とを反応させN−ベンジルオキシカルボ
ニル−α−Lアスパルチル−L−フェニルアラニンメチ
ルエステル(以下、Z−α−APM略記する。)を製造
する方法において、反応液中のL−PM濃度が1%以下
になるような条件下で反応させ、系内のZ−Asp無水
物がL−PMに対して過剰になるように添加速度をコン
トロールしながら少量ずつ添加し、反応させることによ
り、目的とするα選択率が飛躍的に向上することを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0013】本発明の方法において用いられるL−PM
はL−フェニルアラニンを酸触媒の存在下にメチルエス
テル化することにより得られるので、通常、酸との付加
塩の形で得られ、酸を中和した後、下記有機溶媒で抽出
すれば、それを直接反応に供することができる。L−P
Mの濃度としては特に制限はない。
はL−フェニルアラニンを酸触媒の存在下にメチルエス
テル化することにより得られるので、通常、酸との付加
塩の形で得られ、酸を中和した後、下記有機溶媒で抽出
すれば、それを直接反応に供することができる。L−P
Mの濃度としては特に制限はない。
【0014】本発明の方法において用いられるZ−As
p無水物は、例えば、N−ベンジルオキシカボニル−L
−アスパラギン酸を、有機溶媒に溶解、もしくは懸濁
し、脱水剤を作用せしめることにより得られることは公
知である。
p無水物は、例えば、N−ベンジルオキシカボニル−L
−アスパラギン酸を、有機溶媒に溶解、もしくは懸濁
し、脱水剤を作用せしめることにより得られることは公
知である。
【0015】本発明の方法において用いられる反応溶媒
としては、反応物及び生成物に特に活性なものでなけれ
ば、いかなる溶媒も用いることができる。ベンゼン・ト
ルエン・キシレン等の芳香族炭化水素類,ジクロルメタ
ン・1.2−ジクロルエタンクロロホルム・四塩化炭素
等の塩素化炭化水素類,テトラヒドロフラン・ジオキサ
ン等のエーテル類,アセトニトリル・プロピオニトリル
等のニトリル類,酢酸エチル・酢酸n−ブチル・プロピ
オン酸メチル等のエステル類,アセトン・メチルエチル
ケトン等のケトン類などが代表的なものであり、これら
のうちの任意の2種類以上からなる混合溶媒を使用する
こともできる。特にトルエン等の芳香族炭化水素類,酢
酸nブチル等のエステル類が好ましい。また、溶媒は、
Z−APMを含んでいても良い。
としては、反応物及び生成物に特に活性なものでなけれ
ば、いかなる溶媒も用いることができる。ベンゼン・ト
ルエン・キシレン等の芳香族炭化水素類,ジクロルメタ
ン・1.2−ジクロルエタンクロロホルム・四塩化炭素
等の塩素化炭化水素類,テトラヒドロフラン・ジオキサ
ン等のエーテル類,アセトニトリル・プロピオニトリル
等のニトリル類,酢酸エチル・酢酸n−ブチル・プロピ
オン酸メチル等のエステル類,アセトン・メチルエチル
ケトン等のケトン類などが代表的なものであり、これら
のうちの任意の2種類以上からなる混合溶媒を使用する
こともできる。特にトルエン等の芳香族炭化水素類,酢
酸nブチル等のエステル類が好ましい。また、溶媒は、
Z−APMを含んでいても良い。
【0016】反応形式は、バッチ法でも良いし、連続法
でもかまわない。バッチ法の場合、Z−Asp無水物を
含んだ溶液にL−PMを滴下しても良いし、両者を同時
に滴下する方法でも良いが、後の方法が好ましい。L−
PMの添加速度は、縮合反応の速度を考慮してコントロ
ールする必要があり、系内のL−PM濃度が1%以下と
なるような速度にしなければならない。溶液中のL−P
M濃度は、反応液をHLC等の分析装置で分析しても良
い。また、市販のガラス複合電極を備えたpHメーター
により、その指示値を指標として、添加速度をコントロ
ールすることもできる。pHメーターの指示値が3.0
以下であるようにL−PM溶液を添加することが好まし
い。
でもかまわない。バッチ法の場合、Z−Asp無水物を
含んだ溶液にL−PMを滴下しても良いし、両者を同時
に滴下する方法でも良いが、後の方法が好ましい。L−
PMの添加速度は、縮合反応の速度を考慮してコントロ
ールする必要があり、系内のL−PM濃度が1%以下と
なるような速度にしなければならない。溶液中のL−P
M濃度は、反応液をHLC等の分析装置で分析しても良
い。また、市販のガラス複合電極を備えたpHメーター
により、その指示値を指標として、添加速度をコントロ
ールすることもできる。pHメーターの指示値が3.0
以下であるようにL−PM溶液を添加することが好まし
い。
【0017】添加時間は、系内のL−PM消費速度に合
わせて調整するが、通常、1〜3時間で行う。30分以
下で添加を行うと反応液中の未反応L−PMが増加し、
α選択率の低下きたし好ましくない。
わせて調整するが、通常、1〜3時間で行う。30分以
下で添加を行うと反応液中の未反応L−PMが増加し、
α選択率の低下きたし好ましくない。
【0018】添加温度および反応温度は、生成物のラセ
ミ化を極力抑制する観点より100℃以下、好ましくは
80℃以下であり、温度は低いほどα選択率が高くな
る。
ミ化を極力抑制する観点より100℃以下、好ましくは
80℃以下であり、温度は低いほどα選択率が高くな
る。
【0019】Z−Asp無水物とL−PMの添加が終了
した後の反応時間には特に制限はないが、反応を完結さ
せるために、数時間保持するのが普通である。反応温度
にもよるが通常は6時間以内で充分である。
した後の反応時間には特に制限はないが、反応を完結さ
せるために、数時間保持するのが普通である。反応温度
にもよるが通常は6時間以内で充分である。
【0020】Z−Asp無水物とL−PMのモル比は、
0.8〜1.2の範囲が好ましい。反応は、ほぼ定量的
に進行し、一方を過剰に用いた場合は、その分が無駄に
なり経済的ではない。
0.8〜1.2の範囲が好ましい。反応は、ほぼ定量的
に進行し、一方を過剰に用いた場合は、その分が無駄に
なり経済的ではない。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明の方法を詳しく説
明する。
明する。
【0022】実施例1 1000mlの攪拌装置付の反応容器にN−ベンジルカ
ルボキシ−L−アスパラギン酸133.61g(0.5
0モル),無水酢酸56.15g(0.55モル)及び
トルエン400gを混合し、攪拌下に55℃で3時間反
応させた。得られた反応液を30℃まで冷却した後、濾
過し、トルエン洗浄後、乾燥し、Z−Asp無水物の結
晶109.7g(0.44モル)を得た。
ルボキシ−L−アスパラギン酸133.61g(0.5
0モル),無水酢酸56.15g(0.55モル)及び
トルエン400gを混合し、攪拌下に55℃で3時間反
応させた。得られた反応液を30℃まで冷却した後、濾
過し、トルエン洗浄後、乾燥し、Z−Asp無水物の結
晶109.7g(0.44モル)を得た。
【0023】300mlの攪拌装置付の反応容器に酢酸
n−ブチル38.3gを入れ3℃に冷却した後に、Z−
Asp無水物の結晶12.84g(0.0515モル)
を65gの酢酸n−ブチルに加えて溶解させた溶液の滴
下を先行させながら、並行してL−フェニルアラニンメ
チルエステル8.96g(0.05モル)含む酢酸n−
ブチル66.0gとを同時に滴下し、経時的にサンプリ
ングしてL−PMの濃度が1%以下であることを確認
し、さらに、池田製作所製のガラス電極pHメ−タ(型
式PT−3S)の指示値を3.0以下にコントロールし
ながら2時間で滴下を終了後、同温度にて2時間反応さ
せた。この反応液中のZ−α−APMとZ−β−APM
を定量し、Z−α−APMの収率を求めたところ、8
8.0%であった。
n−ブチル38.3gを入れ3℃に冷却した後に、Z−
Asp無水物の結晶12.84g(0.0515モル)
を65gの酢酸n−ブチルに加えて溶解させた溶液の滴
下を先行させながら、並行してL−フェニルアラニンメ
チルエステル8.96g(0.05モル)含む酢酸n−
ブチル66.0gとを同時に滴下し、経時的にサンプリ
ングしてL−PMの濃度が1%以下であることを確認
し、さらに、池田製作所製のガラス電極pHメ−タ(型
式PT−3S)の指示値を3.0以下にコントロールし
ながら2時間で滴下を終了後、同温度にて2時間反応さ
せた。この反応液中のZ−α−APMとZ−β−APM
を定量し、Z−α−APMの収率を求めたところ、8
8.0%であった。
【0024】さらに、この縮合液の酢酸n−ブチルを減
圧下に留去し、水310gを加えて懸濁状態とし60℃
に加温後、5%パラジウム−炭素0.5gを加えて、常
圧で3時間接触還元を行った後、同温度で触媒を濾別
し、トルエン層を分液して水層を冷却して5℃で1時間
攪拌後、同温度にて析出している結晶を濾過して5℃の
冷水30mlで洗浄後、乾燥してα−APM10.36
g(0.0352モル)得られた。(収率70.4%)
圧下に留去し、水310gを加えて懸濁状態とし60℃
に加温後、5%パラジウム−炭素0.5gを加えて、常
圧で3時間接触還元を行った後、同温度で触媒を濾別
し、トルエン層を分液して水層を冷却して5℃で1時間
攪拌後、同温度にて析出している結晶を濾過して5℃の
冷水30mlで洗浄後、乾燥してα−APM10.36
g(0.0352モル)得られた。(収率70.4%)
【0025】比較例1 300mlの攪拌装置付の反応容器にL−フェニルアラ
ニンメチルエステル8.96g(0.05モル)含む酢
酸n−ブチル104.3gを入れ3℃に冷却した後に、
実施例1で得られたZ−Asp無水物の結晶12.84
g(0.0515モル)を65gの酢酸n−ブチルに加
えて溶解させた溶液を滴下を2時間で行い同温度にて2
時間反応させた。その時のpHメーターの指示値は5.
0以上であり、経時的にサンプリングしてL−PMの濃
度を分析した結果1%以上であった。この反応液中のZ
−α−APMとZ−β−APMを定量し、そのZ−α−
APMの収率を求めたところ、75.5%であった。
ニンメチルエステル8.96g(0.05モル)含む酢
酸n−ブチル104.3gを入れ3℃に冷却した後に、
実施例1で得られたZ−Asp無水物の結晶12.84
g(0.0515モル)を65gの酢酸n−ブチルに加
えて溶解させた溶液を滴下を2時間で行い同温度にて2
時間反応させた。その時のpHメーターの指示値は5.
0以上であり、経時的にサンプリングしてL−PMの濃
度を分析した結果1%以上であった。この反応液中のZ
−α−APMとZ−β−APMを定量し、そのZ−α−
APMの収率を求めたところ、75.5%であった。
【0026】実施例2 滴下および反応温度が40℃であること以外は実施例1
の方法に従って反応を行った。この反応液中のZ−α−
APMとZ−β−APMを定量し、そのZ−α−APM
の収率を求めたところ、80.8%であった。
の方法に従って反応を行った。この反応液中のZ−α−
APMとZ−β−APMを定量し、そのZ−α−APM
の収率を求めたところ、80.8%であった。
【0027】実施例3 滴下および反応温度が−20℃であること以外は実施例
1の方法に従って反応を行った。この反応液中のZ−α
−APMとZ−β−APMを定量し、そのZ−α−AP
Mの収率を求めたところ、87.0%であった。
1の方法に従って反応を行った。この反応液中のZ−α
−APMとZ−β−APMを定量し、そのZ−α−AP
Mの収率を求めたところ、87.0%であった。
【0028】実施例4 300mlの攪拌装置付の反応容器に1.4−ジオキサ
ン38.3gを入れ3℃に冷却した後に、実施例1で得
られたZ−Asp無水物の結晶12.84g(0.05
15モル)を65gの1.4−ジオキサンに加えて溶解
させた溶液の滴下を先行させながら、L−フェニルアラ
ニンメチルエステル8.96g(0.05モル)含む
1.4−ジオキサン66.0gとを同時に滴下し、経時
的にサンプリングしてL−PMの濃度が1%以下である
ことを確認し、さらに、pHメ−タ−の指示値を3.0
以下にコントロールしながら2時間で滴下を終了後、同
温度にて2時間反応させた。この反応液中のZ−α−A
PMとZ−β−APMを定量し、Z−α−APMの収率
を求めたところ、84.0%であった。
ン38.3gを入れ3℃に冷却した後に、実施例1で得
られたZ−Asp無水物の結晶12.84g(0.05
15モル)を65gの1.4−ジオキサンに加えて溶解
させた溶液の滴下を先行させながら、L−フェニルアラ
ニンメチルエステル8.96g(0.05モル)含む
1.4−ジオキサン66.0gとを同時に滴下し、経時
的にサンプリングしてL−PMの濃度が1%以下である
ことを確認し、さらに、pHメ−タ−の指示値を3.0
以下にコントロールしながら2時間で滴下を終了後、同
温度にて2時間反応させた。この反応液中のZ−α−A
PMとZ−β−APMを定量し、Z−α−APMの収率
を求めたところ、84.0%であった。
【0029】実施例5〜9 実施例1において溶媒の種類をかえて行った結果を表−
1に示す。溶媒の種類をかえたこと以外は実施例1の方
法に従って反応を行った。 実施例10 1000mlの攪拌装置付の反応容器に実施例1で得ら
れたZ−Asp無水物の結晶12.84g(0.051
5モル)に300gのトルエンに加え懸濁させた溶液を
3℃まで冷却した後に、フェニルアラニンメチルエステ
ル8.96g(0.05モル)含むトルエン溶液90.
0gを2時間で滴下を行いpHメーターの指示値を3.
0以下にコントロールし、同温度にて2時間反応させ
た。この反応液中のZ−α−APMとZ−β−APMを
定量し、そのZ−α−APMの収率を求めたところ、8
6.5%であった。
1に示す。溶媒の種類をかえたこと以外は実施例1の方
法に従って反応を行った。 実施例10 1000mlの攪拌装置付の反応容器に実施例1で得ら
れたZ−Asp無水物の結晶12.84g(0.051
5モル)に300gのトルエンに加え懸濁させた溶液を
3℃まで冷却した後に、フェニルアラニンメチルエステ
ル8.96g(0.05モル)含むトルエン溶液90.
0gを2時間で滴下を行いpHメーターの指示値を3.
0以下にコントロールし、同温度にて2時間反応させ
た。この反応液中のZ−α−APMとZ−β−APMを
定量し、そのZ−α−APMの収率を求めたところ、8
6.5%であった。
【0030】
【発明の効果】通常の一括挿入法に比べ、特にエステル
系溶媒において、これまで知られている報告に記載され
た値のいずれより高いα選択率で、Z−α−APMを製
造することができ、以後のα−APM単離工程の大きな
収率改善ができる点で、工業的にきわめて有利なもので
ある。
系溶媒において、これまで知られている報告に記載され
た値のいずれより高いα選択率で、Z−α−APMを製
造することができ、以後のα−APM単離工程の大きな
収率改善ができる点で、工業的にきわめて有利なもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 味岡 正伸 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 山口 彰宏 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 有機溶媒中で、L−フェニルアラニンメ
チルエステルとN−ベンジルオキシカルボニル−L−ア
スパラギン酸無水物とを反応させN−ベンジルオキシカ
ルボニル−α−L−アスパルチル−L−フェニルアラニ
ンメチルエステルを製造する方法において、反応液中の
L−フェニルアラニンメチルエステルの濃度が1%以下
になるような条件下で反応させることを特徴とするN−
ベンジルオキシカルボニル−α−L−アスパルチル−L
−フェニルアラニンメチルエステルの製造法。 - 【請求項2】 N−ベンジルオキシカルボニル−L−ア
スパラギン酸無水物を先行させながら、L−フェニルア
ラニンメチルエステルと並行して同時に添加する請求項
1記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23587391A JP3220484B2 (ja) | 1991-09-17 | 1991-09-17 | N−ベンジルオキシカルボニル−α−L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステルの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23587391A JP3220484B2 (ja) | 1991-09-17 | 1991-09-17 | N−ベンジルオキシカルボニル−α−L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステルの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0570479A true JPH0570479A (ja) | 1993-03-23 |
JP3220484B2 JP3220484B2 (ja) | 2001-10-22 |
Family
ID=16992513
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23587391A Expired - Fee Related JP3220484B2 (ja) | 1991-09-17 | 1991-09-17 | N−ベンジルオキシカルボニル−α−L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステルの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3220484B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN210539782U (zh) * | 2019-06-18 | 2020-05-19 | 曹欣 | 多功能透气性储物柜 |
-
1991
- 1991-09-17 JP JP23587391A patent/JP3220484B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3220484B2 (ja) | 2001-10-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5808048A (en) | Process for preparing 1-(2'-deoxy-2',2'-difluoro-D-ribofuranosyl)-4-aminopyrimidin-2-one) hydrochloride | |
EP0127411B1 (en) | Method of preparing alpha-l-aspartyl-l-phenylalanine methyl ester and its hydrochloride | |
JPH0564159B2 (ja) | ||
SE440506B (sv) | Forfarande for framstellning av alfa-l-aspartyl-l-fenylalaninmetylester | |
US6335461B1 (en) | Process for purification of aspartame derivative | |
JP3220484B2 (ja) | N−ベンジルオキシカルボニル−α−L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステルの製造法 | |
EP0510552B2 (en) | Preparation process of alpha-aspartyl-L-phenylalanine methyl ester | |
EP0256812B1 (en) | Process for separation of n-protected alpha-l-aspartyl-l-phenylalanines | |
JPH05155897A (ja) | N−ベンジルオキシカルボニル−α−L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステルの製造法 | |
US20030088119A1 (en) | Catalyst modification to enhance neotame production | |
JP2662287B2 (ja) | α―L―アスパルチル―L―フェニルアラニンメチルエステルの分離方法 | |
US5283357A (en) | Separation method of α-l-aspartyl-l-phenylalanine methyl ester | |
JP2598470B2 (ja) | N−ベンジルオキシカルボニル―αーL―アスパルチル―L―フェニルアラニンメチルエステルの製造方法 | |
JP2550669B2 (ja) | イミド、その製法及びそれを用いたジペプチド類の製造法 | |
JP3178092B2 (ja) | α−L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩の製造方法 | |
JPH07116225B2 (ja) | α−L−アスパルチル−L−フエニルアラニンメチルエステルのハロゲン化水素酸塩の製造方法 | |
CA2383137A1 (en) | Method for producing aspartame derivative, method for purifying the same, crystals thereof and uses of the same | |
CA1298682C (en) | PREPARATION PROCESS OF .alpha.-L-ASPARTYL-L-PHENYL-ALANINE METHYL ESTER OR HYDROHALIDE THEREOF | |
JP2508803B2 (ja) | α−L−アスパルチル−L−フェニルアラニン誘導体の製造法 | |
JP2976609B2 (ja) | α−L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル又はその塩酸塩の製造法 | |
US5616791A (en) | Method of preparing L-aspartyl-D-α-aminoalkane carboxylic acid-(S)-N-α-alkylbenzylamide | |
JPH04334397A (ja) | α−L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステルの製造方法 | |
JPS63150295A (ja) | α−L−アスパルチル−L−フエニルアラニンメチルエステルの分離法 | |
JPH07116228B2 (ja) | α−L−アスパルチル−L−フエニルアラニンメチルエステルの製造法 | |
JPS61218597A (ja) | α−L−アスパルチル−L−フエニルアラニンメチルエステルまたはその塩酸塩を製造する方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |