JPH0570441A - シクロペンタ[dピリミジン−4−オン類の製造方法 - Google Patents

シクロペンタ[dピリミジン−4−オン類の製造方法

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JPH0570441A
JPH0570441A JP23035591A JP23035591A JPH0570441A JP H0570441 A JPH0570441 A JP H0570441A JP 23035591 A JP23035591 A JP 23035591A JP 23035591 A JP23035591 A JP 23035591A JP H0570441 A JPH0570441 A JP H0570441A
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潔 大森
Yasuhiro Yoneda
康洋 米田
Kensaku Fuse
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は、一般式 【化6】 [R1 は、C1〜C4アルキル基;Xは、HまたはOR
2(R2 はC1〜C4アルキル基)]で示される化合物
とホルムアミドを塩基の存在下に反応させて、一般式 【化7】 で示される化合物を効率よく製造する方法である。 【効果】抗うつ剤、強心剤、脳障害改善剤として有用な
化合物である4−(4−シアノアニリノ)−6,7−ジ
ヒドロ−5H−シクロペンタ〔d〕ピリミジン類を従来
より安価でかつ効率よく製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗うつ剤、強心剤、脳障
害改善剤として有用な化合物である4−(4−シアノア
ニリノ)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ
〔d〕ピリミジン類(特開昭57−203072、特開
昭61−10513、特開昭62−70、特開昭63−
183532)の合成中間体として、重要な6,7−ジ
ヒドロ−3H,5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−
4−オン類の製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】6,7−ジヒドロ−3H,5H−シクロ
ペンタ[d]ピリミジン−4−オン類の製造方法として
は従来、対応する2−オキソシクロペンタンカルボン酸
エステル類をチオ尿素と反応させた後、ラネーニッケル
で脱硫する方法(特開昭62−70、特開昭63−18
3532)のみが報告されている。しかし、この方法は
工業的には高価で取り扱いにくいラネーニッケルを使用
するという欠点を有していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは6,7−
ジヒドロ−3H,5H−シクロペンタ〔d〕ピリミジン
−4−オン類の工業的な製造方法に関し、より安価で効
率的な製造方法について鋭意検討を重ねた結果、本発明
を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は不活
性溶剤中または溶剤の非存在下に、一般式
【0005】
【化3】
【0006】で示される2−アミノ−1−シクロペンテ
ンカルボン酸エステルとホルムアミドを塩基の存在下に
反応させ、一般式
【0007】
【化4】
【0008】で示される6,7−ジヒドロ−3H,5H
−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−オン類を製造す
る方法である。前記式(I)および(II)においてR1
およびR2 が示す炭素数1乃至4個のアルキル基は、直
鎖状または分枝状のアルキル基であり、例えばメチル、
エチル、プロピル、イソプロピルおよびブチル基などが
あげられ、好適にはメチルおよびエチル基である。
【0009】本発明において使用される原料、すなわ
ち、前記一般式(I)で示される2−アミノ−1−シク
ロペンテンカルボン酸エステル類は触媒存在下、2−オ
キソシクロペンタンカルボン酸エステル類とアンモニア
から製造される(特願平3−230204号)。
【0010】本発明において使用される溶剤としては、
反応に関与しないものであればとくに限定されないが、
例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプ
ロパノール、ブタノール、アミルアルコール、ヘキサノ
ール等の低級アルコール類、ベンゼン、トルエン等の芳
香族炭化水素類およびテトラヒドロフラン、1,4−ジ
オキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類な
どがあげられるが、好適には低級アルコール類である。
【0011】なお、溶剤の非存在下に反応を行なう場合
には、ホルムアミドを大過剰に用いる。
【0012】使用される溶剤は単一でも前述した任意の
2以上の溶剤を混合して用いてもよく、溶剤の使用量
は、用いる2−アミノ−1−シクロペンテンカルボン酸
エステルに対して1乃至30倍容量で実施される。
【0013】本発明において使用されるホルムアミドの
量は2−アミノ−1−シクロペンテンカルボン酸エステ
ル類に対して2倍モル以上であり、多く使用するほど反
応は早くなるが、経済性を考慮すると、好適には2乃至
10倍モルである。
【0014】本発明において使用される塩基としては、
水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウムな
どのアルカリ金属水素化物類、リチウムアミド、ナトリ
ウムアミド、カリウムアミドなどのアルカリ金属アミド
類、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、ナ
トリウムブチラート、カリウムメチラート、カリウムブ
チラートなどのアルカリ金属アルコラート類などがあげ
られ、好適にはアルカリ金属アルコラート類である。
【0015】使用される塩基の量は2−アミノ−1−シ
クロペンテンカルボン酸エステル類に対して2倍モル以
上であり、好適には2乃至10倍モルである。
【0016】なお、溶剤に低級アルコール類、塩基にア
ルカリ金属アルコラート類を用いる場合、必ずしもアル
コールと同一のアルコラートを使用する必要はない。
【0017】本発明における反応温度は20℃乃至20
0℃であるが、好適には60℃乃至130℃である。
【0018】本発明における反応時間はホルムアミドや
塩基の量、濃度、温度等に依存するが、通常2乃至20
時間であり、好適には2乃至5時間である。
【0019】本発明において、原料、塩基、ホルムアミ
ドの添加順序には特に制限はないが、溶剤に塩基を加え
た溶液に、2−アミノ−1−シクロペンテンカルボン酸
エステル類とホルムアミドとを溶剤に加えた溶液を添加
する方法が推奨される。
【0020】本発明の製造方法により得られる6,7−
ジヒドロ−3H,5H−シクロペンタ〔d〕ピリミジン
−4−オン類を反応混合物から単離する方法としては、
例えば、過剰の塩基を硫酸、塩酸のような鉱酸で中和
後、生成した無機塩を除き、濾液を減圧下に濃縮し、得
られた残渣を適当な溶媒から再結晶するという通常の方
法が採用できる。
【0021】本発明により得られる6,7−ジヒドロ−
3H,5H−シクロペンタ〔d〕ピリミジン−4−オン
類としては、6,7−ジヒドロ−3H,5H−シクロペ
ンタ〔d〕ピリミジン−4−オン、7−メトキシー6,
7−ジヒドロ−3H,5H−シクロペンタ〔d〕ピリミ
ジン−4−オン、7−エトキシー6,7−ジヒドロ−3
H,5H−シクロペンタ〔d〕ピリミジン−4−オン、
7−プロポキシー6,7−ジヒドロ−3H,5H−シク
ロペンタ〔d〕ピリミジン−4−オン、7−イソプロポ
キシー6,7−ジヒドロ−3H,5H−シクロペンタ
〔d〕ピリミジン−4−オンおよび7−ブトキシー6,
7−ジヒドロ−3H,5H−シクロペンタ〔d〕ピリミ
ジン−4−オンなどがあげられる。
【0022】なお、前記一般式(I)で示される化合物
のうち、XがOR2 (R2 は前述のものと同意義を示
す。)の場合には光学異性体も存在するが、本発明の方
法はそれら光学異性体のいずれにも、また、ラセミ体に
も適応でき、それぞれ対応する一般式(II)で示される
化合物の光学異性体またはラセミ体が製造される。
【0023】
【発明の効果】上述した本発明による6,7−ジヒドロ
−3H,5H−シクロペンタ〔d〕ピリミジン−4−オ
ン類の製造方法においては、目的物を低コストで製造で
き、しかも操作が簡単であり、さらに副生物も少なく高
収率で得ることができる。
【0024】本発明の方法で6,7−ジヒドロ−3H,
5H−シクロペンタ〔d〕ピリミジン−4−オン類を製
造し、さらに下記の工程表に示す反応式(特開平2−2
95980)に従って、抗うつ剤、強心剤、脳障害改善
剤として有用な化合物である4−(4−シアノアニリ
ノ)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ〔d〕ピ
リミジン類(III)を従来より安価でかつ効率よく製
造することができる。
【0025】
【化5】
【0026】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0027】(実施例1)6,7−ジヒドロ−3H,5H−シクロペンタ〔d〕ピ
リミジン−4−オン ブタノール70mlに金属ナトリウム9.2gを溶解し1
00〜110℃まで加熱した。2−アミノ−1−シクロ
ペンテンカルボン酸メチルエステル14.1g、ホルム
アミド15.8gをブタノール30mlに溶解した溶液を
2時間で滴下し、さらに100〜110℃で3時間反応
させた。反応液を冷却し、硫酸で中和、濾過後濾液を液
体クロマトグラフィー内部標準法で定量すると6,7−
ジヒドロ−3H,5H−シクロペンタ〔d〕ピリミジン
−4−オンが12.9g生成した。濾液を減圧濃縮しイ
ソプロパノールで再結晶すると11.0gの6,7−ジ
ヒドロ−3H,5H−シクロペンタ〔d〕ピリミジン−
4−オンを得た。
【0028】融点 240℃(分解)1 H−NMR (CDCl3 ) δ(ppm) 2.02(2H,m,CH2 ) 2.77(4H,m,CH2 ) 7.91(1H,s,CH) 13.10(1H,bs,NH) (実施例2)7−メトキシ−6,7−ジヒドロ−3H,5H−シクロ
ペンタ〔d〕ピリミジン−4−オン 28%ナトリウムメチラート77.2gとブタノール6
5mlの混合溶液を加熱し、内温が100℃になるまで溶
媒を留去した。これに2−アミノ−3−メトキシ−1−
シクロペンテンカルボン酸メチルエステル(参考例1)
17.1g、ホルムアミド15.8gをブタノール30
mlに溶解した溶液を2時間で滴下し、さらに100〜1
10℃で2時間反応させた。反応液を冷却し、硫酸で中
和、濾過後濾液を液体クロマトグラフィー内部標準法で
定量すると7−メトキシ−6,7−ジヒドロ−3H,5
H−シクロペンタ〔d〕ピリミジン−4−オンが15.
5g生成した。濾液を減圧濃縮しイソプロパノールで再
結晶して、12.9gの7−メトキシ−6,7−ジヒド
ロ−3H,5H−シクロペンタ〔d〕ピリミジン−4−
オンを得た。
【0029】融点 182.5〜183.5℃。
【0030】1 H−NMR (CDCl3 ) δ(ppm) 2.04(1H,m,CH2 ) 2.45(1H,m,CH2 ) 2.72(1H,m,CH2 ) 2.93(1H,m,CH2 ) 3.56(3H,s,CH3 ) 4.73(1H,t,J=6.6Hz,CH) 8.21(1H,s,CH) 13.20(1H,bs,NH) (実施例3)7−エトキシ−6,7−ジヒドロ−3H,5H−シクロ
ペンタ〔d〕ピリミジン−4−オン 28%ナトリウムメチラート96.5gとブタノール1
00mlの混合溶液を加熱し、内温が100℃になるまで
溶媒を留去した。これに2−アミノ−3−エトキシ−1
−シクロペンテンカルボン酸エチルエステル(参考例
2)19.9g、ホルムアミド18.0gをブタノール
20mlに溶解した溶液を2時間で滴下し、さらに100
〜110℃で2時間反応させた。反応液を冷却し、硫酸
で中和、濾過後濾液を液体クロマトグラフィー内部標準
法で定量すると7−エトキシ−6,7−ジヒドロ−3
H,5H−シクロペンタ〔d〕ピリミジン−4−オンが
16.5g生成した。濾液を減圧濃縮しイソプロパノー
ルで再結晶して、13.2gの7−エトキシ−6,7−
ジヒドロ−3H,5H−シクロペンタ〔d〕ピリミジン
−4−オンを得た。
【0031】融点 138.5〜140℃。
【0032】1 H−NMR (CDCl3 ) δ(ppm) 1.29(3H,t,J=7.1Hz,CH3 ) 2.05(1H,m,CH2 ) 2.44(1H,m,CH2 ) 2.71(1H,m,CH2 ) 2.93(1H,m,CH2 ) 3.78(2H,m,OC2 CH3 ) 4.80(1H,t,J=6.5Hz,CH) 8.15(1H,s,CH) 13.10(1H,bs,NH) (参考例1)2−アミノ−3−メトキシ−1−シクロペンテンカルボ
ン酸メチルエステル メタノール50mlに氷冷しながらアンモニア4gを吹込
み吸収させた後、2−オキソ−3−メトキシシクロペン
タンカルボン酸メチルエステル17.2gとモリブデン
酸アンモニウム0.1gをメタノール50mlに溶解した
溶液を10分で滴下しさらに50℃で1時間反応させ
た。反応液をガスクロマトグラフィ内部標準法で定量す
ると2−アミノ−3−メトキシ−1−シクロペンテンカ
ルボン酸メチルエステルが16.3g生成した。反応液
を濃縮し減圧蒸留を行い2−アミノ−3−メトキシ−1
−シクロペンテンカルボン酸メチルエステルを14.5
g得た。蒸留品は結晶化した。
【0033】沸点 95〜96℃/1.2mmHg 融点 51.5〜52.5℃1 H−NMR (CDCl3 ) δ(ppm) 1.65(1H,m,CH2 ) 2.21(1H,m,CH2 ) 2.32(1H,m,CH2 ) 2.54(1H,m,CH2 ) 3.36(3H,s,OCH3 ) 3.69(3H,s,COOCH3 ) 4.38(1H,t,J=7.1Hz,CH) 5.65(2H,bs,NH2 ) (参考例2)2−アミノ−3−エトキシー1−シクロペンテンカルボ
ン酸エチルエステル エタノール70mlに氷冷しながらアンモニア3gを吹込
み吸収させた後、3−エトキシ−2−オキソシクロペン
タンカルボン酸エチルエステル20.0gとリンモリブ
デン酸0.04gをエタノール50mlに溶解した溶液を
10分で滴下しさらに50℃で2時間反応させた。反応
液をガスクロマトグラフィ内部標準法で定量すると2−
アミノ−3−エトキシ−1−シクロペンテンカルボン酸
エチルエステルが18.7g生成した。反応液を濃縮し
減圧蒸留を行い2−アミノ−3−エトキシ−1−シクロ
ペンテンカルボン酸エチルエステルを16.0gを得
た。 沸点 100〜100.5℃/0.6mmHg1 H−NMR (CDCl3 ) δ(ppm) 1.22(3H,m,OCH23 ) 1.28(3H,t,J=6.8Hz,CO2 CH2
3 ) 1.64(1H,m,CH2 ) 2.21(1H,m,CH2 ) 2.32(1H,m,CH2 ) 2.53(1H,m,CH2 ) 3.46(1H,m,OC 2 CH3 ) 3.60(1H,m,OC 2 CH3 ) 4.18(2H,q,J=6.8Hz,CO22
3 ) 4.43(1H,t,J=7.3Hz,CH) 5.55(2H,bs,NH2
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 布施 建策 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 [式中、R1 は炭素数1乃至4個のアルキル基を示し、
    Xは水素原子又はOR2(式中、R2 は炭素数1乃至4
    個のアルキル基を示す。)を示す。]で示される2−ア
    ミノ−1−シクロペンテンカルボン酸エステルとホルム
    アミドを塩基の存在下に反応をさせることを特徴とす
    る、一般式 【化2】 (式中、Xは前述のものと同意義を示す。)で示される
    6,7−ジヒドロ−3H,5H−シクロペンタ[d]ピ
    リミジン−4−オン類の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006036708A (ja) * 2004-07-28 2006-02-09 Ube Ind Ltd ピリミジン−4−オン化合物の製造方法

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JP4517349B2 (ja) * 2004-07-28 2010-08-04 宇部興産株式会社 ピリミジン−4−オン化合物の製造方法

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