JPH0570413A - アミノカリツクスアレーンとその製造方法 - Google Patents
アミノカリツクスアレーンとその製造方法Info
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- JPH0570413A JPH0570413A JP26121891A JP26121891A JPH0570413A JP H0570413 A JPH0570413 A JP H0570413A JP 26121891 A JP26121891 A JP 26121891A JP 26121891 A JP26121891 A JP 26121891A JP H0570413 A JPH0570413 A JP H0570413A
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- aminocalixarene
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- arene
- calixarene
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 遷移金属に対するリガンドなどとして機能す
る新規な環状化合物を得る。 【構成】 下記の一般式で表わされることを特徴とする
アミノカリックスアレーン。 【化1】 式中、nは4〜10の整数、xは0〜(n−1)の整
数、yは0〜(n−1)の整数であり、Rは水素または
炭素数1〜18のアルキル基、アルコキシ基、アルケニ
ル基もしくはアリール基を示す。このアミノカレックス
アレーンは、リン酸エステル化カリックスアレーンを液
体アンモニアを溶媒としカリウムアミドと金属カリウム
の存在下、共溶媒を用いてアミノ化することにより得ら
れる。
る新規な環状化合物を得る。 【構成】 下記の一般式で表わされることを特徴とする
アミノカリックスアレーン。 【化1】 式中、nは4〜10の整数、xは0〜(n−1)の整
数、yは0〜(n−1)の整数であり、Rは水素または
炭素数1〜18のアルキル基、アルコキシ基、アルケニ
ル基もしくはアリール基を示す。このアミノカレックス
アレーンは、リン酸エステル化カリックスアレーンを液
体アンモニアを溶媒としカリウムアミドと金属カリウム
の存在下、共溶媒を用いてアミノ化することにより得ら
れる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なカリックスアレ
ーン化合物とその製造方法に関する。
ーン化合物とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カリックスアレーンは、複数個のフェノ
ール単位をメチレン基で結合した環状オリゴマーであ
り、その名は、分子構造がギリシャ製の聖杯(calix cra
ter)に似た芳香族化合物(arene)であることに由来す
る。
ール単位をメチレン基で結合した環状オリゴマーであ
り、その名は、分子構造がギリシャ製の聖杯(calix cra
ter)に似た芳香族化合物(arene)であることに由来す
る。
【0003】このカリックスアレーンは、当初、フェノ
ール・ホルムアルデヒド樹脂を得る際の単なる副生物と
してしか意識されていなかった。しかし、その効率的な
合成法が確立されるに従ってその特徴的な構造の解析が
進むと、ホストーゲスト化学の研究の対称として研究者
の注目の的になってきた。それとともに、カリックスア
レーンは、機能性材料として実用的にも価値の高いこと
が次第に明らかにされている。
ール・ホルムアルデヒド樹脂を得る際の単なる副生物と
してしか意識されていなかった。しかし、その効率的な
合成法が確立されるに従ってその特徴的な構造の解析が
進むと、ホストーゲスト化学の研究の対称として研究者
の注目の的になってきた。それとともに、カリックスア
レーンは、機能性材料として実用的にも価値の高いこと
が次第に明らかにされている。
【0004】カリックスアレーンの特徴の一つは、カリ
ックスアレーンを杯と見立てた場合の底縁(lower ri
m)に相当する部分に複数のフェノール性水酸基を有し
ており、これが各種の機能性官能基の導入に利用できる
と考えられることである。
ックスアレーンを杯と見立てた場合の底縁(lower ri
m)に相当する部分に複数のフェノール性水酸基を有し
ており、これが各種の機能性官能基の導入に利用できる
と考えられることである。
【0005】例えば、該OH基に酢酸エステルを導入し
たカリックスアレーンは、環の大きさなどに応じて特定
のアルカリ金属に対する選択性を示すため、金属の認識
機構の解明の研究に使用されている(本発明者らによる
Bull. Chem. Soc. Jpn.,1989,62, 1674他)。また、
実用的にも、OH基に各種の置換基を導入することによ
り、ウラン吸着剤や接着剤促進剤などに応用することが
提案されている(特開昭62-21055号,特開昭63-88152号
他)。
たカリックスアレーンは、環の大きさなどに応じて特定
のアルカリ金属に対する選択性を示すため、金属の認識
機構の解明の研究に使用されている(本発明者らによる
Bull. Chem. Soc. Jpn.,1989,62, 1674他)。また、
実用的にも、OH基に各種の置換基を導入することによ
り、ウラン吸着剤や接着剤促進剤などに応用することが
提案されている(特開昭62-21055号,特開昭63-88152号
他)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術にお
いてカリックスアレーンの底縁部(lower rim)の水酸基
に導入された官能基は、いずれも、ORとして表すこと
ができるエステルまたはエーテル誘導であり(Rは、ア
ルキル基またはアルキルカルボニル基)、これ以外の官
能基の導入に成功した例は殆ど見当たらない。カリック
スアレーンの機能性材料としての価値を高めるために
は、lower rimにあるOH基に他の有用な機能性官能基
を導入した化合物とその製法の確立が望まれる。
いてカリックスアレーンの底縁部(lower rim)の水酸基
に導入された官能基は、いずれも、ORとして表すこと
ができるエステルまたはエーテル誘導であり(Rは、ア
ルキル基またはアルキルカルボニル基)、これ以外の官
能基の導入に成功した例は殆ど見当たらない。カリック
スアレーンの機能性材料としての価値を高めるために
は、lower rimにあるOH基に他の有用な機能性官能基
を導入した化合物とその製法の確立が望まれる。
【0007】特に、水酸基をアミノ基に置換したアミノ
カリックスアレーンは、アミノ基の部分が遷移金属に対
するリガンドとして働き、したがって遷移金属の定性、
定量あるいは分離などに応用できる機能性材料として大
いに期待できる。
カリックスアレーンは、アミノ基の部分が遷移金属に対
するリガンドとして働き、したがって遷移金属の定性、
定量あるいは分離などに応用できる機能性材料として大
いに期待できる。
【0008】本発明は、カリックスアレーンのフェノー
ル性水酸基をアミノ基に置換させることができる新しい
方法を提供するとともに、その方法に基づき新規なカリ
ックスアレーン誘導体、すなわちアミノカリックスアレ
ーンを提供することを目的とする。
ル性水酸基をアミノ基に置換させることができる新しい
方法を提供するとともに、その方法に基づき新規なカリ
ックスアレーン誘導体、すなわちアミノカリックスアレ
ーンを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、下記の
一般式化1で表されることを特徴とするアミノカリック
スアレーンが提供される。
一般式化1で表されることを特徴とするアミノカリック
スアレーンが提供される。
【0010】
【化1】但し、式中、nは4〜10の整数、xは0〜
(n−1)の整数、yは0〜(n−1)の整数であり、
Rは水素または炭素数1〜18のアルキル基、アルコキ
シ基、アルケニル基もしくはアリール基を示す。
(n−1)の整数、yは0〜(n−1)の整数であり、
Rは水素または炭素数1〜18のアルキル基、アルコキ
シ基、アルケニル基もしくはアリール基を示す。
【0011】一般に、フェノール性水酸基の置換反応は
合成的に難しく、カリックスアレーンにおいても、上述
したように、OH基に導入され得る官能基はきわめて限
定されていた。本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、カ
リックスアレーンのlower rimの水酸基をアミノ基に置
換する新規な方法を見出した。
合成的に難しく、カリックスアレーンにおいても、上述
したように、OH基に導入され得る官能基はきわめて限
定されていた。本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、カ
リックスアレーンのlower rimの水酸基をアミノ基に置
換する新規な方法を見出した。
【0012】かくして、本発明は下記の一般式化2で表
されるリン酸エステル化カリックスアレーンを、液体ア
ンモニアを溶媒としてカリウムアミドおよび金属カリウ
ムを存在させ、さらに、極性溶媒を共溶媒として存在さ
せてアミノ化することにより、下記の一般式化1のアミ
ノカリックスアレーンを得ることを特徴とするアミノカ
リックスアレーンの製造方法も提供する。但し、上記の
式中nは4〜10の整数、xは0〜(n−1)の整数、
yは0〜(n−1)の整数、Rは水素または炭素数1〜
18のアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基もしく
はアリール基、R1は炭素数1〜3のアルキル基を示
す。
されるリン酸エステル化カリックスアレーンを、液体ア
ンモニアを溶媒としてカリウムアミドおよび金属カリウ
ムを存在させ、さらに、極性溶媒を共溶媒として存在さ
せてアミノ化することにより、下記の一般式化1のアミ
ノカリックスアレーンを得ることを特徴とするアミノカ
リックスアレーンの製造方法も提供する。但し、上記の
式中nは4〜10の整数、xは0〜(n−1)の整数、
yは0〜(n−1)の整数、Rは水素または炭素数1〜
18のアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基もしく
はアリール基、R1は炭素数1〜3のアルキル基を示
す。
【0013】
【化2】
【0014】
【化1】
【0015】アンモニア溶媒を用い、カリウムアミドと
金属カリウムの存在下にフェノール系リン酸エステルを
アミノ化する反応は従来より知られている。しかしなが
ら、カリックスアレーンについてはこの反応はうまくゆ
かず、アミノ化生成物は殆ど得られないか、または、収
率がきわめて低い。フェノール系リン酸エステルとして
フェニールジエチルホスフェートArOP(Et)2を
例にすれば、アミノ化反応の機構は次の化3のように考
えられる。
金属カリウムの存在下にフェノール系リン酸エステルを
アミノ化する反応は従来より知られている。しかしなが
ら、カリックスアレーンについてはこの反応はうまくゆ
かず、アミノ化生成物は殆ど得られないか、または、収
率がきわめて低い。フェノール系リン酸エステルとして
フェニールジエチルホスフェートArOP(Et)2を
例にすれば、アミノ化反応の機構は次の化3のように考
えられる。
【0016】
【化3】
【0017】すなわち、アミノ化体を得るためのアミノ
化反応は、NH3から水素を引き抜きArHを生成する
反応との競争と考えられ、後者の反応が強いとアミノ化
反応は進行しなくなる。
化反応は、NH3から水素を引き抜きArHを生成する
反応との競争と考えられ、後者の反応が強いとアミノ化
反応は進行しなくなる。
【0018】本発明者は、研究を重ねた結果、特定の共
溶媒を存在させるとアミノ化生成物の収率が非常に向上
することを見出し本発明を完成した。このように共溶媒
を存在させることによりアミノ化体の収率が向上するの
は共溶媒により液体アンモニアが希釈されて、相対的に
アンモニアからの水素引き抜きの割合が抑制されアミノ
化反応が促進されるためと考えられる。
溶媒を存在させるとアミノ化生成物の収率が非常に向上
することを見出し本発明を完成した。このように共溶媒
を存在させることによりアミノ化体の収率が向上するの
は共溶媒により液体アンモニアが希釈されて、相対的に
アンモニアからの水素引き抜きの割合が抑制されアミノ
化反応が促進されるためと考えられる。
【0019】本発明に従い、リン酸エステル化カリック
スアレーンからアミノカリックスアレーンを合成するの
に好ましい共溶媒は、極性溶媒であり、好適な例として
は,THF(テトラヒドロフラン)、HMPA(ヘキサ
メチルホスホルアミド)、TMEDA(テトラメチルエ
チレンジアミン)、ジエチルエーテルなどのエーテル、
ジオキサン、トリエチルアミンなどが挙げられる。特に
好ましい共溶媒の例は、THF、HMPA、TMEDA
である。
スアレーンからアミノカリックスアレーンを合成するの
に好ましい共溶媒は、極性溶媒であり、好適な例として
は,THF(テトラヒドロフラン)、HMPA(ヘキサ
メチルホスホルアミド)、TMEDA(テトラメチルエ
チレンジアミン)、ジエチルエーテルなどのエーテル、
ジオキサン、トリエチルアミンなどが挙げられる。特に
好ましい共溶媒の例は、THF、HMPA、TMEDA
である。
【0020】本発明に従い、アミノカリックスアレーン
を合成するのに、上述したような共溶媒の量が少ないと
目的とするアミノカリックスアレーンの生成割合も少な
くなる。共溶媒は、一般に、アンモニアに対して0.5
から2倍量の割合で用いるのが好ましい。
を合成するのに、上述したような共溶媒の量が少ないと
目的とするアミノカリックスアレーンの生成割合も少な
くなる。共溶媒は、一般に、アンモニアに対して0.5
から2倍量の割合で用いるのが好ましい。
【0021】リン酸エステル化カリックスアレーンから
アミノカリックスアレーンへの反応は、例えば、反応物
(リン酸エステル化カリックスアレーン)1ミリモルに
対して溶媒としての液体アンモニア25〜100mlを用
い、これに上述したような割合の共溶媒を用いる。カリ
ウムアミドは、反応物に対して、一般に20〜50倍モ
ル、例えば、25倍モル用いる。金属カリウムも、反応
物に対して、一般に20〜50倍モル、例えば、25倍
モル用いる。反応は、一般に、−60℃〜−80℃の温
度下に於て、遙.5〜2時間行われ、例えば、−78℃
において1時間行われる。
アミノカリックスアレーンへの反応は、例えば、反応物
(リン酸エステル化カリックスアレーン)1ミリモルに
対して溶媒としての液体アンモニア25〜100mlを用
い、これに上述したような割合の共溶媒を用いる。カリ
ウムアミドは、反応物に対して、一般に20〜50倍モ
ル、例えば、25倍モル用いる。金属カリウムも、反応
物に対して、一般に20〜50倍モル、例えば、25倍
モル用いる。反応は、一般に、−60℃〜−80℃の温
度下に於て、遙.5〜2時間行われ、例えば、−78℃
において1時間行われる。
【0022】このようにして得られる本発明のアミノカ
リックスアレーンの具体例を示すと次の構造式化4〜化
12のようになる。
リックスアレーンの具体例を示すと次の構造式化4〜化
12のようになる。
【0023】
【化4】 5,11,17,23−テトラ−t−ブチル−25,2
7−ジヒドロキシ−26,28−ジアミノカリックス
(4)アレーン
7−ジヒドロキシ−26,28−ジアミノカリックス
(4)アレーン
【0024】
【化5】 5,11,17,23−テトラ−t−ブチル−25,2
7−ジヒドロキシ−26−ヒドロ−28−アミノカリッ
クス(4)アレーン
7−ジヒドロキシ−26−ヒドロ−28−アミノカリッ
クス(4)アレーン
【0025】
【化6】 5,11,17,23−テトラ−t−ブチル−25,2
7−ジヒドロ−26,28−ジアミノカリックス(4)
アレーン
7−ジヒドロ−26,28−ジアミノカリックス(4)
アレーン
【0026】
【化7】 5,11,17,23−テトラ−t−ブチル−25−ヒ
ドロキシ−26,27,28−トリアミノカリックス
(4)アレーン
ドロキシ−26,27,28−トリアミノカリックス
(4)アレーン
【0027】
【化8】 25,27−ジヒドロキシ−26−ヒドロ−28−アミ
ノカリックス(4)アレーン
ノカリックス(4)アレーン
【0028】
【化9】 37,38,39,40,41,42−ヘキサアミノカ
リックス(6)アレーン
リックス(6)アレーン
【0029】
【化10】 5,11,17,23,29,35−ヘキサ−t−ブチ
ル−37,38,40,41−テトラヒドロキシ−3
9,42−ジアミノカリックス(6)アレーン
ル−37,38,40,41−テトラヒドロキシ−3
9,42−ジアミノカリックス(6)アレーン
【0030】
【化11】 5,11,17,23,29,35,41,47−オク
タ−t−ブチル−49,50,51,52,53,5
4,55,56−オクタアミノカリックス(8)アレー
ン
タ−t−ブチル−49,50,51,52,53,5
4,55,56−オクタアミノカリックス(8)アレー
ン
【0031】
【化12】 49,51,53,55−テトラヒドロキシー50,5
2,53,55−テトラアミノカリックス(8)アレー
ン
2,53,55−テトラアミノカリックス(8)アレー
ン
【0032】これらのアミノカリックスアレーンは、前
述したような本発明の方法に従い、リン酸エステル化カ
リックスアレーンから合成される。このリン酸エステル
化カリックスアレーンの例としては、次のような構造式
化13〜化17が挙げられる。なお、出発物質となるリ
ン酸エステル化カリックスアレーンは、既知の方法に従
って調製される。例えば、5,11,17,23−テト
ラ−t−ブチル−25,27−ジヒドロキシ−26,2
8−ビス(ジエチルホスホリルオキシ)カリックス
(4)アレーン(1)は、室温、窒素気流下、p−t−
ブチルカリックス(4)アレーンをアセトン中、炭酸セ
シウムを塩基に用い、ジエチルリン酸クロライドを作用
させる事によりほぼ定量的に合成される。
述したような本発明の方法に従い、リン酸エステル化カ
リックスアレーンから合成される。このリン酸エステル
化カリックスアレーンの例としては、次のような構造式
化13〜化17が挙げられる。なお、出発物質となるリ
ン酸エステル化カリックスアレーンは、既知の方法に従
って調製される。例えば、5,11,17,23−テト
ラ−t−ブチル−25,27−ジヒドロキシ−26,2
8−ビス(ジエチルホスホリルオキシ)カリックス
(4)アレーン(1)は、室温、窒素気流下、p−t−
ブチルカリックス(4)アレーンをアセトン中、炭酸セ
シウムを塩基に用い、ジエチルリン酸クロライドを作用
させる事によりほぼ定量的に合成される。
【0033】
【化13】 5,11,17,23−テトラ−t−ブチル−25,2
7−ジヒドロキシ−26,28−ビス(ジエチルホスホ
リルオキシ)カリックス(4)アレーン
7−ジヒドロキシ−26,28−ビス(ジエチルホスホ
リルオキシ)カリックス(4)アレーン
【0034】
【化14】 25−ヒドロキシ−26,27,28−トリス(ジエチ
ルホスホリルオキシ)カリックス(4)アレーン
ルホスホリルオキシ)カリックス(4)アレーン
【0035】
【化15】 25,26,27,28−テトラキス(ジエチルホスホ
リルオキシ)カリックス(4)アレーン
リルオキシ)カリックス(4)アレーン
【0036】
【化16】 5,11,17,23,29,35−ヘキサ−t−ブチ
ル−37,38,40,41−テトラヒドロキシ−3
9,42−ビス(ジエチルホスホリルオキシ)カリック
ス(6)アレーン
ル−37,38,40,41−テトラヒドロキシ−3
9,42−ビス(ジエチルホスホリルオキシ)カリック
ス(6)アレーン
【0037】
【化17】 49,51,53,55−テトラヒドロキシ−50,5
2,54,56−テトラキス(ジエチルホスホリルオキ
シ)カリックス(8)アレーン
2,54,56−テトラキス(ジエチルホスホリルオキ
シ)カリックス(8)アレーン
【0038】次に、本発明を実施例および比較例に沿っ
て説明する。
て説明する。
【0039】
【実施例】実施例1 次の反応スキーム化18に従って、5,11,17,2
3−テトラ−t−ブチル−25,27−ジヒドロキシ−
26,28−ビス(ジエチルホスホリルオキシ)カリッ
クス(4)アレーン(1)から5,11,17,23−
テトラ−t−ブチル−25,27,−ジヒドロキシ−2
6−ヒドロ−28−アミノカリックス(4)アレーン
(2)および、5,11,17,23−テトラ−t−ブ
チル−25,27−ジヒドロキシ−26,28−アミノ
カリックス(4)アレーン(3)を合成した。
3−テトラ−t−ブチル−25,27−ジヒドロキシ−
26,28−ビス(ジエチルホスホリルオキシ)カリッ
クス(4)アレーン(1)から5,11,17,23−
テトラ−t−ブチル−25,27,−ジヒドロキシ−2
6−ヒドロ−28−アミノカリックス(4)アレーン
(2)および、5,11,17,23−テトラ−t−ブ
チル−25,27−ジヒドロキシ−26,28−アミノ
カリックス(4)アレーン(3)を合成した。
【0040】
【化18】
【0041】コールドフィンガーコンデンサーを付した
フラスコを、ドライアイス−アセトンの冷媒中に浸し、
乾燥したアンモニアガスを導入し液体アンモニア50ml
を充填する。−78℃で金属カリウム2g(50ミリモ
ル)を溶解したのち、乾燥THF20ml、硝酸鉄(II
I)・9水和物5mgを入れ、−33℃に昇温して1時間
攪拌する。濃青色が消失してカリウムアミドの生成を確
認した後、再び−78℃に冷却する。金属カリウム2g
(50ミリモル)、リン酸エステル(上記反応スキーム
の1)2g(2.2ミリモル)を乾燥THFに溶かした
溶液を、それぞれ5分の1づつに分けて交互に30分か
けて加えた後、30分攪拌する。反応終了後、冷浴を外
し、アンモニアガスを蒸発除去した後、残渣にエーテル
および水、各々100mlづつを加える。エーテル層を分
け取り、2N−HClで洗浄後、芒硝で乾燥し減圧濃縮
乾固する。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲ
ル−クロロホルム)で処理し、目的物を得る。
フラスコを、ドライアイス−アセトンの冷媒中に浸し、
乾燥したアンモニアガスを導入し液体アンモニア50ml
を充填する。−78℃で金属カリウム2g(50ミリモ
ル)を溶解したのち、乾燥THF20ml、硝酸鉄(II
I)・9水和物5mgを入れ、−33℃に昇温して1時間
攪拌する。濃青色が消失してカリウムアミドの生成を確
認した後、再び−78℃に冷却する。金属カリウム2g
(50ミリモル)、リン酸エステル(上記反応スキーム
の1)2g(2.2ミリモル)を乾燥THFに溶かした
溶液を、それぞれ5分の1づつに分けて交互に30分か
けて加えた後、30分攪拌する。反応終了後、冷浴を外
し、アンモニアガスを蒸発除去した後、残渣にエーテル
および水、各々100mlづつを加える。エーテル層を分
け取り、2N−HClで洗浄後、芒硝で乾燥し減圧濃縮
乾固する。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲ
ル−クロロホルム)で処理し、目的物を得る。
【0042】収率、および確認:5,11,17,23
−テトラ−t−ブチル−25,27−ジヒドロキシ−2
6−ヒドロ−28−アミノカリックス(4)アレーン
(上記反応スキームにおける2)42.3% IR:3354,3271cm-1、NMR:(CDC
l3,25℃)7.10(m,8H,ArH)、6.7
6(brs,1H,環内部ArH)、3.91(s,4
H,ArCH2Ar)、3.84(s,4H,ArCH2
Ar)、1.60(brs,36H,t−Bu)、M
S:(EI)m/z、631(M+)、616(M−C
H3)+、mp:238.5〜240.0℃
−テトラ−t−ブチル−25,27−ジヒドロキシ−2
6−ヒドロ−28−アミノカリックス(4)アレーン
(上記反応スキームにおける2)42.3% IR:3354,3271cm-1、NMR:(CDC
l3,25℃)7.10(m,8H,ArH)、6.7
6(brs,1H,環内部ArH)、3.91(s,4
H,ArCH2Ar)、3.84(s,4H,ArCH2
Ar)、1.60(brs,36H,t−Bu)、M
S:(EI)m/z、631(M+)、616(M−C
H3)+、mp:238.5〜240.0℃
【0043】5,11,17,23−テトラ−t−ブチ
ル−25,27−ジヒドロキシ−26,28−アミノカ
リックス(4)アレーン(上記反応スキームにおける
3)4.3% IR:3345,3271cm-1、NMR:(CDC
l3,25℃)7.05(s,4H,ArH)、7.0
2(s,4H,ArH)、3.88(s,8H,ArC
H2Ar)、1.22(s,18H,t−Bu)、1.
20(s,18H,t−Bu)、MS:(EI)m/
z,646(M+)、631(M−CH3)+、mp:2
77.5〜278.5℃
ル−25,27−ジヒドロキシ−26,28−アミノカ
リックス(4)アレーン(上記反応スキームにおける
3)4.3% IR:3345,3271cm-1、NMR:(CDC
l3,25℃)7.05(s,4H,ArH)、7.0
2(s,4H,ArH)、3.88(s,8H,ArC
H2Ar)、1.22(s,18H,t−Bu)、1.
20(s,18H,t−Bu)、MS:(EI)m/
z,646(M+)、631(M−CH3)+、mp:2
77.5〜278.5℃
【0044】比較例 実施例1の比較として、共溶媒を用いなかったが、リン
酸エステル(1)、カリウムアミド、金属カリウム、溶
媒すなわち液体アンモニア等の使用比率を実施例1と同
様にして反応を行った。但し、リン酸エステルの添加
時、溶液として滴下するため極小量のジエチルエーテル
を使用した。
酸エステル(1)、カリウムアミド、金属カリウム、溶
媒すなわち液体アンモニア等の使用比率を実施例1と同
様にして反応を行った。但し、リン酸エステルの添加
時、溶液として滴下するため極小量のジエチルエーテル
を使用した。
【0045】収率、および確認:5,11,17,23
−テトラ−t−ブチル−25,27−ジヒドロキシ−2
6,28−ジヒドロカリックス(4)アレーン(上記反
応スキームの生成物に於て、R1=R2=H)73.2% IR:3516cm-1、NMR:(CDCl3,25℃)
7.20(brs,4H,ArH)、6.98(s,4
H,ArH)、6.11(brs,2H,環内部Ar
H)、4.11(s,2H,−OH)、3.92(s,
8H、ArCH2Ar)、1.32(s,18H,t−
Bu)、1.23(s,18H,t−Bu)、MS:
(EI)m/z、616(M+)、601(M−CH3)
+、mp:281.0〜283.0℃
−テトラ−t−ブチル−25,27−ジヒドロキシ−2
6,28−ジヒドロカリックス(4)アレーン(上記反
応スキームの生成物に於て、R1=R2=H)73.2% IR:3516cm-1、NMR:(CDCl3,25℃)
7.20(brs,4H,ArH)、6.98(s,4
H,ArH)、6.11(brs,2H,環内部Ar
H)、4.11(s,2H,−OH)、3.92(s,
8H、ArCH2Ar)、1.32(s,18H,t−
Bu)、1.23(s,18H,t−Bu)、MS:
(EI)m/z、616(M+)、601(M−CH3)
+、mp:281.0〜283.0℃
【0046】5,11,17,23−テトラ−t−ブチ
ル−25,27−ジヒドロキシ−26−ヒドロ−28−
アミノカリックス(4)アレーン(2)19.0% 確認は、実施例1に同じ。
ル−25,27−ジヒドロキシ−26−ヒドロ−28−
アミノカリックス(4)アレーン(2)19.0% 確認は、実施例1に同じ。
【0047】実施例2 実施例1と同様、25,27−ジヒドロキシ−26,2
8−ビス(ジエチルホスホリルオキシ)カリックス
(4)アレーンから2種類のアミノ体化19および化2
0を合成した。なお、リン酸エステル体、カリウムアミ
ド、金属カリウム、液体アンモニアと共溶媒の比率など
は、実施例1に同じである。
8−ビス(ジエチルホスホリルオキシ)カリックス
(4)アレーンから2種類のアミノ体化19および化2
0を合成した。なお、リン酸エステル体、カリウムアミ
ド、金属カリウム、液体アンモニアと共溶媒の比率など
は、実施例1に同じである。
【0048】収率:
【化19】 25,27−ジヒドロキシ−26−ヒドロ−28−アミ
ノカリックス(4)アレーン45.5%
ノカリックス(4)アレーン45.5%
【0049】
【化20】 25,27−ジヒドロキシ−26,28−ジアミノカリ
ックス(4)アレーン5.8%
ックス(4)アレーン5.8%
【0050】
【発明の効果】本発明は、カリックスアレーンのOH基
をアミノ基で置換させた新規化合物であるアミノカリッ
クスアレーンとその製造方法を提供する。
をアミノ基で置換させた新規化合物であるアミノカリッ
クスアレーンとその製造方法を提供する。
【0051】本発明の化合物は、カリックスアレーンに
アミノ基が導入されていることにより、多くの有用なカ
リックスアレーン誘導体の出発物質となり得る。特に、
本発明の化合物は、窒素含有基の各種の化学修飾を行う
ことにより、遷移金属のリガンドとして機能し、従っ
て、それらの金属の分析や分離に応用される新規な環状
化合物を構築することができる。
アミノ基が導入されていることにより、多くの有用なカ
リックスアレーン誘導体の出発物質となり得る。特に、
本発明の化合物は、窒素含有基の各種の化学修飾を行う
ことにより、遷移金属のリガンドとして機能し、従っ
て、それらの金属の分析や分離に応用される新規な環状
化合物を構築することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大瀬戸 文夫 福岡県筑紫野市大字塔原432−1アーバン 筑紫野305号
Claims (4)
- 【請求項1】 下記の一般式化1で表されることを特徴
とするアミノカリックスアレーン。 【化1】 (但し、nは4〜10の整数,xは0〜(n−1)の整
数、yは0〜(n−1)の整数であり、Rは水素または
炭素数1〜18のアルキル基、アルコキシ基、アルケニ
ル基もしくはアリール基を示す。) - 【請求項2】 nが4であり、xが2であり、yが0ま
たは1であり、さらに、Rがt−ブチル基である請求項
1に記載のアミノカリックスアレーン。 - 【請求項3】 一般式化2 【化2】 で表されるリン酸エステル化カリックスアレーンを、液
体アンモニアを溶媒としてカリウムアミドおよび金属カ
リウムを存在させ、さらに、極性溶媒を共溶媒として存
在させてアミノ化することにより、一般式化1 【化1】のアミノカリックスアレーンを得ることを特徴
とするアミノカリックスアレーンの製造方法(但し、n
は4〜10の整数、xは0〜(n−1)の整数、yは0
〜(n−1)の整数、Rは水素または炭素数1〜18の
アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基もしくはアリ
ール基、R1は炭素数1〜3のアルキル基を示す。) - 【請求項4】 共溶媒が、テトラヒドロフラン、ヘキサ
メチルホスホルアミド、テトラメチルエチレンジアミ
ン、ジオキサン、エチレンジアミン、トリエチルアミ
ン、およびエーテル類から選ばれる請求項3に記載のア
ミノカリックスアレーンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26121891A JP2883756B2 (ja) | 1991-09-12 | 1991-09-12 | アミノカリックスアレーンとその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26121891A JP2883756B2 (ja) | 1991-09-12 | 1991-09-12 | アミノカリックスアレーンとその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0570413A true JPH0570413A (ja) | 1993-03-23 |
JP2883756B2 JP2883756B2 (ja) | 1999-04-19 |
Family
ID=17358786
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26121891A Expired - Fee Related JP2883756B2 (ja) | 1991-09-12 | 1991-09-12 | アミノカリックスアレーンとその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2883756B2 (ja) |
-
1991
- 1991-09-12 JP JP26121891A patent/JP2883756B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2883756B2 (ja) | 1999-04-19 |
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---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |