JPH0570335A - 油中水型乳化化粧料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 （ａ）シリコーン油を含む油分、（ｂ）水、
（ｃ）ポリオキシアルキレンアルキルエーテル共変性オ
ルガノポリシロキサン及び（ｄ）ポリオキシアルキレン
変性オルガノポリシロキサンを含有する油中水型乳化化
粧料。 【効果】 本発明によれば、広い範囲の油分を制約なく
選択使用して経時安定性のよい油中水型乳化化粧料を得
ることができるので、シリコーン油の特性を生かしつ
つ、使用感及び使用性に広がりをもたせることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、非極性油から極性油ま
での広い範囲の油分を経時安定性よく配合することがで
き、使用感及び使用性に優れた油中水型乳化化粧料に関
する。

【０００２】

【従来の技術】シリコーン油はなめらかで、さっぱりし
たべたつきの少ない使用感を有し、撥水性も優れている
ことから、油中水型乳化化粧料の油剤として使用されて
いる。そして、シリコーン油を含む乳化化粧料を調製す
るには、通常乳化剤としては、シリコーン油と相溶性の
よい親油性のポリオキシアルキレン変性オルガノポリシ
ロキサン系の界面活性剤が使用されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記乳化化粧料には、
しっとり感、エモリエント感等を付与するために、エス
テル油、炭化水素系の油分を配合することが行われてい
るが、これを多量に含む場合には、ポリオキシアルキレ
ン変性オルガノポリシロキサンを用いても安定な油中水
型乳化化粧料を得ることができなかった。従って、従来
のシリコーン油を含む油分を配合した油中水型乳化化粧
料においては、油分を選択する上で制約があり、使用感
の上で広がりをもたせることができず、例えばシリコー
ン油の有するのびの軽さ、べたつきのなさ、さっぱり感
等は得られても、しっとり感、エモリエント感等を有す
る経時安定性のよい油中水型乳化化粧料を得ることが困
難であった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】斯かる実情において、本
発明者は鋭意研究を行った結果、乳化剤として、従来使
用されているポリオキシアルキレン変性オルガノポリシ
ロキサンと共に、後記一般式（１）で表わされるポリオ
キシアルキレンアルキルエーテル共変性オルガノポリシ
ロキサンを併用することにより、シリコーン油、トリグ
リセライド、エステル油、炭化水素等の非極性油から極
性油まで幅広く配合しても経時安定性に優れ、使用感及
び使用性の優れた油中水型乳化化粧料が得られることを
見出し、本発明を完成した。

【０００５】すなわち、本発明は、次の成分（ａ）〜
（ｄ） （ａ）シリコーン油を含む油分 （ｂ）水 （ｃ）一般式（１）

【０００６】

【化３】

【０００７】で表わされるポリオキシアルキレンアルキ
ルエーテル共変性オルガノポリシロキサン （ｄ）一般式（２）

【０００８】

【化４】

【０００９】で表わされるポリオキシアルキレン変性オ
ルガノポリシロキサンを含有することを特徴とする油中
水型乳化化粧料を提供するものである。

【００１０】本発明において、（ａ）成分のシリコーン
油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニル
ポリシロキサン等の鎖状シリコーン油；オクタメチルシ
クロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキ
サン等の環状シリコーン油；アミノ変性ポリシロキサン
等の変性シリコーン油等が挙げられる。特に揮発性シリ
コーン油を使用した場合は、さっぱりした使用感を有
し、化粧持続性の優れたものが得られるので好ましい。

【００１１】また、（ａ）成分のシリコーン油以外の油
分としては、天然の動・植物油、合成油のいずれも使用
でき、具体的には流動パラフィン、スクワランなどの炭
化水素；ワックス；オクチルドデシルミリステート、イ
ソセチルステアレートなどのエステル油；グリセリルト
リオクタネート、グリセリルトリイソステアレートなど
のグリセライド；オレイルアルコール、イソステアリル
アルコールなどの高級アルコール；オレイン酸、イソス
テアリン酸などの高級脂肪酸などが挙げられる。

【００１２】シリコーン油の配合量は油分中の５〜９０
重量％（以下、単に％で示す）、化粧料全組成の１〜８
０％が好ましい。また、シリコーン油を含む油分の配合
量は化粧料全組成の１０〜９５％が好ましい。当該油分
が１０％未満では油中水型とすることが難しく、また感
触も重くなって化粧品基剤としては好ましくない。

【００１３】（ｂ）成分の水は、化粧料全組成の１〜９
０％が好ましい。１％未満では水を入れた特徴が出難
く、９０％を超えると油中水型とすることが難しい。

【００１４】（ｃ）成分のポリオキシアルキレンアルキ
ルエーテル共変性オルガノポリシロキサンは、前記一般
式（１）で表わされる、常温で液状ないしペースト状の
ものである。これは文献未記載の化合物であるが、例え
ば後述の参考例に示す方法に従って、メチルハイドロジ
ェンポリシロキサンをポリオキシアルキレンアリルエー
テルとアリルアルキルエーテルで共変性することにより
容易に製造することができる。（ｃ）成分の化粧料への
配合量は、全組成の0.01〜１０％が好ましい。0.01％未
満では十分な乳化能を発揮しづらく、また１０％を超え
ると粘性が高くなってのびが重くなり、使用感が悪くな
るので好ましくない。

【００１５】（ｄ）成分のポリオキシアルキレン変性オ
ルガノポリシロキサンは、一般式（２）で表わされるポ
リエーテル変性シリコーンと称されるもので、例えばシ
リコンＫＦ−９４５Ａ（信越化学工業社製）、シリコン
ＳＨ−３７７２Ｃ（東レ・ダウコーニングシリコーン社
製）等が挙げられる。（ｄ）成分の化粧料への配合量は
全組成の0.01〜１０％が好ましい。（ｃ）成分と（ｄ）
成分の割合は、（ａ）成分の種類及び配合量によっても
異なるが、１：９〜９：１の範囲が好ましい。

【００１６】本発明の油中水型乳化化粧料には、前記必
須成分の他に、通常用いられる水性成分や油性成分、例
えば保湿剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、美容
成分、香料、保香剤、増粘剤、ゲル化剤、着色顔料、光
輝性顔料、有機粉体、疎水化処理顔料、タール色素など
を、本発明の効果を損なわない範囲で配合することがで
きる。

【００１７】本発明の油中水型乳化化粧料としては、乳
液、クリーム、リキッドファンデーション、アイライナ
ー、マスカラ、アイシャドウ等の乳液状ないしクリーム
状の製品が挙げられ、これらは上記成分から常法によっ
て製造される。

【００１８】

【発明の効果】本発明によれば、広い範囲の油分を制約
なく選択使用して経時安定性のよい油中水型乳化化粧料
を得ることができるので、シリコーン油の特性を生かし
つつ、使用感及び使用性に広がりをもたせることができ
る。

【００１９】

【実施例】次に参考例及び本発明の実施例を挙げて説明
する。

【００２０】参考例１ 平均構造式が

【００２１】

【化５】

【００２２】で示されるメチルハイドロジェンポリシロ
キサン１８３ｇ(0.1モル) 、アリルオレイルエーテル３
０８ｇ（１モル）、平均構造式がCH₂=CHCH₂O(CH₂CH₂O)₉
Hで示されるアリル化ポリエーテル１３６ｇ(0.3モル)
及びエタノール５００ｇを２ｌのフラスコに秤取し、こ
れに触媒としての塩化白金酸のクロル中和品（白金濃度
0.5 ％，エタノール溶液）２ｇを添加し、エタノール還
流下に５時間反応させた。反応後溶媒を減圧留去し、不
揮発分を濾過し、油状の下記構造のポリオキシエチレン
オレイルエーテル共変性オルガノポリシロキサン５７０
ｇ（収率９１％）を得た。

【００２３】

【化６】

【００２４】参考例２ 参考例１で用いたアリルオレイルエーテル３０８ｇ（１
モル）のかわりに、アリルミリスチルエーテル２５４ｇ
（１モル）を用い、参考例１と同様に反応、処理して、
油状の下記の構造のポリオキシエチレンミリスチルエー
テル共変性オルガノポリシロキサン５２７ｇ（収率９２
％）を得た。

【００２５】

【化７】

【００２６】参考例３ 参考例１で用いたアリルオレイルエーテル３０８ｇ（１
モル）のかわりに、アリルイソステアリルエーテル３１
０ｇ（１モル）を用い、参考例１と同様に反応、処理し
て、油状の下記構造のポリオキシエチレンイソステアリ
ルエーテル共変性オルガノポリシロキサン６１０ｇ（収
率９７％）を得た。

【００２７】

【化８】

【００２８】実施例１ Ｗ／Ｏ型乳液 （処方） （重量％） （１）マカデミアンナッツ油 5.0 （２）デカメチルシクロペンタシロキサン 10.0 （３）ホホバ油 5.0 （４）１２−ヒドロキシステアリン酸コレステロール 0.5 （５）ジイソオクタン酸ネオペンチルグリコール 10.0 （６）ポリオキシエチレンオレイルエーテル 共変性オルガノポリシロキサン（参考例１） 0.5 （７）ポリオキシエチレン変性オルガノポリシロキサン （注１） 0.3 （８）ジプロピレングリコール 7.0 （９）グリセリン 5.0 （10）香料 0.1 （11）精製水 残量 注１：前記（２）式中Ｒ⁸ ＝ＣＨ₃ ，Ｒ¹⁰＝ＣＨ₃ ，Ｒ
¹¹＝ＣＨ₃ ，Ｑ³ ＝Ｃ₃Ｈ₆，ｄ＝２〜５，ｅ＝０，Ｒ¹²
＝Ｈ，ｘ＝２０〜３０，ｙ＝２〜５のもの。 （製法） Ａ．（１）〜（７）を混合し、加温して溶解する。 Ｂ．（８）〜（１１）を混合し、加温して溶解する。 Ｃ．ＡにＢを加え、攪拌乳化する。 Ｄ．Ｃを冷却し、容器に充填し製品とする。

【００２９】比較例１ 実施例１から（６）ポリオキシエチレンオレイルエーテ
ル共変性オルガノポリシロキサンを除き、同様にしてＷ
／Ｏ型乳液を調製した。

【００３０】上記の如くして得られた実施例１の乳液は
１週間後も油分の分離等が見られず、極めて安定であっ
た。これに対して比較例１の乳液では１週間経過後に分
離が見られた。また、実施例１の乳液は、肌へのなじみ
が良く、さっぱりした使用感を有すると共にエモリエン
ト感も非常に高いものであった。

【００３１】実施例２ Ｗ／Ｏ型クリーム （処方） （重量％） （１）スクワラン 10.0 （２）デカメチルシクロペンタシロキサン 10.0 （３）１２−ヒドロキシステアリン酸コレステロール 1.0 （４）ジイソオクタン酸ネオペンチルグリコール 7.0 （５）ポリオキシエチレンオレイルエーテル 共変性オルガノポリシロキサン（参考例１） 0.5 （６）ポリオキシエチレン変性オルガノポリシロキサン （実施例１と同じ） 0.5 （７）ジプロピレングリコール 7.0 （８）グリセリン 5.0 （９）塩化ナトリウム 1.0 （10）精製水 残量 （製法） Ａ．（１）〜（６）を混合、加温し溶解する。 Ｂ．（７）〜（１０）を混合、加温し溶解する。 Ｃ．ＡにＢを加えて攪拌乳化する。 Ｄ．Ｃを冷却して容器に充填し、製品とする。

【００３２】比較例２ 実施例２から（５）ポリオキシエチレンオレイルエーテ
ル共変性オルガノポリシロキサンを除き、同様にしてＷ
／Ｏ型クリームを調製した。

【００３３】上記の如くして得られた実施例２のクリー
ムは、１週間後も油分の分離等が見られず、極めて安定
であった。これに対して比較例２のクリームは、翌日分
離が生じ、安定性の悪いものであった。また、実施例２
のクリームは、のびが非常に軽く、Ｗ／Ｏ型のクリーム
でありながらさっぱり感の非常に優れたものであった。

【００３４】実施例３ Ｗ／Ｏ型クリーム （処方） （重量％） （１）マカデミアンナッツ油 15.0 （２）ジメチルポリシロキサン(10cs) 6.0 （３）１２−ヒドロキシステアリン酸コレステロール 1.0 （４）ジイソオクタン酸ネオペンチルグリコール 3.0 （５）ポリオキシエチレンオレイルエーテル 共変性オルガノポリシロキサン（参考例１） 0.5 （６）ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル共変性 オルガノポリシロキサン（参考例３） 0.1 （７）ポリオキシエチレン変性オルガノポリシロキサン （実施例１と同じ） 0.5 （８）１，３−ブチレングリコール 7.0 （９）塩化ナトリウム 1.0 （10）グリセリン 2.0 （11）香料 0.1 （12）精製水 残量 （製法） Ａ．（１）〜（７）を混合し、加温溶解する。 Ｂ．（８）〜（１２）を混合加温する。 Ｃ．ＡにＢを加え、攪拌乳化する。 Ｄ．Ｃを冷却し、容器に充填し製品とする。

【００３５】実施例４ Ｗ／Ｏ型リキッドファンデーシ
ョン （処方） （重量％） （１）トリオクタン酸グリセリル 5.0 （２）ジイソオクタン酸ネオペンチルグリコール 5.0 （３）デカメチルシクロペンタシロキサン 10.0 （４）１２−ヒドロキシステアリン酸コレステロール 0.5 （５）ホホバ油 3.0 （６）ポリオキシエチレンオレイルエーテル共変性 オルガノポリシロキサン（参考例１） 0.7 （７）ポリオキシエチレンミリスチルエーテル共変性 オルガノポリシロキサン（参考例２） 0.2 （８）ポリオキシエチレン変性オルガノポリシロキサン （実施例１と同じ） 0.5 （９）酸化チタン 8.0 （10）無機有色顔料 4.0 （11）マイカ 3.0 （12）タルク 3.0 （13）１，３−ブチレングリコール 7.0 （14）精製水 残量 （製法） Ａ．（１）〜（８）を混合加温溶解する。これに（９）
〜（１２）を均一に分散する。 Ｂ．（１３）、（１４）を混合し、加温する。 Ｃ．ＡにＢを加え、攪拌乳化する。 Ｄ．Ｃを冷却し、容器に充填し製品とする。

【００３６】実施例３及び実施例４で得られたものは、
いずれも経時安定性の良好な油中水型乳化化粧料であっ
て、さっぱりとしてべたつきがなく、使用性、使用感共
に優れたものであった。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 次の成分（ａ）〜（ｄ） （ａ）シリコーン油を含む油分 （ｂ）水 （ｃ）一般式（１） 【化１】 で表わされるポリオキシアルキレンアルキルエーテル共
   変性オルガノポリシロキサン （ｄ）一般式（２） 【化２】 で表わされるポリオキシアルキレン変性オルガノポリシ
   ロキサンを含有することを特徴とする油中水型乳化化粧
   料。