JPH0570294A - KTiOPO4 単結晶の製造方法 - Google Patents

KTiOPO4 単結晶の製造方法

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JPH0570294A
JPH0570294A JP26057491A JP26057491A JPH0570294A JP H0570294 A JPH0570294 A JP H0570294A JP 26057491 A JP26057491 A JP 26057491A JP 26057491 A JP26057491 A JP 26057491A JP H0570294 A JPH0570294 A JP H0570294A
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ktp
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ktiopo4
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Toshiyuki Hirai
俊行 平井
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 淡黄色に着色する原因となるOH基を含まな
いKTPの製造方法。 【構成】 KPO3 とTiO2 とK2 TiO3 との混合
物を溶融し、KTiOPO4 の飽和状態になるまで該溶
融物を冷却した後、KTiOPO4 の種晶を少なくとも
部分的に該溶融物に浸せきして、該溶融物を徐々に冷却
しながら単結晶を成長させることを特徴とするKTiO
PO4 単結晶の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フラックス法による単
結晶の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】KTiOPO4 (以下、KTPと略す)
は、非線形光学結晶で、その特性により第二次高調波発
生(以下、SHGと略す)用材料として注目されてい
る。このKTPは通常、主として以下のフラックス法の
何れかにより製造されている。一つは1986年にベル
研究所より報告されたものであり、以下の反応式に示さ
れるものであり、 4K2 HPO4 +2TiO2 +3WO3 → 2KTiOPO4 +3K2 WO4 ・P25 +2H2 O 他の一つは、J.Crysrtal Growth.84(1987)403 に記載
されたものであり、以下の反応式に示されるものであ
る。 3KH2 PO4 +TiO2 +2K2 HPO4 → KTiOPO4 +K6413+4H2 O これらの方法は、原料組成物を溶融し、融液を徐冷する
ことによりKTPを析出させるものである。しかし、こ
れらの方法は何れも反応によりH2 Oを生じ、これによ
り育成されたKTP結晶内にOH基が混入し、結晶が淡
黄色になる場合がある。このような結晶をSHG用素子
として使用しようとすると、レーザー光の吸収が起こ
り、変換効率が低いばかりか、着色度によってはレーザ
ー光の吸収による素子の発熱量が大きくなり、装置全体
として見た場合に大きな冷却装置が必要とされるという
欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記淡黄色に
着色する原因となるOH基を含まないKTPの製造方法
の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の方法は、KPO3 とTiO2 とK2 TiO3 との混
合物を900℃以上1100℃以下で溶融し、該溶融物
を10℃/日以下で冷却しながらKTP単結晶を成長さ
せるものであり、上記KPO3 とTiO2 とK2 TiO
3 のモル数を各々、x,y,zとしたときに、(x−y
+z)/[2(x−y)]=0.55〜0.75の範囲
であり、かつ、下記(1)式を満たす範囲の混合物を用
いるものである。 1.12(x−y+z)/2(x−y)−0.152≧2(y+z)/(x+ y+2z)≧1.65(x−y+z)/2(x−y)−0.623 (1)
【0005】
【作用】本発明の組成物を用いた溶融物生成の反応式
は、次式(2),(3)のように示される。 xKPO3 +yTiO2 +zK2 TiO3 → 0.5(y+z)K2 O+0.5(y+z)P25 +(y+z)TiO2 +0.5(x−y+z)K2 O+0.5(x−y−z)P25 (2) → (y+z)KTiOPO4 +0.5(x−y+z)K2 O+0.5(x−y −z)P25 (3)
【0006】(2),(3)式中、x,y,zはモル数
を示す。(2)式右辺第1項、第2項、第3項の生成物
はKTPを構成し、(2)式右辺第4項、第5項の生成
物、および(3)式右辺第2項、第3項の生成物である
2 OとP25 とはフラックスを形成する。フラック
スの組成αを、フラッスク中のK2 Oのモル数とフラッ
スク中のK2 OとP25 との合計モル数の比で表す
と、α=(x−y+z)/[2(x−y)]となり、通
常はα=0.55〜0.75の範囲内の組成、望ましく
はα=0.6〜0.7の組成のフラッスクが用いられ
る。フラッスクの組成αが上記の範囲外であると、成長
結晶中にKTP以外の相が析出するので望ましくない。
【0007】(1)式の中辺[2(y+z)]/[x+
y+2z]は、(2)式右辺のKTPを構成するK2
とP25 とTiO2 の合計モル数を(2)式右辺の全
生成物の合計モル数で除した、溶液中のKTP濃度を表
している。(1)式左辺および右辺は、それぞれ、図1
中の実線およびで示される、1000℃および90
0℃におけるK2 O−P25 系フラックスに対するK
TPの溶解度のフラックス組成α依存性の実験式であ
る。すなわち、(1)式は、図1中の斜線部分で示され
るように、種々の組成αのフラックスに対して、900
℃から1000℃の間の温度で飽和溶液を形成するKT
Pの濃度範囲を示す実験式である。溶液中のKTP濃度
が上記(1)式の範囲より高くなると、結晶成長開始温
度が約1000℃以上となり、該温度でのフラックス中
の揮発成分の蒸発が多くなるため、結晶成長不安定とな
る。また、溶液中のKTP濃度が上記(1)式の範囲よ
り低くなると、結晶成長開始温度が900℃以下とな
り、該温度での溶液の粘性が高くなるため、結晶成長が
困難となる。
【0008】本発明では、出発物質として、純度99.
9%以上、望ましくは99.99%以上のKPO3 ,T
iO2 、およびK2TiO3 の粉末を用いる。各粉末を
上記条件を満たすx,y,zで示されるモル比で混合
し、白金るつぼ中で900℃以上1100℃以下の温度
で溶融する。この際に、溶融温度が900℃未満では原
料が完全に溶融しない。また、1100℃より高温で溶
融を行うと、溶液中の揮発成分の蒸発が多くなり、溶液
組成の変動を起こすため、好ましくない。該温度で原料
を完全に溶融した後、該溶融物を徐々に冷却してKTP
の飽和溶液を形成する。該溶融物に、KTPの種晶を少
なくとも部分的に浸漬した後、該溶融物を10℃/日以
下、望ましくは、3℃/日以下の速度で徐冷することに
より、種晶の周囲にKTP結晶が成長する。徐冷速度が
10℃/日を越えると成長したKTP結晶が白濁し、光
学素子として使用できないものとなる。該溶融物の全体
が固化するよりも高い温度である成長停止温度で、成長
したKTP結晶を該溶融物中から取り出し冷却する。
(2),(3)式の反応系にはH2 Oを介在しないこと
により、以上の操作で生成するKTP結晶にはOH基が
混入せず、淡黄色の着色は発生しない。
【0009】
【実施例】以下実施例に基づき本発明を説明する。出発
物質として、純度99.9重量%のKPO3 ,TiO
2 、およびK2 TiO3 の粉末を用いた。上記原料を表
1に示すモル数で秤量し、混合後、容量250ccの白
金るつぼ中に充填し、電気炉中で1000℃に加熱して
溶融した。上記加熱状態を8時間保持した後、10℃/
時間の速度で約950℃まで上記溶融物を冷却した。該
溶融物にKTPの種晶を部分的に浸せきした後、表1に
示す徐冷速度で徐冷して、KTP単結晶を成長させた。
徐冷開始から上記表中の育成日数経過時に、種晶を上方
に上げることにより、該種晶の周囲に成長したKTP結
晶を該溶融物よりも上方に取り出す。上記状態で、電気
炉の温度を50〜100℃/時間の速度で室温付近まで
下げた後に、成長したKTP結晶を電気炉内より取り出
した。この結果、約2cm角の無色透明なKTP単結晶
が得られた。
【0010】
【表1】
【0011】
【発明の効果】本発明の育成方法によれば、溶融物の生
成過程でH2 Oの生成がなく、そのためOH基を含まな
い無色透明のKTP単結晶を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】900℃から1000℃の間の温度で飽和溶液
を形成するKTPの濃度範囲のフラックス組成α依存性
を示す図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 KPO3 とTiO2 とK2 TiO3 との
    混合物を溶融し、KTiOPO4 の飽和状態になるまで
    該溶融物を冷却した後、KTiOPO4 の種晶を少なく
    とも部分的に該溶融物に浸せきして、該溶融物を徐々に
    冷却しながら単結晶を成長させることを特徴とするKT
    iOPO4 単結晶の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記KPO3 とTiO2 とK2 TiO3
    のモル数を各々、x,y,zとしたときに、フラックス
    の組成として、(x−y+z)/[2(x−y)]=
    0.55〜0.75の範囲であり、かつ、フラックスと
    KTiOPO4との比率として、下記(1)式を満たす
    範囲であることを特徴とする請求項1記載のKTiOP
    4 単結晶の製造方法。 1.12(x−y+z)/2(x−y)−0.152≧2(y+z)/(x+ y+2z)≧1.65(x−y+z)/2(x−y)−0.623 (1)
  3. 【請求項3】 上記混合物を溶融する温度を900℃以
    上1100℃以下とすることを特徴とする請求項1記載
    のKTiOPO4 単結晶の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記徐冷速度を10℃/日以下とするこ
    とを特徴とする請求項1記載のKTiOPO4 単結晶の
    製造方法。
JP3260574A 1991-09-12 1991-09-12 KTiOPO4 単結晶の製造方法 Expired - Lifetime JP3041326B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5471938A (en) * 1993-02-12 1995-12-05 Japan Energy Corporation Process for growing multielement compound single crystal

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US5471938A (en) * 1993-02-12 1995-12-05 Japan Energy Corporation Process for growing multielement compound single crystal

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