JPH08295507A - 光学結晶及びその製造方法 - Google Patents

光学結晶及びその製造方法

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JPH08295507A
JPH08295507A JP10190995A JP10190995A JPH08295507A JP H08295507 A JPH08295507 A JP H08295507A JP 10190995 A JP10190995 A JP 10190995A JP 10190995 A JP10190995 A JP 10190995A JP H08295507 A JPH08295507 A JP H08295507A
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JP
Japan
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crystal
clbo
melt
optical
optical crystal
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JP10190995A
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Koji Sato
幸治 佐藤
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Hoya Corp
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Hoya Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 結晶製造が容易であり、かつCLBO結晶の光学
的特性と同等かそれ以上の光学的特性を有する光学結晶
及びその製造方法の提供。 【構成】 一般式Ax Cs1-x LiB6 10(式中、A
は、Rb、K及びTlからなる群から選ばれる少なくと
も1種の元素であり、xは0を超え、1以下である)で
表される光学結晶。非線形光学結晶又は電気光学結晶で
ある請求項1又は2記載の光学結晶。一般式Ax Cs
1-x LiB6 10(式中、Aは、Rb、K及びTlから
なる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、xは
0を超え、1以下である)で表される組成を有する融液
から、該融液と実質的に同一組成の結晶として育成する
ことを特徴とする前記光学結晶の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学結晶及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に紫外線領域の光源として使用され
る非線形光学結晶には、BBO (BaB2O3)やLBO(LiB3O5) な
どがある。最近、これらの結晶より短波長領域の波長変
換に用いる真空紫外光発生用結晶として、KBBF(KBeBO3F
2)やSBBOなどの結晶も中国で開発されている。
【0003】さらに、上記のBBO やLBO に代わって、LB
O 結晶のLiの一部をCsで置換したCsLiB3O18(CLBO) の結
晶が開発されている(Proceeding of Advanced Solid-St
ateLasers Conference, Memphis, U.S.A, 1995)。CLBO
結晶は、LBO 結晶とは結晶構造の全く異なる。即ち、LB
O の結晶構造は点群mm2 の斜方晶系であるのに対して、
CLBOは点群42m の正方晶系に属する。
【0004】また、CLBO結晶は、LBO 結晶とほぼ同じ値
の非線形光学定数を示し、紫外域213nm までの波長変換
が可能であり、ハイパワー領域での波長変換では、BBO
に勝る特性を示した。加えて、CLBO結晶は、従来の結晶
に比して使い勝手が良いという実用上のメリットも併せ
持つことをその特徴とする。
【0005】CLBO結晶の製造上の大きな特徴は、LBO が
溶液から除冷法によってゆっくり時間をかけて結晶成長
をはかる必要があるのに対し、CLBOの場合はストイケオ
メトリーの融液から直接結晶成長できることである。CL
BOは結晶成長速度が早く、10日足らずで10cm角近くの
結晶の製造が可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、CLBO結
晶は物性的に従来の結晶より優れているだけでなく、育
成し易いという利点もある。しかし、いつかの問題点も
ある。その1つは、結晶育成初期のシーディング時に結
晶成長速度が非常に早く、良質な育成が出来きず、初期
の段階で成長した結晶部分は白濁し、光学結晶として利
用できないことである。
【0007】また、大型の結晶を得るためには厳密な温
度制御が必要であり、温度均質性を維持するためマルチ
ゾーンの抵抗加熱炉が必要とされる。さらに、光学結晶
に対するニーズが多様化していることから、CLBO結晶の
光学的特性をさらに改良、向上した光学結晶の提供も望
まれている。
【0008】そこで本発明の目的は、結晶製造が容易で
あり、かつCLBO結晶の光学的特性と同等かそれ以上の光
学的特性を有する光学結晶及びその製造方法を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式Ax
1-x LiB6 10(式中、Aは、Rb、K及びTlか
らなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、x
は0を超え、1以下である)で表される光学結晶に関す
る。
【0010】さらに本発明は、一般式Ax Cs1-x Li
6 10(式中、Aは、Rb、K及びTlからなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の元素であり、xは0を超
え、1以下である)で表される組成を有する融液から、
該融液と実質的に同一組成の結晶として育成することを
特徴とする上記本発明の光学結晶の製造方法に関する。
【0011】本発明の光学結晶は、CLBO結晶のCsの一部
又は全部をRb、K及びTlの1種又は2種以上と置換した
ものである。CLBO結晶の結晶構造を維持し、非線形性発
現の原因となるB-0 構造を保持することによって、CLBO
結晶が有する基本的な特性を変えず、かつ結晶製造が容
易であり、かつCLBO結晶の光学的特性と同等かそれ以
上、またはCLBO結晶とは一部異なる光学特性を有する光
学結晶を提供することができる。
【0012】Csと置換する上記元素は、Csより小さいイ
オン半径を有することが好ましく、Cs+1のイオン半径
は、6配位環境で1.70Åであるのに対して、Rb+1は同じ
く6配位環境で1.49Åであり、K+ のイオン半径は6配
位環境で1.38オングストロームであり、Tl+ のイオン半
径は6配位環境で1.50オングストロームである。
【0013】上記元素でCsの一部又は全部を置換するこ
とで、歪みの少ない結晶構造にすることが可能になり、
その結果、製造が容易になり、かつ、光学特性を変化さ
せることも可能になる。即ち、本来のCLBOの結晶構造を
変えることなくかつ非線形光学特性を維持して、結晶内
部歪み等を解消して、物性を向上させることができる。
【0014】本発明の上記一般式において、元素置換率
xは、得られる結晶の空間群がI42dである範囲内で、所
望の光学特性を考慮して適宜決定することができる。上
記置換元素のうちでも、結晶の製造が容易にでき、かつ
安全性が高いという観点から、Rbが好ましい。そして、
本発明の結晶の一態様として、例えば、RbLiB6O10 (RL
BO) 単結晶を挙げることができ、この結晶は、空間群が
I42dであるため非線形光学結晶として用いることがで
き、かつ内部に歪みをもたない優れたものである。
【0015】さらに、CLBO結晶とRLBO結晶との中間の組
成を有するRbx Cs1-x LiB610(0<x<1)
は、CLBO結晶とRLBO結晶とが共に空間群I42dを示すこと
から、同様に空間群I42dを示す結晶であって、非線形光
学結晶として有用であるとともに、xを変化させること
で、種々の物性を所望の値に適宜変化させることができ
る。
【0016】本発明の上記結晶は、一般式Ax Cs1-x
LiB6 10で表される組成を有する融液から、該融液
と実質的に同一組成の結晶として育成することで作製で
きる。上記融液は、炭酸ルビジウムRb2 CO3 、炭酸
カリウムK2 CO3 、炭酸タリウムTl2 CO3 、炭酸
セシウムCs2 CO3 、炭酸リチウムLi2 CO3 、酸
化ホウ素B2 3 等を所定量秤量し、加熱溶融すること
で得ることができる。本発明の結晶は、上記ストイキオ
メトリー又はノンストイキオメトリーの融液から結晶化
することができ、必然的に融液成長、溶液成長等のさま
ざまな育成方法で製造が可能である。
【0017】結晶育成の方法としては、例えば、チョク
ラルスキー (結晶引き上げ法) 、キャピラリー法、温度
勾配を利用したトップシード法、ブリッジマン法、フロ
ーティングゾーン法、バグザダザロフ法などを挙げるこ
とができる。但し、これらの方法に限定されるものでは
ない。結晶の析出育成温度は、結晶の組成等により適宜
決定できる。例えば、CLBOの結晶化温度は、848 〜849
℃であるのに対し、RLBOの結晶化は、前記CLBOの結晶化
温度よりさらに60〜70℃低い温度である。従って、Rb
x Cs1-x LiB6 10の場合、xの値により、結晶の
析出育成温度を調整することができる。
【0018】RLBOは、上記のように結晶化がCLBOより低
いため、融液の粘性がCLBOの結晶化用の融液の粘性に比
べて高い。その結果、RLBOは、CLBOに比べれば、結晶化
が遅く、結晶開始当初より透明高品質結晶として成長
し、成長制御がより容易であるという利点がある。しか
し、RLBOの結晶化速度は、CLBO結晶に比べれば幾分おそ
いが、CLBO以外の結晶の成長速度に比べれば依然として
早く、大型のRLBO結晶を短期間に作製することができ
る。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、結晶製造が容易であ
り、かつCLBO結晶の光学的特性と同等かそれ以上、また
は一部異なる光学結晶が得られる。特に、RLBOは、従来
のCLBOと比較して、非線形光学上の特性はほぼ同等であ
り、結晶内部歪みがより少ない。また、経時変化として
割れが入りにくいため、高歩留まりで利用することがで
きる。
【0020】また結晶製造上、CLBOの結晶製造の場合の
ように、高い温度均質性が要求されず、高価な設備を必
要としないにも係わらず、短期間で大型の結晶ブールを
作製することができる。
【0021】
【実施例】以下本発明を実施例によりさらに説明する。 実施例1 RLBO結晶の製造 1)種結晶の作製 24.63gの炭酸リチウムLi2 CO3 、139.2
4gの酸化ホウ素B23 、76.98gの炭酸ルビジ
ウムRb2 CO3 を混合した(混合モル比、Rb2 CO
3 :Li2 CO3 :B2 3 =1:1:6)。縦型炉の
なかに100×100mm径の白金坩堝をセットし、約
950℃に保って上記混合物を投入溶融した。上記混合
物の投入を4回繰り返し行ない、坩堝の半分量程充填し
た。それをそのまま2昼夜放置した。
【0022】次に表面を白金でシールした熱電対をこの
融液の表面に接触し、表面温度が775℃となるまでコ
ントローラー表示温度を調整した。調整後そのままの状
態を維持し、熱電対白金ロッドの表面に結晶化が生じる
まで静置した。約2時間後、ロッドの周辺に透明な結晶
が放射状に成長しはじめた。このまま成長を継続させ適
当な大きさ(数センチ大)で結晶を取り出し、これを成
形し種結晶用に加工した。
【0023】2)単結晶の育成 1)に示した混合モル比のRb2 CO3 、Li2 CO3
及びB2 3 の混合物を、100×100mm径白金坩
堝に7ないし8回繰り返し投入し、坩堝の80%程度充
填した。融液は2ないし3日放置し充分混合をはかっ
た。先に作製した種結晶を、内径5mm外径7mm程で
長さ40cm程のアルミナ管の先端に、金−白金合金の
シードホルダーを介して、白金線で結び付けた。これを
アルミナ管シャフトを回転モーターのチャックにセット
した。上記種結晶をシャフトの上下移動の治具によっ
て、少しづつ下方に移動しつつ、種結晶部を融液表面に
近づけ、温度775℃であることを確認しつつ融液表面
に接触させた。その後融液温度を5℃程上昇させて10
分程放置し、次いで775℃に戻し、そのまま放置し
た。
【0024】シャフトの回転数は、数回転毎分か、また
は無回転とした。坩堝は炉本体管の中に更に坩堝が収ま
る大きさのアルミナ管をもうけ、その中に設置した。ま
た内管の上部は耐火れんがで作成した覆い蓋を設け、更
に本体管の上部にも同様に蓋を設けた。これは坩堝内部
の融液内の温度均質性を保つためである。
【0025】このように温度を一定に保持したまま約1
0日保ち、数センチないし10センチ径の結晶が成長し
た段階で、結晶を引き上げ融液から切りはなし、48時
間かけて常温まで除冷し結晶を炉外に取り出した。その
結果、寸法が5×7×7cmの結晶ブールを得た。
【0026】結晶構造の確認と非線形性の発現の確認 結晶構造の確認は、CLBO結晶を標準とし、パウダー法に
よるX線回析のピークパターンを比較することにより行
なった。その結果、類似のパターンが確認できたので、
結晶構造がCLBOと同一であることが判明した。X線回折
装置として、リガク製の装置を用いた。さらに得られた
結晶を化学分析した結果、得られた結晶の組成は、RbLi
B6O10であると同定された。
【0027】また、得られた結晶の非線形性は、同じく
パウダー法による比較によって行った。光源にはYAG
レーザーの1.06ミクロンを用い、このレーザー光を照射
し出てきた2オメガ光の強度をモニターすることによっ
て行なった。その結果、上記RLBO結晶で得られた光強度
は、CLBO結晶で得られる光強度とほぼ同じであった。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式Ax Cs1-x LiB6 10(式
    中、Aは、Rb、K及びTlからなる群から選ばれる少
    なくとも1種の元素であり、xは0を超え、1以下であ
    る)で表される光学結晶。
  2. 【請求項2】 AがRbである請求項1記載の光学結
    晶。
  3. 【請求項3】 非線形光学結晶又は電気光学結晶である
    請求項1又は2記載の光学結晶。
  4. 【請求項4】 一般式Ax Cs1-x LiB6 10(式
    中、Aは、Rb、K及びTlからなる群から選ばれる少
    なくとも1種の元素であり、xは0を超え、1以下であ
    る)で表される組成を有する融液から、該融液と実質的
    に同一組成の結晶として育成することを特徴とする請求
    項1記載の光学結晶の製造方法。
  5. 【請求項5】 AがRbである請求項4記載の光学結晶
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000071786A1 (fr) * 1999-05-22 2000-11-30 Japan Science And Technology Corporation Procede et appareil de fabrication de monocristaux de grande qualite

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