JP3763423B2 - 非線形光学材料およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、SHG(second harmonic generation)活性な新規な非線形光学材料およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【発明の技術的背景】
非線形光学材料、特にSHG活性を示す非線形光学材料は、新しい光源の実現に直接結びつくため活発に研究され多く公知となっている。
【0003】
このような公知材料のなかでもホウ酸系の非線形光学材料は、透過波長域が紫外域まで広がっているものが多く、波長変換に利用して紫外線を発生できる可能性があり、露光用光源や化学反応光源を実現することができる。しかしながら、現在まで知られているホウ酸系材料は、β−ホウ酸バリウム(BaB2 O4 )、ホウ酸リチウム(LiB3 O5 )などに限られており、今後の短波長光源実現に向けて、新しい材料開発が待たれている。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたものであって、ホウ酸系の非線形光学材料であってSHG活性を示す新規な非線形光学材料およびその製造方法を提供することを目的としている。
【0005】
【発明の概要】
本発明に係る非線形光学材料は、次式で表されることを特徴としている。
XCsB6 O10
(式中、Xはカリウムまたはルビジウムを示す)
本発明の新規な非線形光学材料は、従来公知のβ−BaB2 O4 と同程度以上のSHG活性を示す。
【0006】
本発明に係る非線形光学材料の製造方法は、
(a)カリウムまたはルビジウムの炭酸塩またはホウ酸塩と、
(b)セシウムの炭酸塩またはホウ酸塩と、
(c)ホウ酸または無水ホウ酸とを出発原料として結晶を成長させ前記のような非線形光学材料を製造することを特徴としている。
【0007】
本発明では、
(a)カリウムまたはルビジウムの炭酸塩またはホウ酸塩と、
(b)セシウムの炭酸塩またはホウ酸塩と、
(c)ホウ酸または無水ホウ酸との混合粉または混合粉の圧粉体を用い、融液固化法により結晶を成長させることが望ましい。
【0008】
また、本発明では、
(a)カリウムまたはルビジウムの炭酸塩またはホウ酸塩と、
(b)セシウムの炭酸塩またはホウ酸塩と、
(c)ホウ酸または無水ホウ酸との混合粉を焼成した焼成体または混合粉の圧粉体を焼成した焼成体を用い、融液固化法により結晶を成長させることが望ましい。
【0009】
また、本発明では前記(a)カリウムまたはルビジウムの炭酸塩またはホウ酸塩が、K2 CO3 、K2 B4 O7 、Rb2 CO3 またはRb2 B4 O7 のいずれかであり、前記(b)セシウムの炭酸塩またはホウ酸塩がCs2 CO3 またはCs2 B4 O7 であり、前記(c)ホウ酸または無水ホウ酸がH3 BO3 またはB2 O3 であることが望ましい。
【0010】
本発明の非線形光学材料の製造方法は、従来公知の非線形光学材料と同程度以上のSHG活性を示す非線形光学材料を容易に製造することができる。
【0011】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る非線形光学材料およびその製造方法を具体的に説明する。
本発明に係る非線形光学材料は、次式で表される。
【0012】
XCsB6 O10(元素比)
式中、Xはカリウムまたはルビジウムを示す。
このような非線形光学材料として具体的には、KCsB6 O10、RbCsB6 O10が挙げられ、RbCsB6 O10が特にSHG活性に優れているため好ましい。
【0013】
本発明の非線形光学材料は、従来公知のβ−BaB2 O4 と同程度以上のSHG活性を示す。
このような本発明の非線形光学材料は、たとえば、
(a)カリウムまたはルビジウムの炭酸塩またはホウ酸塩と、
(b)セシウムの炭酸塩またはホウ酸塩と、
(c)ホウ酸または無水ホウ酸とを出発原料として結晶を成長させることにより製造される。
【0014】
(a)カリウムまたはルビジウムの炭酸塩またはホウ酸塩としては、K2 CO3 、Rb2 CO3 、K2 B4 O7 、Rb2 B2 O4 などが挙げられ、Rb2 CO3 が好ましい。
【0015】
(b)セシウムの炭酸塩またはホウ酸塩としては、Cs2 CO3 、Cs2 B2 O4 などが挙げられ、Cs2 CO3 が好ましい。
(c)ホウ酸または無水ホウ酸としては、無水ホウ酸(B2 O3 )が好ましい。
【0016】
本発明では、上記(a)カリウムまたはルビジウムの炭酸塩またはホウ酸塩と、(b)セシウムの炭酸塩またはホウ酸塩と、(c)ホウ酸または無水ホウ酸との混合粉若しくは混合粉のをプレス成形した圧粉体、または混合粉焼成した焼成体若しくは混合粉をプレス成形した圧粉体を焼成した焼成体を用い結晶を製造する。
【0017】
結晶を製造する方法としては、たとえばCZ(チョクラルスキー)法、TSSG(TOP SEEDED SOLUTION GROWTH)法などの融液固化法が挙げられる。
本発明の非線形光学材料の製造方法は、従来公知の非線形光学材料と同程度のSHG活性を示す非線形光学材料を容易に製造することができる。
【0018】
本発明の非線形光学材料は、たとえば波長変換を利用した短波長レーザーや各種の非線形光学素子に応用が可能である。
本発明の非線形光学材料を単結晶化すれば、基本波長の光をこの単結晶に入射し、単結晶の中で変換された高調波光を取り出すことによって単波長光源として利用できる。
【0019】
また、本発明の非線形光学材料を焼結して多結晶体のセラミック体にすれば、可視領域よりも長い波長のレーザー光をこのセラミックス体に照射することにより可視化できる。これは例えば、YAGを用いた1.06μmの大出力レーザー光をこのセラミックス体に照射すると0.53μmの可視光となり、大出力レーザー光のビーム形状や強度分布などのビーム性状を見ることができる。
【0020】
【発明の効果】
本発明の非線形光学材料は、従来公知のβ−BaB2 O4 と同程度以上のSHG活性を示す。
【0021】
本発明の非線形光学材料の製造方法は、従来公知の非線形光学材料と同程度以上のSHG活性を示す非線形光学材料を容易に製造することができる。
【0022】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0023】
【実施例1】
炭酸ルビジウム(Rb2 CO3 )と炭酸セシウム(Cs2 CO3 )と無水ホウ酸(B2 O3 )とをモル比で1:1:6となるように秤量し、混合したものをプレス成形してペレットを作製した。このペレットを700℃で10時間焼成した後、粉砕し、再度プレス成形してペレットを作製し、700℃で25時間焼成した。
【0024】
得られたペレットのDTA測定と粉末X線回折測定を行った結果、該ペレットは単一相であり、融点が766℃であることがわかった。また1.06μmのレーザーにより粉末SHG強度を調べると0.53μmのスペクトルが観測され、β−BaB2 O4 と同程度以上のSHG活性を示した。
【0025】
【実施例2】
炭酸ルビジウム(Rb2 CO3 )と炭酸セシウム(Cs2 CO3 )と無水ホウ酸(B2 O3 )とをモル比で1:1:6となるように秤量し、混合したものをプレス成形してペレットを作製した。このペレットを700℃で10時間焼成した後、粉砕し、再度プレス成形してペレットを作製し、700℃で25時間焼成した。得られたペレットを白金坩堝に充填して、750℃で加熱溶融した後、白金線をメルト表面に接し、緩やかに温度を下げて結晶を白金線に析出させた。生成した析出物は、白色で部分的に透明な数mm角の結晶からなる多結晶体状態であった。
【0026】
析出物のDTA測定と粉末X線回折測定を行った結果、該析出物は単一相であり、融点が766℃であることがわかった。また該析出物に1.06μmのレーザーを照射したところ、0.53μmの緑色光を発生した。
【0027】
【実施例3】
炭酸カリウム(K2 CO3 )と炭酸セシウム(Cs2 CO3 )と無水ホウ酸(B2 O3 )とをモル比で1:1:6となるように秤量し、混合したものをプレス成形してペレットを作製した。このペレットを680℃で10時間焼成した後、粉砕し、再度プレス成形してペレットを作製し、680℃で25時間焼成した。
【0028】
得られたペレットのDTA測定と粉末X線回折測定を行った結果、該ペレットは単一相であり、融点が710℃であることがわかった。また1.06μmのレーザーにより粉末SHG強度を調べると0.53μmのスペクトルが観測され、β−BaB2 O4 と同程度以上のSHG活性を示した。
【0029】
【実施例4】
炭酸カリウム(K2 CO3 )と炭酸セシウム(Cs2 CO3 )と無水ホウ酸(B2 O3 )とをモル比で1:1:6となるように秤量し、混合したものをプレス成形してペレットを作製した。このペレットを680℃で10時間焼成した後、粉砕し、再度プレス成形してペレットを作製し、680℃で25時間焼成した。得られたペレットを白金坩堝に充填して、800℃で加熱溶融した後、白金線をメルト表面に接し、緩やかに温度を下げて結晶を白金線に析出させた。生成した析出物は、白色で部分的に透明な数mm角の結晶からなる多結晶体状態であった。
【0030】
析出物のDTA測定と粉末X線回折測定を行った結果、該析出物は単一相であり、融点が710℃であることがわかった。また該析出物に1.06μmのレーザーを照射したところ、0.53μmの緑色光を発生した。
【発明の属する技術分野】
本発明は、SHG(second harmonic generation)活性な新規な非線形光学材料およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【発明の技術的背景】
非線形光学材料、特にSHG活性を示す非線形光学材料は、新しい光源の実現に直接結びつくため活発に研究され多く公知となっている。
【0003】
このような公知材料のなかでもホウ酸系の非線形光学材料は、透過波長域が紫外域まで広がっているものが多く、波長変換に利用して紫外線を発生できる可能性があり、露光用光源や化学反応光源を実現することができる。しかしながら、現在まで知られているホウ酸系材料は、β−ホウ酸バリウム(BaB2 O4 )、ホウ酸リチウム(LiB3 O5 )などに限られており、今後の短波長光源実現に向けて、新しい材料開発が待たれている。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたものであって、ホウ酸系の非線形光学材料であってSHG活性を示す新規な非線形光学材料およびその製造方法を提供することを目的としている。
【0005】
【発明の概要】
本発明に係る非線形光学材料は、次式で表されることを特徴としている。
XCsB6 O10
(式中、Xはカリウムまたはルビジウムを示す)
本発明の新規な非線形光学材料は、従来公知のβ−BaB2 O4 と同程度以上のSHG活性を示す。
【0006】
本発明に係る非線形光学材料の製造方法は、
(a)カリウムまたはルビジウムの炭酸塩またはホウ酸塩と、
(b)セシウムの炭酸塩またはホウ酸塩と、
(c)ホウ酸または無水ホウ酸とを出発原料として結晶を成長させ前記のような非線形光学材料を製造することを特徴としている。
【0007】
本発明では、
(a)カリウムまたはルビジウムの炭酸塩またはホウ酸塩と、
(b)セシウムの炭酸塩またはホウ酸塩と、
(c)ホウ酸または無水ホウ酸との混合粉または混合粉の圧粉体を用い、融液固化法により結晶を成長させることが望ましい。
【0008】
また、本発明では、
(a)カリウムまたはルビジウムの炭酸塩またはホウ酸塩と、
(b)セシウムの炭酸塩またはホウ酸塩と、
(c)ホウ酸または無水ホウ酸との混合粉を焼成した焼成体または混合粉の圧粉体を焼成した焼成体を用い、融液固化法により結晶を成長させることが望ましい。
【0009】
また、本発明では前記(a)カリウムまたはルビジウムの炭酸塩またはホウ酸塩が、K2 CO3 、K2 B4 O7 、Rb2 CO3 またはRb2 B4 O7 のいずれかであり、前記(b)セシウムの炭酸塩またはホウ酸塩がCs2 CO3 またはCs2 B4 O7 であり、前記(c)ホウ酸または無水ホウ酸がH3 BO3 またはB2 O3 であることが望ましい。
【0010】
本発明の非線形光学材料の製造方法は、従来公知の非線形光学材料と同程度以上のSHG活性を示す非線形光学材料を容易に製造することができる。
【0011】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る非線形光学材料およびその製造方法を具体的に説明する。
本発明に係る非線形光学材料は、次式で表される。
【0012】
XCsB6 O10(元素比)
式中、Xはカリウムまたはルビジウムを示す。
このような非線形光学材料として具体的には、KCsB6 O10、RbCsB6 O10が挙げられ、RbCsB6 O10が特にSHG活性に優れているため好ましい。
【0013】
本発明の非線形光学材料は、従来公知のβ−BaB2 O4 と同程度以上のSHG活性を示す。
このような本発明の非線形光学材料は、たとえば、
(a)カリウムまたはルビジウムの炭酸塩またはホウ酸塩と、
(b)セシウムの炭酸塩またはホウ酸塩と、
(c)ホウ酸または無水ホウ酸とを出発原料として結晶を成長させることにより製造される。
【0014】
(a)カリウムまたはルビジウムの炭酸塩またはホウ酸塩としては、K2 CO3 、Rb2 CO3 、K2 B4 O7 、Rb2 B2 O4 などが挙げられ、Rb2 CO3 が好ましい。
【0015】
(b)セシウムの炭酸塩またはホウ酸塩としては、Cs2 CO3 、Cs2 B2 O4 などが挙げられ、Cs2 CO3 が好ましい。
(c)ホウ酸または無水ホウ酸としては、無水ホウ酸(B2 O3 )が好ましい。
【0016】
本発明では、上記(a)カリウムまたはルビジウムの炭酸塩またはホウ酸塩と、(b)セシウムの炭酸塩またはホウ酸塩と、(c)ホウ酸または無水ホウ酸との混合粉若しくは混合粉のをプレス成形した圧粉体、または混合粉焼成した焼成体若しくは混合粉をプレス成形した圧粉体を焼成した焼成体を用い結晶を製造する。
【0017】
結晶を製造する方法としては、たとえばCZ(チョクラルスキー)法、TSSG(TOP SEEDED SOLUTION GROWTH)法などの融液固化法が挙げられる。
本発明の非線形光学材料の製造方法は、従来公知の非線形光学材料と同程度のSHG活性を示す非線形光学材料を容易に製造することができる。
【0018】
本発明の非線形光学材料は、たとえば波長変換を利用した短波長レーザーや各種の非線形光学素子に応用が可能である。
本発明の非線形光学材料を単結晶化すれば、基本波長の光をこの単結晶に入射し、単結晶の中で変換された高調波光を取り出すことによって単波長光源として利用できる。
【0019】
また、本発明の非線形光学材料を焼結して多結晶体のセラミック体にすれば、可視領域よりも長い波長のレーザー光をこのセラミックス体に照射することにより可視化できる。これは例えば、YAGを用いた1.06μmの大出力レーザー光をこのセラミックス体に照射すると0.53μmの可視光となり、大出力レーザー光のビーム形状や強度分布などのビーム性状を見ることができる。
【0020】
【発明の効果】
本発明の非線形光学材料は、従来公知のβ−BaB2 O4 と同程度以上のSHG活性を示す。
【0021】
本発明の非線形光学材料の製造方法は、従来公知の非線形光学材料と同程度以上のSHG活性を示す非線形光学材料を容易に製造することができる。
【0022】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0023】
【実施例1】
炭酸ルビジウム(Rb2 CO3 )と炭酸セシウム(Cs2 CO3 )と無水ホウ酸(B2 O3 )とをモル比で1:1:6となるように秤量し、混合したものをプレス成形してペレットを作製した。このペレットを700℃で10時間焼成した後、粉砕し、再度プレス成形してペレットを作製し、700℃で25時間焼成した。
【0024】
得られたペレットのDTA測定と粉末X線回折測定を行った結果、該ペレットは単一相であり、融点が766℃であることがわかった。また1.06μmのレーザーにより粉末SHG強度を調べると0.53μmのスペクトルが観測され、β−BaB2 O4 と同程度以上のSHG活性を示した。
【0025】
【実施例2】
炭酸ルビジウム(Rb2 CO3 )と炭酸セシウム(Cs2 CO3 )と無水ホウ酸(B2 O3 )とをモル比で1:1:6となるように秤量し、混合したものをプレス成形してペレットを作製した。このペレットを700℃で10時間焼成した後、粉砕し、再度プレス成形してペレットを作製し、700℃で25時間焼成した。得られたペレットを白金坩堝に充填して、750℃で加熱溶融した後、白金線をメルト表面に接し、緩やかに温度を下げて結晶を白金線に析出させた。生成した析出物は、白色で部分的に透明な数mm角の結晶からなる多結晶体状態であった。
【0026】
析出物のDTA測定と粉末X線回折測定を行った結果、該析出物は単一相であり、融点が766℃であることがわかった。また該析出物に1.06μmのレーザーを照射したところ、0.53μmの緑色光を発生した。
【0027】
【実施例3】
炭酸カリウム(K2 CO3 )と炭酸セシウム(Cs2 CO3 )と無水ホウ酸(B2 O3 )とをモル比で1:1:6となるように秤量し、混合したものをプレス成形してペレットを作製した。このペレットを680℃で10時間焼成した後、粉砕し、再度プレス成形してペレットを作製し、680℃で25時間焼成した。
【0028】
得られたペレットのDTA測定と粉末X線回折測定を行った結果、該ペレットは単一相であり、融点が710℃であることがわかった。また1.06μmのレーザーにより粉末SHG強度を調べると0.53μmのスペクトルが観測され、β−BaB2 O4 と同程度以上のSHG活性を示した。
【0029】
【実施例4】
炭酸カリウム(K2 CO3 )と炭酸セシウム(Cs2 CO3 )と無水ホウ酸(B2 O3 )とをモル比で1:1:6となるように秤量し、混合したものをプレス成形してペレットを作製した。このペレットを680℃で10時間焼成した後、粉砕し、再度プレス成形してペレットを作製し、680℃で25時間焼成した。得られたペレットを白金坩堝に充填して、800℃で加熱溶融した後、白金線をメルト表面に接し、緩やかに温度を下げて結晶を白金線に析出させた。生成した析出物は、白色で部分的に透明な数mm角の結晶からなる多結晶体状態であった。
【0030】
析出物のDTA測定と粉末X線回折測定を行った結果、該析出物は単一相であり、融点が710℃であることがわかった。また該析出物に1.06μmのレーザーを照射したところ、0.53μmの緑色光を発生した。
Claims (5)
- 次式で表されることを特徴とする非線形光学材料;
XCsB6 O10
(式中、Xはカリウムまたはルビジウムを示す) - (a)カリウムまたはルビジウムの炭酸塩またはホウ酸塩と、
(b)セシウムの炭酸塩またはホウ酸塩と、
(c)ホウ酸または無水ホウ酸とを出発原料として結晶を成長させることを特徴とする請求項1に記載の非線形光学材料の製造方法。 - (a)カリウムまたはルビジウムの炭酸塩またはホウ酸塩と、
(b)セシウムの炭酸塩またはホウ酸塩と、
(c)ホウ酸または無水ホウ酸との混合粉または混合粉の圧粉体を用い、融液固化法により結晶を成長させることを特徴とする請求項2に記載の非線形光学材料の製造方法。 - (a)カリウムまたはルビジウムの炭酸塩またはホウ酸塩と、
(b)セシウムの炭酸塩またはホウ酸塩と、
(c)ホウ酸または無水ホウ酸との混合粉を焼成した焼成体または混合粉の圧粉体を焼成した焼成体を用い、融液固化法により結晶を成長させることを特徴とする請求項2に記載の非線形光学材料の製造方法。 - (a)カリウムまたはルビジウムの炭酸塩またはホウ酸塩が、K2 CO3 、K2 B4 O7 、Rb2 CO3 またはRb2 B4 O7 のいずれかであり、
(b)セシウムの炭酸塩またはホウ酸塩が、Cs2 CO3 またはCs2 B4 O7 のいずれかであり、
(c)ホウ酸または無水ホウ酸がH3 BO3 またはB2 O3 である請求項2〜4のいずれかに記載の非線形光学材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17920195A JP3763423B2 (ja) | 1995-07-14 | 1995-07-14 | 非線形光学材料およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17920195A JP3763423B2 (ja) | 1995-07-14 | 1995-07-14 | 非線形光学材料およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0933964A JPH0933964A (ja) | 1997-02-07 |
JP3763423B2 true JP3763423B2 (ja) | 2006-04-05 |
Family
ID=16061701
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17920195A Expired - Fee Related JP3763423B2 (ja) | 1995-07-14 | 1995-07-14 | 非線形光学材料およびその製造方法 |
Country Status (1)
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Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN1332075C (zh) * | 2004-06-25 | 2007-08-15 | 中国科学院理化技术研究所 | 硼酸铯铷非线性光学晶体及其生长方法和用途 |
CN101914809B (zh) | 2010-08-11 | 2014-03-12 | 中国科学院新疆理化技术研究所 | 化合物氯硼酸钾非线性光学晶体及制备方法和用途 |
CN102071465B (zh) * | 2011-01-30 | 2013-01-16 | 中国科学院苏州纳米技术与纳米仿生研究所 | 大尺寸非线性光学晶体水合硼酸钾、其制备方法及应用 |
-
1995
- 1995-07-14 JP JP17920195A patent/JP3763423B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0933964A (ja) | 1997-02-07 |
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