JPH0569715U - 顕微鏡照明光学系 - Google Patents

顕微鏡照明光学系

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JPH0569715U
JPH0569715U JP676792U JP676792U JPH0569715U JP H0569715 U JPH0569715 U JP H0569715U JP 676792 U JP676792 U JP 676792U JP 676792 U JP676792 U JP 676792U JP H0569715 U JPH0569715 U JP H0569715U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 利用倍率に対応した開口数が確保され得る照
明光学系を提供する。 【構成】 第一のリレーレンズ(L2)を、光軸を含むレン
ズ中心部の領域(Li)とその外周部の領域(Lo)とで互いに
異なるパワーを有するように構成する。 【効果】 高倍対物レンズを照明する場合はリレーレン
ズの外周部の領域を通過する照明光によりクルティカル
照明を構成し、低倍対物レンズを照明する場合はリレー
レンズの中心部の領域によりケーラー照明を構成する。
これにより、適宜な開口数が確保され得、ムラのない鮮
明な視野を得ることができる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、顕微鏡照明光学系にかかり、特に透明標本を観察する場合に利用さ れる透過照明光学系に関する。
【0002】
【従来の技術】
顕微鏡の透過照明光学系として利用されるケーラー照明のうちテレセントリッ ク系として構成されているものは、光源のフィラメント像を開口絞り上に投影し て二次光源をつくり、コンデンサレンズの前側焦点をこの二次光源に一致させて 標本を略平行光で照明し、二次光源の像を対物レンズの後側焦点につくるように なっている。また、視野絞りは標本面と共役な位置に配置されている。かかる構 成により、低倍対物レンズに対しては照明ムラが少なく、又、高倍対物レンズに 対しては狭い照野で開口数が大きい理想的な照明を実現している。
【0003】 従来、実用上ケーラー照明を利用するに際し、フィラメント寸法が小さすぎた り、フィラメント像が開口絞り上に正確に投影されないこと等に起因して、照明 ムラが生じたり、又、光源の照明光をより効率良く集光させたい場合がある。こ れらの場合、光路中に散光用の拡散板や平行平面板の一面に微小プリズム又は微 小レンズを集積配置して成る光学素子等を配置して、明るくムラのない視野を得 ていた。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
然し乍ら、かかる照明光学系を構成するレンズ径や光路長等の種々の寸法に関 する制限条件に起因して生じる照明の劣化,特に高倍対物レンズに対する開口数 の不足を防ぐことはできなかった。例えば、光源に最も近いコレクタレンズの有 効径が確保できず、高倍対物レンズの所定の開口数を満足する照明光学系が実現 できない場合がある。この場合、拡散板の拡散度合いを強くして光路中に配置す れば所定の開口数を満足することができるが、明るさが不足し、又、光路中に微 小レンズ等を集積した光学素子を配置すれば、光源が無数の小さな光源像に分割 されることになるので、照明ムラに対しては効果があるが、開口数の増大に対し ては効果はない。
【0005】 本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり 、その目的とするところは、低倍対物レンズに対しては照明ムラがなく且つ高倍 対物レンズに対しては大きい開口数が確保され得る顕微鏡照明光学系を提供しよ うとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本考案における顕微鏡照明光学系は、コレクタレン ズの出射側に配置される第一のリレーレンズが、光軸を含むレンズ中心部の領域 とその外周部の領域とで互いに異なるパワーを有することを特徴としてなるもの である。 尚、実用新案登録請求の範囲にいう「拡散素子」とは、スリガラスや上記平行 平面板の一面に微小プリズム又は微小レンズを集積配置して成る光学素子等の、 散光用の部材又は素子をいう。
【0007】
【作用】
高倍対物レンズを照明する場合、リレーレンズの外周部の領域が有する正のパ ワーによって、コレクタレンズを通過した光源からの照明光を該コレクタレンズ の有効径が見かけ上大きくなるように屈折せしめ、該領域を通過する照明光によ りクリティカル照明を構成し、又、低倍対物レンズを照明する場合は、リレーレ ンズの中心部の領域によりケーラー照明を構成する。従って、利用倍率に対応し た適宜な開口数が確保され得、明るく照明ムラのない視野を得ることができる。
【0008】
【実施例】
以下、実施例を図面に基づいて説明する。 図1は、本考案の好適な一実施例の光学系と照明光の光路を示す図であって、 (a)は高倍対物レンズを照明する場合、(b)は低倍対物レンズを照明する場 合を夫々示している。図中、1はフィラメントより成る光源、2は標本面、L1 は光源1からの照明光を略平行又は収束光に変換するコレクタレンズ、P1は熱 線吸収ガラスである。L2は上記コレクタレンズL1からの照明光をリレーする ための第一のリレーレンズであって、図示した如く光軸Oを含むレンズ中心部の 領域Liよりその外周部の領域Loの方が照明光を収束するパワーが強くなるよ うに形成されている。そして、P2は散光用の拡散板ガラス、Fsは視野絞り、 L3は該視野絞りFsの像をリレーするための第二のリレーレンズ、Asは開口 絞り、L4は上記視野絞りFsの像を標本面2上に形成するための交換可能なコ ンデンサレンズである。尚、(a)に示した高倍対物レンズはNA=1.4、( b)に示した低倍対物レンズはNA=0.4で夫々照明しているものとする。
【0009】 本実施例は上述のように構成されているので、高倍対物レンズを照明する場合 は、リレーレンズL2の外周部の領域Loが有する正のパワーによって、光源1 側から大きい開口数の照明光を標本面2に導くことができる。この場合、光源1 の近辺と標本面2とが共役となっているので、かかる照明光学系はクリティカル 照明を構成し、明るく鮮明な視野を得ることができる。
【0010】 図2は、図1に示した照明光学系において上記リレーレンズL2の代わりに平 行平面形状のリレーレンズL2′を配置すると共に同図と同じ開口数(NA=1 .4)を設定し、この開口数の照明光を標本面2側から逆追跡した場合の光路( 図中、実線及び符号Xで示す。)を示している。図2より明らかなように逆追跡 光線Xは、コレクタレンズL1の有効径が不足しているために光源1に達せず、 この場合の照明光学系は開口数が不足してしまう。本実施例は、リレーレンズL 2の外周部の領域Loが有する正のパワーによって、コレクタレンズL1を通過 して該領域Loに入射する光源1からの照明光を、コレクタレンズL1の有効径 が見かけ上大きくなるように屈折せしめるので、所望の開口数を確保することが できる。従って、照明光学系の構造上の制限からコレクタレンズL1の有効径を 大きくできない場合等、上述した照明光学系の種々の寸法に関する制限条件に起 因して生じる照明の劣化の防止に対して効果的である。
【0011】 また、低倍対物レンズを照明する場合は、所望の開口数を満たす照明光は全て リレーレンズL2の中心部の領域Liを通過し、この照明光が標本面2を照明す る。この場合の照明光学系は、光源1の近辺と開口絞りAsとが共役となってい るので、ケーラー照明を構成し、照明ムラのない視野を得ることができる。
【0012】 このように、第一のリレーレンズL2を光軸Oを含むレンズ中心部の領域Li とその外周部の領域Loとで互いに異なるパワーを有するようにしたことで、か かる照明光学系は、低倍対物レンズに対してはケーラー照明を行い、高倍対物レ ンズに対しては一部の光線でクリティカル照明を行うよう構成され、これにより 利用倍率に対応した十分な開口数を確保することができる。一般に、クリティカ ル照明は照明ムラの生じやすい照明方法であるが、高倍対物レンズは照野が非常 に狭いので、特に問題となることはない。また、本考案の構成によれば、高倍対 物レンズを照明するときの全光束がクリティカル照明となっている訳ではなく、 開口数を大きくする照明光即ちリレーレンズL2の外周部の領域Loを通過する 照明光だけがクリティカル照明である。
【0013】 尚、光源1からの照明光が低倍対物レンズを照明する場合に通過するリレーレ ンズL2の中心部の領域Liは、必要に応じて適宜、正又は負のパワーを持たせ てもよく、又、リレーレンズL2は接合レンズにより形成してもよい。
【0014】
【考案の効果】
以上、本考案の顕微鏡照明光学系によれば、利用倍率に対応した適宜な開口数 が確保され得、低倍対物レンズに対しては照明ムラがなく且つ高倍対物レンズに 対しては開口数が大きい、明るく照明ムラのない鮮明な視野を得ることができる 。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案による顕微鏡照明光学系の一実施例の光
学系と照明光の光路を示す図であって、(a)は高倍対
物レンズを照明する場合、(b)は低倍対物レンズを照
明する場合を夫々示している。
【図2】図1(a)に示した照明光学系においてリレー
レンズL2の代わりにリレーレンズL2′を配置した場
合の、照明光を標本面側から逆追跡したときの光学系及
び追跡光線を示す図である。
【符号の説明】
1・・・光源 2・・・標本面 As・・・開口絞り Fs・・・視野絞り L1・・・コレクタレンズ L2・・・第一のリレ
ーレンズ L3・・・第二のリレーレンズ L4・・・コンデンサ
レンズ P1・・・熱線吸収ガラス P2・・・拡散板ガラ
ス Li・・・中心部の領域 Lo・・・外周部の領
域 L2′・・・リレーレンズ

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、該光源からの照明光を略平行又
    は収束光に変換するコレクタレンズと、該コレクタレン
    ズからの照明光をリレーするための第一のリレーレンズ
    と、視野絞りと、該視野絞りの像をリレーするための第
    二のリレーレンズと、上記視野絞りの像を標本面上に形
    成するための交換可能なコンデンサレンズとを順次配設
    すると共に、上記光源から視野絞りに至る光路中に拡散
    素子を設けた顕微鏡照明光学系において、上記第一のリ
    レーレンズが光軸を含む中心部の領域とその外周部の領
    域とで互いに異なるパワーを有することを特徴とする顕
    微鏡照明光学系。
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JP2569641Y2 (ja) 1998-04-28

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