JPH0569483U - 管継手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 流体圧の作用・不作用の変化が頻繁に生ずる
態様で使用されても、ホースの接続部分が損傷しにくい
管継手を提供する。 【構成】 一端をホース挿入口１０とした両端開放の筒
状に形成され且つ内面にホース挿入口に向かって縮径す
るテーパ部１１を有した主体１と、進退細筒２と保持筒
３とから構成され、保持筒と進退細筒との間にホースＨ
を挿入した状態で進退細筒及び保持筒がホース挿入口側
に前進したときに、保持筒がテーパ部からの押圧力によ
り縮径せしめられてホースが挟持される形式の管継手に
於いて、外周テーパ面２３と、内周テーパ面４０を有し
且つ外周テーパ面と主体の内周面との間に介装された拡
縮径可能な弾性テーパ筒４と、これの後方への移動のみ
阻止する係止部と、弾性テーパ筒を縮径せしめて摩擦係
止する内方突出部１５とを有する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、接続容易な管継手に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の管継手としては、例えば、図８に示すようなものがあり、同図に示す如 く、雄ネジ部より成る接続部を有する円筒状の主体１内にこれと同軸上に進退細 筒２を摺動自在に取付けると共に、この進退細筒２と主体１との間に保持筒３を 進退自在に介装して構成されている。

【０００３】 上記主体１は、図８に示すように、その一端をホース挿入口１０としてあり、 このホース挿入口１０近傍の内周部に、開放端に向かって縮径するテーパ部１１ を形成してある。 保持筒３は、同図に示すように、その周壁に前記ホース挿入口１０側に向かっ て開放するスリット３０を形成してあり、外周方向からの押圧力により拡縮径で きる構成としてある。

【０００４】 そして、流体圧が進退細筒２に作用したときには、保持筒３は前記進退細筒２ の張出部に押し出されてホース挿入口１０側に移動するようにしてある。 したがって、流体圧が作用すると、保持筒３と進退細筒２はホースとともにホ ース挿入口１０側に一体的に移動することとなり、保持筒３が上記したテーパ部 １１と当接した時点から、保持筒３には縮径すべく押圧力がテーパ部１１から作 用する。そして、保持筒３の変形に伴い、保持筒３と進退細筒２によるホースへ の挟持力は増大し、ホースは抜け止め状態となる。

【０００５】 ところが、上記管継手では、流体圧の作用・不作用の変化が頻繁に生ずる態様 で使用された場合、前記変化に伴う進退細筒２の進退移動によりその都度ホース は保持筒３と進退細筒２によって挟持・開放されることとなり、その結果、短期 間でホースの接続部分が損傷してしまう。ホースにおける前記損傷は流体漏れを 招来する。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

そこで、この考案では、流体圧の作用・不作用の変化が頻繁に生ずる態様で使 用された場合でも、ホースの接続部分が損傷しにくい管継手を提供することを課 題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

請求項１記載の考案は、一端をホース挿入口とした両端開放の筒状に形成され 且つ内面にホース挿入口に向かって縮径するテーパ部を有した主体と、この主体 内にこれと同軸上に進退自在に取付けられた進退細筒と、前記主体と進退細筒と の間に進退可能な状態で介装された保持筒とから構成され、ホース挿入口を介し て保持筒と進退細筒との間にホースを挿入した状態で進退細筒及び保持筒がホー ス挿入口側に前進したときに、保持筒がテーパ部からの押圧力により縮径せしめ られて当該保持筒と上記進退細筒によりホースが挟持される形式の管継手に於い て、進退細筒に形成された後方に向かって縮径する外周テーパ面と、後方に向か って縮径する内周テーパ面を有し且つ上記外周テーパ面と主体の内周面との間に 介装された拡縮径可能な弾性テーパ筒と、前記進退細筒に対して弾性テーパ筒の 後方への移動のみ阻止する係止部と、前記主体の内周面に形成され且つホース挟 持状態において弾性テーパ筒を縮径せしめて摩擦係止する内方突出部とを有する ものとし、上記したホース挟持状態において進退細筒に後退力が作用したときに 、前記進退細筒の外周テーパ面と弾性テーパ筒の内周テーパ面とが係止状態とな るようにしている。

【０００８】 請求項２記載の考案は、一端をホース挿入口とした両端開放の筒状に形成され 且つ内面にホース挿入口に向かって縮径するテーパ部を有した主体と、この主体 内にこれと同軸上に進退自在に取付けられた進退細筒と、前記主体と進退細筒と の間に進退可能な状態で介装された保持筒とから構成され、ホース挿入口を介し て保持筒と進退細筒との間にホースを挿入した状態で進退細筒及び保持筒がホー ス挿入口側に前進したときに、保持筒がテーパ部からの押圧力により縮径せしめ られて当該保持筒と上記進退細筒によりホースが挟持される形式の管継手に於い て、進退細筒に形成された後方に向かって縮径する外周テーパ面と、後方に向か って縮径する内周テーパ面を有し且つ上記外周テーパ面と主体の内周面との間に 主体と接触した状態で介装された拡縮径可能な弾性テーパ筒と、前記進退細筒に 対して弾性テーパ筒の後方への移動のみ阻止する係止部とを有するものとし、前 記したホース挟持状態から進退細筒に後退力が作用したときに、進退細筒の外周 テーパ面とより弾性テーパ筒の内周テーパ面が係合状態となって弾性テーパ筒が 拡径せしめられるようにしている。

【０００９】 請求項３記載の考案は、一端をホース挿入口とした両端開放の筒状に形成され 且つ内面にホース挿入口に向かって縮径するテーパ部を有した主体と、この主体 内にこれと同軸上に進退自在に取付けられた進退細筒と、前記主体と進退細筒と の間に進退可能な状態で介装された保持筒とから構成され、ホース挿入口を介し て保持筒と進退細筒との間にホースを挿入した状態で進退細筒及び保持筒がホー ス挿入口側に前進したときに、保持筒がテーパ部からの押圧力により縮径せしめ られて当該保持筒と上記進退細筒によりホースが挟持される形式の管継手に於い て、主体の内周面に周溝が形成されていると共に前記周溝の構成壁の一部分を前 方に向かって拡径するテーパ面とし、更に、内周部が進退細筒の外周面と接触し た状態で前記周溝内に収容された拡縮径可能な弾性リング体を具備させ、ホース 挟持状態において進退細筒に後退力が作用したときに、周溝を構成するテーパ面 からの押圧力により弾性リング体が縮径せしめられて弾性リング体と進退細筒と が圧接状態になるようにしている。

【００１０】 請求項４記載の考案は、一端をホース挿入口とした両端開放の筒状に形成され 且つ内面にホース挿入口に向かって縮径するテーパ部を有した主体と、この主体 内にこれと同軸上に進退自在に取付けられた進退細筒と、前記主体と進退細筒と の間に進退可能な状態で介装された保持筒とから構成され、ホース挿入口を介し て保持筒と進退細筒との間にホースを挿入した状態で進退細筒及び保持筒がホー ス挿入口側に前進したときに、保持筒がテーパ部からの押圧力により縮径せしめ られて当該保持筒と上記進退細筒によりホースが挟持される形式の管継手に於い て、進退細筒に形成された前方に向かって縮径する外周テーパ面と、主体の内周 面に周溝が形成されていると共に前記周溝の構成壁の一部分を前方に向かって拡 径するテーパ面とし、更に、前記周溝内に収容されており且つホース挟持状態と なったときに内周部が進退細筒の外周面と圧接状態となる拡縮径可能な弾性リン グ体を具備させ、ホース挟持状態において進退細筒に後退力が作用したときに、 周溝を構成するテーパ面からの押圧力により弾性リング体が縮径せしめられて弾 性リング体と進退細筒とが圧接状態になるようにしている。

【００１１】

【作用】

この考案は次のように作用する。 （請求項１記載の考案の作用） 進退細筒がホース挿入口に向かって移動（この明細書では、この方向への移動 を前進といい、これと反対方向への移動を後退という）するとホースが挟持接続 せしめられるが、この考案の管継手では、主体の内周面と進退細筒の外周面間に 介装された弾性テーパ筒は係止部を介して前記進退細筒と一体的に前進し、弾性 テーパ筒は主体の内方突出部により摩擦係止状態となる。

【００１２】 上記状態において進退細筒に後退力が作用すると、内方突出部と摩擦係止状態 にある弾性テーパ筒の内周テーパ面と進退細筒の外周テーパ面とが係止状態とな り、その結果、進退細筒の後退は阻止されることとなる。 したがって、流体圧が作用した状態から作用しない状態に変化して進退細筒が 後退しようとしても、その移動は阻止される。 （請求項２記載の考案の作用） ホース接続状態は上記請求項１記載の考案とほぼ同様の作用によりなされるが 、この考案の管継手では、弾性テーパ筒の前進は主体と摺動しながらのものとな る。

【００１３】 上記状態において進退細筒に後退力が作用すると、進退細筒の外周テーパ面と 弾性テーパ筒の内周テーパ面が係合状態となって弾性テーパ筒に拡径力が作用し 、その結果、主体と弾性テーパ筒間の係合摩擦力、及び進退細筒と弾性テーパ筒 間の係合力により、進退細筒の後退は阻止されることとなる。 したがって、流体圧が作用した状態から作用しない状態に変化して進退細筒が 後退しようとしても、その移動は阻止される。 （請求項３記載の考案の作用） 進退細筒が前進してホースが挟持接続せしめられた状態では、進退細筒のテー パ面と弾性リング体の内周部とは接触状態になっている。

【００１４】 上記状態において進退細筒に後退力が作用すると、周溝を構成するテーパ面か らの圧接力により弾性リング体には縮径力が作用し、その結果、前記テーパ面と 弾性リング体間の係合力、及び進退細筒と弾性リング体間の摩擦係合力により、 進退細筒の後退は阻止される。 したがって、流体圧が作用した状態から作用しない状態に変化して進退細筒が 後退しようとしても、その移動は阻止される。 （請求項４記載の考案の作用） 進退細筒が前進してホースが挟持接続せしめられた状態になると、進退細筒の テーパ面と弾性リング体の内周部とは圧接状態となる。

【００１５】 上記状態において進退細筒に後退力が作用すると、進退細筒の外周テーパ面と 弾性リング体の内周部が係合状態となって前記弾性リング体に縮径力が作用し、 その結果、弾性リング体の進退細筒が圧接状態となって上記請求項３記載の管継 手と同様に進退細筒の後退は阻止されることとなる。 したがって、流体圧が作用した状態から作用しない状態に変化して進退細筒が 後退しようとしても、その移動は阻止される。

【００１６】

【実施例】 以下、この出願の考案の構成を実施例として示した図面に従って説明する。 （請求項１・２記載の考案と対応する実施例） この管継手は、図１に示すように、基本的には、両端開放の筒状の主体１と、 この主体１内にこれと同軸上に一定範囲摺動自在に取付けられた進退細筒２と、 前記主体１と進退細筒２との間に進退可能な状態で介装された保持筒３と、前記 進退細筒２に外遊挿された弾性テーパ筒４と、前記主体１の内周面に形成された 内方突出片１５と、前記保持筒３を進退細筒２と一体的にホース挿入口１０側に 移動せしめる押圧部材８とから構成されている。

【００１７】 主体１は、同図に示すように、ニップル１ａの一端にソケット１ｂをカシメ止 めして構成されたもので、前記ソケット１ｂの先端部をホース挿入口１０として いる。 前記ニップル１ａは、図１に示すように、その内周面に大径孔部１３と小径孔 部１４を有する構成としてあり、前記大径孔部１３におけるソケット１ｂとの接 続側端部には前記ホース挿入口１０に向かって内方に傾斜する内方突出部１５（ 手段の欄の内方突出部は、この形状に限定されるものではない）が形成してある 。

【００１８】 ソケット１ｂは、同図に示すように、一定の肉厚で形成された筒状のもので、 先端に向かって縮径させることによりホース挿入口１０近傍の内周部分にテーパ 部１１を形成している。そして、このソケット１ｂの前記テーパ部１１と対応す る部分には、貫通孔Ａを設けている。 進退細筒２は、第１図に示すように、大径部２０と、小径部２２と、これら相 互間の弾性テーパ筒４を装着するための部分（以下、中間取付部２１という）と を有する構成となっており、前記大径部２０を大径孔部１３に収容させるように してニップル１ａに取り付けられている。

【００１９】 大径部２０は、同図に示すように、ニップル１ａの大径孔部１３よりも僅かに 小さな径に設定されており、その外周面には溝２５が周設してあると共にこの溝 ２５にはＯリング及びバックアップリングを装着してあり、前記進退細筒２の大 径部２０とニップル１ａの大径孔部１３との間の流体密性が確保されるようにし てある。

【００２０】 小径部２２は、図２に示すように、接続されるホースＨの内径に略一致する外 径とすると共にその外周面に溝２６を周設してあり、更に、この溝２６内にＯリ ングを装着してあり、同図に示す如くホースＨが進退細筒２と保持筒３より挟持 された状態において、ホースＨの内周面と進退細筒２の外周面との間の流体密性 が確保されるようしてある。

【００２１】 中間取付部２１は、図１に示すように、底面をホース挿入口に向かって拡径す る外周テーパ面２３とした周溝２９を有するもので、この周溝２９に弾性テーパ 筒４を外遊挿させてある。尚、この実施例では、前記周溝２９を構成する後方側 垂直壁が手段の欄に記載した係止部に相当する。 弾性テーパ筒４は弾性部材により構成されており、同図に示すように、自然状 態における内径を進退細筒２における周溝２９底面と対応する外径よりも少し大 きく設定すると共に外径を大径孔部１３よりも少し小さく設定してあり、上記内 方突出部１５との当接・離反により拡縮径できるようにしてある。そして、図１ 及び図３に示す如く、その内周面を上記した外周テーパ面２３と同傾斜の内周テ ーパ面４０としてあり、その外周面をホース挿入口１０側に向かって縮径するテ ーパ面４１とすると共にこれのホース挿入口１０側端部を急傾斜のテーパ面４２ としてある。尚、前記テーパ面４２を形成せず、１つのテーパ面４１としてもよ い。

【００２２】 又、前記弾性テーパ筒４の長さは、図１及び図２に示すように、上記した周溝 ２９の幅よりも少し小さいものとしてあり、これにより、進退細筒２に対して軸 線方向に少し移動できるようにしてある。 保持筒３は、弾性合成樹脂で構成されており、図１に示すように、その外径を 前記ホース挿入口１０よりも少し大きく設定すると共に、ホース挿入口１０側の 外周部分に上記したテーパ部１１と対応するテーパ部３２を形成してあり、又、 この保持筒３の内周部には、複数の係止爪３３が周設してある。そして、保持筒 ３の外周壁に、これの一端に開放するスリット３０と他端に開放するスリット（ 図示せず）とを交互に設けている。

【００２３】 尚、この管継手では、図１に示す如く進退細筒２が後退した状態にあるとき、 保持筒３の先端部が貫通孔Ａの形成位置とほぼ一致した状態となると共に、内方 突出部１５が弾性テーパ筒４のテーパ面４２側端部よりもホース挿入口１０側に 位置するように設定してある。したがって、内方突出部１５の前記位置からこれ がテーパ面４１と当接するまでの範囲では、進退細筒２は抵抗をほとんど受ける ことなく自由に進退できるものとなり、前記貫通孔Ａに例えば棒状体を挿入して 保持筒３の前進を阻止するようにすれば、前記範囲においてはホースの接続・分 離が容易にできるものとなる。

【００２４】 押圧部材８は、環状の薄板により構成されており、図１に示すように、進退細 筒２における小径部２２後端部分に外挿してある。 この管継手は上記のように構成されているから、主体１のホース挿入口１０を 介してホースＨを進退細筒２と保持筒３間に挿入した状態で、前記ホースＨに流 体圧が作用すると、図２に示すように、ホースＨは押圧部材８を介してホース挿 入口１０側に一体的に移動せしめられた保持筒３の係止爪３３と進退細筒２の外 周壁によって強い力で挟持されることとなり、係止爪３３がホースの外周面に食 い込むこととなる。

【００２５】 このときには、同図に示すように、上記内方突出部１５は弾性テーパ筒のテー パ面４２を越えてテーパ面４１に位置した状態となっており、弾性テーパ筒４は 縮径せしめられて前記弾性テーパ筒４のテーパ面４１とニップル１ａの内方突出 部１５の内方端とは圧接状態となり、前記弾性テーパ筒４は内方突出部１５に対 して摩擦係止状態となる。

【００２６】 上記状態において進退細筒２に後退力が作用すると、内方突出部１５と摩擦係 止状態にある弾性テーパ筒４の内周テーパ面４０と進退細筒２の外周テーパ面２ ３とが係止状態となり、その結果、進退細筒２の後退は阻止されることとなる。 したがって、従来の技術の欄に記載したような流体圧の変化があったとしても ホースＨに作用する進退細筒２と保持筒３との挟持力は変化しないものとなるか ら、流体圧の作用・不作用の変化が頻繁に生ずる態様で使用された場合でも、ホ ースＨの接続部分は短期間で損傷しないものとなる。

【００２７】 尚、上記実施例の弾性テーパ筒４を、図４に示すように、これの外周面が大径 孔部１３の周面と接触（圧接を含む）するものとすれば、内方突出部１５を形成 する必要はないものとなる。この場合、請求項２の作用の欄に記載したように、 流体圧の作用・不作用の変化が頻繁に生ずる態様で使用された場合でも、ホース Ｈの接続部分は短期間で損傷しないものとなる。 （請求項３・４記載の考案と対応する実施例） この実施例の管継手は、図５に示すように、主体１と進退細筒２と保持筒３等 の基本的構成は上記実施例と同様であるが、この考案の課題を解決する手段を以 下のようにしてある。

【００２８】 即ち、この管継手では、同図に示すように、進退細筒２の外周面の一部がホー ス挿入口１０に向かって縮径するテーパ面２８に形成されたものとしてあり、前 記主体１の内周面に周溝５が形成されていると共に前記周溝５の構成壁の一部分 をホース挿入口１０に向かって拡径するテーパ面５０としてある。更に、内周部 が周溝５開放部から突出する態様で前記周溝５内に収容され且つ進退細筒２の前 進途中において前記内周部が進退細筒２のテーパ面５０を押圧する拡縮径可能な 弾性リング体６を具備させている。尚、前記弾性リング体６は、線体をＣ型に形 成したものや、小さな径のコイルを円形に形成したもの等が採用できる。

【００２９】 この実施例の管継手は上記のような構成としてあるから、進退細筒２が前進し てホースＨが挟持接続せしめられた状態になると、進退細筒２のテーパ面２８と 弾性リング体６の内周部とは圧接状態となる。前記進退細筒２のテーパ面２８は ホース挿入口１０に向かって縮径するものとしてあるから、進退細筒２の前進は これのテーパ面２８と弾性リング体６の内周部とが圧接状態となるまでは容易な ものとなり、前記状態からの進退細筒２の後退は、周溝５のテーパ面５０から弾 性リング体６への押圧力による前記弾性リング体６が縮径化によって、進退細筒 ２が保持されて阻止されるものとなる。

【００３０】 したがって、従来の技術の欄に記載したような流体圧の変化があったとしても ホースＨに作用する進退細筒２と保持筒３との挟持力は変化しないものとなるか ら、流体圧の作用・不作用の変化が頻繁に生ずる態様で使用された場合でも、ホ ースＨの接続部分は短期間で損傷しないものとなる。 尚、上記実施例の弾性リング体６を、これの内周部が進退細筒２の外周面と接 触（圧接を含む）するものとすれば、進退細筒２の外周面をテーパ面２８とする 必要はないものとなる。この場合、請求項３の作用の欄に記載したことから、流 体圧の作用・不作用の変化が頻繁に生ずる態様で使用された場合でも、ホースＨ の接続部分は短期間で損傷しないものとなる。

【００３１】 他方、上記実施例の全ての管継手の主体にかえて、図６に示すような形状の主 体１を採用することもできる。 又、上記実施例の全ての管継手では、一端側のホース接続部の構造を、ホース を外挿螺合するものとしたが、ホースを挿入螺合するものとしてもよく、更には 、ネジ結合によるものに限定されることなく、他の接続構造を採用してもよい。

【００３２】 更に、上記実施例の全ての管継手では、主体１を、ニップル１ａにソケット１ ｂをカシメ止めするようにして構成したが、これに限定されることなく、ニップ ル１ａとソケット１ｂとをネジ結合等の手段により結合して構成してもよい。 そして、上記実施例の弾性テーパ筒４にかえて、一端に開放するスリット４９ を図７に示す如く設けた弾性テーパ筒４にかえることができる。

【００３３】

【考案の効果】

この考案は上記のような構成であるから、次の効果を有する。 流体圧の変化があってもホースに作用する進退細筒と保持筒との挟持力は変化 しないから、流体圧の作用・不作用の変化が頻繁に生ずる態様で使用された場合 でも短期間でホースの接続部分が損傷しないものとなる。

【００３４】 即ち、流体圧の作用・不作用の変化が頻繁に生ずる態様で使用された場合でも 、ホースの接続部分が損傷しにくい管継手を提供できた。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例の管継手の断面図。

【図２】前記管継手によりホースを接続した状態の断面
図。

【図３】前記管継手の弾性テーパ筒の断面斜図。

【図４】主要部が同一の他の実施例の管継手の断面図。

【図５】同じ課題を解決する他の実施例の管継手の断面
図。

【図６】主体の形状が異なる他の実施例の管継手の半断
面図。

【図７】これら実施例の管継手に使用できる他の形状の
弾性テーパ筒の斜視図。

【図８】従来の管継手の断面図。

【符号の説明】

Ｈ ホース １ 主体 ２ 進退細筒 ３ 保持筒 ４ 弾性テーパ筒 ５ 周溝 ６ 弾性リング体 １０ ホース挿入口 １１ テーパ部 １５ 内方突出片 ２３ 外周テーパ面 ４０ 内周テーパ面 ５０ テーパ面

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一端をホース挿入口とした両端開放の筒
   状に形成され且つ内面にホース挿入口に向かって縮径す
   るテーパ部を有した主体と、この主体内にこれと同軸上
   に進退自在に取付けられた進退細筒と、前記主体と進退
   細筒との間に進退可能な状態で介装された保持筒とから
   構成され、ホース挿入口を介して保持筒と進退細筒との
   間にホースを挿入した状態で進退細筒及び保持筒がホー
   ス挿入口側に前進したときに、保持筒がテーパ部からの
   押圧力により縮径せしめられて当該保持筒と上記進退細
   筒によりホースが挟持される形式の管継手に於いて、進
   退細筒に形成された後方に向かって縮径する外周テーパ
   面と、後方に向かって縮径する内周テーパ面を有し且つ
   上記外周テーパ面と主体の内周面との間に介装された拡
   縮径可能な弾性テーパ筒と、前記進退細筒に対して弾性
   テーパ筒の後方への移動のみ阻止する係止部と、前記主
   体の内周面に形成され且つホース挟持状態において弾性
   テーパ筒を縮径せしめて摩擦係止する内方突出部とを有
   するものとし、上記したホース挟持状態において進退細
   筒に後退力が作用したときに、前記進退細筒の外周テー
   パ面と弾性テーパ筒の内周テーパ面とが係止状態となる
   ようにしたこと特徴とする管継手。
2. 【請求項２】 一端をホース挿入口とした両端開放の筒
   状に形成され且つ内面にホース挿入口に向かって縮径す
   るテーパ部を有した主体と、この主体内にこれと同軸上
   に進退自在に取付けられた進退細筒と、前記主体と進退
   細筒との間に進退可能な状態で介装された保持筒とから
   構成され、ホース挿入口を介して保持筒と進退細筒との
   間にホースを挿入した状態で進退細筒及び保持筒がホー
   ス挿入口側に前進したときに、保持筒がテーパ部からの
   押圧力により縮径せしめられて当該保持筒と上記進退細
   筒によりホースが挟持される形式の管継手に於いて、進
   退細筒に形成された後方に向かって縮径する外周テーパ
   面と、後方に向かって縮径する内周テーパ面を有し且つ
   上記外周テーパ面と主体の内周面との間に主体と接触し
   た状態で介装された拡縮径可能な弾性テーパ筒と、前記
   進退細筒に対して弾性テーパ筒の後方への移動のみ阻止
   する係止部とを有するものとし、前記したホース挟持状
   態から進退細筒に後退力が作用したときに、進退細筒の
   外周テーパ面とより弾性テーパ筒の内周テーパ面が係合
   状態となって弾性テーパ筒が拡径せしめられるようにし
   たことを特徴とする管継手。
3. 【請求項３】 一端をホース挿入口とした両端開放の筒
   状に形成され且つ内面にホース挿入口に向かって縮径す
   るテーパ部を有した主体と、この主体内にこれと同軸上
   に進退自在に取付けられた進退細筒と、前記主体と進退
   細筒との間に進退可能な状態で介装された保持筒とから
   構成され、ホース挿入口を介して保持筒と進退細筒との
   間にホースを挿入した状態で進退細筒及び保持筒がホー
   ス挿入口側に前進したときに、保持筒がテーパ部からの
   押圧力により縮径せしめられて当該保持筒と上記進退細
   筒によりホースが挟持される形式の管継手に於いて、主
   体の内周面に周溝が形成されていると共に前記周溝の構
   成壁の一部分を前方に向かって拡径するテーパ面とし、
   更に、内周部が進退細筒の外周面と接触した状態で前記
   周溝内に収容された拡縮径可能な弾性リング体を具備さ
   せ、ホース挟持状態において進退細筒に後退力が作用し
   たときに、周溝を構成するテーパ面からの押圧力により
   弾性リング体が縮径せしめられて弾性リング体と進退細
   筒とが圧接状態になるようにしたことを特徴とする管継
   手。
4. 【請求項４】 一端をホース挿入口とした両端開放の筒
   状に形成され且つ内面にホース挿入口に向かって縮径す
   るテーパ部を有した主体と、この主体内にこれと同軸上
   に進退自在に取付けられた進退細筒と、前記主体と進退
   細筒との間に進退可能な状態で介装された保持筒とから
   構成され、ホース挿入口を介して保持筒と進退細筒との
   間にホースを挿入した状態で進退細筒及び保持筒がホー
   ス挿入口側に前進したときに、保持筒がテーパ部からの
   押圧力により縮径せしめられて当該保持筒と上記進退細
   筒によりホースが挟持される形式の管継手に於いて、進
   退細筒に形成された前方に向かって縮径する外周テーパ
   面と、主体の内周面に周溝が形成されていると共に前記
   周溝の構成壁の一部分を前方に向かって拡径するテーパ
   面とし、更に、前記周溝内に収容されており且つホース
   挟持状態となったときに内周部が進退細筒の外周面と圧
   接状態となる拡縮径可能な弾性リング体を具備させ、ホ
   ース挟持状態において進退細筒に後退力が作用したとき
   に、周溝を構成するテーパ面からの押圧力により弾性リ
   ング体が縮径せしめられて弾性リング体と進退細筒とが
   圧接状態になるようにしたことを特徴とする管継手。
5. 【請求項５】 弾性テーパ筒が、断面Ｃ型状のものであ
   ることを特徴とする請求項１記載の管継手。
6. 【請求項６】 弾性リング体が、線体をＣ型状に形成し
   たものであることを特徴とする請求項２記載の管継手。