JPH0569293U - 通風型室内温度調節装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 二重ガラス構造に比べて安価に構成でき、冷
暖房時における負荷を少なくし、省エネルギー効果が得
られる室内温度調節装置を提供すること。 【構成】 窓ガラス３の室内側に沿って垂下されたベネ
シャンブラインド４と、ブラインド４の室内側に沿って
配置されたロールカーテン５と、室内天井面６にあっ
て、天井裏７に突出させた状態に埋設されたカーテンボ
ックス８とを備え、このカーテンボックス８の内部に前
記ブラインド４の吊下げ用支持具９及びロールカーテン
５のリトラクタ１０を固定している。カーテンボックス
８には、カーテン５の下部から誘引された室内空気で空
間Ａを換気した空気を天井裏還気ダクト１２に接続する
シャッター付き開口１１が設けられている

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、ブラインドとカーテンの組合わせを利用した通風型室内温度調節 装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

窓辺に配置されるベネシャンブラインドやカーテンは光量調節や遮光と室内の プライバシーを保護するための遮蔽膜であり、また遮光や光量調節に伴う室温調 整の機能を兼用し、空調的には冷暖房時における空調負荷を減少させる目的で採 用されるものであるが、必ずしも十分なものとは言えなかった。

【０００３】 例えば、夏季には直射日光を遮る目的でこれらを閉じても窓ガラスを透過した 光がブラインド，カーテン面に当たり日光の熱がこれらに反射や吸収されたり、 その熱が窓ガラスとブラインド，カーテン間に滞留し、高温となった空気はその 一部がそこから、またその一部が天井面付近から室内に入り込んで室温を上昇さ せ、冷房負荷を生じさせる。

【０００４】 また、冬季の日射がない時には窓ガラスの内外温度差によりダウンドラフトが 生じ、窓辺の足元は極めて寒く、暖房負荷も大きい状態であった。

【０００５】 これらを防止するために、従来では窓ガラスのサッシを二重にし、その間にブ ラインドを組み込み、内側ガラスの下部から室内空気を誘引し、天井裏で還気ダ クトに接続して換気する、いわゆるエアーフローウィンドと称する通風型室内温 度調節装置が提案されている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、この種の通風型室内温度調節装置は、装置自体が通常の一重サッシの ２〜３倍と高価であるばかりか、保守の煩雑さが生じる等の欠点があった。

【０００７】 この考案は以上の問題を解決するものであって、その目的は二重サッシ構造に 比べて安価に構成でき、冷暖房時における熱負荷をエアーフローウインドと同等 にし、一般のブラインドのみと比べて省エネルギー効果が得られるばかりでなく 、一般空調に用いられているファンコイル等窓際用の空調装置を不要または最小 限に計画でき、さらに窓辺の室内温熱環境を改善する通風型室内温度調節装置を 提供するものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するため、この考案の通風型室内温度調節装置は、窓ガラスの 室内側に配置された複数枚の傾動可能なスラットを有してなるブラインドと、こ のブラインドのさらに室内側背面に配置された開閉可能なカーテンと、これらブ ラインド及びカーテンの上部を収容するため天井面に配置されたカーテンボック スとを備え、このカーテンボックスには天井裏還気ダクトに接続するための開口 部を形成したことを特徴とする。

【０００９】

【作用】

以上の構成によれば、窓ガラスとカーテンによって囲われた空間により垂直気 流を生ずる一種の密閉化されたダクトが形成される。ブラインドはそのスラット の傾斜角度に応じて遮光及び光量調節と整流板の機能を兼用する。

【００１０】 夏季など室内温度を低く保ちたい場合には、ブラインドで光線を遮り、輻射熱 がカーテンに入光することを極力防止し、結果として室内への輻射熱の進入を防 ぐ。また、ブラインドで反射及び吸収された熱は窓ガラスとカーテンで囲まれた 空間に閉じ込められ室内居住域には入り込まず、冷却負荷が最小限に抑えられる 。また室内空調空気がカーテン下部から誘引され、天井裏カーテンボックスを通 じて天井裏還気ダクトに排気される。この結果カーテンの室内に面する表面温度 は室温に極めて近くなり、一般の場合の様に高温となったブラインドから輻射熱 を受けることが極めて少なく、窓辺でも良好な室内温熱環境を得ることができる 。

【００１１】 一方、冬季など室内を暖かく保ちたい場合には、窓ガラスで内外温度差により 冷却されるが、窓ガラスとカーテンで囲まれた空間の空気は室内側には漏れ出ず 、カーテン下部から誘引される室内空気と混合しながら天井裏のカーテンボック スを経由して天井裏還気ダクトから室外に排出される。従って、暖房負荷を最小 限にすることができ、またカーテンの室内表面温度は夏季と同様に室温に極めて 近いので良好な室内温熱環境を得ることができる。

【００１２】

【実施例】

以下、この考案の一実施例を図面を用いて詳細に説明する。図１，図２はこの 考案にかかる室内温度調節装置を示すものである。この室内温度調節装置は、建 物外壁１の開口に設けたサッシ２に嵌め付けられた窓ガラス３と、窓ガラス３の 室内側に沿って垂下されたベネシャンブラインド４と、ブラインド４の室内側に 沿って配置され、その下部に室内側に開口を有するロールカーテン５と、室内天 井面６にあって、天井裏７に突出させた状態に埋設されたカーテンボックス８と を備え、このカーテンボックス８の内部には前記ブラインド４の吊下げ用支持具 ９及び前記ロールカーテン５のリトラクタ（巻取具）１０が固定されている。さ らにカーテンボックス８にはカーテン５の下部から誘引された室内空気で空間Ａ を換気した空気を天井裏還気ダクト１２に接続するシャッター付き開口１１が設 けられている。

【００１３】 ブラインド４は、周知のように多数のプラスチック製のスラット４ａを吊下げ 用コード４ｂにより所定間隔で縦方向に吊下し、図示しない角度調節用コードの 操作より各スラット４ａを任意の角度に傾けることで入射光量を調節でき、また 引上げ用コードの操作により該スラット４ａを支持具９の下面に積層状態に引き 上げ全開できる構造となっている。

【００１４】 ロールカーテン５は透明または半透明で、通過空気により波打つことがない強 度を持った種々の材質を選ぶことができる。また一体化されたロッド５ａの中心 に垂下する操作用コード５ｂの引張り操作によって、その下部に適切な室内空気 を誘引するための必要開口５ｄを確保するための固定装置を有している。また不 要時にはリトラクタ１０内に巻き込んで全開することもできる。

【００１５】 前記カーテンボックス８には前記天井裏環気ダクト１２に接続されるシャッタ ー付き開口１１が設けられているが、このシャッターは室内から誘引される空気 が窓ガラスとロールカーテンで囲まれた空間を均一に流れるようにガラス面に沿 って通過空気量の調節が行えるようにするものである。

【００１６】 図１は夏季の冷房時に直射日光が当たっている場合などの使用状態を示し、ロ ールカーテン５を所定の場所に固定することでロールカーテン５と、窓ガラス３ によって囲まれた空間Ａにより垂直気流を生ずる一種のダクトが形成される。ま た、ブラインド４のスラット４ａを入光側とは反対側に傾斜させればブラインド 背面は遮光され、ロールカーテン５は直射光による輻射熱の影響をほとんど受け なくなる。ブラインド４で反射や吸収された熱、さらに窓ガラス面の内外温度差 によりガラス３から入り込んだ熱はロールカーテン５ｄから誘引される空調され た空気と空間Ａで混合されながら上昇し、ブラインドボックス８のシャッター１ １から天井裏還気ダクト１２に排気される。その結果、直射日光及び窓ガラス３ からの貫流熱量は空間Ａに密閉化され、室内居住域の冷却負荷を減少させ、省エ ネルギー化を図れる。さらに窓辺の温熱環境については、ロールカーテン５には 直射日光が当たらずその室内側表面温度を室内温度に極めて近い状態にすること ができ、室内窓辺の温熱環境を良好にすることができる。

【００１７】 これに対し、図２は冬季の暖房時に直射日光がない時に室内温度を暖かく保ち たい場合などを示し、ロールカーテン５は夏季と同じく所定の場所に固定し、空 間Ａを形成する。ブラインド４は支持具９の下面に積層状態に引き上げ全開状態 にしておく。この時窓ガラス３の内外温度差により冷却された冷気が室内との開 口部であるロールカーテン５ｄから漏れ出ることは、誘引される室内気流速度に よりありえず、さらに誘引される室内空調空気で混合され、室内に面するロール カーテン５の表面温度は室内温度に極めて近くなり、窓辺の室内温熱環境は非常 に良好となる。なお、冬季暖房時に直射日光がある場合は、還気ダクトからの空 気を空調機器に還流させれば省エネルギーになる。

【００１８】

【考案の効果】

以上実施例によって詳細に示したように、この考案による室内温度調節装置に あっては、窓ガラスとカーテンによって囲われた空間により垂直気流を生ずる一 種のダクトが形成され、その室内に開放されているカーテン下部の開口部からは 室内から誘引される気流速度により、空間からの冷気などが室内側に漏れ出るよ うなことはない。またブラインドはそのスラットの傾斜角度に応じて遮光及び光 量調節を行え、遮光が必要な場合にはその背面に直射日光を通すことがないので 、カーテン自体が直射日光の影響を直接受けることがなく、不要の場合には積層 状態でカーテンボックス内に巻上げることも可能である。さらにブラインドは整 流板の機能をも兼用する構造となっている。

【００１９】 この様に省エネルギー性と窓辺の温熱環境改善に効果のあるエアーフローウイ ンドと称するブラインド組み込み二重サッシと同じ様な温熱特性を確保しながら 、安価でより保守の容易な通風型室内温度調節装置を実現することが可能となっ た。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る室内温度調節装置の夏季などの冷
房時における直接日射がある状態を示す断面図である。

【図２】本考案に係る室内温度調節装置の冬季などの暖
房時における直接日射がない状態を示す断面図である。

【符号の説明】 １ 建物外壁 ２ サッシ ３ 窓ガラス ４ ベネシャンブラインド ５ ロールカーテン ６ 天井面 ７ 天井裏 ８ カーテンボックス ９ ブラインド支持具 １０ ロールブラインドリトラクタ（巻取具） １１ カーテンボックス８からの排気を天井裏還気ダク
トに接続するためのシャッタ付き開口 １２ 天井裏還気ダクト Ａ 空間

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 窓ガラスの室内側に配置された複数枚の
   傾動可能なスラットを有してなるブラインドと、このブ
   ラインドのさらに室内側に配置された開閉可能なカーテ
   ンと、これらブラインド及びカ−テンの上部を収容する
   ため天井面に配置されたカーテンボックスとを備え、こ
   のカーテンボックスには天井裏環気ダクトに接続するた
   めの開口部を形成したことを特徴とする通風型室内温度
   調節装置。