JPH056898Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、口紅等の化粧品を繰り出すことので
きる容器に関するものであつて、外観形状を形成
する外装体部分に対して、化粧品を収納する部分
を交換できるようにしたものである。

〔従来の技術〕

口紅等の棒状化粧品を収納する容器は、外観体
裁が良好で、しかも使用操作が簡単であることが
要求される。

この観点から種々の構成のこの種の容器が考案
されてきており、その代表的な構成は、筒壁に縦
長孔を開孔した内筒体と、周壁内周面に螺旋溝を
刻設した外筒体とを相互回動自在かつ抜出し不能
に組付けると共に、内筒体内に、棒状化粧品を保
持する受皿体を昇降動自在に組付けたものであ
り、受皿体から突設された係合ピンを縦長孔を貫
通して螺旋溝に係合させ、内筒体と外筒体とを相
互回動させることにより、棒状化粧品を昇降動さ
せるものである。

しかしながら、棒状化粧品は消耗品であるか
ら、使用し尽くしてしまつたならば、廃棄せざる
を得ない。ところが、前述したようにこの種容器
は外観体裁を良好なものとしているために、特に
外観形状部分に多くの装飾を施していたりして、
部材が高価であり、また、使用者にとつて好みの
形状であるような場合には、継続しての使用が望
まれるところである。

このような事情に鑑みて、所謂カートリツジタ
イプの製品も開発されてきている。

これは、装飾が施されて高価な外装体に対し
て、棒状化粧品を収納保持し昇降動の機能を果す
部分をカートリツジ体として、着脱自在に組込む
構成である。

このような構成の容器としては、例えば実公昭
61−18817号公報、或いは実公昭61−18821号公報
の如き考案が提案されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

これ等の考案は、上記目的を達成する点では一
応の成果を発揮するものではある。

しかしながら、上記したように、この種の容器
は内筒体と外筒体とを相互回動させて操作するも
のであつて、カートリツジ体における外装体との
組付け部分である内筒体は外筒体の下端から露出
しており、カートリツジ体を単独で取扱う場合、
不用意に上記した相互回動が行われてしまい、化
粧料を傷めてしまう大きな欠点が存した。

また、カートリツジ体を外装体に組込んだ場
合、内筒体の一部と外装体とを組付け固定するこ
とにより相互回動操作が行えるのであるが、この
組付け固定のための構造が複雑となり、しかも着
脱に手間がかかる等の問題点も存する。すなわ
ち、特に相互抜け出し防止のための手段は、周溝
と突起との係合によつて達成しているのである
が、突起の変形がしにくい構造となつているため
に、着脱が困難になると考えられる。

さらには、容器全体を細身の直径の小さいもの
にしたい場合、前記した如き、単に内筒体と外筒
体と受皿体との構成では、どうしても直径の大き
なものとなつてしまい、従つて受皿体の昇降動の
機構部分は、受皿体の下端に脚筒を垂下設し、こ
の部分に構成するものであるが、このためカート
リツジ体の構造が複雑となつて外装体との容易で
確実な組付けの達成が困難となつていた。

本考案は、上述した従来の欠点、不都合を解消
するべく考案された棒状化粧品繰出し容器に関す
るものであつて、カートリツジ体と外装体の着脱
を簡単かつ確実にし、カートリツジ体における内
筒体と外筒体との不用意な相互回動を防止するべ
く構成したものである。

〔問題点を解決するための手段〕

以下、本考案を、本考案の実施例を示す図面に
基づいて説明する。

本考案の棒状化粧品繰出し容器は、カートリツ
ジ体１と外装体２５とから構成され、さらにカー
トリツジ体１は、内筒体２と受皿体９と螺子体１
８とから、また外装体２５は、回転筒２６とキヤ
ツプ体３７とから構成される。

先ず、カートリツジ体１における内筒体２は、
円筒形状の筒壁４の内周面に係合ピン５を突設す
ると共に、内周面の下端に周条７を周設した構成
である。

また、この内筒体２内に昇降変位自在に組付け
られる受皿体９は、化粧品が収納される保持筒１
０から脚筒１２を垂下設したものてあつて、この
脚筒１２の周壁１３に、前記した内筒体２の係合
ピン５が係合する縦長孔１４を開孔すると共に、
内周面下端に螺合ピン１７を突設した構成であ
る。

そして、螺子体１８は、軸桿１９の下端に組込
筒２１を垂下設したものである。

軸桿１９は、その外周面に、前記した受皿体９
の螺合ピン１７が螺合する螺旋溝２０が刻設され
て脚筒１２内に螺合組付けされ、組込筒２１の内
周面には、縦方向に沿つた係止溝２２が設けら
れ、外周面には、周方向に沿つた係合溝２３が設
けられ、さらにこの係合溝２３の上位の外周面に
は、前記した内筒体２の周条７に係合する周溝２
４が周設されている。

従つて、このカートリツジ体１にあつては、内
筒体２の周条７と螺子体１８の周溝２４との係合
によつて、内筒体２と螺子体１８とは相互回動が
自在にかつ抜出しが不能に組付けられることにな
り、また、内筒体２の係合ピン５が受皿体９の縦
長孔１４に係合し、かつ受皿体９の螺合ピン１７
が螺子体１８の螺旋溝２０に螺合することによつ
て、内筒体２と螺子体１８とを相互回動させる
と、受皿体９は内筒体２内に昇降変位するもので
ある。

次に、外装体２５における回転筒２６は、カー
トリツジ体１の下端部が挿入される有底筒体であ
つて、筒部３３の内周面下端に、前記した螺子体
１８の係合溝２３に係合する係合突起３４を設け
ると共に、有底筒体の底壁３０の中央に立設さ
れ、螺子体１８の組込筒２１に嵌入する嵌合壁３
１の外周面に、係止溝２２に係止する係止突起３
２を設けた構成であり、また、キヤツプ体３７
は、回転筒２６の上端部に組付けられる有頂直線
円筒形状である。

従つて、外装体２５は、上下両端が閉鎖された
中空な筒形状となつている。

〔作用〕

上述した構成にあつて、カートリツジ体１と外
装体２５との組付けは、カートリツジ体１を外装
体２５のキヤツプ体３７を外した回転筒２６内に
挿入し、螺子体１８の組込筒２１内に回転筒２６
の嵌合壁３１を嵌入させ、組込筒２１における係
合溝２３と係止溝２２とに、回転筒２６における
係合突起３４と係止突起３２とを夫々係止させ、
或いは係合させれば良い。

そして、係合溝２３と係合突起３４との係合は
周方向に沿つてのものであるので、カートリツジ
体１と外装体２５との相互抜出しが防止され、ま
た、係止溝２３と係止突起３２との係止は上下方
向に沿つてのものであるので、カートリツジ体１
と外装体２５との相互回動が防止されることにな
り、従つて、内筒体２と外装体２５とは一体に組
付けられることになる。

ところで、カートリツジ体１は、単体で取扱わ
れて交換用の製品となるものであつて、前述した
ように、内筒体２と螺子体１８とを相互回動させ
れば、受皿体９は昇降動し、受皿体９の棒状化粧
品を内筒体２上端の上端開口部より繰り出すこと
ができるものであるが、実際には、螺子体１８の
ほぼ全域が内筒体２にあつて被覆されているの
で、上記相互回動をさせる余地はなく、従つて、
単体での保持時にこの相互回動が不用意に行われ
ることはなく、それゆえに化粧品を傷めることも
ない。

そして、前記した如く、カートリツジ体１と外
装体２５とを組付けることによつて螺子体１８と
外装体２５とは一体に組付けられることになるの
で、キヤツプ体３７を外した状態で回転筒２６上
端から突出する内筒体２と、この回転筒２６とを
相互回動させれば、受皿体９の昇降動操作を行う
ことができるのである。

〔実施例〕

図示実施例にあつて、内筒体２は、直線円筒形
状の肉薄なアルミニウム等の金属で成形される上
部筒８と、この上部筒８の内径と等しい外径を有
し、直線円筒形状のやや肉厚な合成樹脂製の下部
筒３とから構成され、前記した筒壁４である下部
筒３の上端内周面に前記した係合ピン５を突設す
ると共に、外周面の上部に段部条６を周設し、下
部筒３の上部に上部筒８を嵌込み固定した際に、
上部筒８の下端はこの段部条６に当接することに
なる。

また、受皿体９にあつて、保持筒１０の外径は
上記した上部筒８の内径に等しく、脚筒１２の外
径は上記した下部筒３の内径に等しいものであ
り、それゆえに、保持筒１０は上部筒８内で、脚
筒１２は下部筒３内で昇降変位する。

そして、脚筒１２に開孔された縦長孔１４の上
下両端部には、係合する係合ピン５が仮係止でき
るロツクリブ１５が突設され、脚筒１２の周壁１
３下端部には、軸方向に沿つて切欠１６が設けら
れていて、下部筒３に対する組付けに際して変形
し易いようになつている。

さらに、螺子体１８にあつて、下部筒３或いは
脚筒１２とほぼ同一長さを有する軸桿１９は、直
径が脚筒１２の内径にほぼ等しく、組込筒２１の
外径は下部筒３の内径にほぼ等しい。

次に、外装体２５における回転筒２６は、直線
筒２７の下端に底板２８を連設して構成された有
底筒体内に、組付筒２９を嵌込み固定したもので
ある。

この組付筒２９は、筒部３３の下端に底壁３０
を連設すると共に、この底壁３０の中央部に前記
した嵌合壁３１を立設したものであり、筒部３３
の長さは直線筒２７の長さよりもやや小さい。

そして、直線筒２７の上端部内には、上方に突
出する姿勢で装飾筒３５が一体に嵌込み固定され
ており、装飾筒３５の中央部を外方に屈曲させて
形成された周突条３６の下端が直線筒２７の上端
に当接し、また、キヤツプ体３７は、この装飾筒
３５の上端部に組付けられて、下端が周突条３６
の上端に当接することになる。

〔考案の効果〕

本考案の棒状化粧品繰り出し容器は、以上説明
したような構成、作用となつている。

従つて、カートリツジ体を、単体で簡単に取り
扱うことができて交換用の製品として経済的な使
用を可能にすることができ、単体であつても化粧
品を傷めることがなく、カートリツジ体の構成が
多少複雑な細身の製品であつても、外装体との組
付きが確実でありながら着脱が極めて容易である
等、多くの優れた作用効果を発揮するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す組立て状態
の断面図である。第２図は、カートリツジ体の半
断面図である。第３図は、下部の要部拡大断面図
である。第４図は、中央部の要部拡大断面図であ
る。第５図は、下部の横断面図である。 符号の説明、１……カートリツジ体、２……内
筒体、４……筒壁、５……係合ピン、７……周
条、９……受皿体、１０……保持筒、１２…保持
筒、１３……周壁、１４……縦長孔、１７……螺
合ピン、１８……螺子体、１９……軸桿、２０…
…螺旋溝、２１……組込筒、２２……係止溝、２
３……係合溝、２４……周溝、２５……外装体、
２６……回転筒、３０……底壁、３１……嵌合
壁、３２……係止突起、３３……筒部、３４……
係合突起、３７……キヤツプ体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円筒形状の筒壁４の内周面に係合ピン５を突設
   すると共に、内周面下端に周条７を周設した内筒
   体２と、化粧品が収納される保持筒１０から垂下
   設された脚筒１２の周壁１３に、前記係合ピン５
   が係合する縦長孔１４を開孔すると共に、内周面
   下端に螺合ピン１７を突設し、前記内筒体２内に
   昇降変位自在に組付けられる受皿体９と、外周面
   に、前記螺合ピン１７が螺合する螺旋溝２０が刻
   設され前記脚筒１２内に螺合組付けされる軸桿１
   ９の下端に、組込筒２１を垂下設し、該組込筒２
   １の内周面に縦方向に沿つた係止溝２２を設ける
   と共に外周面に周方向に沿つた係合溝２３を設
   け、さらに該係合溝２３の上位の外周面に、前記
   内筒体２の周条７に係合する周溝２４を周設した
   螺子体１８ととによりカートリツジ体１を構成
   し、該カートリツジ体１の下端部が挿入される有
   底筒体の筒部３３内周面下端に前記係合溝２３に
   係合する係合突起３４を設けると共に、底壁３０
   中央に立設されて前記螺子体１８の組込筒２１に
   嵌入する嵌合壁３１の外周面に、前記係止溝２２
   に係止する係止突起３２を設けた回転筒２６と、
   該回転筒２６の上端部に組付けられる有頂直線円
   筒形状のキヤツプ体３７とにより外装体２５を構
   成して成る棒状化粧品繰り出し容器。