JPH0568066A - 多値記録再生装置 - Google Patents

多値記録再生装置

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JPH0568066A
JPH0568066A JP4023908A JP2390892A JPH0568066A JP H0568066 A JPH0568066 A JP H0568066A JP 4023908 A JP4023908 A JP 4023908A JP 2390892 A JP2390892 A JP 2390892A JP H0568066 A JPH0568066 A JP H0568066A
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JP
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signal
recording
value
pulse
unit
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Withdrawn
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JP4023908A
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Inventor
Shinichi Imaide
愼一 今出
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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  • Signal Processing For Digital Recording And Reproducing (AREA)
  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、記録伝送媒体よって制限されるSN
比の記録伝送路に於いて、前記記録伝送路での再生信号
に高出力を得られ、高密度記録/再生を実現する多値記
録再生装置を提供することを目的とする。 【構成】本発明は、非線形FMパルスを基本パルスとし
て記録された信号が最大出力を得て再生され、直交検波
部11によってベースバンド帯域を有する複素信号に復
調される。その複素信号は、LPF14とパルス整形処
理部15によりパルス整形が行われ、セルフクロックに
より標本化され、伝送路での時間軸変動が除去されて多
値データ列のデータ時間間隔として検出値が得られ、そ
の値を多値レベル判定部18で決められた多値レベルと
比較され、多値データが確定し、多値データー2値基底
データ変換部19により、必要に応じて2値データ列に
変換される多値記録再生装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体等にディ
ジタルデータを記録または伝送する際に、直交振幅変調
を用いてデータを多値化して記録および伝送し、また再
生する多値記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、2値基底ディジタルデータを多
値データに変換し、通信により伝送する技術は、広帯域
化することなく高伝送速度を実現するものとして、広く
実用化されている。
【0003】そして通信分野では、前記多値データ伝送
技術を磁気記録媒体等に適用し、高密度記録を実現する
ことが試みられている。例えば、周知な技術として、多
値直交振幅変調(多値QAM)を磁気記録に適用した
例、“記録面密度1μm2 /bit を越えるディジタルV
TRの検討”(1991年テレビジョン学会年次大会)
や特開平1−98167号公報などが挙げられる。これ
らに記載される多値QAM方式は、入力された2値基底
ディジタル信号を振幅方向に多値化した後、直交する搬
送波を変調し、合成して記録するものである。
【0004】前記多値QAM方式において、復調時には
記録時の搬送波と同期した搬送波で同期直交検波し復調
される。復調された信号はこの信号から抽出されたクロ
ック信号のタイミングで標本化され検出値を得る。検出
値は入力時の多値化の時の予め設定された値と比較して
判定されてもとの2値基底ディジタル信号に変換され
る。2値ディジタルを記録する領域に多値データを記録
するため高密度記録を実現している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した高密
度記録を実現する多値QAM方式は、基本的には多値化
した多進数データを多段階に設定された振幅に対応づけ
られ記録するものであり、記録信号を再生し検出・判定
する際にも多値判定となる。従って、復調後の誤り率を
2値の場合と同じにするためには、伝送路で要求される
SN比が2値判定時より多値レベル判定時の方が大きく
なる。
【0006】また多値数が多くなればなるほど伝送路で
要求されるSN比は大きくなる。逆に言えば伝送路のS
N比がある値で固定されている場合は、多値記録方式の
方が2値記録方式に比べて誤り率が悪化することにな
る。そこで、検出誤り率を実用上支障ないレベルに保ち
つつ多値記録によって高密度記録を達成するには、第1
の手段として、伝送路ノイズを抑制または低ノイズ伝送
路を用いる。第2の手段として、符号化処理により記録
デ〜タの誤り訂正能力を高める。第3の手段として、最
尤度復号法により検出誤りを抑制する。第4の手段とし
て、与えられた伝送路に於ける再生信号の信号出力を高
める。等の手段が考えられる。
【0007】前述した第1の手段は、記録媒体を含めた
記録伝送路の改善が必要であり、現状に於いても面記録
密度のかなりの高密度化が進んでおり、記録伝送路での
SN比はむしろ悪化する傾向にある。第2及び第3の手
段は、誤り訂正のための冗長成分を付加しなければなら
ないため、余りに過度に訂正能力を高める必要性が生じ
るのでは、多値化によって高密度化を図ろうとする目的
を達成できず、意味がなくなる可能性がある。
【0008】そこで本発明は、記録伝送媒体よって制限
されるSN比の記録伝送路に於いて、前記伝送路での再
生信号に高出力を得られ、高密度記録/再生を実現する
多値記録再生装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、入力ディジタルデータ列を所定ビットずつ
区切り、各所定ビットのデータ列を該所定ビットのビッ
ト数により定まる数の信号点として、2次元信号空間上
の所定位置に変換し、前記信号点を2次元信号空間の各
座標軸上の値を多値レベルとして出力する変換部と、前
記変換部から順次出力される2系統の多値レベルを、互
いに直交関係にあり、同持続時間,同帯域を有する非直
線的な周波数変調のかけられた一対の非線形チャープ波
信号に、それぞれ対応付け、前記2系統の多値レベルが
得られる毎に、それらの多値レベルに比例して選択的に
前記非線形チャープ波信号の信号振幅を個々に制御し、
それら一対の非線形チャープ波信号を同時に発生するチ
ャープ波信号発生部と、前記チャープ波信号発生部から
発生された一対の直交非線形チャープ波信号を合成して
出力する信号合成部と、前記信号合成部からの合成波信
号を記録媒体に記録する記録部とで構成される多値記録
手段と、前記多値記録手段から出力される合成波信号を
外部の伝送路に出力する伝送路出力手段と、外部の伝送
路から到来する合成波信号を取り込む伝送路入力手段
と、前記記録媒体から多値レベルに対応付けて同持続時
間、同帯域を有する非直線的な周波数変調のかけられた
非線形チャープ波信号の合成波信号を再生する再生部
と、再生部により再生された合成波信号を直交検波し複
素信号に復調する直交検波部と、相関演算を施すことに
よって所望する復調信号に整合するための参照波信号と
の相互相関演算を行なう相関部と、前記相関部により得
られた波形信号を適切な時刻で標本化し、上記多値レベ
ルに比例させた上記非線形チャープ波信号の信号振幅と
比例して得られる標本化値を検出し、該当する多値レベ
ルを判定する判定部と、前記判定部により判定された多
値レベルをディジタルデータ列に変換して出力する変換
部とで構成される多値再生手段とからなる多値記録再生
装置を提供する。
【0010】
【作用】以上のような構成の本発明の多値記録再生装置
では、非線形FMパルスを基本パルスとして記録された
信号が最大出力を得て再生され、直交検波によってベー
スバンド帯域を有する複素信号に復調される。復調され
た信号は、等化処理により複素信号を構成する基本パル
スのパルス整形が行われ、波形干渉の影響が除去され
る。前記等化された複素信号は、セルフクロックにより
標本化され、伝送路での時間軸変動が除去されて検出値
が多値データ列のデータ時間間隔で得られる。検出値は
決められた多値レベルと比較され2値ディジタルの場合
と同様に判定され、多値データが確定し、必要に応じて
2値データ列に変換される。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。図1は、本発明による多値記録再生装置を
一実施例として磁気記録再生装置に適用した場合の構成
を示すブロック図である。この多値記録再生装置は、多
値データ記録部Aと多値データ再生部Bに大別される。
【0012】まず多値データ記録部Aを説明する。入力
端子から記録2値ディジタルデータが2値基底データ−
多値データ変換部1に入力され、予め格納する2値基底
時系列データにより、2値ディジタルデータから多値時
系列データが生成される。
【0013】前記2値基底データ−多値データ変換部1
は、前記2値基底時系列データを所定ビット(Lビッ
ト)毎に区切り多値データ系列として捉える。ここで前
記所定ビットとは、M進多値記録を行ないたい場合は、
L=[log2M]ビットを指す。前記M進多値データ
が表せるM個のメッセージは、直交する2軸が形成する
2次元信号空間上のM個の信号点si でも表すことがで
きる(i=1,2,…,M)。
【0014】この2次元信号空間をなす2軸の一方をI
m 軸(同相軸)、他方をQm 軸(直交軸)と示すと、例
えば、図2に示すように、M個の信号点が設定され、任
意の1点の信号点は、Im 軸及びQm 軸の座標成分で表
すことができる。通常、信号点はM個のメッセージの発
生確率が皆等しいとして、互いの信号点間距離が等しく
なるように空間上均等に配置される。
【0015】1つのM進多値データが示す情報は、この
任意の信号点si を表わす座標、Im 軸及びQm 軸の2
つの値xk 、yk で表すことになる[si =(xk ,y
k )]。前記2値基底データ−多値データ変換部1で
は、多値伝送周期TB 毎にクロック信号が出力されると
共に、多値伝送周期TB 毎に2つの値xk 、yk を時系
列データとして出力する。
【0016】次に、前記2値基底データ−多値データ変
換部1から出力される多値伝送周期TB 毎に得られる2
つの座標値の時系列信号(変調信号)は、基本パルスの
持続時間だけ保持するホールド回路2に入力される。
【0017】一方、多値伝送周期TB 毎のクロック信号
は基本パルス発生部の発生タイミングを制御する基本パ
ルス発生切り替え部3に入力される。この基本パルス発
生切り替え部3は、前記クロック信号のタイミングで、
複数配された基本パルス発生部4の発生タイミングを随
時、切り替える。
【0018】前記基本パルス発生部4のそれぞれは、同
帯域を有し、瞬時周波数の推移が等しく、且つ互いに直
交する直交基本パルスm1 (t)、mq (t)が一対と
なり、持続時間をTB で割った個数、用意されている。
前記各基本パルス発生部4から同時に出力される一対の
直交基本パルス信号は、各信号ごとに対応する増幅器5
に入力される。
【0019】前記増幅器5は、前記ホールド回路2から
出力される信号により、各増幅器5のゲインが制御され
る。前記増幅器5からは、前記直交基本パルスが多値デ
ータに従って振幅を変えて、多値伝送周期TB 毎に出力
される。直交基本パルスはそれぞれ加算器6で加算され
た後、合成器7で合成され、記録アンプ8を介して記録
信号として記録再生伝送路9に入力される。
【0020】すなわち、多値データ記録部Aでは、多値
データ信号と、互いに直交する直交基本パルスm
i (t)及びmq (t)とをそれぞれコンボリューショ
ンし、加算して記録信号(被変調信号)生成しているこ
とである。次に本発明の多値データ記録部Aの基本原理
を説明する。まず、前述した直交基本パルスmi (t)
及びmq (t)は、次式で定義される非線形FMパルス
波を用いる。
【0021】
【数1】
【0022】この直交基本パルス波形mi (t)並びに
q (t)の生成しているベースバンド複素パルスは、
図3に示す如く瞬時周波数が持続時間td の間に、−Δ
ω/2からΔω/2まで非直線的に推移する有限時間幅
をもつFM波信号pi (t)とpq (t)から成る。
【0023】図4は、一般の搬送波方式の変調過程と比
較するために、この直交基本パルスの生成原理を説明し
ている。ベースバンド複素パルスpI (t)並びにpQ
(t)は次式で与えられるpi (t)とpq (t)即
ち、
【0024】
【数2】
【0025】である。式(3)から判るようにp
I (t)及びpQ (t)は互いに直交関係にある。この
ベースバンド複素パルスで搬送波csoωc t、sin
ωc tを直交変調して先に示した記録伝送のための基本
パルスmi (t)及びmq (t)を生成する。この非線
形FMパルスは次の特徴を有する特殊なパルス波形であ
る。
【0026】第1にパワースペクトルを任意に設定可能
である。すなわち、非線形FMパルスはそのスペクトル
をみれば分かるようにベースバンドパルスの瞬時周波数
の推移の仕方をコントロールすることにより任意に周波
数分布を変えることが容易である。このことは、記録伝
送路にマッチした記録信号を作り出すのが容易であり、
再生出力を最大限に引き出せる。
【0027】第2に、パルスエネルギーを最大限維持で
きる。すなわち、ベースバンド複素パルスpI (t)及
びpQ (t)はパルスエネルギーが与えられた振幅xに
対し最大限のエネルギーx2 d をもち、しかも制限さ
れた帯域を満足することができる。例えば、振幅xに対
し、x2 d を満足するパルス波形として振幅x、パル
ス幅td の矩形波があるが、これは原理的に無限の帯域
幅をもつ。記録伝送路の制限帯域に於いてスペクトルを
任意に設定する目的で瞬時周波数の推移をどのように変
えたとしても、最大限エネルギーを維持できることは、
復調後の検出誤りに対し非常に有利となる。検出誤りを
左右するのはパルスの形ではなく、エネルギー自身であ
る。尚、基本パルスmi (t)とmq (t)も互いに位
相をπ/2異にする直交波形であることは言うまでもな
い。
【0028】以上のように構成された多値データ記録部
Aの記録原理について図5を参照して説明する。記録信
号は基本パルスである非線形FMパルスmi(t)及び
q(t)を多値時系列信号di (t)及びdq (t)
とそれぞれコンボリューションして合成されて得られる
信号であるから、次式で表される。この記録信号をm
(t)とすれば、
【0029】
【数3】 となる。式(4)から分かるように記録信号m(t)の
最大ピーク値は、記録伝送路の最大入力振幅値Amax
制限される。即ち、
【0030】
【数4】 を満たす振幅制御系数Gが掛かる。次に図1を再び参照
して、多値データ再生部Bについて説明する。多値デー
タ記録部Aから出力され、記録再生伝送路9を通過した
信号は、再生信号として、再生アンプ10を介して直交
検波部11に入力される。
【0031】前記直交検波部11では、入力された再生
信号を2チャンネルに分岐し、第1のチャンネルの信号
には、局部発振器12により発生する搬送波cosωc
t、第2のチャンネルには、同搬送波をπ/2位相を変
えてsinωc tを各乗算器13a、13bでそれぞれ
掛け算され出力される。
【0032】前記局部発振器12の発振周波数ωc は、
先に定義された直交基本パルスの中心周波数ωc に等し
い。掛け算され出力された2チャンネルの信号は、それ
ぞれ所定帯域以上をカットするLPF14a,14bを
通過する。前記LPF14a,14bを通過した2チャ
ンネル信号は、それぞれベースバンド帯域を有する信号
となり、第1のチャンネルの信号を実部、第2のチャン
ネルの信号を虚部とするとベースバンド複素信号とな
る。
【0033】前記ベースバンド複素信号は、所定の複素
関数である参照波とパルス整形処理部15に於いて、複
素関数の相互相関演算が行われ、パルス整形され出力さ
れる。パルス整形されて、出力された2チャンネルの信
号は、クロック抽出部16に入力されると同時に検出部
17にも入力される。
【0034】前記クロック抽出部16では、前記2チャ
ンネルの信号からクロック信号が抽出され、その抽出ク
ロック信号は検出部17に入力され、標本化タイミング
を与える。
【0035】前記検出部17は、与えられた標本化タイ
ミングにより、パルス整形処理部15からの出力信号を
標本化する。このような検出タイミング周期TB 毎に検
出された2チャンネルの標本化値の時系列データは、多
値レベル判定部18に入力され、検出標本化値が表す検
出信号点ベクトルから正規信号点ベクトルを判定する処
理を行う。
【0036】この判定により、I軸成分値並びにQ軸成
分値は、先に設定された信号点Sの所定の多値レベルで
あり、多値データー2値基底データ変換部19に入力さ
れて必要に応じて2値基底ディジタルデータ系列に変換
され、元のデータ列を復元する。図6及び図7を参照し
て、前述した再生の原理を説明する。通常、再生信号
は、記録伝送路の周波数伝達特性に影響されるが、ここ
では説明を容易にするため、記録信号m(t)がそのま
ま再生されるものとする。
【0037】まず再生信号m(t)は、cosωc 及び
sinωc とかけ算されカットオフ周波数Δω/2のロ
ーパスフィルタ(以下LPF)をそれぞれ通過し、高域
成分を除去した後複素関数md (t)の実部及び虚部と
して扱われる。いわゆる同期直交検波により複素関数m
d (t)を得るのである。同様に複素関数である参照波
r(t)を使って圧縮処理と同時に、等化フィルタ処理
を兼ねて相互相関演算処理が行われる。
【0038】この処理によって再生信号m(t)を生成
している基本パルスmi (t)及びmq (t)のベース
バンド複素パルスpI(t)及びpQ (t)は、それぞ
れ独立して時間軸方向に拡散されていたものが圧縮さ
れ、信号I(t)及びQ(t)として抽出される。独立
した信号I(t)及びQ(t)が得られるこれら処理の
原理は、次の説明で容易に理解できる。再生信号m
(t)は、式(1)のmi (t)、mq(t)の定義式
及び
【0039】
【数5】 と置いたθ(t)を使って、
【0040】
【数6】 と書き直せる。m(t)を同期直交検波すると次の複素
信号md (t)が得られる。
【0041】
【数7】 として、これにLPFを通すと式(8)の高域成分の項
は除去されて、直交検波信号md (t)の実部I
d (t)
【0042】
【数8】 が得られる。同様にして、直交検波信号md (t)の虚
部Qd (t)は、
【0043】
【数9】 となり、LPFを通すと高域成分の項は除去されて、
【0044】
【数10】 として得られる。つまり同期直交検波信号md (t)
は、複素関数として
【0045】
【数11】 と表され、以後扱われる。
【0046】次に同期直交検波により得られた複素関数
d (t)と参照波信号r(t)との複素関数どうしの
相互相関演算を行ない、直交振幅変調で表される2次元
信号平面の任意の信号点を示す互いに直交する信号I
(t)及びQ(t)を求めることができる。このことを
原理的にわかりやすく説明すると次のように展開でき
る。いま参照波r(t)を
【0047】
【数12】 とすると、md (t)とr(t)の相関演算は、式(1
2)を使って
【0048】
【数13】 で与えられる。式(14)に式(3)と式(13)を適
用すると、
【0049】
【数14】 同様に、
【0050】
【数15】 となるから、参照波r(t)を
【0051】
【数16】 となるように決めれば、式(15)の虚部及び式(1
6)の実部は消去されて、式(14)は、
【0052】
【数17】 として得られる。
【0053】式(18)から判るように、相関処理によ
って復調されたI(t)及びQ(t)は、多値記録信号
i (t)及びdq (t)と、整形されたパルスh
(t)とのコンボリューションである。いま、これら整
形基本パルスh(t)を次のように置いて、どのような
パルス波形なのかを知れば元の多値時系列データがどの
ように復元されるか理解できる。複素パルスp
I (t)、pQ (t)、r(t)のスペクトルをそれぞ
れPI (ω)、PQ (ω)、R(ω)とすると、
【0054】
【数18】 と表せる。一方、pQ (t)はpI (t)に対し位相が
π/2異なる。即ち
【0055】
【数19】 だから
【0056】
【数20】 となる。また、参照波r(t)は、
【0057】
【数21】 となるよう定めれば、複素パルスpI (t)及びp
Q (t)と参照波r(t)との相関演算は、次のように
なる。
【0058】
【数22】
【0059】式(23)〜式(26)に示されるように
複素パルスpI (t)及びpQ (t)は参照波r(t)
により前者は複素関数の実部に、後者は虚部に、それぞ
れパルスh(t)の波形で整形される。次に整形パルス
h(t)の最適する波形について説明する。
【0060】H(ω)は図8に示す、レイズド・コサイ
ン特性をもつロールオフフィルタ特性をもつ波形であ
る。ロールオフ率r[r=ωx /(ωo /2);ωo
2πfo ]の取り方でパルスh(t)の波形が異なって
くるが、t=kTB (k:±1,±2,…,±∞,
B :パルス伝送周期)で必ずゼロクロス点をもつ。従
って符号間干渉0のナイキスト第一基準を満たすため、
B 毎に並ぶパルスh(t)は適切な標本化時刻で互い
に干渉しない。ここではH(ω)をサイドローブが最も
小さく、時間軸変動の影響を受けにくいロールオフ率r
=1の特性とする。結局図6,図7で示されるように再
生復調されたI(t)及びQ(t)は、
【0061】
【数23】 で与えられる。
【0062】すなわち、記録した多値時系列信号d
i (t)及びdq (t)と整形パルスh(t)とのコン
ボリューション波形に他ならず、適正時刻でパルス伝送
周期TB毎に再度標本化すれば、先に示したIm 軸及び
m 軸の2つの値ak 、bk に比例した値が求められ
る。ak 、bk により信号点si を判定し、多値時系列
データが求められ、それを2値基底データに変換するこ
とにより元の入力データを復元できる。
【0063】高密度記録の手法として、狭トラック化や
線記録密度を向上させるには、記録再生するための構成
要素(メカニカルな構成要素や記録媒体)の改良が必要
になるが、この多値記録再生装置では変調そのもので高
密度化を達成できるため、その改良が不要となる。また
前記改良がなされれば、さらなる高密度化が本発明の多
値記録再生装置によって実現できる。
【0064】また記録信号として、非線形FMパルスを
用いるため磁気記録再生系の周波数特性に合致した記録
信号を生成できるので、再生出力を最大に引き出すこと
ができる。そのため与えられた記録再生系の伝送効率を
最大限に利用し、検出判定誤りの低減を実現する。
【0065】さらに、多値レベルを非線形FMパルスと
いう時間軸に拡散したパルスに対応させているため、記
録媒体の欠陥等による局部的にデータ誤りを引き起こす
要因に対しては、その影響を低減でき平均誤り率を低減
することができる。
【0066】よって、本発明における高効率伝送を実現
できる理由は、基本パルスの非線形FM波の瞬時周波数
の推移の仕方を伝送路特性に合ったものにするのが容易
にできるため、記録信号を伝送路特性にマッチさせるこ
とができ、且つ推移の仕方をどのように変えようとも基
本パルスのもつエネルギーそのものは最大限に一定に保
たれることである。従って再生された信号のエネルギー
は最大効率で引き出されることになる。
【0067】以上のように本発明によれば、磁気記録再
生系のように伝送路が特徴的周波数特性を有し、またそ
の伝送電力が制限される場合に於いて、伝送効率を最大
限に引き出し効果的に検出誤り率を低減する多値記録再
生装置を提供することにより、高密度記録再生を実現す
る。
【0068】なお本発明に用いられた非線形パルスは、
スペクトル設計が自由で任意にコントロールできる特殊
パルス波形であり、伝送路周波数特性に合致したパルス
を作り出すことが容易である。また本発明は、前述した
一実施例に限定されるものではなく、他にも発明の要旨
を逸脱しない範囲で種々の変形や応用が可能であること
は勿論である。
【0069】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、記
録伝送媒体よって制限されるSN比の記録伝送路に於い
て、前記記録伝送路での再生信号に高出力を得られ、高
密度記録/再生を実現する多値記録再生装置を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による多値記録再生装置を一実
施例として磁気記録再生装置に適用した場合の構成を示
すブロック図である。
【図2】図2は、2次元信号空間の任意の信号点の位置
を座標成分で表す図である。
【図3】図3は、ベースバンド複素パルスの瞬時周波数
の特性を示す図である。
【図4】図4は、一般の搬送波方式の変調過程と比較す
るための本発明による直交基本パルスの生成原理を説明
する図である。
【図5】図5は、基本パルスと多値時系列信号とをコン
ボリューションして合成し得られる記録信号を示す図で
ある。
【図6】図6は、記録信号を再生の原理を説明するため
の前半部分の図である。
【図7】図7は、記録信号を再生の原理を説明するため
の後半部分の図である。
【図8】図8は、レイズド・コサイン特性をもつロール
オフフィルタ特性を示す図である。
【符号の説明】
1…2値基底データ−多値データ変換部、2…ホールド
回路、3…基本パルス発生切り替え部、4…基本パルス
発生部、5…増幅器、6…加算器、7…合成器、8…記
録アンプ、9…記録再生伝送路、10…再生アンプ、1
1…直交検波部、12…局部発振器、13a,13b…
乗算器、14a,14b…ローパスフィルタ(LP
F)、15…パルス整形処理部、16…クロック抽出
部、17…検出部、18…多値レベル判定部、19…多
値データー2値基底データ変換部。A…多値データ記録
部、B…多値データ再生部。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力ディジタルデータ列を所定ビットず
    つ区切り、各所定ビットのデータ列を該所定ビットのビ
    ット数により定まる数の信号点として、2次元信号空間
    上の所定位置に変換し、前記信号点を2次元信号空間の
    各座標軸上の値を多値レベルとして出力する変換部と、 前記変換部から順次出力される2系統の多値レベルを、
    互いに直交関係にあり、同持続時間,同帯域を有する非
    直線的な周波数変調のかけられた一対の非線形チャープ
    波信号に、それぞれ対応付け、前記2系統の多値レベル
    が得られる毎に、それらの多値レベルに比例して選択的
    に前記非線形チャープ波信号の信号振幅を個々に制御
    し、それら一対の非線形チャープ波信号を同時に発生す
    るチャープ波信号発生部と、 前記チャープ波信号発生部から発生された一対の直交非
    線形チャープ波信号を合成して出力する信号合成部と、 前記信号合成部からの合成波信号を記録媒体に記録する
    記録部とで構成される多値記録手段と、 前記多値記録手段から出力される合成波信号を外部の伝
    送路に出力する伝送路出力手段と、 外部の伝送路から到来する合成波信号を取り込む伝送路
    入力手段と、 前記記録媒体から多値レベルに対応付けて同持続時間、
    同帯域を有する非直線的な周波数変調のかけられた非線
    形チャープ波信号の合成波信号を再生する再生部と、 再生部により再生された合成波信号を直交検波し複素信
    号に復調する直交検波部と、 相関演算を施すことによって所望する復調信号に整合す
    るための参照波信号との相互相関演算を行なう相関部
    と、 前記相関部により得られた波形信号を適切な時刻で標本
    化し、上記多値レベルに比例させた上記非線形チャープ
    波信号の信号振幅と比例して得られる標本化値を検出
    し、該当する多値レベルを判定する判定部と、 前記判定部により判定された多値レベルをディジタルデ
    ータ列に変換して出力する変換部とで構成される多値再
    生手段とを具備することを特徴とする多値記録再生装
    置。
JP4023908A 1991-03-08 1992-02-10 多値記録再生装置 Withdrawn JPH0568066A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8343859B2 (en) 2005-05-04 2013-01-01 Hynix Semiconductor Inc. Non-uniform ion implantation apparatus and method thereof
CN113126165A (zh) * 2020-01-15 2021-07-16 中国石油天然气集团有限公司 二维斜井合成地震记录镶嵌显示方法及装置

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US8343859B2 (en) 2005-05-04 2013-01-01 Hynix Semiconductor Inc. Non-uniform ion implantation apparatus and method thereof
CN113126165A (zh) * 2020-01-15 2021-07-16 中国石油天然气集团有限公司 二维斜井合成地震记录镶嵌显示方法及装置

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