JPH056793B2 - - Google Patents
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- JPH056793B2 JPH056793B2 JP7025685A JP7025685A JPH056793B2 JP H056793 B2 JPH056793 B2 JP H056793B2 JP 7025685 A JP7025685 A JP 7025685A JP 7025685 A JP7025685 A JP 7025685A JP H056793 B2 JPH056793 B2 JP H056793B2
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Classifications
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- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M6/00—Primary cells; Manufacture thereof
- H01M6/30—Deferred-action cells
- H01M6/36—Deferred-action cells containing electrolyte and made operational by physical means, e.g. thermal cells
-
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- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Description
産業上の利用分野
本発明は熱電池用リチウム負極に関するもので
ある。 従来の技術 熱電池は常温では固体である溶融塩を電解質と
して、これを高温約400〜700℃に加熱して液体化
することによつて発電可能とする高温電池の一種
である。従来の熱電池には負極活物質として金属
カルシウムや金属マグネシウムなどが用いられて
いたが、これらの負極活物質では近年熱電池に求
められている大電流密度放電、例えば500nA/cm2
で数分間の放電寿命という要求に対して満足する
ことが不可能であつた。近年このような問題を解
決するために新しくリチウム負極の開発がなされ
てきた。しかし、金属リチウムは活性である半
面、融点(181℃)が低く、電池作動温度域(通
常400〜700℃)では完全に液化してしまうので、
素電池外への流出をおこしやすくなつね内部短絡
を生ずるという難点を有している。そこで従来で
は米国特許第4221849号明細書に示されるような
リチウムを溶解し、その中にリチウムと合金化し
にくい金属粉末を混合し、その金属粉末表面にリ
チウムを表面張力で保持させて、この混合物をシ
ート化して円板状に打ち抜き金属製のカツプ内に
配設した負極が提案されている。この負極の上に
電解質層が構成され、さらにその上に正極合剤層
を構成して素電池とされる。素電池は熱電池の起
動時に素電池を加熱するための発熱剤と交互に積
み重ねられ、所定の電力を発生する発電部積層体
を構成する。発電部積層体の周辺は無機物等の断
熱材で覆い放熱を抑えている。また発電部積層体
の上部には起動用の添加器が設けられ、熱電池の
起動時に外部からの電池信号で火災を発して発熱
剤に着火するものである。これらの高製品を金属
製の電池ケースに収納し、ガラス封止した出力端
子や起動信号の入力端子を有したあ金属製電池蓋
を電池ケースに圧入して、その後両者の嵌合部を
TIG溶接等で溶接し、完全密閉構造の熱電池とす
る。 発明が解決しようとする問題点 しかし、上記のような負極の場合でも混合組成
によつては完全にリチウムの流出を防ぐことはで
きないこと、また、その製造には均一混合のため
に時間がかかつたり、水分や酸素をかわめてシビ
アーち除去することが重要なため特別な製造装置
が必要となつて簡単に製造することはできないと
いう問題点があつた。 本発明はリチウム負極を改良することによつて
上記の問題点を解決することを目的とする。 問題点を解決するための手段 上記のような問題点を解決するための本発明で
は、金属リチウムシートをそのまま用い、その周
囲をリチウムと合金化しにくい金属粉末の成型体
でリチウムの周囲を完全に囲んだリチウム負極を
素電池に用いるものである。 作 用 この構成によれば、電池が作動したときリチウ
ムは液体化するが、それを被つている金属粉末成
型体によつて流出を防止できる。すなわち金属粉
末成型体は微細な空隙を有するように作製されて
おり溶融したリチウムはこの空隙に毛細管現象に
よつて吸い上げられ、そしてリチウムの表面張力
によつて金属粉末成型体内の細孔内に保持された
状態となる。従つて、金属粉末成型体は電子伝導
性を有しているため、電池活性時には溶融リチウ
ムを吸収保持して集電体としても、その中に取り
込まれたリチウムは順次防電で消耗されている
く。このリチウム負極は非常に活性で構造的に安
定したものである。特に、市販のリチウムシート
を用いることができリチウムの溶融工程も必要な
いため、特殊な装置もいらず簡単に製造できる。 実施例 以下本発明を図を用いて説明する。 実施例 1 第1図は本発明の一実施例における負極の縦断
面図である。この負極は、まず金型内に一部の金
属粉末を入れて予圧成型した後、市販の金属リチ
ウムシートから円板状に打ち抜いたリチウム1を
予圧成型した金属粉末成型体の上に置き、さらに
その上に金属粉末を分散して加圧することでリチ
ウム1を負極構成のほぼ中央部に配置し、その周
囲を完全にリチウムと合金化しにくい金属粉末成
型体2で覆つた構成を作製した。ことように構成
することにより、熱電池が起動時溶融状態になる
リチウム1は、金属粉末成型体2の内部の形成さ
れた空隙に速やかに吸収保持され、負極の外に漏
れ出すことはないし、非常に簡易に作製できるも
のである。また、リチウム1を吸収保持する金属
粉末成型体2は良好な電子電動性を有するため、
負極の集電体として働くのである。金属粉末成型
体2の材質は、リチウムと極力合金化しにくい材
料を選択しなければならない。例えば、リチウム
と容易に合金化するようなアルミニウムを用いた
場合、熱電池を起動してリチウムが溶融すると激
しく合金化反応を起こしたり、リチウム本来の高
い電位を示さなくなつたり、さらには金属粉末成
型体2に穴を開け、溶融リチウムを流出するよう
な弊害が発生する。従つて、金属粉末成型体2の
材料としては、鉄、ニツケル、ステンレス鋼およ
びニクロムを選定した。これらの材料はいずれも
リチウムとの合金化反応は乏しく、前述するよう
な 弊害は起こらなかつた。また、これらの材料の
各々単体粉末を用いるほかに、例えば鉄とニツケ
ルの混合物でも有効であつた。 本実施例では、金属粉末成型体2として平均粒
径が10〜30μmで海線形状をした多孔質の鉄粉を
用いた。成型圧力は1ton/cm2で行つた。 金属粉末成型体2の量は、リチウム1に対して
少ない場合は、リチウム1を十分に固定化するこ
とができずリチウム1を負極外に流出してしま
う。 またリチウム1に対して金属粉末成型体2の量
が多い場合は、リチウム1の流出は発生しない
が、負極の単位重量能当たりの容量が少なくなり
すぎ、実用的でなくなる。従つて、金属粉末成型
体2とリチウム1の重量比は、実験結果を踏まえ
て、リチウムが発生しない71:30から、負極の単
位重量能当たりの容量の実用的範囲である95:5
までの範囲が最適であつた。本実施例では、金属
粉末成型体2とリチウム1の重量比が85:15のも
のを作製した。 以上のように構成した負極を用いて第2図の縦
断面図に示す素電池を構成した。図中1,2は第
1図中のリチウムと金属粉末成型体に対応するも
のである。3は負極集電板で鉄板を用い、電解質
層4としてKCl−LiCl溶融塩を用い、無機吸着材
であるMgO粉末を保持させた粉末で構成した。
正極合剤層5は、活物質としてFeS2を用い、こ
れに前述の電解質と無機吸着材であるSiO2粉末
を混合したものを用いた。素電池は金型に負極を
入れ、まず負極の上に電解質層4を成型し、次い
で電解質層4の上に正極合剤層5を成型して作製
した。正極合剤層5の上には鉄板の正極集電板6
を設けて集電している。 素電池は発熱剤と交互に積み重ね、所定の電力
を発生する発電部積層体の周囲は放熱を抑えるた
めに無機断熱材で覆い、また、発電部積層体の上
部には起動用の点火器を設け、外部からの電気信
号によつて火炎を発して発熱剤に着火して熱電池
を起動させる。これらの構成品を金属製の電池ケ
ースに収納し、ガラス封止した出力端子や起動信
号の入力端子を有した金属製電池蓋を電池ケース
に圧入して、その後両者の嵌合部をTiG溶接等で
溶接し、完全密閉構造の熱電池とした。 実施例 2 実施例2では実施例1の構成のうち金属粉末成
型体中に電解質成分を含有させた例である。 電解質成分の含有方法は、金属粉末に電解質粉
末や電解質を無機吸着剤に保持させた粉末を混合
する方法があるが、本実施例では、前者の電解質
粉末を混合する方式を実施した。電解質には前述
のKCl−LiCl溶融塩を用い、金属粉末成型体の重
量に対して10重量%を混合した。その他の負極構
成、素電池および電池構成は実施例1と同様とし
た。このような構成の負極を用いた場合、実施例
1に比べて起動信号を入力後電池が所定の電圧を
発生するまでの時間を短縮することができる。す
なわち、実施例1の構成の場合は、リチウムが溶
融し金属粉末成型体に吸収されて電解質層との界
面まで到達しないと電池として働かないが、実施
例2の場合は、金属粉末成型体に電解質成分が存
在するために、電解質が溶融すると同時に電池と
して作用することができるからである。 しかし、あまり大量の電解質成分を入れると金
属粉末成型体の型くずれが生じるため重量比で30
%以内にすることが好ましかつた。 実施例 3 実施例3は、実施例2の構成のうち正極活物質
層と対向する金属粉末成型体のみ電解質成分を含
有させた例である。この負極は実施令と同じく、
金属粉末成型体の重量に対して10重量%のKCl−
LiCl溶融塩を混合した粉末を金型内で予圧成型し
た後、リチウムを置き、さらにその上に金属粉末
のみを分散してから成型して構成した。構成した
負極の電解質成分を含む金属粉末成型体の上に電
解質層を構成し、さらにその上に正極合剤層を成
型して素電池とした。その他、電池構成等は実施
例2と同様にした。 比較例 1 比較例1は実施例1の構成のうち金属粉末成型
体とリチウム重量比変更した例で、60:40:とし
たものである。その他の構成は全て実施例1と同
じく構成した。 比較例 2 比較例2も実施例1の構成のうち金属粉末成型
体とリチウム重量比変更した一例で、98:2にし
たものである。その他の構成は全て実施例1と同
じく構成した。 比較例 3 比較例3は従来方式の負極構成を持つ例で、米
国特許第4221849号明細書に開示された負極構成
を用いた例である。金属粉末には比表面積が50
m2/gの針状の鉄粉を用い、アルゴンガス雰囲気
中400℃溶融したリチウムに添加混合し、インゴ
ツトとした。鉄粉とリチウムの重量比率は85:15
とした。インゴツトはプレスとローラーによつて
シート状にし、所定の円板状い抜ち抜いて金属製
カツプに入れて負極とした。その後、実施例1と
同様の構成の素電池および電流とした。 以上の実施例1,2,3および比較例1,2,
3の熱電池を用いてリチウム流出状況および、放
電特性の評価を行つた。素電池を評価方法は、素
電池を温度コントロールした2枚の熱板に一定圧
力で挾んで定電流放電を行い、その際の負極外部
へのリチウムの流出を有無の確認と放電寿命で行
つた。素電池の評価は各10枚ずつ実施した。表1
はそれぞれの結果をまとめたものである。表から
明らかなように、本発明による実施例1,2およ
び実施例3ではリチウムの流出が全く発生してい
ない。また、500nA/cm2と1000nA/cm2の寿命は鉄
粉量を変化させた比較例1,2に比べて優れた結
果を得、従来負極である比較例3と比べても遜色
のない結果であつた。 これは、金属粉末成型体が溶融リチウムを目的
通り吸収保持していることと、金属粉末成型体の
電子伝導性によつて放電末期まで良好な集電状況
が達成できているためである。 リチウムに対して金属粉末成型体の重量の少な
い比較例1では、リチウムは十分に保持固定化で
きず負極外部に全数が流出し、素電池の外周部で
正極合剤層と接触して短絡を生じ、寿命も短い結
果であつた。また、逆にリチウムに対して金属粉
末成型体の重量が多い比較例2は、リチウムの流
出は皆無であるが、金属粉末成型体内のリチウム
が有効に使用されず寿命が著しく低下し、実用的
ではなかつた。 従来の負極構成を用いた比較例3の場合は、10
枚の素電池試験のうち3枚がリチウムの流出を発
生する結果で、本発明による負極に比べて多少リ
チウムの保持能力が低いことがわかる。さらに負
極の製造工数も本発明による負極に比べて約1.5
倍と多い。 また、実施例2の場合は、金属粉末成型体内に
電解質成分が存在するために、電解質が溶融する
と同時に電池として出力することができるため、
実施例1に比べて起動信号を入力後電池が所定の
電圧を発生するまでの時間を短縮することでき
た。 実施例3の場合も、正極に対向する金属粉末成
型体に電解質成分が含まれているため、実施例2
と同様の効果が得られた。実施例2および3のよ
うに負極の金属粉末成型体に電解質を含ませた場
合、高率放電時のリチウムの利用率が向上し、寿
命の伸びが確認された。
ある。 従来の技術 熱電池は常温では固体である溶融塩を電解質と
して、これを高温約400〜700℃に加熱して液体化
することによつて発電可能とする高温電池の一種
である。従来の熱電池には負極活物質として金属
カルシウムや金属マグネシウムなどが用いられて
いたが、これらの負極活物質では近年熱電池に求
められている大電流密度放電、例えば500nA/cm2
で数分間の放電寿命という要求に対して満足する
ことが不可能であつた。近年このような問題を解
決するために新しくリチウム負極の開発がなされ
てきた。しかし、金属リチウムは活性である半
面、融点(181℃)が低く、電池作動温度域(通
常400〜700℃)では完全に液化してしまうので、
素電池外への流出をおこしやすくなつね内部短絡
を生ずるという難点を有している。そこで従来で
は米国特許第4221849号明細書に示されるような
リチウムを溶解し、その中にリチウムと合金化し
にくい金属粉末を混合し、その金属粉末表面にリ
チウムを表面張力で保持させて、この混合物をシ
ート化して円板状に打ち抜き金属製のカツプ内に
配設した負極が提案されている。この負極の上に
電解質層が構成され、さらにその上に正極合剤層
を構成して素電池とされる。素電池は熱電池の起
動時に素電池を加熱するための発熱剤と交互に積
み重ねられ、所定の電力を発生する発電部積層体
を構成する。発電部積層体の周辺は無機物等の断
熱材で覆い放熱を抑えている。また発電部積層体
の上部には起動用の添加器が設けられ、熱電池の
起動時に外部からの電池信号で火災を発して発熱
剤に着火するものである。これらの高製品を金属
製の電池ケースに収納し、ガラス封止した出力端
子や起動信号の入力端子を有したあ金属製電池蓋
を電池ケースに圧入して、その後両者の嵌合部を
TIG溶接等で溶接し、完全密閉構造の熱電池とす
る。 発明が解決しようとする問題点 しかし、上記のような負極の場合でも混合組成
によつては完全にリチウムの流出を防ぐことはで
きないこと、また、その製造には均一混合のため
に時間がかかつたり、水分や酸素をかわめてシビ
アーち除去することが重要なため特別な製造装置
が必要となつて簡単に製造することはできないと
いう問題点があつた。 本発明はリチウム負極を改良することによつて
上記の問題点を解決することを目的とする。 問題点を解決するための手段 上記のような問題点を解決するための本発明で
は、金属リチウムシートをそのまま用い、その周
囲をリチウムと合金化しにくい金属粉末の成型体
でリチウムの周囲を完全に囲んだリチウム負極を
素電池に用いるものである。 作 用 この構成によれば、電池が作動したときリチウ
ムは液体化するが、それを被つている金属粉末成
型体によつて流出を防止できる。すなわち金属粉
末成型体は微細な空隙を有するように作製されて
おり溶融したリチウムはこの空隙に毛細管現象に
よつて吸い上げられ、そしてリチウムの表面張力
によつて金属粉末成型体内の細孔内に保持された
状態となる。従つて、金属粉末成型体は電子伝導
性を有しているため、電池活性時には溶融リチウ
ムを吸収保持して集電体としても、その中に取り
込まれたリチウムは順次防電で消耗されている
く。このリチウム負極は非常に活性で構造的に安
定したものである。特に、市販のリチウムシート
を用いることができリチウムの溶融工程も必要な
いため、特殊な装置もいらず簡単に製造できる。 実施例 以下本発明を図を用いて説明する。 実施例 1 第1図は本発明の一実施例における負極の縦断
面図である。この負極は、まず金型内に一部の金
属粉末を入れて予圧成型した後、市販の金属リチ
ウムシートから円板状に打ち抜いたリチウム1を
予圧成型した金属粉末成型体の上に置き、さらに
その上に金属粉末を分散して加圧することでリチ
ウム1を負極構成のほぼ中央部に配置し、その周
囲を完全にリチウムと合金化しにくい金属粉末成
型体2で覆つた構成を作製した。ことように構成
することにより、熱電池が起動時溶融状態になる
リチウム1は、金属粉末成型体2の内部の形成さ
れた空隙に速やかに吸収保持され、負極の外に漏
れ出すことはないし、非常に簡易に作製できるも
のである。また、リチウム1を吸収保持する金属
粉末成型体2は良好な電子電動性を有するため、
負極の集電体として働くのである。金属粉末成型
体2の材質は、リチウムと極力合金化しにくい材
料を選択しなければならない。例えば、リチウム
と容易に合金化するようなアルミニウムを用いた
場合、熱電池を起動してリチウムが溶融すると激
しく合金化反応を起こしたり、リチウム本来の高
い電位を示さなくなつたり、さらには金属粉末成
型体2に穴を開け、溶融リチウムを流出するよう
な弊害が発生する。従つて、金属粉末成型体2の
材料としては、鉄、ニツケル、ステンレス鋼およ
びニクロムを選定した。これらの材料はいずれも
リチウムとの合金化反応は乏しく、前述するよう
な 弊害は起こらなかつた。また、これらの材料の
各々単体粉末を用いるほかに、例えば鉄とニツケ
ルの混合物でも有効であつた。 本実施例では、金属粉末成型体2として平均粒
径が10〜30μmで海線形状をした多孔質の鉄粉を
用いた。成型圧力は1ton/cm2で行つた。 金属粉末成型体2の量は、リチウム1に対して
少ない場合は、リチウム1を十分に固定化するこ
とができずリチウム1を負極外に流出してしま
う。 またリチウム1に対して金属粉末成型体2の量
が多い場合は、リチウム1の流出は発生しない
が、負極の単位重量能当たりの容量が少なくなり
すぎ、実用的でなくなる。従つて、金属粉末成型
体2とリチウム1の重量比は、実験結果を踏まえ
て、リチウムが発生しない71:30から、負極の単
位重量能当たりの容量の実用的範囲である95:5
までの範囲が最適であつた。本実施例では、金属
粉末成型体2とリチウム1の重量比が85:15のも
のを作製した。 以上のように構成した負極を用いて第2図の縦
断面図に示す素電池を構成した。図中1,2は第
1図中のリチウムと金属粉末成型体に対応するも
のである。3は負極集電板で鉄板を用い、電解質
層4としてKCl−LiCl溶融塩を用い、無機吸着材
であるMgO粉末を保持させた粉末で構成した。
正極合剤層5は、活物質としてFeS2を用い、こ
れに前述の電解質と無機吸着材であるSiO2粉末
を混合したものを用いた。素電池は金型に負極を
入れ、まず負極の上に電解質層4を成型し、次い
で電解質層4の上に正極合剤層5を成型して作製
した。正極合剤層5の上には鉄板の正極集電板6
を設けて集電している。 素電池は発熱剤と交互に積み重ね、所定の電力
を発生する発電部積層体の周囲は放熱を抑えるた
めに無機断熱材で覆い、また、発電部積層体の上
部には起動用の点火器を設け、外部からの電気信
号によつて火炎を発して発熱剤に着火して熱電池
を起動させる。これらの構成品を金属製の電池ケ
ースに収納し、ガラス封止した出力端子や起動信
号の入力端子を有した金属製電池蓋を電池ケース
に圧入して、その後両者の嵌合部をTiG溶接等で
溶接し、完全密閉構造の熱電池とした。 実施例 2 実施例2では実施例1の構成のうち金属粉末成
型体中に電解質成分を含有させた例である。 電解質成分の含有方法は、金属粉末に電解質粉
末や電解質を無機吸着剤に保持させた粉末を混合
する方法があるが、本実施例では、前者の電解質
粉末を混合する方式を実施した。電解質には前述
のKCl−LiCl溶融塩を用い、金属粉末成型体の重
量に対して10重量%を混合した。その他の負極構
成、素電池および電池構成は実施例1と同様とし
た。このような構成の負極を用いた場合、実施例
1に比べて起動信号を入力後電池が所定の電圧を
発生するまでの時間を短縮することができる。す
なわち、実施例1の構成の場合は、リチウムが溶
融し金属粉末成型体に吸収されて電解質層との界
面まで到達しないと電池として働かないが、実施
例2の場合は、金属粉末成型体に電解質成分が存
在するために、電解質が溶融すると同時に電池と
して作用することができるからである。 しかし、あまり大量の電解質成分を入れると金
属粉末成型体の型くずれが生じるため重量比で30
%以内にすることが好ましかつた。 実施例 3 実施例3は、実施例2の構成のうち正極活物質
層と対向する金属粉末成型体のみ電解質成分を含
有させた例である。この負極は実施令と同じく、
金属粉末成型体の重量に対して10重量%のKCl−
LiCl溶融塩を混合した粉末を金型内で予圧成型し
た後、リチウムを置き、さらにその上に金属粉末
のみを分散してから成型して構成した。構成した
負極の電解質成分を含む金属粉末成型体の上に電
解質層を構成し、さらにその上に正極合剤層を成
型して素電池とした。その他、電池構成等は実施
例2と同様にした。 比較例 1 比較例1は実施例1の構成のうち金属粉末成型
体とリチウム重量比変更した例で、60:40:とし
たものである。その他の構成は全て実施例1と同
じく構成した。 比較例 2 比較例2も実施例1の構成のうち金属粉末成型
体とリチウム重量比変更した一例で、98:2にし
たものである。その他の構成は全て実施例1と同
じく構成した。 比較例 3 比較例3は従来方式の負極構成を持つ例で、米
国特許第4221849号明細書に開示された負極構成
を用いた例である。金属粉末には比表面積が50
m2/gの針状の鉄粉を用い、アルゴンガス雰囲気
中400℃溶融したリチウムに添加混合し、インゴ
ツトとした。鉄粉とリチウムの重量比率は85:15
とした。インゴツトはプレスとローラーによつて
シート状にし、所定の円板状い抜ち抜いて金属製
カツプに入れて負極とした。その後、実施例1と
同様の構成の素電池および電流とした。 以上の実施例1,2,3および比較例1,2,
3の熱電池を用いてリチウム流出状況および、放
電特性の評価を行つた。素電池を評価方法は、素
電池を温度コントロールした2枚の熱板に一定圧
力で挾んで定電流放電を行い、その際の負極外部
へのリチウムの流出を有無の確認と放電寿命で行
つた。素電池の評価は各10枚ずつ実施した。表1
はそれぞれの結果をまとめたものである。表から
明らかなように、本発明による実施例1,2およ
び実施例3ではリチウムの流出が全く発生してい
ない。また、500nA/cm2と1000nA/cm2の寿命は鉄
粉量を変化させた比較例1,2に比べて優れた結
果を得、従来負極である比較例3と比べても遜色
のない結果であつた。 これは、金属粉末成型体が溶融リチウムを目的
通り吸収保持していることと、金属粉末成型体の
電子伝導性によつて放電末期まで良好な集電状況
が達成できているためである。 リチウムに対して金属粉末成型体の重量の少な
い比較例1では、リチウムは十分に保持固定化で
きず負極外部に全数が流出し、素電池の外周部で
正極合剤層と接触して短絡を生じ、寿命も短い結
果であつた。また、逆にリチウムに対して金属粉
末成型体の重量が多い比較例2は、リチウムの流
出は皆無であるが、金属粉末成型体内のリチウム
が有効に使用されず寿命が著しく低下し、実用的
ではなかつた。 従来の負極構成を用いた比較例3の場合は、10
枚の素電池試験のうち3枚がリチウムの流出を発
生する結果で、本発明による負極に比べて多少リ
チウムの保持能力が低いことがわかる。さらに負
極の製造工数も本発明による負極に比べて約1.5
倍と多い。 また、実施例2の場合は、金属粉末成型体内に
電解質成分が存在するために、電解質が溶融する
と同時に電池として出力することができるため、
実施例1に比べて起動信号を入力後電池が所定の
電圧を発生するまでの時間を短縮することでき
た。 実施例3の場合も、正極に対向する金属粉末成
型体に電解質成分が含まれているため、実施例2
と同様の効果が得られた。実施例2および3のよ
うに負極の金属粉末成型体に電解質を含ませた場
合、高率放電時のリチウムの利用率が向上し、寿
命の伸びが確認された。
【表】
発明の効果
以上の説明で明らかなように、金属粉末成型体
でリチウムを完全に被い囲んだ本発明による負極
は、 (1) 電池活性時に液体化するリチウムの素電池外
への流出を完全に防止できる。 (2) 製造にはリチウムを溶融する必要がないため
特殊な装置もいらず容易に構成できる。 (3) 大電流密度放電も十分可能である。 などの効果が得られる。
でリチウムを完全に被い囲んだ本発明による負極
は、 (1) 電池活性時に液体化するリチウムの素電池外
への流出を完全に防止できる。 (2) 製造にはリチウムを溶融する必要がないため
特殊な装置もいらず容易に構成できる。 (3) 大電流密度放電も十分可能である。 などの効果が得られる。
第1図は本発明の実施例における負極に縦断面
図、第2図はその負極を用いた素電池の縦断面図
である。 1……リチウム、2……金属粉末成型体、4…
…電解質層、5……正極合剤層。
図、第2図はその負極を用いた素電池の縦断面図
である。 1……リチウム、2……金属粉末成型体、4…
…電解質層、5……正極合剤層。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 リチウムと合金化しにくい金属粉末の成型体
でリチウムの周囲を完全に囲んだリチウム負極
と、電解質層と正極合剤層とからなる素電池を有
する熱電池。 2 金属粉末が鉄、ニツケル、ステンレス鋼およ
びニクロムの群から選ばれた少なくとも一種であ
る特許請求の範囲第1項記載の熱電池。 3 金属粉末成型体とリチウムとの重量比が70:
30〜95:5に制限された特許請求の範囲第1項記
載の熱電池。 4 金属粉末成型体中に電解質成分を含有させた
特許請求の範囲第1項記載の熱電池。 5 正極活物質と対向する金属粉末成型体にのみ
電解質成分を含有させた特許請求の範囲第4項記
載の熱電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7025685A JPS61230263A (ja) | 1985-04-03 | 1985-04-03 | 熱電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7025685A JPS61230263A (ja) | 1985-04-03 | 1985-04-03 | 熱電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61230263A JPS61230263A (ja) | 1986-10-14 |
JPH056793B2 true JPH056793B2 (ja) | 1993-01-27 |
Family
ID=13426288
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7025685A Granted JPS61230263A (ja) | 1985-04-03 | 1985-04-03 | 熱電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61230263A (ja) |
-
1985
- 1985-04-03 JP JP7025685A patent/JPS61230263A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61230263A (ja) | 1986-10-14 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |