JPH0567935B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は光学像を電気信号に変換して送出す
るビデオカメラ（録画装置内蔵形を含む）に関す
るもので、特に撮影状態を監視するための表示を
改良したビデオカメラのビユーフアインダに関す
るものである。

〔従来の技術〕

第５図及び第６図は例えば実開昭60−152139号
公報に示された従来のビデオカメラのビユーフア
インダ、特にその傾き表示装置を示す図であり、
第５図ａは正面図で、第５図ｂはその側断面図で
ある。同図において１はビユーフアインダ外枠、
２はビユーフアインダ外枠１内にあつて映像２ｂ
を表示する陰極線管（以下、CRTという）で、
２ａはその映像面である。３は映像面２ａの外周
に添つて設けられた環状の透明なパイプから成る
水準器で、その中には液体３ａが封入され、表面
２ケ所に水平基準マーク３ｂが表示されている。

次に動作について説明する。まず、第５図ａは
適正に水平度が確保された状態を示すビユーフア
インダの正面図で、CRT２の映像面２ａに映さ
れた映像２ｂの中の地面が映像面２ａの外周に設
けられた水準器３を保つており且つ水準器３の中
の液体３ａの液面は水平基準マーク３ｂと合致し
ている。第６図は傾いて撮影している時の状態を
示すビユーフアインダの図で、映像面２ａ全体が
傾き水準器３の中の液体３ａの液面は水平基準マ
ーク３ｂからずれた位置になつており、このずれ
量の大小で傾きの度合がわかる。従つて、撮影者
は常にこの水準器３の液体３ａの液面が水平基準
マーク３ｂと合致するようにビデオカメラ本体
（図示しない）の傾きを補正してやればよい。

〔発明が解決しようとする問題点〕

従来のビデオカメラのビユーフアインダは以上
のように構成されているので、（）映像面２ａ
が傾いても映像２ｂと水準器３の中の液体３ａは
常に平行となつているため撮影者が錯覚を起しや
すく、（）水準器の中が液体であるためわずか
な振動にも反応し、撮影中揺れ動きやすく、撮影
者が水平基準マークに忠実に合せようとすると結
果的に撮影した映像も揺れ動いていることがあ
り、（）パイプに液体を封入するという製造工
程はかなり高価なものになり、（）ビデオカメ
ラ本体に対する撮像面及びビユーフアインダ内の
映像面等全ての表示関係の水平度を確保する必要
があるので高精度の組立が要求されるなどの問題
点があつた。

この発明は上記のような問題点を解消するため
になされたもので、極めて簡単な構成で、安価に
傾き表示をすることができるビデオカメラのビユ
ーフアインダを得ることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明に係るビデオカメラのビユーフアイン
ダは、電気的映像の撮影枠内に対応して水平基準
及び／又は垂直基準の線状の標識を設けるように
したものである。

この発明の他の発明に係るビデオカメラのビユ
ーフアインダは、ビユーフアインダの電気的映像
の撮影枠内に水平及び／又は垂直基準の線状の標
識を表示するための標識信号を発生する標識信号
発生回路と、映像信号にこの標識信号を重畳する
混合回路とを設けるようにしたものである。

〔作用〕

この発明によるビデオカメラのビユーフアイン
ダは、水平及び／又は垂直の基準標識が映像画面
内に対応してあるため映像との対応が取易く、ま
た、水平及び垂直の少なくとも１方向表示が可能
であるため、水平線又は地平線のない映像、又は
垂直線のない映像のいずれに対しても映像の傾き
を補正し易くする。

この発明による他の発明は、被写体の像から得
た映像信号に標識信号発生回路からの標識信号を
混合回路で重畳し、表示装置の画面にその映像と
共に標識を映像化するので、映像の傾きを補正し
易くする。

〔実施例〕

以下、この発明の実施例を図について説明す
る。

第１図において、第５図に示した符号と同符号
１，２，２ａ，２ｂの部分は従来と同様のもので
あり、その説明を省略する。４はビユーフアイン
ダ外枠１の中にあつて映像面２ａの前面に設けら
れた透明な標識標示板で、４ａはその標示板４に
標示された水平基準及び垂直基準の線状の基準標
識である。

第２図のビデオカメラのビユーフアインダの構
成は、第１図の構成と同じであるが、第１図では
映像２ｂと基準標識４ａの平行が維持された状態
を示しているのに対し、第２図では基準標識４ａ
が映像２ｂに対して傾いた状態を示している。

次に、この実施例の動作及び作用について説明
する。第１図は前述のように映像面２ａに表示さ
れた映像２ｂが正常に水平が保たれている状態を
示し、この場合映像２ｂの地平線が標識標示板４
の基準標識４ａの水平基準線と平行に、また映像
２ｂの垂直線が基準標識４ａの垂直基準線と平行
になつている。第２図は、図示していないビデオ
カメラが傾いて映像２ｂに対して基準標識４ａが
傾いている状態を示している。このような状態の
とき撮影者はすみやかに第１図の状態にもどるよ
うビデオカメラの傾きを是正してやればよく、基
準標識４ａは撮影者にその警告を与える役目をす
る。ところで、図から明らかなように映像面２ａ
の外周も四角形状を成しており、基準標識４ａは
単に映像面２ａの四角形状と相似になつているだ
けであるため、特に基準標識４ａがなくても水
平、垂直の合わせは可能なのであるが、しかし、
現実にビデオカメラに不慣れな人が基準標識４ａ
のないビデオカメラで撮影した映像では“傾き”
が極めて頻繁に認められる。その原因は、映像面
２ａの四角形状は“警告”の役目をあまり有して
いないことによる。即ち、この発明による基準標
識４ａは映像面２ａの内側にあるため撮影者はそ
れが何の標識であるかとの疑問をもち、意識する
ようになる。この意識を喚起することがこの基準
標識４ａの役目であり意識することによつて撮影
者は自然に映像２ｂの水平または垂直線を基準標
識４ａに合わせるべく、ビデオカメラを保持する
ようになる。前記心理的な効用を認識すべく、ビ
デオ撮影の経験のない多数の被験者による実験を
行なつた結果、明らかに有効であることが判明し
た。

これは一つには撮影中の映像と録画後の再生す
る時の映像の違いが大きく起因している。即ち、
撮影中の映像はビデオカメラがどのように傾いて
いようと常に被写体と同一水平軸で相似形に映つ
ているため撮影者には映像の傾きとして認識され
難い。しかるに、この映像を録画して再生する際
には再生像を表示するモニターが水平に保持され
ているため相対的に映像が傾きそこで初めて、ビ
デオカメラが傾いていたことを認識することにな
る。即ち、このことは撮影中は映像の倒れという
のは絶対になく、ビデオカメラが傾いているのだ
ということを撮影者に知らせることが重要で、む
しろ、映像を基準としビデオカメラの基準標識を
その映像に合せるという意味あいが強く、それが
この発明の主たるねらいである。この点先の従来
例であつた水準器の液面は常に映像の水平線と平
行であることによる錯覚が生じやすいという欠点
があつた。またこの実施例では基準標識４ａを単
に透明平板に画いて標識標示板４を構成している
だけなので、水平線、垂直線等を自由な位置に且
つ何本でも表示することが可能であり、線の太さ
あるいは連続線、破線の選択等の自由度もあり更
には色の選択も自由という利点がある。

なお、上記実施例では標識標示板４を用いた
が、この代りに映像面２ａ状に線状の基準標識を
設けてもよいし、フイルム状の標識を貼着しても
よい。

第３図及び第４図はこの発明の他の一実施例を
示し、第３図において、２ｃは映像２ｂと同じ映
像面２ａに電気的に水平基準線及び垂直基準線を
表示した基準標識であり、その回路構成を第４図
に示してある。同図において、１１はビデオカメ
ラ１０におけるビデオカメラ映像信号処理回路
で、その出力の一つは図示しない録画装置もしく
はテレビモニターに出力され、他の一つは混合回
路１２を介、て電子ビユーフアインダ回路１３に
供給されている。１４は基準標識信号発生回路
で、これからの基準標識信号は、混合回路１２に
て映像信号に重畳された後、電子ビユーフアイン
ダ回路１３に送られCRT２転送される。このよ
うな回路構成によつて電子ビユーフアインダの映
像面（第３図の２ａ）には映像２ｂと共に基準標
識２ｃが同時表示されることになる。但し、この
場合の基準標識信号は映像信号回路中の水平、垂
直の同期信号に同期したパルス信号として出力さ
れるため前述した透明平板による表示板方式に比
べ、自由度は少ないが、表示の精度、信頼性及び
耐久性等で優れている。またこの電気的表示の場
合は選択スイツチを設け、必要に応じ表示を解除
することもできる。

又、標識については水平基準又は垂直基準のい
ずれかのみを表示するようにしても上記各実施例
と同様の効果を奏する。

〔発明の効果〕

以上のように、この発明によれば水平及び／又
は垂直の基準標識をビユーフアインダ内の撮影枠
内に対応して表示させるように構成したので、装
置が安価にでき、信頼性の高いものが得られる効
果がある。

また、水平あるいは垂直の基準を電気信号にし
たことにより、水平垂直の基準となる標識の形状
が容易に変えられる。さらに信号切換え回路を設
けることで、必要に応じて水平あるいは垂直の基
準となる標識をビユーフアインダ上に表示した
り、表示を解除したりすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａはこの発明の一実施例によるビデオカ
メラのビユーフアインダを示す正面図、第１図ｂ
は第１図ａの側断面図、第２図は第１図と同構成
のビユーフアインダの正面図、第３図ａはこの発
明の他の実施例を示すビユーフアインダの正面
図、第３図ｂは第３図ａの側断面図、第４図は第
３図の回路構成を説明するためのブロツク図、第
５図及び第６図は従来のビユーフアインダを示す
各図である。 図において、１はビユーフアインダ外枠、２は
CRT、２ａは映像面、２ｂは映像、４は標識標
示板、２ｃ，４ａは基準標識、１１は映像信号処
理回路、１２は混合回路、１３は電子ビユーフア
インダ回路、１４は標識信号発生回路。なお、図
中、同一符号は同一、又は相当部分を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 撮影中の被写体の電気的映像を監視するため
   に前記被写体の光学像を光電変換し、所定の信号
   処理をして得た映像信号を表示装置に与え、前記
   被写体の電気的映像を前記表示装置に表示するビ
   ユーフアインダを有するビデオカメラにおいて、 前記表示装置の画面内における撮影枠内に水平
   基準あるいは垂直基準となる所定の線状標識を表
   示するための標識信号を発生する標識信号発生回
   路と、 前記映像信号に前記標識信号を重畳する混合回
   路と、 前記映像信号と前記混合回路からの出力のどち
   らか一方を必要に応じて選択し、前記表示装置に
   入力する信号切換え回路とを備えたことを特徴と
   するビデオカメラのビユーフアインダ。