JPH0567406A - ゴム・プラスチツク絶縁電力ケーブルの製造方法 - Google Patents

ゴム・プラスチツク絶縁電力ケーブルの製造方法

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JPH0567406A
JPH0567406A JP5507292A JP5507292A JPH0567406A JP H0567406 A JPH0567406 A JP H0567406A JP 5507292 A JP5507292 A JP 5507292A JP 5507292 A JP5507292 A JP 5507292A JP H0567406 A JPH0567406 A JP H0567406A
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layer
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extruder
power cable
semiconductive layer
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JP5507292A
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Tetsuo Matsumoto
鉄男 松本
Hitoshi Kimura
人司 木村
Michihiro Shimada
道宏 島田
Susumu Sakuma
進 佐久間
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ゴム・プラスチック絶縁電力ケーブルにおけ
る絶縁体層を押出被覆して形成する際に、2段に配置さ
れた押出機1,2を用い、最終的には、第2段目の押出
機2において、ベース樹脂,架橋剤,老化防止剤を、架
橋調整剤である2,4−ジフェニル−4−メチル−1−
ペンテン、ジイソプロペニルベンゼン,α−メチルスチ
レンの1種または2種以上と一緒に混練したのち、得ら
れた樹脂組成物を前記内部半導電層の上に押出被覆する
方法。 【効果】 架橋調整剤の働きで「焼け」が起こらない。
押出機の設定温度を高くすることができる。高融点の樹
脂をベース樹脂として用いることができ、その架橋度を
高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はゴム・プラスチック絶縁
電力ケーブルの製造方法に関し、更に詳しくは、絶縁体
層用のベース樹脂として高融点樹脂を用いることがで
き、また架橋剤の分解に伴う「焼け」を抑制することが
できるので、架橋度が高くなり、もって高い信頼性を有
するゴム・プラスチック絶縁電力ケーブルを製造する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常のゴム・プラスチック絶縁電力ケー
ブル(以下、単に「電力ケーブル」という)は、導体の
外周に、内部半導電層および絶縁体層を設けたケーブル
コア、または内部半導電層,絶縁体層および外部半導電
層を設けたケーブルコアを有する。これらの各層は、リ
ボンミキサー,インラインミキサー,バンバリーミキサ
ーなどの混合機を用いて、ベース樹脂,有機過酸化物
(架橋剤),抗酸化剤(老化防止剤)などをブレンドし
て樹脂組成物を調製し、この樹脂組成物を押出機から導
体の外周に押出被覆するか、または、架橋剤や老化防止
剤が液状体である場合には、各層を押出被覆するとき
に、押出機の中に、直接、架橋剤や老化防止剤を注入し
ながら全体を混練し、得られた樹脂組成物を導体の外周
に押出被覆したのち、引き続き加圧加熱して、ベース樹
脂に配合した架橋剤を分解させ、発生したラジカルによ
り架橋させて形成される。
【0003】また、従来、154KV級以上の電力ケー
ブルの接続は、所謂モールドジョイント法により以下の
ように行われている。まず、2つの電力ケーブル端部の
導体を露出させるとともに、露出導体近傍の内部半導電
層,絶縁体層および外部半導電層を略円錐状に切削して
所望形状に仕上げる。その後露出導体同士を接合し、導
体接合部およびその近傍の外周に架橋剤を配合したオレ
フィン系樹脂組成物からなる半導電性テープを巻くこと
により、又は前記樹脂組成物からなる半導電性熱収縮性
チューブを被覆して内部半導電層を形成する。次に、内
部半導電層上に、架橋剤を配合したオレフィン系樹脂組
成物からなる絶縁テープを巻くか、又は金型内に架橋剤
を配合したオレフィン系樹脂絶縁コンパウンドを押出被
覆することによって補強絶縁体層を形成する。そして、
更に補強絶縁体層上に、内部半導電層形成時と同様にし
て前記半導電性テープを巻くか又は前記熱収縮性チュー
ブを被覆して外部半導電層を形成する。このようにして
各層を形成後、これらを加熱加圧し、架橋一体化させて
電力ケーブルの接続を行う。
【0004】ところで、電力ケーブルの絶縁体層の上記
したような押出被覆に関しては、最近、押出機を2段配
置して行う方法が注目を集めている。この方法は、先端
部にスクリーンメッシュが装着されている第1段目の押
出機から絶縁体層のベース樹脂を第2段目の押出機に押
し出すことにより、前記ベース樹脂中の異物を除去し、
ついで、第2段目の押出機で、架橋剤と老化防止剤を混
練し、得られた混練物(樹脂組成物)を内部半導電層の
上に押出被覆するという方法である。
【0005】この方法によれば、第1段目の押出機で押
し出されるベース樹脂には架橋剤が配合されていないの
で、架橋剤の熱分解によって発生し、絶縁体層の絶縁破
壊の起点となるいわゆる「焼け」(amber)と呼ばれるこ
はく色の微小異物を生じさせることなく、比較的高温で
押し出すことができる。そのため、ベース樹脂の流動性
が高まるので、押出機先端部のスクリーンメッシュも細
密なものを使用することができ、その結果、絶縁体層中
の異物が少なくなり、電力ケーブルの信頼性を高めるこ
とができる。
【0006】しかしながら、実際問題としては、第1段
目の押出機の押出温度を高めると、温度上昇した状態で
ベース樹脂はそのまま第2段目の押出機に供給され、そ
こで架橋剤や老化防止剤と混練されるので、結局は、こ
の第2段目の押出機での混練過程で樹脂組成物に「焼
け」が発生しやすくなる。そのため、第1段目の押出機
と第2段目の押出機との間に冷却器を配置し、第1段目
の押出機から押し出されたベース樹脂を一旦冷却すると
いう処置が採られることもあるが、その場合でも、第2
段目の押出機における「焼け」の発生を充分に防止する
ことはできていない。
【0007】ところで、電力ケーブルの絶縁体層や、電
力ケーブルの接続部における絶縁体層は、通常、オレフ
ィン系樹脂組成物の架橋体で形成されている。そして、
この樹脂組成物の架橋度を高くし、しかも高融点のもの
を用いれば、それで形成した絶縁体層の電気特性(高温
下における絶縁性)は良好になることが知られている。
【0008】そのため、絶縁体層の形成時に、融点の高
い樹脂をベース樹脂として用いたり、または樹脂の架橋
度を高めたりして電力ケーブルの高温下における特性を
向上させ、電力ケーブルや、接続部の全体としての信頼
性を高めることが試みられている。とくに、高電圧の電
力ケーブルにおいては、この要請が強い。押出機を2段
配置した前記の方法で、高融点のベース樹脂を用いて絶
縁体層を形成する場合、第1段目および第2段目のいず
れの押出機もその設定温度を高くすることが必要にな
る。
【0009】そのため、架橋剤が混練される第2段目の
押出機においては、架橋剤の熱分解が従来に比べて激し
く起こり、「焼け」の発生は増大する。また、架橋度を
高めることを目的として架橋剤を多量に配合した場合に
は、「焼け」の発生が更に増大してしまう。このような
ことから、絶縁体層の被覆形成時には、押出機の設定温
度を「焼け」が発生しないような低い温度に設定するこ
とが必要になり、それに対応して、用いるベース樹脂も
比較的低温のオレフィン系樹脂(最高でも融点110℃
程度)に制限せざるを得ないという問題がある。
【0010】そして、更には現在使用されているオレフ
ィン系樹脂であっても「焼け」の発生を防止するために
は非常に厳しい温度管理が必要となる。また、「焼け」
の発生を防止するためにも架橋剤の添加量を増加させる
ことはできない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、押出機を2
段配置して絶縁体層を被覆形成するときの架橋剤の熱分
解に基づく「焼け」の発生を起こすことがなく、もって
高い信頼性を備えた、ゴム・プラスチック絶縁電力ケー
ブルにおける絶縁体層の製造方法の提供を目的とする。
【0012】更には、より高い信頼性を備えた電力ケー
ブルを得るために、高融点で、しかも架橋度の高い絶縁
体層を形成する方法を提供する。
【0013】
【課題を解決するための手段・作用】上記した目的を達
成するために、本発明においては、導体上に内部半導電
層用樹脂組成物,絶縁体層用樹脂組成物,外部半導電層
用樹脂組成物を順次押出被覆して内部半導電層,絶縁体
層および外部半導電層をこの順序で形成するゴム・プラ
スチック絶縁電力ケーブルの製造方法において、前記絶
縁体層を形成する際に、2段に配置された押出機を用
い、第1段の押出機では前記絶縁体層用のベース樹脂を
押出して前記ベース樹脂内の異物を除去したのち段2段
の押出機に注入し、ついで、前記第2段の押出機では、
前記ベース樹脂に架橋剤と老化防止剤と架橋調整剤とを
配合して混練したのち、得られた樹脂組成物を前記内部
半導電層の上に押出被覆することを特徴とするゴム・プ
ラスチック絶縁電力ケーブルの製造方法(以下、第1の
方法という);また、前記絶縁体層を形成する際に、2
段に配置された押出機を用い、第1段の押出機では前記
絶縁体層用のベース樹脂と老化防止剤とを混練したのち
押出して第2段の押出機に注入し、ついで、前記第2段
の押出機では、前記混練物に架橋剤と架橋調整剤とを配
合して混練したのち、得られた樹脂組成物を前記内部半
導電層の上に押出被覆することを特徴とするゴム・プラ
スチック絶縁電力ケーブルの製造方法(以下、第2の方
法という);更には、前記絶縁体層を形成する際に、2
段に配置された押出機を用い、第1段の押出機では前記
絶縁体層用のベース樹脂と老化防止剤と架橋調整剤とを
混練したのち押出して第2段の押出機に注入し、つい
で、前記第2段の押出機では、前記混練物に架橋剤を配
合して混練したのち、得られた樹脂組成物を押出被覆す
ることを特徴とするゴム・プラスチック絶縁電力ケーブ
ルの製造方法(以下、第3の方法という)が提供され
る。
【0014】まず、第1の方法について添付図面に基づ
いて詳細に説明する。図1は、第1の方法を行うときの
装置例を示す概略図である。図において、ベース樹脂を
供給するホッパ1aを有し、その先端部1bには図示し
ないスクリーンメッシュが装着されている第1段目の押
出機1と第2段目の押出機2とが接続され、全体に押出
機が2段配置になっている。
【0015】タンク3では、後述する架橋剤,老化防止
剤および架橋調整剤が攪拌器3aで溶解混合され、得ら
れた混合物はポンプ4によって、押出器2に注入される
ようになっている。ホッパ1aから供給されたベース樹
脂は押出機1で加熱溶融され、図示しないスクリーンメ
ッシュで異物が除去されたのち、押出機2に供給され
る。
【0016】押出機2では、タンク3から注入された前
記混合物と押出機1から供給されたベース樹脂とが混練
されて、内部半導電層を形成するための押出機10と外
部半導電層を形成するための押出機11が装着されてい
るクロスヘッド5に押し出され、ここで既に内部半導電
層が形成され矢印のように連続供給されている導体6の
前記内部半導電層の上に押出被覆されて絶縁体層7が形
成される。
【0017】用いるベース樹脂としてはオレフィン系樹
脂が好ましく、例えば、低密度ポリエチレン,中密度ポ
リエチレン,超低密度ポリエチレン,直鎖状低密度ポリ
エチレンなどの各種ポリエチレン、エチレン−プロピレ
ンゴム,エチレン−エチルアクリレート共重合体,エチ
レン−酢酸ビニル共重合体,エチレン−アクリル酸共重
合体およびエチレン−スチレン共重合体をあげることが
できる。これらは単独または2種以上を用いることがで
きる。
【0018】押出機2に注入される混合物のうち、架橋
剤としては、例えば、m−(t−ブチルパーオキシイソ
プロピル)−イソプロピルベンゼン,p−(t−ブチル
パーオキシイソプロピル)−イソプロピルベンゼン,ジ
クミルパーオキサイド,t−ブチルクミルパーオキサイ
ド,α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソ
プロプル)−ベンゼンのような有機過酸化物をあげるこ
とができる。
【0019】これら有機過酸化物のうち、m−(t−ブ
チルパーオキシイソプロピル)−イソプロピルベンゼ
ン、p−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)−イソ
プロピルベンゼン、または両者の混合物は、架橋剤とし
てジクミルパーオキサイドを含むオレフィン系樹脂組成
物を用いた場合に比べて、押出機の設定温度をより高く
設定することができ、このため、従来は適用が困難であ
った融点の高いオレフィン系樹脂(約m.p110℃以
上)をベース樹脂として用いることができ、したがっ
て、電力ケーブルの高温下における特性や耐久性を向上
させることができ、電力ケーブルの信頼性を大幅に向上
させることができるので好適である。
【0020】混合物におけるこれらの架橋剤の割合は、
ベース樹脂100重量部に対し、0.5〜10重量部とな
るような量であることが好ましい。この割合が0.5重量
部未満の場合には、充分な架橋効果が得られず、また、
10重量部を超えると、架橋が過度に進んで「焼け」が
発生しやすくなるからである。とくに好ましくは、オレ
フィン系樹脂100重量部に対し、1.5〜3重量部であ
る。
【0021】混合物における他の成分である老化防止剤
としては4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチル
フェノール),ビス〔2−メチル−4−(3−n−アル
キルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニ
ル〕スルフィド,2,5-ジ−t−ブチルヒドロキノン,2,
6-ジ−t−ブチル−p−クレゾール,2,2'−チオジエチ
レンビス−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート〕,ジラウリルチオジ
プロピオネートおよびジステアリルチオジプロピオネー
トのような抗酸化剤をあげることができる。これらは単
独または2種以上を用いることができる。これらの抗酸
化剤の中でも4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブ
チルフェノール)およびビス〔2−メチル−4−(3−
n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチ
ルフェニル〕スルフィドが特に好ましい。
【0022】混合物におけるこれら老化防止剤の割合
は、ベース樹脂100重量部に対して、0.1〜1.0重量
部となるような量であることが好ましい。この割合が0.
1重量部未満であると絶縁体層の酸化劣化を防止する効
果が低くなり、また1.0重量部を超えると架橋反応を阻
害してしまい、架橋度が低くなるからである。つぎに、
架橋調整剤は、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−
ペンテン,ジイソプロペニルベンゼン,α−メチルスチ
レンのいずれか1種または2種以上の混合物から成り、
これらは、前記架橋剤と一緒に前記ベース樹脂に配合す
ると、「焼け」の発生を抑制すると同時に架橋度を高く
することができる。すなわち、絶縁体層の被覆形成時に
押出機の設定温度を更に高くした場合にも「焼け」の発
生が抑制されるため、融点の高いベース樹脂を使用で
き、更に架橋度を高くすることも可能になる。とくに、
2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンは常温
で液体であり、しかも架橋剤や老化防止剤を容易に溶解
する。したがって、架橋調整剤として、2,4−ジフェ
ニル−4−メチル−1−ペンテンを用いると、架橋剤や
老化防止剤が固体であった場合でも、それを溶解して容
易に注入することができるので好適である。
【0023】混合物におけるこの割合は、ベース樹脂1
00重量部に対し、0.1〜5重量部となるような量であ
ることが好ましい。この割合が0.1重量部未満の場合
は、上記した効果が不充分で「焼け」の防止を実現でき
ず、また5重量部を超える場合は、逆に架橋度を低下さ
せてしまうからである。とくに好ましい割合はベース樹
脂100重量部に対し0.5〜1.0重量部である。
【0024】この第1の方法によれば、押出機2におい
ては、架橋剤の熱分解に基づく「焼け」の発生を抑制す
る架橋調整剤が架橋剤と一緒にベース樹脂に混練される
ので、用いるベース樹脂が高融点の樹脂であり、そのた
め押出機1,2の設定温度を高くした場合であっても、
「焼け」の発生を防止することができ、同時に架橋剤の
量を多くして架橋度を高めた状態で絶縁体層を被覆形成
することができる。
【0025】第2の方法は、図2で示したように、ホッ
パ1aから前記ベース樹脂を押出機1に供給し、同時
に、タンク8から前記老化防止剤をポンプ9で押出機1
に供給して両者を混練して押出機2に供給し、またタン
ク3からは、前記架橋剤と前記架橋調整剤の混合物をポ
ンプ4で押出機2に供給して、この押出機2で全体を混
練したのち、クロスヘッド5で導体6に押出被覆する方
法である。
【0026】この方法においても、架橋剤はタンク3で
混合された架橋調整剤と押出機2で一緒に混練されるの
で押出機1,2の設定温度を高くした場合であっても、
すなわち、ベース樹脂が高融点であっても、「焼け」の
発生を防止することができ、同時に架橋剤の量を多くし
て架橋度を高めた状態で絶縁体層を被覆形成することが
できる。
【0027】第3の方法は、図2の装置例において、ホ
ッパ1aから前記ベース樹脂を押出機1に供給し、同時
に、タンク8からは前記老化防止剤と架橋調整剤との混
合物をポンプ9で押出機1に供給して両者を混練して押
出機2に供給し、またタンク3からは、前記架橋剤をポ
ンプ4で押出機2に供給して、この押出機2で全体を混
練したのち、クロスヘッド5で導体6に押出被覆する方
法である。
【0028】この方法においても、タンク8で架橋調整
剤と老化防止剤とが混合されたのち押出機1に供給さ
れ、そこでベース樹脂と混練されて押出機2に輸送され
る。押出機2では、ここに供給された架橋剤と一緒に混
練されるので、押出機1,2の設定温度を高くした場合
であっても、すなわち、ベース樹脂が高融点であって
も、「焼け」の発生を防止することができ、架橋度を高
めた状態で絶縁体層を被覆形成することができる。
【0029】以上の説明は、本発明方法を電力ケーブル
の製造に採用した例として述べたものであるが、本発明
方法はこれに限定されるものではなく、電力ケーブルの
モールドジョイント時におけるその接続部の絶縁体層の
形成に適用することもできる。
【0030】
【実施例】実施例1〜6,比較例1〜3第1の方法で電
力ケーブルの絶縁体層を形成した。すなわち、図1にお
いて、第1段目の押出機1としては、シリンダー径15
0mmφ,設定温度180℃とし、その先端部に650メ
ッシュのスクリーンメッシュを装着した。また、第2段
目の押出機2としては、シリンダー径150mmφ,設定
温度は表1で示した温度とし、その先端部に650メッ
シュのスクリーンメッシュを装着した。
【0031】表1に示したベース樹脂100重量部をホ
ッパ1aから供給して押出機1において前記条件で加熱
溶融したのち押出機2に供給し、同時に、タンク3で表
1に示した割合で架橋剤と老化防止剤と2,4−ジフェ
ニル−4−メチル−1−ペンテンを混合して成る混合物
を供給し、前記した条件で全体を混練し、その混練物
を、既に内部半導電層が形成されている導体6の上に表
示の温度で押出被覆して絶縁体層7を形成した。
【0032】ついで、この絶縁体層の上に常法により外
部半導電層を形成したのち、圧力10kg/cm2,温度27
0℃の条件下で加熱,加圧して架橋反応を行わせ、更
に、常法により金属遮蔽層およびシース層を被覆形成し
て、66kV級の各電力ケーブル(導体サイズ250mm
2 ,絶縁体層11mm)を得た。これら電力ケーブルの絶
縁体層について、「焼け」の有無,融点,架橋度を調査
した。
【0033】絶縁体層の「焼け」については、絶縁体層
から0.5mm厚のスライス片を切り出し、体積でその1cm
3 相当分を顕微鏡(倍率100)により観察し判定し
た。また、これらの各電力ケーブルについて、導体温度
が90℃になるように導体通電をしながらAC破壊試験
およびインパルス破壊試験を行った。その結果を一括し
て表1に示した。
【0034】なお、各成分の割合は変えることなく、第
2の方法および第3の方法で絶縁体層を形成し、得られ
た電力ケーブルについてもそのケーブル特性を測定した
ところ、上記した第1の方法による結果(表1)と略同
様の結果が得られた。
【0035】
【表1】
【0036】実施例7〜11,比較例4,5表2に示し
たベース樹脂100重量部を図2で示したホッパ1aか
ら供給し、押出機1のシリンダーの途中から老化防止剤
と架橋調整剤を表2に示した割合(重量部)で混合して
成る混合物を供給してベース樹脂と混練し、その混練物
を押出機2に供給し、押出機2のシリンダーの途中から
架橋剤を供給・混練したことを除いては、実施例1〜6
と同じ方法で66kV級の各電力ケーブル(導体サイズ
250mm2 ,絶縁体層11mm)を得た。
【0037】これらの電力ケーブルにつき、実施例1〜
6と同じ方法で試験を行なった。その結果を一括して表
2に示した。
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】以上の結果で明らかなように、本発明方
法によれば、架橋剤の熱分解に基づく「焼け」の発生を
抑制する架橋調整剤が一緒に混練されるので、第2段目
の押出機の設定温度を高めても「焼け」は発生しなくな
る。第1段目,第2段目の押出機の設定温度を高めるこ
とができるため、ベース樹脂としては従来よりも高融点
のものを使用することができるとともに、その架橋度を
高めることができる。そして、これら架橋調整剤は常温
で液体であり、架橋剤や老化防止剤を容易に溶解するこ
とができるので、これら成分をポンプで押出機に注入す
ることができる。
【0040】したがって、本発明方法で製造された電力
ケーブルは、その絶縁体層が従来に比べて高融点,高架
橋度で、異物も存在しないため、高い信頼性を有するも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の方法を行うための装置例を示す
概略図である。
【図2】本発明の第2の方法および第3の方法を行うた
めの装置例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 第1段目の押出機 1a ホッパ 1b 第1段目の押出機1の先端部 2 第2段目の押出機 3 タンク 4 ポンプ 5 クロスヘッド 6 内部半導電層が形成されている導体 7 絶縁体層 8 タンク 9 ポンプ 10 内部半導電層用の材料を押出するための押出機 11 外部半導電層用の材料を押出するための押出機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐久間 進 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体上に内部半導電層用樹脂組成物,絶
    縁体層用樹脂組成物,外部半導電層用樹脂組成物を順次
    押出被覆して内部半導電層,絶縁体層および外部半導電
    層をこの順序で形成するゴム・プラスチック絶縁電力ケ
    ーブルの製造方法において、前記絶縁体層を形成する際
    に、2段に配置された押出機を用い、第1段の押出機で
    は前記絶縁体層用のベース樹脂を押出して前記ベース樹
    脂内の異物を除去したのち第2段の押出機に注入し、つ
    いで、前記第2段の押出機では、前記ベース樹脂に架橋
    剤と老化防止剤と架橋調整剤とを配合して混練したの
    ち、得られた樹脂組成物を前記内部半導電層の上に押出
    被覆することを特徴とするゴム・プラスチック絶縁電力
    ケーブルの製造方法。
  2. 【請求項2】 導体上に内部半導電層用樹脂組成物,絶
    縁体層用樹脂組成物,外部半導電層用樹脂組成物を順次
    押出被覆して内部半導電層,絶縁体層および外部半導電
    層をこの順序で形成するゴム・プラスチック絶縁電力ケ
    ーブルの製造方法において、前記絶縁体層を形成する際
    に、2段に配置された押出機を用い、第1段の押出機で
    は前記絶縁体層用のベース樹脂と老化防止剤とを混練し
    たのち押出して第2段の押出機に注入し、ついで、前記
    第2段の押出機では、前記混練物に架橋剤と架橋調整剤
    とを配合して混練したのち、得られた樹脂組成物を前記
    内部半導電層の上に押出被覆することを特徴とするゴム
    ・プラスチック絶縁電力ケーブルの製造方法。
  3. 【請求項3】 導体上に内部半導電層用樹脂組成物,絶
    縁体層用樹脂組成物,外部半導電層用樹脂組成物を順次
    押出被覆して内部半導電層,絶縁体層および外部半導電
    層をこの順序で形成するゴム・プラスチック絶縁電力ケ
    ーブルの製造方法において、前記絶縁体層を形成する際
    に、2段に配置された押出機を用い、第1段の押出機で
    は前記絶縁体層用のベース樹脂と老化防止剤と架橋調整
    剤とを混練したのち押出して第2段の押出機に注入し、
    ついで、前記第2段の押出機では、前記混練物に架橋剤
    を配合して混練したのち、得られた樹脂組成物を押出被
    覆することを特徴とするゴム・プラスチック絶縁電力ケ
    ーブルの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記架橋剤が、m−(t−ブチルパーオ
    キシイソプロピル)−イソプロピルベンゼンおよび/ま
    たはp−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)−イソ
    プロピルベンゼンである請求項1〜3のゴム・プラスチ
    ック絶縁電力ケーブルの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記架橋調整剤が、2,4−ジフェニル
    −4−メチル−1−ペンテン,ジイソプロペニルベンゼ
    ン,α−メチルスチレンの群から選ばれる少なくとも1
    種である請求項1〜3のゴム・プラスチック絶縁電力ケ
    ーブルの製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100580096B1 (ko) * 2005-03-23 2006-05-16 엘에스전선 주식회사 브이씨브이 라인의 선속 향상을 위하여 2단 압출 공정을이용하는 초고압 케이블 코아의 제조 방법 및 장치

Cited By (1)

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KR100580096B1 (ko) * 2005-03-23 2006-05-16 엘에스전선 주식회사 브이씨브이 라인의 선속 향상을 위하여 2단 압출 공정을이용하는 초고압 케이블 코아의 제조 방법 및 장치

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