JPH0567397B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

（技術分野） 放射性物質の貯蔵、詰め替え、配分、その他実
験や加工に際し放射能汚染からの防護壁で囲われ
た、いわゆるホツトセルの遮へい壁を介した操作
に利用するために開発されたマニプレータ（マジ
ツクバンド）は、その後ロボツト技術の発展によ
り、人力作業の代替を含む広範用途において、そ
の使途の拡大はめざましい。 かようなマニプレータまたはその類似物の操作
部として、とくに適切なアクチユエータの改良に
関して以下のべるところは、ロボツト工学系技術
の分野に、位置づけられる。 （従来の技術とその問題） 上記ホツトセルに設備されるマニプレータ用ア
クチユエータの型式は種々あるが、モータとくに
電気式のものは、スパークが付可避なので防爆上
の必要のあるとき、好んで空気式が用いられ、こ
の場合に使途はもちろん汎用である。 従来の空気式アクチユエータは、いわゆるエア
ーシリンダタイプのものが多いが、そのシリンダ
−ピストン組立体は鉄製とされるのを通例とする
ので、操作部としての自重が、操作力の割りには
過大となるきらいがある。 一方で、エアーバツクタイプもまた即知であ
り、この場合エアーバツグの制御圧力適用による
膨径に基く軸方向の収縮力を、操作力として利用
するので、エアーバツグ自体軽量なほか、摺動部
分を含まず摩擦力の影響やエアー洩れの心配もな
いなどの利点が認められる。 かかるエアーバツグタイプのニユーマチツクア
クチユエータとしては、例えば、第１図に示すよ
うなものが特公昭52−40378号広報に記載されて
いるように従来既知である。 第１図において、１は管状体、２はその外周の
編組み補強構造、３は両端の閉鎖部材、４はかし
めキヤツプである。 管状体１は、ゴム又はゴム状弾性材料がエアー
不透過性、可撓性の面で重宝に活用され得るが、
均等材料、たとえば各種のプラスチツクで代替し
てもよい。 編組み補強２は、たとえば耐圧ゴムホースにお
ける慣用に準じるが、その場合にいわゆる静止角
（54°44′）に近い編組み角とされるのに反して管
状体１の内圧充てんによる最大膨径において上記
静止角に至るように、のぞましくは編組み角度初
期値θ₀を、20°程度において、常用の歪みεがほ
ぼ0.3程度に至るように使用条件を定める。 この編組み補強構造２に用いる耐張強化素子
は、有機又は無機質高張力繊維類、たとえば芳香
族ポリアミド繊維（ケプラー：商品名）や、極細
金属ワイヤの如きフイラメントの撚り又は無撚り
の束などが適合する。 上記初期値20°のようにかなりに低い角度配列
の下では、管状体１の外周における編上げ操作が
必ずしも容易でないけれども、たとえば通常のゴ
ムホース用ブレード編上げ機にて得られる編組み
体を上記初期値に適合するように軸方向に延伸し
た状態にて、管状体１の外周にはめかぶせると、
簡便であり、この際、管状体１の外周に適宜接着
を施してもよい。 さらにこの編組み補強構造２の外周には、適
宜、耐候性、耐外傷性保護被膜の外皮を設けるを
可とする。 閉鎖部材３は、管状体１の両端開口に緊密に、
好ましくは接着剤を用い得る封止合着に供するニ
ツプル５と、位置定めを司るフランジ６、さらに
は連結ピン孔をあけたアイ又はクレビス端７とか
らなり、ニツプル５の外周には、その先端に向う
緩テーパーと反対向きの急テーパーとを有する抜
け止め用の環状突起８を設けるを可とする。閉鎖
部材３の一方の片側にニツプル５の長さ方向に形
成した孔９を介し管状体１の内部空洞１０と連通
する接続孔１１をあけ、ここにフイツテイング１
２を取付ける。 かしめキヤツプ４は、フランジ６と係合して管
状体１の端部外周にかぶさり、とくに端縁にフレ
アー１３を形成した円筒状金物より成り、ニツプ
ル５に向けて半径方向に局部押圧して閉鎖部材３
を管状体１に封止合着する。 フイツテイング１２には図示しないが操作圧力
源たとえばエアーコンプレツサを、３方弁を含む
管路により接続し、環状体１の内部空洞１０内に
制御圧力を適用することにより、編組み構造２の
編組み角θ₀のθ_Xに至る拡大つまり、パンタグラフ
運動によつて、管状体１の膨径と、それに由来し
た軸方向の収縮すなわち閉鎖部材３の連結ピン孔
間距離の縮小をもたらし、この収縮力Ｆは、次式

【化】 で与えられる。 一方上記制御圧力の開放時には、内部空洞中の
エアーは３方弁を通して大気中に放散され、管状
体１は、編組み補強構造２の編組みθ_Xの減少の下
に復元伸長するのはいうまでもない。 従つてこのようなニユーマチツク・アクチユエ
ータは、たとえば関節連結をした作動アーム間に
わたり両端の閉鎖部材３のアイ又はクレビス７に
よつてピン連結を行い、作動アーム間に屈伸、関
節運動を導くことができるのは、明らかである。 しかしながら、かからニユーマテイツクアクチ
ユエータは駆動源として空気を用いているため、
空気の圧縮性によるハンチングの発生およびアク
チユエータ自身の弾性に起因するオーバーシユー
ト、微小振動の発生により制御性が悪いという問
題があつた。 （発明の目的） エアーバツクタイプのニユーマチツクアクチユ
エータの上述した問題をなくすことが、この発明
の目的である。 （発明の構成） この発明は、上記目的を達成するため、ゴムま
たはゴム状弾性材料の管状体を具え、この管状体
の外周が有機または無機質の高張力繊維類を耐張
強化素子とする編組みによつて補強され、前記管
状体の両端開口に閉鎖部材が封止固着され、これ
らの閉鎖部材の一方が前記管状体の内部空洞を外
部の操作圧力源に接続する接続孔を有し、この接
続孔を経て操作圧力が前記内部空洞内に供給され
ることによつて前記管状体が半径方向に膨張変形
されると同時に軸線方向に収縮変形されるよう構
成されたニユーマチツクチユエータにおいて、シ
リンダとこのシリンダ内に移動自在のピストンと
を有するエアーまたはオイルダンパーが前記管状
体の内部空洞内に配設され、前記シリンダの閉止
端が前記閉鎖部材の一方に固定され、前記ピスト
ンが他方の閉鎖部材に連結され、前記ピストンと
前記シリンダ閉止端との間のシリンダ室内から流
体を放出するオリフイスが設けられていることを
特徴とする。 （図解説明） 第２図はこの発明にるニユーマチツクアクチユ
エータの１実施例を示し、第１図につき説明した
従来構造と同様部分を同じ符号で示してその詳細
な説明を省略する。 第２図に示す例では、管状体１の内部空洞１０
内にシリンダ１６とこのシリンダ１６内に摺動自
在のピストン１７とを有するピストン−シリンダ
形式のエアーダンパー１５を設け、このエアーダ
ンパー１５のシリンダ１６の閉止端部を一方の閉
鎖部材３のニツプル５に固定して一体に取付け、
シリンダ１６内に摺動可能のピストン１７をピス
トンロツド１８によつて他方の閉鎖部材３のニツ
プル５に連結し、シリンダ１６の外周壁と管状体
１の内周壁との間には適当な間〓１９があるよう
に離間させる。 シリンダ１６の閉止端が取付固定されるニツプ
ル５にはシリンダ室２０に通じるオリフイス２１
が設けられ、このオリフイス２１を内部空洞１０
に開口させ、この開口に調整ボルト２２を設けて
ダンピング係数を調整し得るようにしている。し
たがつて、上述の構成になるエアダンパーのダン
ピング係数は、オリフイス２１の直径と調整ボル
ト２２の調整位置によつて決定される。 上述の構成になるニユーマチツクアクチユエー
タは、管状体１の内部空洞１０内に制御圧力空気
を導入する際、内部空洞１０内にエアーダンパー
１５が存在することによつて相対的に小量の圧力
空気によつて迅速に膨径して所望の長さ方向収縮
を生じ、また、この際、エアーダンパー１５の作
用により、空気の圧縮性、アクチユエータの弾性
に起因する振動を吸収し、収縮速度あるいは収縮
速度の２乗に比例した反力を発生することにより
収縮運動が円滑に行なわれる。したがつて、本発
明によるニユーマチツクアクチユエータはロボツ
ト等の位置決めに用いる場合、位置制御に変動を
生ずることなく、正確な位置制御が可能である。 上述した図示の例では、シリンダ１６と、この
シリンダ内に摺動自在のピストン１７とを有する
形式のエアーダンパーを設けて空気の圧縮性およ
びアクチユエータの弾性に起因する振動を吸収す
るよう構成した例につき説明したが、シリンダと
このシリンダ内に摺動自在のピストンとを有する
既知のオイルダンパーをも同様に用い得ること勿
論であり、この場合には、既知のようにピストン
の両側におけるシリンダ室内に油を封入し、ピス
トンに小経のオリフイスを設け、ピストンの移動
によりオリフイスを経て油が両シリンダー室間に
通流する際に抵抗を与えることによつてダンパー
作用を与えるよう構成される。 第３図は位置制御量Ｓと時間との関係を示すグ
ラフで、実線Ａは本発明によるエアーダンパーも
しくはオイルダンパーを具えるニユーマチツクア
クチユエータを示し、破線Ｂはかかるダンパーを
具えない場合の変動状態を示す。 （発明の効果） 上述したように、この発明によれば、ゴムまた
はゴム状の弾性材料の管状体の内部空洞内に、ピ
ストン−シリンダ形式のエアーダンパーあるいは
オイルダンパーを設けたことにより、アクチユエ
ータ作動時に空気の圧縮性、アクチユエータの弾
性に起因する摺動を吸収し、作動を円滑にして正
確な位置制御を可能とするばかりでなく、所要の
膨径に要する操作空気量を、エアーバツグ式アク
チユエータの諸利点を害することなく大幅に軽減
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はエアーバツグ式アクチユエータの従来
構造を一部を断面として示す正面図、第２図は本
発明によるニユーマチツクアクチユエータの一部
を断面として示す正面図、第３図はニユーマチツ
クアクチユエータの位置制御量と時間との関係を
示すグラフである。 １……管状体、２……編組み補強構造、３……
閉鎖部材、５……ニツプル、１０……内部空洞、
１５……ピストン−シリンダ形式のダンパー、１
６……シリンダ、１７……ピストン、１８……ピ
ストンロツド、２１……オリフイス、２２……調
整ボルト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ゴムまたはゴム状弾性材料の管状体を具え、
   この管状体の外周が有機または無機質の高張力繊
   維類を耐張強化素子とする編組みによつて補強さ
   れ、前記管状体の両端開口に閉鎖部材が封止固着
   され、これらの閉鎖部材の一方が前記管状体の内
   部空洞を外部の操作圧力源に接続する接続孔を有
   し、この接続孔を経て操作圧力が前記内部空洞内
   に供給されることによつて前記管状体が半径方向
   に膨張変形されると同時に軸線方向に収縮変形さ
   れるよう構成されたニユーマチツクアクチユエー
   タにおいて、シリンダとこのシリンダ内に移動自
   在のピストンとを有するエアーまたはオイルダン
   パーが前記管状体の内部空洞内に配設され、前記
   シリンダ閉止端が前記閉鎖部材の一方に固定さ
   れ、前記ピストンが他方の閉鎖部材に連結され、
   前記ピストンと前記シリンダ閉止端との間のシリ
   ンダ室内から流体を排出するオリフイスが設けら
   れていることを特徴とするニユーマチツクアクチ
   ユエータ。