JPH0566972U - 基板の純水引上げ乾燥装置 - Google Patents

基板の純水引上げ乾燥装置

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JPH0566972U JP1714792U JP1714792U JPH0566972U JP H0566972 U JPH0566972 U JP H0566972U JP 1714792 U JP1714792 U JP 1714792U JP 1714792 U JP1714792 U JP 1714792U JP H0566972 U JPH0566972 U JP H0566972U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 純水中から引き上げられた基板の表面の、乾
燥し終わった部分に、純水液面から発生した水蒸気が接
触することを防止し、基板表面にウォーターマークが発
生し乾燥むらを生じる、といったことを無くする。 【構成】 洗浄槽10の上部開口面を覆うように蓋体22を
純水12の液面に近接させて配設する。蓋体には、基板20
の昇降移動を許容するスリット状開口部24を形成する。
蓋体のスリット状開口部を通して空気を下向きに流動さ
せ、純水液面から発生した水蒸気を空気と一緒に排気口
28から排出する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、半導体デバイス製造プロセス、液晶ディスプレイ製造プロセス、 電子部品関連製造プロセスなどにおいて、シリコンウエハ、液晶用ガラス基板、 電子部品等の各種基板を洗浄処理した後などに、それらの基板表面を乾燥させる 装置、特に基板を純水中から引き上げながら基板表面を乾燥させる純水引上げ乾 燥装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば半導体デバイスの製造工程においては、デバイスの動作特性に対して悪 影響を与える各種の汚染物質、すなわち自然酸化膜や有機物、無機物等の有害物 質或いはパーティクルといった汚染物質を低減させる必要があり、そのために基 板(シリコンウエハ)の洗浄処理が繰り返し行なわれる。この基板の洗浄処理の 方法には、硫酸、フッ酸、塩酸、燐酸等の薬液を使用し、その洗浄用薬液中に基 板を浸漬させて洗浄するウェット洗浄法と、フッ酸蒸気やフッ化水素ガスなどの 洗浄用気体を基板に対し供給して洗浄するドライ洗浄法とがあるが、基板をウェ ット洗浄したりドライ洗浄した後に、残留薬液や残留イオンなどを基板表面から 除去するために、基板を純水中に浸漬させて基板表面をリンス処理することが行 なわれる。この純水リンス処理したときは、基板表面を濡れたままにしておくと パーティクルが付着し易く、また、濡れたままの状態の基板表面を自然乾燥させ るとウォーターマーク(水しみ)の発生原因となる。このため、純水中から引き 上げられた基板の表面を速やかに乾燥させる必要がある。
【0003】 リンス処理後に基板の表面を乾燥処理する方法の1つとして、基板を純水、通 常は温純水から低速度、例えば60〜600mm/分程度の速度で引き上げること により、基板と純水と気体(空気、窒素等)との3相界面近傍における表面張力 の作用で純水の蒸発を促進させて基板表面から純水を蒸発させる純水引上げ乾燥 法がある。この方法により基板表面を水切りし乾燥させる場合、洗浄槽内に収容 された温純水中から鉛直上方へ鉛直姿勢を保った状態で引き上げられた基板は、 その表面に非常に薄い水膜が形成された状態を経て、その上部から乾燥していく 。ところが、温純水の液面からは水蒸気が立ち昇っており、基板表面の、完全に 乾燥し終わった部分に水蒸気が触れると、その部分に水蒸気が凝縮して忽ちウォ ーターマーク等のしみが発生し、乾燥むらを生じ基板が汚染される、といったこ とが起こる。特に、乾燥工程におけるスループットを上げるために基板の引上げ 速度を速く(400mm/分以上)したときには、それに伴って純水の温度を高く しなければならないが、その場合には水蒸気の発生量が多くなって基板の汚染度 が増す、という問題点があった。
【0004】 上記したような問題点を解消するために、例えば特開昭64−53549号公 報には、温純水の液面付近の水蒸気を水平方向に排出しながら、温純水中から基 板を引き上げるようにして、引き上げられた基板が水蒸気と接触するのを防止し 、一旦乾燥した基板が水蒸気と接触して再度湿潤し乾燥むらによるしみを生じる 、といったことを無くする基板乾燥方法が開示されている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
すなわち、図5に示すように特開昭64−53549号公報に記載されている 方法では、温純水2の液面付近の水蒸気を水平方向に排出しながら温純水中から 基板1を引き上げるようにすることにより、基板1が引き上げられる鉛直方向に 水蒸気が流動することを防止できるが、水蒸気が水平方向へ引かれていく過程で 、その水蒸気が基板1表面の、既に乾燥し終わった部分に接触し、その部分にし みを作り、乾燥むらを生じる、といった恐れがある。また、同号公報に記載され ている乾燥装置では、温純水が収容された槽3の上面は水蒸気の上昇を許すよう に大きく開いているため、温純水2の液面付近の水蒸気を効果的に水平方向へ排 出するためには、或る程度強い力で吸気しなければならず、排気装置の排気量を 大きくする必要がある、といった問題点がある。尚、図中、4は温純水2をヒー タ5によって所定の温度に加熱するための加熱槽、6は加熱された温純水を温純 水収容槽3に圧送するためのポンプ、7は温純水収容槽3からオーバーフローし た温純水を加熱槽4に還流させるための還流管路、8は加熱槽4からオーバーフ ローした純水を排出する排出管、9は新しい純水を加熱槽4に供給する供給管で ある。
【0006】 この考案は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、基板を純水中か ら引き上げながら基板表面から純水を蒸発させる乾燥方式において、比較的簡単 な構成により、純水中から引き上げられた基板の表面の、乾燥し終わった部分に は水蒸気が接触することを完全に防止し、乾燥処理後の基板の表面にウォーター マークが発生し乾燥むらを生じる、といったことを無くすることを技術的課題と する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この考案では、基板が浸漬される純水が収容された洗浄槽の上部開口面を覆う ように、鉛直方向における基板の昇降移動を許容するスリット状開口部が形成さ れた蓋体を洗浄槽内の純水液面に近接させて配設し、また、水蒸気パージ手段を 設けて、その水蒸気パージ手段により、前記蓋体のスリット状開口部を通して気 体を下向きに流動させ、純水液面から発生した水蒸気を気体流によって蓋体と純 水液面との間の空間から排出するようにした。
【0008】 上記した構成の純水引上げ乾燥装置において、基板昇降機構により複数枚の基 板を互いに平行にかつ間隔を設けて支持し、それら複数枚の基板を同時に純水中 から引き上げるようにし、上記水蒸気パージ手段を、蓋体と純水液面との間の空 間の側方に形設された排気口と、この排気口に流路接続された強制排気装置とか ら構成するようにしてもよい。
【0009】 この考案の上記純水引上げ乾燥装置では、洗浄槽の上部開口面が蓋体によって 覆われ、純水中に浸漬された基板は、基板昇降機構によって純水中から鉛直上方 へ引き上げられ、蓋体に形成されたスリット状開口部を通って上方へ排出される 。このとき、蓋体は、洗浄槽内の純水液面に近接して配設されているので、純水 中から引き上げられた基板の、少なくとも蓋体より下方に位置する部分は、未乾 燥の状態であり、一方、水蒸気パージ手段により、蓋体のスリット状開口部を通 して気体が下向きに流され、純水液面から発生した水蒸気がその気体流によって 蓋体と純水液面との間から排出される。従って、水蒸気のパージは、基板表面の 水膜が蒸発する以前の段階で行なわれることになり、基板の、蓋体のスリット状 開口部を通ってその上方へ移動し乾燥し終わった部分に、気体流によって排出さ れていく過程の水蒸気が接触することは完全に防止される。また、洗浄槽の上部 開口面は、洗浄槽内の純水液面に近接して配設された蓋体によって覆われ、その 蓋体と純水液面とで囲まれた狭い空間の排気によって水蒸気が排出されるので、 水蒸気の排出が効率良く行なわれることになる。
【0010】
【実施例】
以下、この考案の好適な実施例について図面を参照しながら説明する。
【0011】 図1及び図2は、この考案の1実施例を示し、図1は、基板の純水引上げ乾燥 装置の概略構成を洗浄槽と共に示す正面断面図であり、図2は、その側面断面図 である。洗浄槽10内には、純水供給源より純水、例えば45〜60℃の温純水が 常時供給され、洗浄槽10の上端縁から温純水が常に溢流するようにして、洗浄槽 10内の温純水12にパーティクル等が蓄積しないようにしている。洗浄槽10から溢 れ出た温純水は、溢流槽14に貯留され、その溢流槽14から排出されるようになっ ている。
【0012】 洗浄槽10には、図1に模式的に示すように、基板昇降装置16が併設されている 。基板昇降装置16の、洗浄槽10内に挿入された支持部18には、1枚或いは複数枚 、この例では2枚の基板20がそれぞれ鉛直姿勢で互いに平行にかつ間隔を設けて 支持されている。そして、2枚の基板20は、基板昇降装置16によって同時に、例 えば60〜600mm/分の低速度で鉛直上方へ移動させられ、純水12中から引き 上げられるようになっている。
【0013】 以上の構成は従来の純水引上げ乾燥装置と共通する構成であるが、この考案の 装置には、洗浄槽10の上部開口面を覆うように蓋体22が配設されている。この蓋 体22には、各基板20がそれぞれ昇降移動することができるように2つのスリット 状開口部24が形成されている。また、蓋体22は、洗浄槽10内の純水液面に近接し 、例えば蓋体下面と純水液面との間の距離dが15mm以下となるように配置され ている。尚、蓋体22を純水液面に接触させてしまうと、純水のオーバーフローが 、スリット状開口部24で囲まれた領域の液面で起こらなくなり、パーティクル等 がその液面上に蓄積されて漂うことになる結果、その状態で基板の引上げ操作を 行なうと、基板の表面は著しく汚染されてしまうことになる。一方、蓋体22と純 水液面との距離dを大きくし過ぎると、純水液面から発生した水蒸気が蓋体22と 純水液面との間の空間内において対流し充満して、蓋体22を設けない開放状態の ときより却って悪い結果になる。従って、蓋体22は、純水液面に接触しない限度 で液面に可及的に近接させて配置することが好ましい。
【0014】 また、この乾燥装置には、図1に示すように、蓋体22と純水液面とで囲まれた 空間内の気体(空気、窒素等)を水蒸気と一緒に水平方向へ排出するための排気 通路26が形設されている。そして、排気通路26の排気口28には、図示しない強制 排気ファンが流路接続されている。排気口28は、蓋体22と純水液面との間の空間 の側方であって基板20の面に沿った方向に、左右両側にそれぞれ設けられている 。従って、蓋体22と純水液面との間の水蒸気は、それらの排気口28を通して均一 に排気されることになる。
【0015】 以上のように構成された装置において、洗浄槽10内に収容された純水12中に浸 漬された基板20の乾燥処理を行なうときは、強制排気ファンを駆動させると、蓋 体22と純水液面との間の空間が負圧になり、蓋体22の上面側の新鮮な空気がスリ ット状開口部24を通して下向きに流れ、純水液面から発生した水蒸気が、蓋体22 と純水液面間に流れ込んだ空気と一緒に排気通路26を通り、排気口28から排出さ れる。このように、純水液面から水蒸気が発生しても、その水蒸気は、蓋体22の 下面側に流れ込んできた空気と一緒に水平方向へ排気され、蓋体22の上面側に流 れ出ることがない。この状態において、基板昇降装置16を駆動させ、2つの基板 20を同時に鉛直上方へ移動させ、例えば400mm/分程度の速度で純水12中から 両基板20を引き上げる。このとき、蓋体22は純水液面に近接して配設されている ので、純水12中から引き上げられた基板20が蓋体22より下方に位置する間は、基 板20の表面には水膜が形成された状態にあり、このように未乾燥の状態の基板20 の表面に水蒸気が接触しても、何ら問題は起こらない。そして、基板20がさらに 鉛直上方へ引き上げられ、蓋体22のスリット状開口部24を通って移動し蓋体22よ り上方に位置する部分の表面から水膜が蒸発して乾燥し終わった時には、その部 分に水蒸気が接触することは決してない。従って、この乾燥装置では、基板表面 の、乾燥が終了した部分に水蒸気が凝縮して起こるウォーターマークの発生を完 全に防止することができ、基板表面の汚染は起こらない。
【0016】 図3は、この考案の別の構成例を示す側面断面図であり、図4は、この考案の さらに別の構成例を示す側面断面図である。これらの図では、洗浄槽は、その一 部を示し、また、基板昇降装置は、その図示を省略している。また、これらの図 において、図1及び図2で使用した符号と同一符号によって示したものは、それ ぞれ同一機能・作用を有する同一部材である。
【0017】 図3に示した乾燥装置は、蓋体30の、基板20の通路となるスリット状開口部32 の位置に、上方に向かってテーパー状に拡がった形状の気体導入部34を形設する とともに、装置全体に対して新鮮な空気や窒素等のダウンフロー36を形成し、そ のダウンフロー36を形成している気体の一部を気体導入部34内に導き入れ、スリ ット状開口部32を通して蓋体30と純水12の液面との間へ流入させた後、その気体 を水平方向へ流動させて、純水液面から発生した水蒸気と一緒に側方の排気口38 を通して排出する構成を有している。また、図4に示した乾燥装置は、蓋体40の スリット状開口部42に向かって新鮮な空気や窒素等の気体を噴出させるエアーナ イフ装置44を設け、そのエアーナイフ装置44から噴出させた気体をスリット状開 口部42から蓋体40と純水12の液面との間へ吹き込み、その気体を水平方向へ流動 させ、純水液面から発生した水蒸気と一緒に側方の排気口48を通して排出してし まう構成を備えている。尚、エアーナイフ装置44から噴出される気体の流速は、 それによって純水12の液面が波立つことがない程度の大きさとする。これら図3 及び図4に示した何れの乾燥装置も、蓋体のスリット状開口部を通して新鮮な気 体を下向きに流し、その気体流によって水蒸気をパージするようにしたものであ り、図1及び図2に示した上記乾燥装置と全く同様の作用効果が得られる。
【0018】 この考案の純水引上げ乾燥装置は、以上のような構成を有しているが、この考 案の範囲は上記説明並びに図面の内容によって限定されず、要旨を逸脱しない範 囲で種々の変形例を包含し得る。すなわち、蓋体のスリット状開口部を通して気 体を下向きに流させるための手段は、上記した手段に限定されず、また、基板昇 降装置なども、各種の機構のものを採用し得る。また、洗浄槽内に供給される純 水としては、引上げ乾燥処理におけるスループットを高めるために、通常は温度 が45〜60℃程度の温純水が使用されるが、常温の純水を使用するようにして もよい。但し、その場合には、基板の引上げ速度を非常に遅くする必要があり、 乾燥処理に多くの時間を要する。
【0019】
【考案の効果】
この考案は以上説明したように構成されかつ作用するので、この考案に係る純 水引上げ乾燥装置を使用して基板の乾燥処理を行なうときは、純水液面から発生 した水蒸気に起因して基板表面にウォーターマークが発生し乾燥むらを生じる、 といった現象を無くすることができ、基板表面の汚染を防止して処理品質を向上 させることができる。また、この考案の装置は比較的簡単な構成で効率良く動作 し、さらに、基板の引上げ速度を速くし、それに伴って純水の温度を高くしても 、基板の汚染度が増すといったことが無いため、乾燥処理におけるスループット を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の1構成例に係る基板の純水引上げ乾
燥装置の概略構成を洗浄槽と共に示す正面断面図であ
る。
【図2】図1に示した装置の側面断面図である。
【図3】この考案の別の構成例を示す要部側面断面図で
ある。
【図4】この考案のさらに別の構成例を示す要部側面断
面図である。
【図5】従来の基板乾燥方法の原理図である。
【符号の説明】
10 洗浄槽 12 純水 14 溢流槽 16 基板昇降装置 20 基板 22、30、40 蓋体 24、32、42 スリット状開口部 26 排気通路 28、38、48 排気口

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上面が開口した洗浄槽内に収容された純
    水中に鉛直姿勢で浸漬された基板を純水中から鉛直上方
    へ引き上げる基板昇降機構を備え、その基板昇降機構に
    より純水中から基板を引き上げながら、その基板の表面
    から純水を蒸発させるようにした基板の純水引上げ乾燥
    装置において、前記洗浄槽の開口面を覆うように、基板
    の昇降移動を許容するスリット状開口部が形成された蓋
    体を洗浄槽内の純水液面に近接させて配設するととも
    に、その蓋体の前記スリット状開口部を通して気体を下
    向きに流動させ、その気体流により、純水液面から発生
    した水蒸気を蓋体と純水液面との間の空間から排出する
    水蒸気パージ手段を設けたことを特徴とする基板の純水
    引上げ乾燥装置。
  2. 【請求項2】 基板昇降機構が、複数枚の基板を互いに
    平行にかつ間隔を設けて支持し、それら複数枚の基板を
    同時に純水中から引き上げるようにした構成であり、水
    蒸気パージ手段が、蓋体と純水液面との間の空間の側方
    に形設された排気口と、この排気口に流路接続された強
    制排気装置とから構成された請求項1記載の基板の純水
    引上げ乾燥装置。
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