JPH0566673A - 多極一体型マグネツトロ−ル及びその製造方法 - Google Patents

多極一体型マグネツトロ−ル及びその製造方法

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JPH0566673A
JPH0566673A JP35786491A JP35786491A JPH0566673A JP H0566673 A JPH0566673 A JP H0566673A JP 35786491 A JP35786491 A JP 35786491A JP 35786491 A JP35786491 A JP 35786491A JP H0566673 A JPH0566673 A JP H0566673A
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magnetic
magnet roll
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文仁 毛利
Hideko Arai
秀子 新井
Yoshio Sakata
嘉男 坂田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複写機、ファクシミリ及びレ−ザ−ビ−ムプ
リンタ−(LBP)等の電子写真法による現像装置やク
リ−ニング装置に用いられるマグネットロ−ルに関す
る。さらに詳しくは、一本の細物長尺プラスチックボン
ド磁石の表面に必要な数の磁極を極異方配向法、もしく
は多極着磁により形成せしめた多極一体型マグネットロ
−ル及びその製造方法に関し、パイプの中にマグネット
材料を充填し、この周りにマグネット本体部を設けて、
外径を小さくすることによって生じる表面磁束密度の減
少及び撓みの問題を解決した。 【構成】 磁気異方性を有する強磁性体粉末をプラスチ
ックに分散混合した素材からなるマグネットロ−ルにお
いて、中空部に磁石材料(3)を充填したパイプ(2)をシ
ャフトに用い、その周囲に磁石本体部(1)を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複写機、ファクシミリ及
びレ−ザ−ビ−ムプリンタ−(LBP)等の電子写真法
による現像装置やクリ−ニング装置に用いられるマグネ
ットロ−ルに関する。さらに詳しくは、一本の長尺プラ
スチックボンド磁石の表面に必要な数の磁極を極異方配
向法、もしくは多極着磁により形成せしめた多極一体型
マグネットロ−ル及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子複写機、ファクシミリ及びL
BPの小型化に伴い、小径のマグネットロ−ルが要求さ
れるようになっている。具体的には長さはA4サイズに
対応可能な220mm以上、直径が13mm以下の寸法
が要求されている。また直径が10mm以下の要求もあ
る。これくらい細くなると、シャフトをどのようにして
形成するかという問題が大きくなる。その理由は、次の
通りである。
【0003】通常のマグネットロ−ルの主極の表面磁束
密度の要求値は700〜1000ガウスである。このレ
ベルを達成にするにはマグネット部の肉厚にはある程度
以上の大きさが必要である。その値は用いる磁石材料と
に依存するが、常用される六方晶フェライトを用いたボ
ンド磁石では約3mm以上である。そのため小径のマグ
ネットロ−ルにはかなり細いシャフトを用いざるを得な
い。例えば、マグネット部の直径10mm、長さ220
mmのマグネットロ−ルの場合、直径3mm程度、長さ
240mm程度のシャフトを用いなければならない。
【0004】しかし、このくらい細くなると常用される
材料(軟鉄、アルミニウム合金、ステンレス等)からな
る丸棒体では強度が不十分であり、生産工程中にたわみ
が生ずることが多い。強度の高い特殊な材料を用いると
大幅なコストアップを招くので好ましくない。焼き入れ
した材料であっても強度が十分とは言えず、又焼き入れ
中しばしば曲がりが発生する。また断面が角型(ほぼ正
方形)のシャフトであればある程度の強度はあるが高価
である。このシャフト問題を解決する一つ方法はマグネ
ットロ−ル本体もシャフト部も同一磁石材料から成る一
体物として磁場中射出成形することである(特開昭61
−172305号公報)。こうすればマグネットロ−ル
本体は中実体(通常は円柱)にすることができるので、
表面磁束密度を所定レベルに維持するために十分な体積
の磁石が確保できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、射出成形は生
産性が低いためコストダウンに限界があり、かつ細長い
ボンド磁石の磁気特性を全長に渡って均一に成形するこ
とは容易でない。また、しばしばソリが発生するので、
ソリ矯正工程が必要になるのが普通である。押出成形で
はこのような問題は原理的には起きず、かつ生産性が高
いので非常に望ましい(特開昭55−165606号公
報)。しかし、丸棒シャフトを用いる限り前記シャフト
問題が大きな障害になる。本発明者らは鋭意研究した結
果、パイプの中にマグネット材料を充填し、この周りに
マグネット本体部を設けた構造にすればシャフト問題が
解決できることを見いだして本発明を完成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】前述の課題解決のために
なされた本発明は、磁気異方性を有する強磁性体粉末を
プラスチックに分散混合した素材からなるマグネットロ
−ルにおいて、中空部に磁石材料を充填したパイプをシ
ャフトに用い、その周囲に磁石本体部を形成してなる多
極一体型マグネットロ−ルを要旨とする。
【0007】更に、パイプが非磁性体であり、パイプ内
の磁石材料と本体部の磁石材料とが共に六方晶フェライ
トをプラスチックに分散混合した素材からなることがよ
り好ましい。
【0008】そして、パイプ内の磁石材料を2極に磁化
することも磁力増大においてより好ましい。
【0009】また、その製造方法においては、マグネッ
トロ−ルの外径より小さな外径を持つパイプの中空部に
磁場配向可能な磁石材料を充填しておき、このパイプと
溶融プラスチックボンド磁石材料とを磁場中共押出成形
してなる多極一体型マグネットロ−ルの製造方法を要旨
とする。
【0010】更に、磁場中押出成形された長尺多極円筒
状プラスチックボンド磁石の中空部に、該ボンド磁石と
同じ配置の磁極を形成せしめた磁石材料を充填したパイ
プを貫設させてなる多極一体型マグネットロ−ルの製造
方法も好ましい。
【0011】また、磁場中押出成形された長尺多極円筒
状プラスチックボンド磁石の中空部に、2極に磁化され
た磁石材料を充填したパイプを貫設させてなる多極一体
型マグネットロ−ルの製造方法もより好ましい。
【0012】そして、マグネットロ−ルの外径より小さ
な外径を持つパイプの中空部に無着磁状態の磁石材料を
充填しておき、このパイプと溶融プラスチックボンド磁
石材料とを無磁場中共押出成形した後、所定の表面磁束
密度パターンを付与するための着磁を施してなる多極一
体型マグネットロ−ルの製造方法も好ましい。
【0013】
【作用】本発明にてシャフト問題が解決できる理由は次
の通りである。細い丸棒とそれよりは外径の大きいパイ
プとを比較すると、パイプの方が丸棒より撓みに対する
強度が高い場合がある(もちろん材質、外径、肉厚に依
存する)。例えば、肉厚が約1mmであれば、長さ24
0mm、外径6mmのアルミパイプは、長さ240m
m、外径3mmのSS41(軟鉄の一種)の丸棒より曲
がりにくい。また、本発明で用いるパイプは非磁性体で
あるので、その中に磁石材料を充填して、マグネットロ
−ル本体と同様に磁場配向させておけばこれも表面磁束
密度維持又は向上に寄与する。このこと自体は細物に限
らず、太い多極一体極異方マグネットロールの磁力増大
にも適用できる場合がある。特にパイプ内の磁石材料が
2極に磁化されている場合は、それからの磁場は多極に
磁化された磁石の磁場より遠くまで達する。従って、そ
の磁化方向とマグネットロール本体磁石の磁化方向との
相対配置を調節すれば、磁力増大とともに表面磁束密度
パターンを適切化することが可能である。この場合、N
極ピーク位置とS極ピーク位置とのなす角は180°
(図5参照)でも180°以内(図6参照)でもよく、
またN極とS極の幅が違ってもよい(図7参照)。どれ
が適切かは本体磁石の極配置と要求磁力によって決めれ
ばよい。またシャフト内磁石と本体部磁石との極位置は
合わせるのが好ましいが、適切な表面磁束密度パターン
磁力が得られるならば、必ずしも合わせなくてよい。
【0014】もちろん非磁性パイプは磁気的には「空
洞」と同じなので、それがない場合より表面磁束密度は
減少する。しかし、パイプ肉厚を適当に選ぶことにより
表面磁束密度の減少を実用上問題ない程度に押さえるこ
とができる。もし、厚み方向(半径方向)に磁化容易方
向を持つ軟磁性体から作られたパイプを用いると、パイ
プ内外の磁石を「磁気的に密着させる導磁路」として作
用し、表面磁束密度の減少を防ぐので好ましい。しか
し、現在のところ、厚み方向に磁化容易方向を持ち、あ
る程度以上の強度があり、かつ安価である、という材料
がない。従って非磁性材料に頼らざるを得ない。
【0015】
【実施例】図1及び図2は本発明のマグネットロールを
示し、図中1はボンド磁石からなる本体部、2はパイ
プ、3はボンド磁石からなる中実部をそれぞれ示してい
る。本発明で用いられる非磁性パイプ2の材料として
は、アルミニウム、アルミニウム合金(Al−Cu、A
l−Zn等)、黄銅、非磁性ステンレス(例えばSUS
−316、SUS−304)及びプラスチック等が挙げ
られる。パイプの肉厚と外径は、パイプ材質、マグネッ
トロ−ルの表面磁束密度の要求値などに依存するので一
概には決められないが、肉厚は0.3mm以上、マグネ
ットロ−ル外径の15%以下にするのが望ましい。ま
た、パイプ外径はマグネットロ−ル外径の40%以上7
0%以下にするのが望ましい。40%以下では強度が小
さくなりすぎて撓むことが多くなる。70%以上になる
と、パイプ表面がマグネットロ−ル表面に近づくので表
面磁束密度が低下し過ぎる。
【0016】ボンド磁石材料の磁性粉としては、六方晶
フェライト、SmCo系合金、NdFeB系合金、Sm
FeN系合金などが挙げられる。特に六方晶フェライト
(バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト)は
安価であるので望ましい。バインダ−のプラスチックは
押出成形できるものならばなんでもよく、ポリ塩化ビニ
ルとポリ酢酸ビニルの単独もしくは共重合体、塩素化ポ
リエチレン、及び適当な可塑剤を混合したものが代表的
なバインダ−の一例である。
【0017】本発明のマグネットロ−ルの本体部磁石の
断面形状は実質的に円筒状ではあるが、位置決等の便宜
のためのカット面4を有するものでもよい(図3)。
【0018】本発明のマグネットロ−ル本体の外側面に
所定の磁極を付与するには、「極異方磁場配向押出」
と、「無磁場中押出の後多極着磁する方法」とのいずれ
かが選択できる。前者の方が磁気特性の高いマグネット
ロ−ルを与えるので好ましい。しかし、所望の表面磁束
密度が確保できるのであれば実施容易な後者を選んでも
よい。特に細いマグネットロ−ルが必要な時は、超急冷
NdFeB系磁性粉を用いて後者の方法を適用すること
が推奨できる。
【0019】パイプ2の中空部に中実部3を形成すべく
磁石材料を充填するには射出成形、押出成形が利用でき
る。なかでも射出成形が便利である。こうすると生産性
が下がるように思えるが必ずしもそうではない。その理
由は、この射出成形では磁場は使わないので金型が簡単
であること、細物なので冷却が早く、従って成形サイク
ルが短くできること、などである。この目的に使うボン
ド磁石材料のバインダ−は射出成形が容易であり、かつ
マグネットロ−ル本体を押出成形する温度で溶融するも
のでなければならない。この目的に使用できる代表的な
プラスチックはポリエチレンである。
【0020】但し、請求項14記載の製法を選ぶ時は、
パイプ内充填磁石材料のバインダ−は、本体部の樹脂よ
り高い温度で溶融するものの方が望ましい。もし、本体
部の樹脂をポリ塩化ビニ−ル系に選ぶならば、シャフト
内充填磁石材料のバインダ−として、ポリアミド樹脂
(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン
12等)やポリプロピレン樹脂が好適である。
【0021】一方、パイプ2を硬質樹脂や強化プラスチ
ックを用いる場合は、ボンド磁石材料とパイプ材料を2
台の押出機を使って共押出成形することができる。即
ち、ボンド磁石材料を第1押出機で成形して冷却したも
のを第2押出機に取り付けたクロスヘッドダイに貫通さ
せ、そのボンド磁石周囲にパイプ材料を押出して両者一
体化するタンデム押出、あるいは、第1押出機からボン
ド磁石材料をクロスヘッドの中に押出し、第2押出機か
らパイプ材料を押出して両者一体化する2色押出などが
利用できる。
【0022】次に本発明の効果を確かめる為に行なった
具体的実施例について述べる。 (実施例1) (1−1)シャフト 日本弁柄社製ストロンチウムフェライト「OP71」を
91重量%含み、低密度ポリエチレン(密度0.915
g/cm3 )をバインダ−とするボンド磁石コンパウン
ドのペレットを作り、これを射出成形機でパイプの中に
充填した。当パイプはアルミニウム−銅合金(92A
l,8Cu)製であり、長さ240mm、外径5mm,
内径3.8mmである。(1−2)マグネットロ−ル本
体部マグネットロ−ル本体部は表1に示す配合物からな
るものである。
【0023】
【表1】
【0024】表1の配合物から作ったペレットと、(1
−1)で作成したシャフトとを磁場配向共押出を行い、
外径9.5mm、長さ220mm、磁極数4で表面磁束
密度のラジアル磁界成分のピ−ク間角度として表2の値
を持つ極異方一体型マグネットロ−ルを得た。
【0025】
【表2】
【0026】(1−3)比較例 表1の配合物から作ったペレットを用いて、長さ220
mm、外径9.5mm、内径3.05mmの4極極異方
長尺マグネットを磁場配向押出成形し、これに外径3.
0mmの軟鉄(SS41)の丸棒シャフト5を貫設した
(図4)。ピ−ク間角度は(1−2)と同じである。な
おここでマグネットの内径をシャフトの外径よりわずか
に大きくする理由は、貫設を容易にし、かつ接着剤層を
形成させるためである。
【0027】(1−4)表面磁束密度のピ−ク値の比較 上記2種のマグネットロ−ルを複数本づつ取出し、それ
らの表面磁束密度のピ−ク値をエ−デ−エス社製ガウス
メ−タ−「HGM8300」とホ−ルプロ−ブ「FS−
4」を用い、マグネットロ−ルの回転中心から5.55
mm離れた位置にホ−ル素子を置いて測定した。その結
果を表3に示す。
【0028】
【表3】
【0029】比較例品は磁束密度のバラツキが大きく、
測定位置での表面磁束密度が低すぎて使用不可のものが
かなりあった。一方、本発明品は磁束密度のバラツキが
小さく、全て使用可能であった。
【0030】(1−5)芯ブレ 上記2種マグネットロ−ルを回転した時の長さの中央部
の芯ブレをレ−ザ−測長器を用いて測定したところ、表
4に示す如くになった。
【0031】
【表4】
【0032】比較例品の芯ブレが大きい原因は、3mm
φ×240mmの丸棒シャフトの多くに既に曲がりが生
じていたことと、マグネットロ−ルの形態にして出荷用
パレットに両軸で支えて収納しておくと自重で撓むこ
と、とによる。比較例のマグネットロ−ルの中心部に貫
設されるシャフトの方位(シャフト断面内の方向)はま
ちまちなので各磁極の芯ブレも一定にはならない。これ
が比較例品の磁束密度が大きくばらつく原因である。そ
れに対して、本発明品では、シャフト自体の芯ブレが小
さい上に、組み立て後に撓むこともない。従って、本発
明品は磁束密度のばらつきが小さい。
【0033】(実施例2) (2−1)シャフト 日本弁柄社製ストロンチウムフェライト「OP71」を
90.5重量%含み、ナイロン12をバインダ−とする
ボンド磁石コンパウンドのペレット作成し、これを射出
成形機にて内外径寸法、長さ及び材質が実施例1と同一
のパイプの中に充填した。金型キャビティ周囲には永久
磁石(Sm−Co系焼結磁石)と軟鉄製ヨ−クを配設し
ておき、4極マグネットロ−ル本体部に印加される磁場
と同一方向の磁場が発生するようにしておいた。従って
当シャフト自身4つの磁極を有する磁石になっている。
【0034】(2−2)マグネットロ−ル本体部 実施例1の表1の配合物から作ったペレットと、(2−
1)で作成したシャフトとを温度150℃で磁場配向共
押出を行い、寸法と表面磁束密度ピ−ク間角度とが実施
例1と同一である4極極異方一体型マグネットロ−ルを
得た。150℃ではパイプ内のボンド磁石は溶融しな
い。また、押出ダイが発生する磁場(4極)の方向はシ
ャフトに印加した磁場と同一とした。これらのマグネッ
トロ−ルの芯ブレは0.035〜0.060mmであ
り、実施例1と大差なかった。また表面磁束密度ピ−ク
値は表5に示す通りであった。
【0035】
【表5】
【0036】実施例1の「本発明品」より表面磁束密度
が高めになっているが、これはシャフト内のボンド磁石
があらかじめ強く磁化されていたことによる。
【0037】(実施例3) (3−1)シャフト 米国ゼネラルモ−タ−ズ社製の超急冷法NdFeB磁性
粉(MQパウダ−)92重量%含み、ナイロン12をバ
インダ−とするボンド磁石コンパウンドを作り、これを
射出成形機でパイプの中に充填した。当パイプは、アル
ミニウム−亜鉛−銅合金製であり、寸法は外径4.00
mm,内径3mm,長さ240mmである。
【0038】(3−2)マグネットロ−ル本体部 マグネットロール本体部は表6に示す配合物からなるも
のである。
【0039】
【表6】
【0040】表6の配合物から作ったペレットと、(3
−1)で作製したシャフトとを150℃で共押出(無磁
場下)を行い、外径7.0mm,長さ220mmの長尺
マグネットを得た。次にこれらマグネットをコンデンサ
−式パルス大電流を通電する4極着磁器内に挿入して着
磁し、マグネットロ−ルとなした。これらの表面磁束密
度のピ−ク間角度の所定値は次の表7に示した通りであ
る。
【0041】
【表7】
【0042】これらのマグネットロ−ルの芯ブレは0.
03〜0.05で十分小さかった。また、表面磁束密度
のピ−ク値は次の表8に示した通りであり、良好に使用
できるレベルである。
【0043】
【表8】
【0044】(実施例4)磁力増大効果を確認するた
め、上記実施例より大きな外径を持ち4つの磁極(N
1,S1,N2,S2)が互いに直交しているマグネッ
トロールに本発明を適用した。すなわち、実施例1で用
いた磁石コンパウンドのペレットを外径6.5mm,内
径5.5mmのアルミニウムパイプに射出成形機で充填
した。この時直径方向に約10000エルステッドの一
様な磁場を印加し、パイプ内充填物を磁化せしめた。こ
の一つから充填物を取り出して磁気特性を測定したとこ
ろ開放状態の残留磁束密度が2700ガウスであった。
当パイプを表1の配合物から磁場配向押出によって作っ
た外径14mm,内径6.55mm,長さ220mmの
マグネット本体にN1極の磁力を増大する方向にして挿
入した。その磁力測定の結果を表9に示す。これには比
較例として作成した6.05mmの内径を持つマグネッ
ト本体に外径が6mmの鉄シャフトを挿入したマグネッ
トロールのデータも示す。
【0045】
【表9】
【0046】表9が示すようにN1極の磁力は期待通り
大きく増大している。N2極の磁力は低下しているが主
極ではないのでこの場合は実用上差し支えない。
【0047】(実施例5)磁力増大効果のさらなる確認
のため、以下の実験を行った。表7のマグネットロール
と同じ極配置を持つ外径14mm,長さ220mmのマ
グネットロールに本発明を適用した。すなわち、実施例
1で用いた磁石コンパウンドのペレットを外径6.5m
m,内径5.5mmのアルミニウムパイプに電磁石を有
する射出成形機で充填した。この時用いた金型には互い
に約115°の角度をなす磁極を設けておき、成形機の
電磁石に20000アンペア・ターンの起磁力(電流値
×コイル巻数)を加えてキャビティ内に磁場を発生せし
め、コンパウンドを2極に磁化せしめた。当パイプを表
1の配合物から磁場配向押出によって作った外径14m
m,内径6.53mm,長さ220mmのマグネット本
体にN1極とS1極が略一致するように挿入した。その
磁力測定の結果を表10に示す。これには比較例として
作成した6.03mmの内径を持つマグネット本体に外
径が6mmの鉄シャフト(材質はSS41)を挿入した
マグネットロールのデータも示す。
【0048】
【表10】
【0049】シャフト内の磁力を利用してマグネットロ
ールの表面磁束密度の増大を図る実施例として図5に示
したものは、N極ピーク位置とS極ピーク位置とのなす
角を180°に設定したものである。なお、図中矢印は
磁力線を示している。また図6はN極ピーク位置とS極
ピーク位置とのなす角を180°以内に設定したもので
ある。更に図7は幅が異なる磁極を設けたものである。
【0050】
【発明の効果】以上のようにボンド磁石材料を充填した
非磁性体パイプをシャフトに用いることにより、表面磁
束密度を大きく減ずることなく、撓みの少ない細物多極
一体極異方マグネットロ−ルを、生産性の高い押出成形
法にて生産することができる。従って、電子複写機、フ
ァクシミリ及びLBPなど電子写真法を用いる機器の小
型化薄型化に寄与することができる。また本発明は細物
のみならず太い多極一体型極異方マグネットロールの特
定極の磁力増大にも応用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多極一体型マグネットロ−ルの断面図
【図2】同じく斜視図
【図3】カット面のある本発明の多極一体型マグネット
ロ−ルの断面図
【図4】カット面のある従来(比較例)の多極一体型マ
グネットロ−ルの断面図
【図5】極間角度が180°の2極磁石を内蔵するシャ
フトを用いた多極一体型マグネットロ−ルの断面図
【図6】極間角度が180°以内の2極磁石を内蔵する
シャフトを用いた多極一体型マグネットロ−ルの断面図
【図7】幅が異なる磁極を有する2極磁石を内蔵するシ
ャフトを用いた多極一体型マグネットロ−ルの断面図
【符号の説明】
1 本体部 2 パイプ 3 中実部 4 カット面 5 丸棒シャフト

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気異方性を有する強磁性体粉末をプラ
    スチックに分散混合した素材からなるマグネットロ−ル
    において、中空部に磁石材料を充填したパイプをシャフ
    トに用い、その周囲に磁石本体部を形成したことを特徴
    とする多極一体型マグネットロ−ル。
  2. 【請求項2】 パイプが非磁性体であることを特徴とす
    る請求項1記載の多極一体型マグネットロ−ル。
  3. 【請求項3】 パイプ内の磁性材料が2極に磁化されて
    いることを特徴とする請求項1又は2記載の多極一体型
    マグネットロール。
  4. 【請求項4】 パイプ内の磁石材料と本体部の磁石材料
    とが共に六方晶フェライトをプラスチックに分散混合し
    た素材からなることを特徴とする請求項1又は2又は3
    記載の多極一体型マグネットロ−ル。
  5. 【請求項5】 マグネットロ−ルの外径より小さな外径
    を持つパイプの中空部に磁場配向可能な磁石材料を充填
    しておき、このパイプと溶融プラスチックボンド磁石材
    料とを磁場中共押出成形することを特徴とする多極一体
    型マグネットロ−ルの製造方法。
  6. 【請求項6】 パイプが非磁性体であることを特徴とす
    る請求項5記載の多極一体型マグネットロ−ルの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 パイプ内の磁石材料と本体部の磁石材料
    とが共に六方晶フェライトをプラスチックに分散混合し
    た素材であることを特徴とする請求項5又は6記載の多
    極一体型マグネットロ−ルの製造方法。
  8. 【請求項8】 磁場中押出成形された長尺多極円筒状プ
    ラスチックボンド磁石の中空部に、該ボンド磁石と同じ
    配置の磁極を形成せしめた磁石材料を充填したパイプを
    貫設させることを特徴とする多極一体型マグネットロ−
    ルの製造方法。
  9. 【請求項9】 パイプが非磁性体であることを特徴とす
    る請求項8記載の多極一体型マグネットロ−ルの製造方
    法。
  10. 【請求項10】 パイプ内の磁石材料と本体部の磁石材料
    とが共に六方晶フェライトをプラスチックに分散混合し
    た素材であることを特徴とする請求項8又は9記載の多
    極一体型マグネットロ−ルの製造方法。
  11. 【請求項11】 磁場中押出成形された長尺多極円筒状プ
    ラスチックボンド磁石の中空部に、2極に磁化された磁
    石材料を充填したパイプを貫設させることを特徴とする
    多極一体型マグネットロールの製造方法。
  12. 【請求項12】 パイプが非磁性体であることを特徴とす
    る請求項11記載の多極一体型マグネットロールの製造方
    法。
  13. 【請求項13】 パイプ内の磁石材料と本体部の磁石材料
    とが共に六方晶フェライトをプラスチックに分散混合し
    た素材であることを特徴とする請求項11又は12記載の多
    極一体型マグネットロ−ルの製造方法。
  14. 【請求項14】 マグネットロ−ルの外径より小さな外径
    を持つパイプの中空部に無着磁状態の磁石材料を充填し
    ておき、このパイプと溶融プラスチックボンド磁石材料
    とを無磁場中共押出成形した後、所定の表面磁束密度パ
    ターンを付与するための着磁を施すことを特徴とする多
    極一体型マグネットロ−ルの製造方法。
  15. 【請求項15】 パイプが非磁性体であることを特徴とす
    る請求項14記載の多極一体型マグネットロ−ルの製造方
    法。
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