JPH0565333A - エポキシ樹脂硬化剤 - Google Patents

エポキシ樹脂硬化剤

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JPH0565333A
JPH0565333A JP25600391A JP25600391A JPH0565333A JP H0565333 A JPH0565333 A JP H0565333A JP 25600391 A JP25600391 A JP 25600391A JP 25600391 A JP25600391 A JP 25600391A JP H0565333 A JPH0565333 A JP H0565333A
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寛 古川
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孝美 木村
Hiroshi Ueno
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性が良く、機械的強度の高いエポキシ硬
化物を与えるエポキシ樹脂硬化剤を提供する。 【構成】 5-(2,4- ジオキソテトラヒドロ-3- フラニル
メチル)ノルボルナン-2,3-ジカルボン酸無水物、及び
メチルノルボルナン-2,3- ジカルボン酸無水物を含有し
てなるエポキシ樹脂硬化剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エポキシ樹脂硬化剤に
関し、さらに詳しくは、二種の脂環式カルボン酸無水物
を含むエポキシ樹脂硬化剤に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】脂環式ジカルボン酸無水物
をエポキシ樹脂硬化剤として使用することは、従来知ら
れている。例えば、ヘキサヒドロフタル酸無水物は、現
在エポキシ樹脂硬化剤として汎用されている。その他
に、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロ
フタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物
(特公昭39-14521号公報)、ノルボルナンジカルボン酸
無水物またはメチルノルボルナンジカルボン酸無水物
(特公昭62-47891号公報)等が知られている。
【0003】しかしながら、汎用されているヘキサヒド
ロフタル酸無水物をはじめとして、これらの二塩基酸無
水物は、硬化物の耐熱性が不十分であるという問題があ
る。
【0004】最近では、電子機器などの技術の高度化が
進み、耐熱性に対する要求も高まってきており、ピロメ
リット酸無水物やベンゾフェノンテトラカルボン酸無水
物等の酸無水物系の硬化剤が開発された。しかしなが
ら、これらを用いて得た硬化物は、耐熱性には優れる
が、硬化剤の融点が高くエポキシ樹脂との混合が困難と
言う作業上の欠点を有する。
【0005】さらに、先に本発明者らが出願した新規化
合物である 5-(2,4-ジオキソテトラヒドロ-3- フラニル
メチル)ノルボルナン-2,3-ジカルボン酸無水物(特願
平3-15763 号)は取扱いが容易であり、エポキシ樹脂硬
化剤として、耐熱性の優れた硬化物を与えるが、硬化物
は硬くて脆いという性質を持つため、曲げ強度などの機
械的物性がやや劣る。
【0006】そこで本発明は、上記欠点が改善されたエ
ポキシ樹脂硬化剤を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A) 5-(2,4-
ジオキソテトラヒドロ-3- フラニルメチル)ノルボルナ
ン-2,3- ジカルボン酸無水物(以下で、HMNTCと略
記することがある)、及び(B)メチルノルボルナン-2,3-
ジカルボン酸無水物(以下で、HMeNAと略記する
ことがある)を含有してなるエポキシ樹脂硬化剤を提供
するものである。
【0008】まず成分(A) について説明する。本発明で
使用するHMNTCは、次式(化1):
【0009】
【化1】 で示される構造を有している。この化合物は、5-(2,4-
ジオキソテトラヒドロ-3- フラニルメチル)-5-ノルボル
ネン- 2,3-ジカルボン酸無水物(以下、MNTCという
ことがある)を水素化することによって容易に調製する
ことができる。MNTCは、5-メチレンノルボルナン-
2,3-ジカルボン酸無水物、または1-メチルノルボルネン
-2,3- ジカルボン酸無水物及び/または5-メチルノルボ
ルネン-2,3- ジカルボン酸無水物と無水マレイン酸とを
反応させることによって調製することができる。ここで
原料の一つである5-メチレンノルボルナン-2,3- ジカル
ボン酸無水物は、末端に二重結合を持つため反応性が非
常に高く、無水マレイン酸と容易に反応して 5-(2,4-ジ
オキソテトラヒドロ-3- フラニルメチル)-5-ノルボルネ
ン-2,3- ジカルボン酸無水物を生成する。反応は、下記
の式のように進むものと推定される。これは一種のエン
合成であり、エン合成自体は例えば特公昭58‐51955 号
公報等に記載されている。
【0010】
【化2】 5-メチレンノルボルナン-2,3- ジカルボン酸無水物は、
5-メチルノルボルネン-2,3- ジカルボン酸無水物及び/
または1-メチルノルボルネン-2,3- ジカルボン酸無水物
の酸触媒存在下での異性化によって調製することができ
る。ここで、“異性化”とは、広く構造異性化及び立体
異性化を包含し、幾何異性化や位置異性化のような狭い
意味ではない。5-メチレンノルボルナン-2,3- ジカルボ
ン酸無水物にはendo体と exo体の二つが存在するが、こ
のどちらを用いても良い。両者の混合物を使用すること
もできる。
【0011】1-メチルノルボルネン-2,3- ジカルボン酸
無水物及び5-メチルノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無
水物(以下、夫々1-MeNA、5-MeNAと略すことが
ある)自体は公知である。これら二つの酸無水物にはい
ずれもエンド(endo)体及びエキソ(exo)体の二つの立体
異性体が存在するが、そのどちらをも使用することがで
きる。原料となる1-MeNA及び5-MeNAは、例えば
次にようにして製造することができる。すなわち、1-メ
チルシクロペンタジエン(1-MeCPDと略す)及び2-
メチルシクロペンタジエン(2-MeCPDと略す)を、
無水マレイン酸と反応させる(ディールス‐アルダー反
応)と、1-MeCPDからは1-MeNAのendo体が、2-
MeCPDからは5-MeNAのendo体が生成する。1-M
eCPDと2-MeCPDは、通常両者の混合物として入
手され、ここでの目的のためには両者を分離する必要は
ない。かくして得られた1-MeNA及び5-MeNAの混
合物について後述する異性化を行うと、1-MeNAのen
do体は、5-MeNAのexo体を経由して、5-メチレンノ
ルボルナン-2,3- ジカルボン酸無水物のexo 体を生成
し、一方、5-MeNAのendo体は、直接、5-メチレンノ
ルボルナン-2,3- ジカルボン酸無水物のendo体を生成す
る。また、一部の5-MeNAのendo体は5-MeNAの e
xo体を経由して5-メチレンノルボルナン-2,3- ジカルボ
ン酸無水物の exo体を生成する。尚、1-MeNAのendo
体に酸の非存在下で後述の加熱を行うと、5-MeNAの
exo体には異性化するが、さらに5-メチレンノルボルナ
ン-2,3-ジカルボン酸無水物のexo 体に異性化すること
はない。メチルノルボルネン-2,3- ジカルボン酸無水物
は一般に市販されており、このものを使用することも可
能である。
【0012】異性化反応は、5-メチルノルボルネン-2,3
- ジカルボン酸無水物及び/または1-メチルノルボルネ
ン-2,3- ジカルボン酸無水物を、酸の存在下で加熱する
ことによって行うことができる。異性化反応のために使
用する酸に特に制限はなく、種々の公知の酸を使用する
ことができる。例としてブレンステッド酸、例えばベン
ゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、パラキシレ
ン-2- スルホン酸等の芳香族スルホン酸、硫酸、塩酸等
の鉱酸、モリブデン酸等のヘテロポリ酸、マレイン酸等
のカルボン酸、並びに上記以外のルイス酸、例えば塩化
アルミニウム、フッ化ホウ素等が挙げられる。また、無
水マレイン酸等の酸無水物は、水分と反応して酸を生じ
得るので、酸の代わりに酸無水物を使用しても異性化反
応が進行することがある。好ましくはブレンステッド酸
を使用する。酸の使用量は、メチルノルボルネン-2,3-
ジカルボン酸無水物に対して約0.01〜5重量%、特に約
0.02〜3重量%とするのが好ましい。加熱の際の温度
は、好ましくは約 120〜250℃、特に約 150〜230 ℃で
ある。加熱による異性化反応は、回分式及び連続式のい
ずれで行うこともできる。反応時間は、回分式の場合で
好ましくは約30分間〜10時間、特に約1〜5時間であ
る。
【0013】5-メチレンノルボルナン-2,3- ジカルボン
酸無水物と無水マレイン酸との反応は、両者を 0.5〜5
倍のモル比で仕込み、好ましくは約 160〜220 ℃で約2
〜24時間加熱攪拌することによって行われる。この反応
を任意の触媒の存在下で行っても良い。触媒としては、
塩化アルミニウム、フッ化ホウ素等のルイス酸が好まし
いが、これらに限定されない。この反応は溶媒の使用を
必要としないが、任意の溶媒中で行うこともできる。好
ましい溶媒としては、クロロベンゼン、キシレン、メシ
チレン、トリエチルベンゼン等が挙げられる。
【0014】上記では、1-メチルノルボルネン-2,3- ジ
カルボン酸無水物及び/または5-メチルノルボルネン-
2,3- ジカルボン酸無水物を異性化して中間体としての5
-メチレンノルボルナン-2,3- ジカルボン酸無水物を一
旦作り、次にエン合成によってMNTCを作ることを説
明した。しかし、この異性化とエン合成とを一つの操作
として行っても良い。すなわち、1-メチルノルボルネン
-2,3- ジカルボン酸無水物及び/または5-メチルノルボ
ルネン-2,3- ジカルボン酸無水物を無水マレイン酸の存
在下で加熱することによって異性化とエン合成が逐次起
こる。
【0015】上記の反応後、好ましくは生成物を精製処
理に付す。精製は、未反応の原料を単蒸留等によって除
去した後、得られた粗生成物を再結晶することによって
行っても良い。再結晶溶媒としては、無水酢酸、及びメ
チルイソブチルケトン等のケトン系溶剤が挙げられる
が、これらに限定されない。
【0016】上記のようにして得られた5-(2,4-ジオキ
ソテトラヒドロ-3- フラニルメチル)-5- ノルボルネン
- 2,3-ジカルボン酸無水物(MNTC)を水素化すれ
ば、本発明で使用するHMNTCを得ることができる。
【0017】水素化法に特に制限はなく、種々の公知の
方法によって行うことができる。例えばMNTCに接触
水素添加を行う方法、ヨウ化水素と赤リンまたはナトリ
ウムとアルコールの組み合わせを作用させる方法等が挙
げられるが、これらに限定されない。好ましい方法は接
触水素添加による水素化である。接触水素添加は通常、
MNTCを、好ましくは水素添加触媒の存在下で加熱し
ながら、水素と接触させることによって行う。好ましい
触媒としては、パラジウム、コバルト、ニッケル、白金
等が挙げられるが、これらに限定されない。担体を併用
しても良い。加熱温度は、好ましくは約80〜300 ℃、よ
り好ましくは約120 〜250 ℃である。水素添加反応時の
水素圧は、10〜150 kg/cm2 G程度とするのが好まし
い。反応時間は好ましくは1〜10時間、より好ましくは
2〜6時間程度とする。水素添加反応の際に溶媒は必要
ではないが、反応原料及び生成物が常温で固体であり、
また、水素添加反応を円滑に進行させるために、溶媒例
えばテトラヒドロフラン等を使用しても良い。
【0018】尚、先述の合成法によって得られたMNT
Cを、単離することなくまたは簡単な精製操作の後に水
素化処理に付して、HMNTCを得ることも可能であ
る。
【0019】上記の反応後、生成物を精製処理に付して
も良い。精製処理は例えば、メチルイソブチルケトン等
の溶媒を用いての再結晶によって行うことができる。
【0020】HMNTCは、IR、NMR等の測定手段
によって同定することができる。例えば該化合物のIR
においては、1770〜1780cm-1及び1850cm-1にカルボン酸
無水物のC=O伸縮に起因するピークが観察される。ま
た、 1H‐NMRにおいては、δ 1.8〜2.4 に四つの−
CH2 −に起因するピーク8H分(出発物質の 5-(2,4-
ジオキソテトラヒドロ-3- フラニルメチル)-5-ノルボル
ネン- 2,3-ジカルボン酸無水物では6H分、5-メチレン
ノルボルナン-2,3- ジカルボン酸無水物では4H分、1-
または5-メチルノルボルネン-2,3- ジカルボン酸無水物
では2H分しか観察されない)が、δ 2.0〜3.6 に六つ
の>CH−に起因するピーク6H分(出発物質の 5-(2,
4-ジオキソテトラヒドロ-3- フラニルメチル)-5-ノルボ
ルネン-2,3- ジカルボン酸無水物では5H分、5-メチレ
ンノルボルナン-2,3- ジカルボン酸無水物及び5-メチル
ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物では4H分、1-
メチルノルボルネン-2,3- ジカルボン酸無水物では3H
分しか観察されない)が観察される。一方、ノルボルネ
ン環の=CH−に起因するδ 5.5〜5.6 のピーク(出発
物質の 5-(2,4-ジオキソテトラヒドロ-3- フラニルメチ
ル)-5-ノルボルネン- 2,3-ジカルボン酸無水物及び5-メ
チルノルボルネン-2,3- ジカルボン酸無水物では1H
分、1-メチルノルボルネン-2,3- ジカルボン酸無水物で
は2H分観察される)、ビニリデンのピーク(出発物質
の5-メチレンノルボルナン- 2,3-ジカルボン酸無水物で
は2H分観察される)及びメチル基のピーク(出発物質
の1-または5-メチルノルボルネン- 2,3-ジカルボン酸無
水物では3H分観察される)が観察されない。
【0021】次に、成分(B) メチルノルボルナン-2,3-
ジカルボン酸無水物自体は公知である。メチル基が置換
する位置によって1-メチル体及び5-メチル体の構造異性
体が存在し、さらに、その夫々に、endo体と exo体とが
存在する。本発明においては、これらのどの異性体をも
使用することができる。複数の異性体の混合物を使用す
ることも可能である。HMeNAは、対応するメチルノ
ルボルネン-2,3- ジカルボン酸無水物の水素化によって
製造することができる。水素化反応は例えばパラジウム
触媒等の存在下、3〜300 kg/cm2 Gの水素圧及び40〜
200 ℃の反応温度にて行うことができる。
【0022】本発明のエポキシ樹脂硬化剤における上記
した(A) 及び(B) の好ましい配合比は、(A) 95〜5重量
部に対して (B)5〜95重量部であり、さらに好ましくは
(A)80〜5重量部に対して(B) 20〜95重量部である。(A)
が5重量部より少ないと硬化物の耐熱性があまり改善
されず、95重量部を超えると耐熱性は高いが機械的強度
が低下してしまう。
【0023】本発明のエポキシ樹脂硬化剤は、成分(A)
及び(B) を混合することにより製造できる。例えばドラ
イブレンドによって混合する、または加熱して溶融混合
する等の方法を使用できる。また、成分(A) と(B) を別
々にエポキシ樹脂に加え、混合してもよい。
【0024】本発明のエポキシ樹脂硬化剤を使用して硬
化し得るエポキシ樹脂は、エポキシ基を分子内に2個以
上有する化合物であり、例えばビスフェノールAなどの
多価フェノールまたは1,4-ブタンジオールなどの多価ア
ルコールのポリグリシジルエーテル、フタル酸、ヘキサ
ヒドロフタル酸などのポリグリシジルエステル、アミ
ン、アミド及び複素環式窒素塩基を有する化合物のN‐
グリシジル誘導体、脂環式エポキシ樹脂、フェノールノ
ボラックエポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラックエ
ポキシ樹脂などである。
【0025】硬化剤は、上記エポキシ樹脂のエポキシ基
1当量に対して、酸無水物基が 0.3〜1.5 モルになるよ
うに配合するのが好ましく、特に 0.7〜1.2 モルになる
ように配合するのが好ましい。
【0026】上記硬化剤とエポキシ樹脂とを適宜の手段
で混合し、好ましくは50〜200 ℃で硬化させることがで
きる。例えば80〜120℃で1〜3時間、続いて 150〜180
℃で10〜20時間硬化されることが特に好ましい。
【0027】さらに、本発明のエポキシ樹脂硬化剤を配
合したエポキシ樹脂組成物を、そのまま硬化することも
できるが、3級アミン、3級アミン塩、第4アンモニウ
ム塩、イミダゾール、金属塩などの硬化促進剤を併用す
ると、硬化時間を短縮することができるので好ましい。
【0028】本発明のエポキシ樹脂硬化組成物は、上記
の成分の他に、慣用の添加剤、例えばアスファルト、石
英粉、雲母、ガラス繊維、繊維素、タルク、粘土、カオ
リン、ベントナイト、炭酸カルシウム、水和アルミナも
しくはアルミニウムのような金属粉などの充填剤、染料
もしくは顔料、成形潤滑剤、難燃剤(三酸化アンチモ
ン、赤燐等)、有機溶剤(例えばキシレン、トルエン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)等を
含有することができる。
【0029】本発明のエポキシ樹脂硬化組成物は、耐熱
性の注型もしくは成形用または塗料、積層もしくは含浸
用ワニスなどの材料として使用することができる。
【0030】以下、実施例により本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0031】
【実施例】以下の実施例において、%及び部はそれぞ
れ、重量%及び重量部を意味する。
【0032】
【参考実施例1】還流冷却器、温度計、攪拌機を備えた
500mlの四ッ口フラスコに、300gのendo- メチルノルボ
ルネン-2,3- ジカルボン酸無水物(58.5%の1-メチル体
及び41.5%の5-メチル体から成る)と 0.15gのパラトル
エンスルホン酸を導入し、 180℃で3時間攪拌して反応
させた。単蒸留によって、触媒及び重質物である副生成
物から分離された、淡黄色の透明液体287gが得られた。
この液体の組成をガスクロマトグラフにより分析したと
ころ、 8.8%の endo-5-メチレンノルボルナン-2,3- ジ
カルボン酸無水物、63.5%のexo-5-メチレンノルボルナ
ン- 2,3-ジカルボン酸無水物、及び未反応のメチルノル
ボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物27.7%から成ること
が判明した。生成物の構造は、赤外線吸収スペクトル
(IR)、 1H‐NMR等によって同定した。例えば当
該化合物のIRにおいては、1770〜1780cm-1及び1850cm
-1にカルボン酸無水物のC=O伸縮に起因するピークが
観察された。また、 1H‐NMRにおいて、δ 4.8〜5.
2 にH2 C=C<に起因するピーク(このピークは、出
発物質のメチルノルボルネン-2,3- ジカルボン酸無水物
では観察されない)が、δ 1.8に−CH2 −に起因する
ピーク4H分(出発物質では2H分)が、δ 2.8〜3.6
にノルボルナン環の三級炭素原子に結合したプロトンに
起因するピークが観察された。ノルボルネン環の=CH
−に起因するピークは観察されなかった。
【0033】次いで、還流冷却器、温度計、攪拌機を備
えた1000mlの四ッ口フラスコ中に、上記で得られた淡黄
色透明液体270g、及び294gの無水マレイン酸を入れ、 1
80℃で6時間攪拌した。次に、5mmHgの圧力下で、釜
温が 180℃になるまで単蒸留を行い、未反応の5-メチレ
ンノルボルナン-2,3- ジカルボン酸無水物、メチルノル
ボルネン-2,3- ジカルボン酸無水物及び無水マレイン酸
を除去すると、126gの生成物が得られた。
【0034】この化合物の構造を、赤外線吸収スペクト
ル(IR)及び 1H‐NMRによって同定した。例えば
当該化合物のIRにおいては、1770〜1780cm-1及び1850
cm-1にカルボン酸無水物のC=O伸縮に起因するピーク
が観察された。また、 1H‐NMRにおいて、δ 1.8〜
2.2 に三つの−CH2 −に起因するピーク6H分(出発
物質の1-または5-メチルノルボルネン-2,3- ジカルボン
酸無水物では2H分、5-メチレンノルボルナン-2,3- ジ
カルボン酸無水物では4H分しか観察されない)が、δ
2.8〜3.6 に五つの>CH−に起因するピーク5H分
(出発物質の5-メチレンノルボルナン-2,3- ジカルボン
酸無水物及び5-メチルノルボルネン-2,3-ジカルボン酸
無水物では4H分、1-メチルノルボルネン-2,3- ジカル
ボン酸無水物では3H分しか観察されない)が、そして
δ 5.5〜5.6 にノルボルネン環の=CH−に起因するピ
ーク1H分が観察され、他方、メチル基のピーク(出発
物質の1-または5-メチルノルボルネン-2,3- ジカルボン
酸無水物では3H分観察される)及びビニリデンのピー
ク(出発物質の5-メチレンノルボルナン-2,3- ジカルボ
ン酸無水物では2H分観察される)が観察されなかっ
た。これらのことより、生成物は5-(2,4-ジオキソテト
ラヒドロ-3- フラニルメチル)-5-ノルボルネン-2,3- ジ
カルボン酸無水物であることが判明した。
【0035】攪拌機を備えた 500mlのオートクレーブ中
に、上記で得られた生成物120g、パラジウム触媒2.4g
(5重量%の金属パラジウムを担持)及び溶媒としての
テトラヒドロフラン120gを装入し、オートクレーブ内を
水素で置換した後、水素圧80kg/cm2 Gで 120℃に加熱
し、攪拌下で4時間水素添加反応を行った。反応終了
後、減圧濾過によって触媒を除去し、次に、常圧で徐々
に加熱して150 〜170 ℃まで昇温し(加温しないと固体
になってしまう)て常圧蒸留を行い、さらに減圧にして
溶媒であるテトラヒドロフランを完全に留去して、112g
の生成物を得た。この生成物の分析結果を、表1に示
す。
【0036】
【表1】
【0037】* δ(単位ppm)、括弧内は面積強度を対応
するプロトンの数で表現したもの 以上より、本実施例の生成物は、5-(2,4-ジオキソテト
ラヒドロ-3- フラニルメチル)ノルボルナン-2,3- ジカ
ルボン酸無水物であることが判明した。尚、水素添加前
の生成物 5-(2,4-ジオキソテトラヒドロ-3- フラニルメ
チル)-5-ノルボルネン-2,3- ジカルボン酸無水物のヨウ
素価は 88.2 であった。水素添加後の生成物においてヨ
ウ素価が2.6 に減少したことは、上記の結論を支持する
ものである。
【0038】
【参考実施例2】還流冷却器及び攪拌機を備えた容量3
リットルの四つ口フラスコに無水マレイン酸98g 及び溶
媒としてベンゼン100gを導入し、内部温度を20〜25℃に
保ちながら、スチームクラッカーにて得られた下記の組
成を有する炭化水素留分1,4000gを1時間に亘り滴下し
た。その後徐々に内部温度を80℃まで昇温し、80℃にて
3時間ディールス‐アルダー反応を行った。反応生成物
から蒸留により未反応成分を留去することにより、液状
であるジカルボン酸無水物の混合物176gを得た。次い
で、上記で得られたジカルボン酸無水物の混合物を 170
℃にて3時間加熱することによりエンド‐体から対応す
るエキソ‐体への立体異性化反応を行った後、減圧蒸留
により精製することにより淡黄色透明の液体165gをジオ
レフィン成分基準の収率93%にて得た。
【0039】また、上記の液体生成物をガスクロマトグ
ラフにて分析することにより、その組成は、endo-1- メ
チル-5- ノルボルネン-2,3- ジカルボン酸無水物が17.0
%であり、endo-5- メチル-5- ノルボルネン-2,3- ジカ
ルボン酸無水物が31.7%であり、exo-5-メチル-5- ノル
ボルネン-2,3- ジカルボン酸無水物が31.5%であり、ビ
シクロ[2.2.2]-5-オクテン-2,3- ジカルボン酸無水物が
9.7%であり、3-エチル‐Δ4 - テトラヒドロフタル酸
無水物が 4.2%であり、4-エチル‐Δ4 - テトラヒドロ
フタル酸無水物が 5.9%である混合物であることが判明
した。
【0040】スチームクラッカーにて得られた炭化水素
留分の組成 メチルシクロペンタジエン 4.6% 1,3-シクロヘキサジエン 0.6% 1,3-ヘキサジエン 0.2% 2-エチル-1,3- ブタジエン 0.3% C6 〜C7 オレフィン、パラフィン 6.2% ベンゼン 54.6% トルエン 33.5% 上記で得られた混合物を、パラジウム触媒の存在下、水
素圧50kg/cm2 G、100 ℃にて5時間、ヨウ素価が1以
下になるまで水素化した。次に、濾過により触媒を除去
して無色透明の液体を得た。NMRスペクトルより、当
該水素化物は、対応する脂環式ジカルボン酸無水物とな
っていることが確認された。NMR以外の分析データは
次の通りである: 色相(APHA) 15 ヨウ素価(I2 g/100g) 0.8 中和価(KOHmg/g ) 620 組成(ガスクロマトグラフィーによる) endo-1- メチルノルボルナン-2,3- ジカルボン酸無水物 16.5% endo-5- メチルノルボルナン-2,3- ジカルボン酸無水物 31.1% exo-5-メチルノルボルナン-2,3- ジカルボン酸無水物 32.0% ビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3- ジカルボン酸無水物 9.8% 3-エチルヘキサヒドロフタル酸無水物 4.1% 4-エチルヘキサヒドロフタル酸無水物 6.5% 尚、原料のMeNAの中和価は 626であった。中和価が
殆ど低下していないことより、酸無水物基が変化してい
ないことが分かる。
【0041】
【実施例1】参考実施例1で得られた最終生成物(粗H
MNTC)30部と、参考実施例2で得られた無色透明
液体(粗HMeNA)70部とを、80℃のオーブンに
入れて加熱混合して均一にすることにより、エポキシ樹
脂硬化剤を製造した。
【0042】次に、エポキシ樹脂(商標;エピコート 8
28、油化シェル株式会社製) 100部、上記で得たエポキ
シ樹脂硬化剤85部及び硬化促進剤として2-エチル-4- メ
チルイミダゾール(四国化成株式会社製) 0.5部を、室
温にて配合した。この配合物を 100℃にて2時間、引き
続いて 170℃にて15時間硬化反応させて、硬化物を得
た。この硬化物について、JIS K6911に準拠して、熱
変形温度(HDT)及び曲げ強度を測定した。結果を表
2に示す。
【0043】
【実施例2〜4及び比較例1〜2】エポキシ樹脂硬化剤
の組成及び配合量を表2に示すようにした以外は実施例
1と同様にして配合して、同一条件で硬化反応を行っ
た。得られた硬化物について、実施例1と同様に熱変形
温度(HDT)及び曲げ強度を測定した。結果を表2に
示す。
【0044】
【表2】
【0045】表2より、HMNTC及びHMeNAの両
者を含む実施例1〜4のエポキシ樹脂硬化剤は、HMe
NAを単独で使用した比較例1に比べて耐熱性が改善さ
れており、またHMNTC単独で使用した比較例2に比
べて機械的強度が向上していることがわかる。
【0046】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂硬化剤を用いた硬
化物の耐熱性及び機械的強度が優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 廣 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡一丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) 5-(2,4- ジオキソテトラヒドロ-3-
    フラニルメチル)ノルボルナン-2,3- ジカルボン酸無水
    物、及び(B) メチルノルボルナン-2,3- ジカルボン酸無
    水物を含有してなるエポキシ樹脂硬化剤。
  2. 【請求項2】 上記 (A)及び (B)を5:95〜95:5の重
    量比で含有する請求項1記載のエポキシ樹脂硬化剤。
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