JPH0564894U - 能動消音装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 低周波音域を効率良く能動消音する。 【構成】 ５００Ｈｚ以下の騒音と逆位相の干渉音をつ
くり出す干渉音創生回路と、該干渉音創生回路からの出
力を受けて干渉音を発生させるスピーカとを有した能動
消音装置。干渉音創生回路は、騒音集音用のマイク１、
干渉音出力用のスピーカ９、評価用マイク１１等を備え
ている。スピーカ９にはオーディオ装置１６から音楽や
自然音が供給される。 【効果】 ５００Ｈｚ以下の低周波音域を能動消音する
ため、この低周波音域を効率良く能動消音することがで
きる。高周波音域については、音楽又は自然音によりマ
スキングされ、心地良い音場をつくり出すことができ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は能動消音の原理に基いた消音装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

消音装置の一つとして、騒音に対し逆位相の音（干渉音）を付加し、干渉効果 によって消音する能動消音装置がある。

【０００３】 この能動消音の一形態として、実際に発生している騒音を検出し、それと逆位 相の干渉音を発生させる適応能動消音がある。

【０００４】 別の能動消音方式として、騒音源が間欠的に作動されるものである場合、予め 騒音源で発生する騒音を記憶装置に記憶させておき、騒音源の作動時にはこの記 憶音と逆位相の干渉音を発生させる消音装置も考えられている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

能動消音装置は、低周波音域については効率良く消音できるが、高周波音域に ついては低周波音域に比べると消音効率が低くなるという特性がある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

請求項１の能動消音装置は、騒音と逆位相の干渉音をつくり出す干渉音創生回 路と、該干渉音創生回路からの出力を受けて干渉音を発生させるスピーカとを有 した能動消音装置において、前記干渉音創生回路は、低周波音域の騒音に対して のみ干渉音をつくり出すことを特徴とするものである。

【０００７】 請求項２の能動消音装置は、請求項１において、音楽又は自然音を発生させる 手段を備えたことを特徴とするものである。

【０００８】 なお、自然音としては、小川のせせらぎや、鳥や動物の鳴き声などが例示され る。

【０００９】

【作用】

請求項１の能動消音装置にあっては、低周波音域を効率良く能動消音すること ができる。

【００１０】 請求項２の能動消音装置によると、音楽や自然音によってマスキングする。

【００１１】

【実施例】

以下、図面を参照して実施例について説明する。第１図は実施例に係る能動消 音装置のブロック図、第２図はこの能動消音装置の周波数特性図である。

【００１２】 第１図の通り、この能動消音装置の干渉音創生回路においては、マイク１の検 出音を取り込み、これを増幅器３で増幅した後、５００Ｈｚ以下の低周波信号の みをパスさせるローパスフィルタ（ＬＰＦ）４を通して５００Ｈｚ以下の低周波 音信号のみを選別する。この低周波音信号をＡ／Ｄ変換器５にてＡ／Ｄ変換し、 ディジタルフィルタ（ＤＦ）６にて位相反転信号とする。この反転信号をＤ／Ａ 変換器７にてＤ／Ａ変換した後、増幅器８で増幅し、スピーカ９から音を出す。 このスピーカ９へ出力される音は、マイク１で検出された音又は現に検出されつ つある音と逆位相の干渉音であり、能動消音が行なわれる。

【００１３】 本実施例では、適応能動消音を併用するようにしており、適応能動消音用マイ ク（評価用マイク）１０が設けられると共に、適応能動消音用の増幅器１２、５ ００Ｈｚ以下の低周波信号のみをパスさせるローパスフィルタ１３、Ａ／Ｄ変換 器１４及び適応制御器１５を設置している。評価用マイク１０で検出された音は 、増幅された後、ローパスフィルタ（ＬＰＦ）１３を通り、Ａ／Ｄ変換された後 、適応制御器１５に入力される。この適応制御器１５は、消音作用が十分に発揮 されているか判定し、ディジタルフィルタ（ＤＦ）６や増幅器８に制御信号を送 り、反転信号の位相や反転音の音圧を適正化し、十分な消音を行なう。

【００１４】 本実施例では、このスピーカ９に対しオーディオ装置１６からの音楽や自然音 の音声信号が重畳して供給されている。

【００１５】 このように構成された能動消音装置においては、５００Ｈｚ以下の低周波音域 を能動消音するため、この低周波音域を効率良く能動消音することができる。高 周波音域については、音楽又は自然音によりマスキングされ、心地良い音場をつ くり出すことができる。

【００１６】 第２図は音圧レベルの周波数分布を示すものであり、現実の騒音が能動消音 により５００Ｈｚ以下の音域においての如く消音されている。これに、音楽を 重畳させることにより、の音場がつくられている。

【００１７】 上記実施例では５００Ｈｚを消音対象たる低周波音域の上限値としているが、 ３００〜７００Ｈｚの間の任意周波数を低周波上限値としても良い。

【００１８】 上記実施例では適応能動消音を行なっているが、本考案では、予め騒音データ をメモリに記憶させておき、この記憶データに基いて干渉音を出力しても良い。

【００１９】 また、本考案では、マイクの検出音の音圧レベルが閾値以上になった場合にの み能動消音作動させるようにしても良い。このようにすれば、スピーカ等の作動 頻度が減少し、その耐久性が向上する。

【００２０】 本考案は、浴室、リビング、キッチン、トイレルーム、オフィスルームなど各 種の室に適用できる。

【００２１】

【考案の効果】

以上の通り、本考案の請求項１の能動消音装置によると、低周波音域を確実に 能動消音することができる。また、請求項２の能動消音装置によると、高周波音 域が音楽又は自然音でマスキングされるため、きわめて快適な音場をつくり出す ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例に係る能動消音装置の全体ブロック図で
ある。

【図２】音の周波数分布図である。

【符号の説明】

１ マイク ３，１２ 増幅器 ４，１３ ローパスフィルタ ５，１４ Ａ／Ｄ変換器 ６，１５ ディジタルフィルタ ７ Ｄ／Ａ変換器 ８ 増幅器 ９ スピーカ １０ 評価用マイク １６ オーディオ装置

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 騒音と逆位相の干渉音をつくり出す干渉
   音創生回路と、該干渉音創生回路からの出力を受けて干
   渉音を発生させるスピーカとを有した能動消音装置にお
   いて、 前記干渉音創生回路は、低周波音域の騒音に対してのみ
   干渉音をつくり出すことを特徴とする能動消音装置。
2. 【請求項２】 請求項１において、音楽又は自然音を発
   生させる手段を備えたことを特徴とする能動消音装置。