JPH0564820U - 車載用カメラの防塵構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車載用カメラの開閉口開閉に際しスペースを
設ける必要のない防塵構造を提供すること。 【構成】 本願第一の考案は、撮像ブロックが組み込ま
れたカメラ箱体の前面に、カメラフロントガラスが臨む
開口部を形成し、前記カメラ箱体の前面に、左右方向に
スライド可能として防塵シャッタを装着し、該防塵シャ
ッタをスライドさせるモータを、前記カメラ箱体内に収
めた。そして本願第二の考案は、カメラ箱体の前面に使
用時にカメラフロントガラスが臨む開口部を形成し、前
記カメラ箱体内に、自転可能な撮像ブロック及び該撮像
ブロックを回転させるためのモータを収め、更に、前記
撮像ブロックの外壁の適位置に、不使用時に前記開口部
を閉塞するシヤッタ部を設けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、本願考案は、車載用カメラの防塵構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

バスやトラック等の大型車は、運転席から見えない箇所、所謂死角を有してお り、安全性確保のためにカメラを備えることが行われている。つまり、大型車の 屋根後端部にカメラを取り付け、運転席に備えたモニターで死角部分の状況を把 握している。

【０００３】 ところで、車両が走っている時には上記カメラのフロントガラスに泥がつく。 そこで、カメラフロントガラスの前面に、カメラ不使用時にカメラフロントガラ スの前面を閉塞する防塵シヤッタを設けていた。具体的には、図１１、図１２に 示すように、カメラ箱体４１の開口部４２の前面に防塵シヤッタ４３を配し、該 防塵用シヤッタ４３の上部に回転軸４４を固着し、該回転軸４４をモータ４５に 接続し、以て、カメラの使用時（バックギヤを入れた時）にモータ４５が駆動さ れ、上記防塵シヤッタ４３が図１２に示されるように回転される構造となってい た。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

そのため、カメラの設置に際しては、防塵シヤッタ４３の回転を許容するため のスペースが必要であった。

【０００５】 もっとも、上記カメラをバス等に取り付ける場合は何等問題はない。しかし、 近時、大型乗用車の後部にカメラを取り付けることが要請されて来ており、この 場合には、上記スペースを確保し難い。またカメラを屋根に取り付けることとす ると見栄えが悪い。つまり従来のカメラは、防塵シヤッタ４３が回転するため、 バス等の一定の車種にしか向いておらず、汎用性に欠けていた。

【０００６】 本考案は上記問題点を解決することを目的として成された。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本願第一の考案は、モータの駆動により、防塵シヤッタがカメラ箱体内の前面 で左右方向にスライド移動される構造のものである。すなわち、撮像ブロックが 組み込まれたカメラ箱体の前面に、カメラフロントガラスが臨む開口部を形成し 、前記カメラ箱体の前面に、防塵シャッタを左右方向にスライド可能に装着し、 該防塵シャッタをスライドさせるモータを、前記カメラ箱体内に収めた。

【０００８】 本願第二の考案は、モータの駆動により、撮像ブロックがカメラ箱体内で回転 する構造のものである。すなわち、カメラ箱体の前面に使用時にカメラフロント ガラスが臨む開口部を形成し、前記カメラ箱体内に、自転可能な撮像ブロック及 び該撮像ブロックを回転させるためのモータを収め、更に、前記撮像ブロックの 外壁の適位置に、不使用時に前記開口部を閉塞するシヤッタ部を設けたものであ る。

【０００９】

【作用】

上記第一の考案の場合、カメラの不使用時、防塵シヤッタが開口部の前面に存 する。そしてカメラを使用しようとする時に、モータが正転駆動され、防塵シヤ ッタが開口部の一側にスライド移動する。つまり、カメラの使用態勢となる。ま た、不使用態勢に移る場合にはモータが逆回転駆動され、防塵シヤッタが開口部 の前面へとスライド移動し、開口部が閉じられる。

【００１０】 上記第二の考案の場合、カメラの不使用時、シヤッタ部が開口部を内側から閉 塞している。そしてカメラを使用しようとする時に、モータが正転駆動され、撮 像ブロックが回転してカメラフロントガラスが開口部に臨む位置にくる。つまり 、カメラの使用態勢となる。また不使用態勢に移る場合には、モータが逆回転駆 動され、撮像ブロックが逆回転し、シヤッタ部が開口部に臨む位置にくる。つま り、開口部が閉じられる。

【００１１】

【実施例】

図１乃至図６は、上記第一の考案の実施例を示し、図中、１は横長に形成され たカメラ箱体であり、該カメラ箱体１の一側（図面では左側）に撮像ブロック２ が固定配置されている。３は上記撮像ブロック２の前面に備えられたフロントガ ラス（以下、「カメラフロントガラス」と称する。）である。そしてカメラ箱体 １の上記カメラフロントガラス３の臨む位置に開口部４が形成されている。

【００１２】 ５は、カメラの不使用時に上記開口部４を閉塞するための防塵シヤッタであっ て、該防塵シヤッタ５は側面視コ字状に形成され、上記カメラ箱体１の前面側か ら外嵌されており、上記カメラ箱体１の左右方向（長手方向）にスライド可能な 装着状態とされている。具体的には、カメラ箱体１の上下面に案内ビス６、６を 突設する一方、防塵シヤッタ５の上下面に、上記案内ビス６、６と係合する長溝 孔７、７を形成し、以て、防塵シヤッタ５をカメラ箱体１に対してスライド可能 な装着状態としている。８、８はストッパで、上記防塵シヤッタ５のスライド範 囲を制限すべくカメラ箱体１の上面に突設されている。９は上記ストッパ８，８ 間に掛け渡し固定された屋根カバーであり、上記長溝孔７を隠して外観を整える 役割を担っている。

【００１３】 上記防塵シヤッタ５の上部後方には、ビス１０によってラック板１１が取り付 けられており、モータ１２によって回転駆動される駆動歯車１３が上記ラック板 １１に噛合している。つまり、モータ１２の駆動によって、駆動伝達機構を介し て駆動歯車１３が回転し、ラック板１１と一体の防塵シヤッタ５が左右方向にス ライド移動する構成とされている。

【００１４】 図４及び図５は、上記駆動力伝達機構を示すための断面図である。１４はモー タ１２によって回転される一番車であり、該一番車１４は二番車１５に噛合して いる。この二番車１５には二番車カナ１５ａが一体に形成されていて、この二番 車カナ１５ａに三番車１６が噛合している。三番車１６にはウオーム１６ａが一 体に形成されており、該ウオーム１６ａに、水平面内で回転するウオームギア１ ７が噛合している。

【００１５】 そしてウオームギヤ１７の回転はスリップ機構１８を介して上記駆動歯車１３ に伝えられる構成とされている。具体的には、駆動歯車１３の中央下面に回転軸 １９を一体的に突設するとともに、該回転軸１９の上下方向中途部に円板２０を 固着し、上記ウオームギヤ１７の上面に円板２１を固着するとともに、該円板２ １及びウオームギヤ１７を上記回転軸１９に遊嵌し、上記両円板２０、２１間に 摩擦材２２を配すると共にウオームギヤ１７をスプリング２３で円板２０の方向 へ付勢する構成としてある。

【００１６】 上記防塵シャッタ５は既述の通り、モータの回転によりスライド移動するもの であって、通常は、ギヤをバックに入れたときにモータ１２が正転し、このモー タ１２の回転が一番車１４、二番車１５、三番車１６、ウオーム１６ａ、ウオー ムギヤ１７、円板２１と噛合して駆動伝達される。円板２１はスプリング２３に より円板２０の側へ付勢されているので、円板２１と２０の間にある摩擦材２２ が円板２１の回転に伴って回転するとと共に、この摩擦材２２の回転により円板 ２０も回転し、該円板２０の回転が回転軸１９に伝達されて駆動歯車１３が回転 し、ラック板１１と一体の防塵シヤッタ５が左右方向にスライド移動する。この ようにして防塵シヤッタ５が開口部４から退避してカメラの使用態勢が整い、反 対にギヤがバックから切換えられた時に、モータ１２が逆回転して駆動歯車１３ が逆回転し、防塵シヤッタ５が開口部４を閉塞する。

【００１７】 上記防塵構造を有する車載用カメラは、防塵シヤッタ５が左右方向にスライド 移動する構成であるため、防塵シヤッタ５の移動に上下方向及び前後方向のスペ ースを必要とせず、例えば図６に示すように乗用車のトランクルーム２４内の後 部枠体２４ａの内側等の狭い場所にも装着使用できる。尚、２５はナンバープレ ートを、そして２６は本考案を適用した車載用カメラを示す。

【００１８】 上記構成によれば、万一モータ１２が故障した場合にも、防塵シヤッタ５を手 で左右に動かすことができる。すなわち防塵シャッタ５を動かすと、ラック板１ １が駆動歯車１３を回転させる。これに伴い回転軸１９と円板２０が回転するが 、円板２１との間に摩擦材２２が介装してあるので、円板２０の回転は摩擦材２ ２又は円板２１を回転させるに至らず、つまりスリップ機構１８におけるスリッ プにより円板２０の回転がここで吸収される。

【００１９】 図７乃至図１０は、上記第２の考案の実施例を示す。この考案では、撮像ブロ ック３１がモータ３２の駆動によりカメラ箱体３３内で自転する構成とされてい る。つまり、撮像ブロック３１にモータ３２の回転軸３４が固着されていて、モ ータ３２が駆動された際、撮像ブロック３１が回転し、該撮像ブロック３１の外 壁適位位置に設けられたシヤッタ部３５が図１０に示す位置に来て開口部３６が 閉塞される構成となっている。３７はカメラフロントガラスを、また、３８は軸 受部を示す。

【００２０】 この第二の考案も、開口部３６を閉塞するためのスペースを必要としない。つ まり、図６に示すように乗用車の後部に収納使用できる。勿論、バスやトラック に搭載使用してもよい。

【００２１】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、開口部の開閉に大きなスペースを必要 とせず、また車に装備した場合に外観を損なうこともなく、殊に乗用車に装備す るのに最適なカメラを提供することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第一の考案の一実施例を示す正面図

【図２】同、平面図

【図３】同、底面図

【図４】同、駆動機構を示す拡大断面図

【図５】図４におけるＡ−Ａ断面図

【図６】使用状態図

【図７】第二の考案の正面図

【図８】同、縦断面図

【図９】図７におけるＢ−Ｂ断面図（開状態）

【図１０】同、（閉塞状態）

【図１１】従来例の正面図

【図１２】同側面図

【符号の説明】

１ カメラ箱体 ２ 撮像ブロック ３ カメラフロントガラス ４ 開口部 ５ 防塵シヤッタ １２ モータ ２６ 車載用カメラ ３１ 撮像ブロック ３２ モータ ３５ シヤッタ部 ３６ 開口部 ３７ カメラフロントガラス

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 撮像ブロックが組み込まれたカメラ箱体
   の前面に、カメラフロントガラスが臨む開口部を形成
   し、前記カメラ箱体の前面に、防塵シャッタを左右方向
   にスライド可能に装着すると共に、該防塵シャッタをス
   ライドさせるモータを、前記カメラ箱体内に収めたこと
   を特徴とする車載用カメラの防塵構造。
2. 【請求項２】 カメラ箱体の前面に使用時にカメラフロ
   ントガラスが臨む開口部を形成し、前記カメラ箱体内
   に、自転可能な撮像ブロック及び該撮像ブロックを回転
   させるためのモータを収め、更に、前記撮像ブロックの
   外壁の適位置に、不使用時に前記開口部を閉塞するシヤ
   ッタ部を設けたことを特徴とする車載用カメラの防塵構
   造。