JPH0564161A - ワイド画面テレビジヨン受像機 - Google Patents

ワイド画面テレビジヨン受像機

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JPH0564161A
JPH0564161A JP3244185A JP24418591A JPH0564161A JP H0564161 A JPH0564161 A JP H0564161A JP 3244185 A JP3244185 A JP 3244185A JP 24418591 A JP24418591 A JP 24418591A JP H0564161 A JPH0564161 A JP H0564161A
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circuit
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enlargement
image
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浩一 石橋
Shigeru Hirahata
茂 平畠
Kenji Katsumata
賢治 勝又
Haruki Takada
春樹 高田
Mitsuhisa Konno
光央 紺野
Sunao Suzuki
直 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ある有限な回路で、指定された任意の拡大倍
率で画像の任意部分をワイド画面に拡大表示でき、且つ
高画質な拡大画像を得る。 【構成】 補間倍速処理回路102は、入力端子101
から入力した映像信号に、Y/C分離、走査線補間など
の一連の処理を施す。アスペクト比変換回路103は、
補間倍速処理回路102からの映像信号を、メモリを用
いて水平方向に圧縮する。拡大処理回路104は、水平
圧縮された映像信号に拡大処理を施して、モ−ド設定回
路105により指定された任意部分を水平、垂直方向に
任意の拡大倍率で拡大する。ワイド画面ディスプレイ1
06は、拡大処理された映像信号により、ワイド画面に
縦横の歪のない拡大画像を表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワイド画面ディスプレ
イを有し、画像の任意部分を水平、垂直方向に任意の拡
大倍率で拡大して表示することが可能なワイド画面テレ
ビジョン受像機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、テレビジョン受像機の大型化にと
もない、表示画像の高画質化が必須のものとなり、種々
の高品位テレビジョン方式が提案され、実用化されつつ
ある。高品位テレビジョン方式には、現行テレビジョン
方式(NTSC)と走査線数、フィ−ルド周波数は等し
いが、臨場感を高めるためアスペクト比をワイド化(1
6:9)した第二世代EDTV(Extended definition
TV)や、現行テレビジョン方式と走査線数、フィ−ルド
周波数が異なり、アスペクト比もワイド化(16:9)
したHDTV(High definition TV)などがある。
【0003】将来は上記のHDTVが主流になると予想
されるが、それと同時に当分の間はアスペクト比の異な
る、HDTV方式と現行テレビジョン方式が共存してい
くことも予想される。従って、テレビジョン受像機もア
スペクト比16:9のワイド画面ディスプレイが用いら
れることになる。
【0004】そこで、現行のアスペクト比4:3の映像
信号をアスペクト比16:9のワイド画面ディスプレイ
に表示することが必要となるが、その表示方法が、例え
ば、特開平1−194783号公報などに示されてい
る。
【0005】そこでは、例えば、図16(a1)に示す
ようなアスペクト比4:3の映像信号を受信した場合に
は、そのままアスペクト比16:9のワイド画面に表示
すると、図16(a2)に示すような水平方向に間延び
した画像となる。そのため、図16(a3)に示すよう
に、メモリを用いて映像信号を水平方向に圧縮し左右に
枠を挿入して表示するか、または、図16(a4)に示
すように、画像の上下をカットしてアスペクト比16:
9のワイド画面全体に拡大表示する。
【0006】また、映画ソフトなど、図16(b1)に
示すような上下にブランクが挿入された横長の映像信号
を受信した場合には、水平圧縮して表示すると、図16
(b2)に示すように、アスペクト比16:9のワイド
画面の中央に小さく表示され、画面の使用効率が悪く臨
場感も損なわれるため、前記拡大表示により、図16
(b3)に示すように横長の画像部分をアスペクト比1
6:9のワイド画面全体に拡大表示する。
【0007】このように、ワイド画面ディスプレイを備
えたテレビジョン受像機では、ワイドなアスペクト比
(16:9)の映像信号だけでなく、非ワイドなアスペ
クト比(4:3)の映像信号をも受信して、ワイド画面
ディスプレイに適合させるためのアスペクト比変換を行
うことにより、アスペクト比の異なる映像信号を歪なく
表示する。
【0008】また、入力映像信号が映画ソフトなど画像
の上下にブランクが挿入された横長の映像信号の場合に
は、前記拡大方法により、その画像部分をワイド画面全
体に拡大表示するなど、ワイド画面ディスプレイを有効
に利用して臨場感のある表示画像を得るための種々の工
夫がなされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、市場には様々
な画像サイズを持つ映画ソフトが供給されており、図1
6(b3)に示す表示モ−ドだけでは十分に対応できな
い。
【0010】図17にその例を示す。図17において、
(a)はブランク部分に字幕がある映像信号を入力し、
前記拡大方法で拡大した場合に、ワイド画面から字幕部
分が欠けてしまう例であり、また、(b)は上下のブラ
ンク領域の大きい映像信号を入力し、前記拡大方法で拡
大した場合に、ワイド画面の上下にブランク部分が残っ
てしまう例である。
【0011】この解決法として、特開平3−11891
号公報に示されているように、設定拡大倍率数の増加
や、拡大位置可変などがあげられる。しかし、設定拡大
倍率数に応じた数の拡大回路を必要としているため、設
定拡大倍率数の増加に伴い回路規模も大きくなり、より
高価となってしまう。また、拡大倍率が(N+1)/N
倍しか指定できないという問題もある。
【0012】そこで、本発明の目的は、ある有限な回路
で、映画ソフトなどの様々な画像サイズに対応した拡大
を含め、指定された任意の拡大倍率で画像の任意部分を
ワイド画面に拡大表示でき、且つ高画質な拡大画像が得
られるワイド画面テレビジョン受像機を提供することに
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的は、入力された
映像信号に対して少なくとも走査線補間を行いノンイン
タレース化して出力する補間処理手段と、アスペクト比
をワイド画面ディスプレイに適合させるためのアスペク
ト比変換手段と、隣合う上下2つの画素をそれぞれN/
[2n],1−N/[2n](但し、[2n]は2のn
乗を表わし、nは3〜8の自然数、Nは0≦N≦[2
n]である。)なる係数にて係数倍して合成して補間画
素を作成し垂直方向に拡大する垂直拡大手段と、上記垂
直拡大手段の出力信号を入力し、隣合う左右2つの画素
をそれぞれ前記N/[2n],1−N/[2n]なる係
数にて係数倍して合成して補間画素を作成し水平方向に
拡大する水平拡大手段と、画像の拡大すべき位置を指定
すると共に、N/[2n],1−N/[2n]なる係数
では作成できない補間画素を必要とする倍率及び(N+
1)/N倍以外の倍率を含む種々の設定倍率の中から、
任意の拡大倍率を選択して設定するモ−ド設定手段と、
ワイド画面ディスプレイと、を有するテレビジョン受像
機により達成できる。
【0014】
【作用】前記アスペクト比変換手段は、非ワイドなアス
ペクト比を持つ映像信号をワイド画面ディスプレイに歪
なく表示するため、メモリを用いて映像信号を水平方向
に圧縮する。前記垂直拡大手段は、隣合う上下の2つの
画素をそれぞれN/[2n],1−N/[2n]なる係
数にて係数倍して合成し、新たな垂直画素を作成する。
前記水平拡大手段は、隣合う左右2つの画素をそれぞれ
N/[2n],1−N/[2n]なる係数にて係数倍し
て合成し、新たな水平画素を作成する。このとき、指定
された任意の拡大倍率に対し、補間されるべき画素がN
/[2n],1−N/[2n]で表現できない位置にな
る場合でも、N/[2n],1−N/[2n]で近似し
て補間を行う。画像の垂直、水平相関が強いことから、
前述のように係数を近似して拡大しても高画質な拡大画
像が得られる。
【0015】
【実施例】図1に、本発明の一実施例の構成を示す。図
1において、101はディジタル化された映像信号の入
力端子、102は入力信号に応じた信号処理を行い倍速
化された映像信号を出力する補間倍速処理回路、103
は入力された映像信号のアスペクト比を後述のワイド画
面ディスプレイに適合させるためのアスペクト比変換回
路、104は映像信号による表示画像の任意部分を任意
倍率で拡大する拡大処理回路、105は前記アスペクト
比変換回路103の変換方法の指定や前記拡大処理回路
104の拡大倍率及び拡大位置などの指定を行うモ−ド
設定回路、106はワイド画面ディスプレイである。
【0016】では、入力信号として4:3の非ワイドな
アスペクト比を持つNTSC信号を入力した場合の概略
動作について説明する。本実施例では、まず、入力端子
101から入力したディジタル化された映像信号を、補
間倍速処理回路102に入力し、Y/C分離、走査線補
間などの一連の処理を施して、輝度信号、色差信号など
の映像信号を出力する。なお、補間倍速処理回路102
は、入力端子101に入力した映像信号がインタレ−ス
走査方式の信号のため、動き適応型の回路を備えた方
が、動きのある無しにかかわらず拡大時の画質劣化を軽
減することができる。
【0017】次に、補間倍速処理回路102により出力
された映像信号を、アスペクト比変換回路103に入力
し、ワイド画面ディスプレイ106に適応させるため、
メモリを用いて水平方向に圧縮する。これは、アスペク
ト比変換回路103内部のメモリの読み出しクロックの
周波数を書き込みクロックの周波数の約4/3倍とすれ
ばよい。なお、補間処理後の映像信号は、NTSC信号
の水平走査周波数15.75kHzを31.5kHzの
倍速に変換してアスペクト比変換回路103に入力する
と説明したが、実走査線信号と補間走査線信号の2系統
の信号をアスペクト比変換回路103に入力してもよ
い。この場合、アスペクト比変換回路103は2系統で
合成となるが、使用周波数が小さくなるため回路の消費
電力は小さくなるという利点がある。
【0018】更に、アスペクト比変換回路103により
水平圧縮された映像信号を、拡大処理回路104に供給
し、モ−ド設定回路105により指定された任意部分を
水平、垂直方向に任意倍率で拡大する。
【0019】この様子を図2に示す。図2(a)は水平
圧縮された映像信号による画像を示し、図2(b)、
(c)、(d)はそれぞれモ−ド設定回路105で指定
された部分を指定された倍率で拡大した画像を示す。
【0020】なお、画像の拡大位置を可変するには、垂
直拡大の場合にはフィ−ルドメモリにおける映像信号の
書き込み位置及び読み出し位置、水平拡大の場合にはラ
インメモリにおけるの映像信号の書き込み位置及び読み
出し位置を変えることにより実現できる。メモリの書き
込み位置及び読み出し位置を変える具体的な手段は、既
に特開昭64−46377号公報などで公知であり明ら
かであるため、ここでは拡大の具体的な回路と制御方法
について述べる。
【0021】図16(a4)、(b3)の拡大表示モ−
ドを実現するために、本実施例では、拡大処理回路10
4等で、水平方向に圧縮された状態から水平、垂直両方
向に4/3倍の拡大を行う。垂直方向には、例えばフィ
−ルドメモリとラインメモリを用いることによって実現
可能となり、水平方向には、例えばラインメモリと1画
素を記憶する画素メモリを用いることによって実現可能
となる。
【0022】図3に、図1におけるアスペクト比変換回
路103と拡大処理回路104の一具体例を示す。これ
ら回路によって、4/3倍を含め画像の任意部分を任意
の拡大倍率で拡大するものである。
【0023】図3において、201は前記補間処理回路
102からの映像信号が入力する映像入力端子、202
はフィールドメモリ、203、204はラインメモリ、
205、206は垂直用係数器、207は加算器、20
8は画素メモリ、209、210は水平用係数器、21
1は加算器、212はワイド画面ディスプレイ106へ
の出力端子である。また、213は前記モード設定回路
105からの指示を受け、フィールドメモリ、垂直用係
数器を制御する垂直拡大制御回路、214は前記モ−ド
設定回路105からの指示を受け、ラインメモリ、画素
メモリ、及び水平用係数器を制御する水平拡大制御回路
である。
【0024】図3の回路動作について図4を用いて説明
する。図4は垂直に4/3倍に拡大する場合の走査線構
造の一例を示している。図4において、A〜F、Zは走
査線、(a)は入力端子201から前記フィ−ルドメモ
リ202に入力される映像信号、(b)は前記ラインメ
モリ203から読み出された出力信号、(c)は前記ラ
インメモリ204から読みだされた出力信号、(d)は
加算器207の出力信号である。
【0025】フィ−ルドメモリ202に入力された映像
信号(a)は、本例4/3倍の場合には、3ライン読み
だした後1ライン読みだし動作を停止し、さらにライン
メモリ203でアスペクト比変換などが行われた後、
(b)のような形で出力される。ラインメモリ203か
ら出力された映像信号と、ラインメモリ204によって
更に1ライン遅延した映像信号(c)とに、(d)に示
すように指定された拡大倍率によって決まる係数α、β
を掛けて加算することにより、もとの3本の走査線から
新しい4本の走査線を得ている。
【0026】一方、水平拡大の場合には、図4の走査線
を画素に置き換えて考えるとよい。すなわち、A〜F、
Zは画素、(a)はラインメモリ203の入力、(b)
は加算器207の出力、(c)は画素メモリ208の出
力、(d)は加算器211の出力である。
【0027】ラインメモリに入力された映像信号は、4
/3倍の場合には、3画素読み出した後1画素読みだし
を停止し、加算器207から出力された映像信号と画素
メモリ208により1画素遅延した映像信号とに、指定
された拡大倍率によって決まる係数を掛けて加算するこ
とにより、もとの3画素から新しい4画素が得られる。
【0028】図5に前記係数器の詳細な回路例を示す。
図5において、501は映像信号の入力端子で、垂直拡
大の場合にはラインメモリ203または204の出力信
号、水平拡大の場合には、加算器207または画素メモ
リ208の出力信号が入力される。拡大倍率4/3倍の
場合には501に入力された映像信号と、その映像信号
を1/2倍、1/4倍したものとを垂直拡大制御回路2
13からの制御信号に従い加算することにより、ある係
数倍された信号が得られ、出力端子502から出力され
る。
【0029】ところで、図3における破線内の回路は、
数1に示す式の変形より、図6のような回路構成にして
も同一の機能を有する。図6において、301は引き算
回路であり、その他の回路ブロックで図3と同じ符号の
ものは同一の働きをする。図6に示す回路構成の方が図
3の回路構成の対し回路規模が小さく実現できるという
利点がある。
【数1】
【0030】さて、図7に、垂直方向に4/3倍に拡大
する場合の拡大処理前の走査線と拡大処理後の走査線、
すなわち補間走査線の重心の位置を示す。この図におい
て、(a)は拡大前の走査線、(b)は補間走査線の重
心の位置、(c)は補間走査線の作成式である。
【0031】拡大処理前の走査線(a)のうち隣合う上
下の走査線により、拡大処理前の映像に対して(b)の
ような位置に重心を持つ補間走査線を作成し、その補間
走査線をもとの走査線の位置に配置していくことにより
拡大を実現している。
【0032】ここで、拡大に用いられる係数は、拡大倍
率が4/3倍の場合には1/4、3/4、1/2などN
/[2n](但し、[2n]は2のn乗を表わし、Nは
0≦N≦[2n]である。)で表され、[2n]が走査
線間の分割数、つまり、拡大処理前の2ラインによりこ
の2ラインの間に作成可能な重心の異なる補間走査線の
数を示す。本例4/3倍の場合は[2n]=4であり、
従って、拡大前の2ラインにより、この2ラインの間に
重心の異なる4種類の補間走査線を作成できる。ここ
で、拡大倍率をより細かく指定するためには、走査線間
の分割数つまり[2n]をより大きくとればよい。
【0033】では、[2n]をより大きくとった場合の
例として、[2n]=256の場合について説明する。
図8に示すように走査線間の分割数[2n]を256に
とると、拡大処理前の2ラインによる演算処理により、
この2ラインの間に256通りの重心の異なる補間走査
線Y1〜Y256を作成できる。
【0034】しかし、指定された拡大倍率によっては、
拡大に用いられる係数がN/256で表せない場合があ
る。例えば、[2n]が256より大きい数でしか表さ
れないような係数あるいはN/[2n]で表すことがで
きない係数などである。このように、さらに細かく拡大
倍率が指定される場合には、[2n]をさらにより大き
くとるようにすればよいが、それに伴い回路規模も大き
くなり、より高価になってしまう。
【0035】そこで、ある有限な回路であらゆる拡大倍
率を指定することができる例について図9を用いて説明
する。この図のYに示す位置(すなわち、N/256で
表される係数による演算では作成できない位置)に重心
を持つような補間走査線が必要な場合には、この重心の
位置と、これを挟むN/256の係数で作成できる補間
走査線の重心の位置と、の差をとり、その差の小さい方
を選択する。例えば、図9においては上側の位置を選択
する。
【0036】また、常に本来必要な補間走査線の位置の
上側または下側の補間位置にある補間走査線を選択する
ようにしてもよい。以上述べたような係数近似法を用い
ることにより、走査線分割数[2n]の大きさで決まる
ある有限な回路であらゆる拡大倍率も設定できるように
なる。
【0037】この係数近似を行う図3における垂直拡大
制御回路213の一具体例を図10に示す。この図にお
いて、1201はモ−ド設定回路105で設定された拡
大倍率に対応した係数を発生する係数発生回路、120
2は係数発生回路1201で発生した本来の係数をN/
[2n]の係数に変換する係数変換回路である。また、
これらの2つの回路を含む垂直拡大制御回路213は、
この他にアスペクト比変換回路103の制御部分も含む
が同図では省略している。
【0038】図10において、前記モ−ド設定回路10
5により任意の拡大倍率が指定されると、前記垂直拡大
制御回路213により、指定された拡大倍率を実現する
ために、必要な補間走査線がN/[2n]で表される係
数で表すことができない場合には、その係数を補間走査
線が本来の重心の位置に最も近くなるようなN/[2
n]で近似することにより補間を行う。
【0039】次に、N/[2n]におけるnについて考
える。NTSC信号における垂直走査線数は262本/
フィ−ルドであるため、n=8([2n]=256)で
あれば原理的には256倍の拡大まで実現するのに十分
な値となる。しかし、256倍は2本の走査線に相当す
る画像を画面いっぱいに拡大することを意味し、実際の
拡大倍率としては、そこまで大きなものは必要なく、せ
いぜい2〜3倍までの任意拡大倍率を実現すればよいこ
とが予想される。この程度の拡大倍率では、画像の垂直
相関、水平相関が強いため、n=3([2n]=8)と
しても画質劣化がほとんどないことを実験的に確認し
た。
【0040】ここで、係数をN/[2n]で表すことが
できない例として、3/2倍に拡大する場合の係数を前
述のN/8(n=3)で近似する場合を図11に示す。
図11において、(a)は図7同様拡大前の走査線であ
り、(b)は補間走査線の本来の重心の位置である。係
数をN/8で表すことにより拡大前の走査線A、Bによ
り1〜8の位置に重心を持つ補間走査線を作成でき、
B、Cにより9〜16の位置に重心を持つ補間走査線を
作成できる。この図において、Y2は拡大処理前の走査
線A、Bにより作成可能な補間走査線の重心の位置5と
6の間に重心を持つため、Y2から5、6までの差をと
り、その差の小さい5を選択する。Y3の場合も同様の
方法により11を選択する。同様の方法で7/6倍に拡
大した場合について図12に示す。
【0041】次に、(N+1)/N倍以外の拡大倍率の
場合、すなわち、補間走査線の重心の位置がもとの2本
の走査線の間に少なくとも2つ以上ある場合、ここでは
7/5倍を例にとり、図13を用いて説明する。この図
に示すように拡大前の走査線C、DによりY4、Y5の
位置に重心を持つ2本の補間走査線を作成することにな
る。
【0042】また、図14に7/5倍に拡大する場合の
走査線構造の一例を示す。図14において、(a)はフ
ィ−ルドメモリ202の入力、(b)はラインメモリ2
03の出力である。また、(c)、(d)はラインメモ
リ204の出力であるが、(c)はラインメモリ203
の映像信号の読み出しを止めたときに同時にラインメモ
リ204の読み出しを止めた場合であり、(d)はライ
ンメモリ203の出力をラインメモリ204により単純
に1ライン遅延したものである。
【0043】前述の拡大倍率4/3倍のような(N+
1)/N倍の場合には、ラインメモリ204は(d)に
示すように1ライン遅延するだけでよいが、7/5倍の
ように、もとの走査線の間に2本の補間走査線が入る場
合には、ラインメモリ204により単純に1ライン遅延
しただけでは実現できない。そのため、水平拡大制御回
路214は、ラインメモリ203、204共に、メモリ
への書き込みを止めると同時に記憶している内容を読み
だすように制御する。
【0044】補間走査線が拡大前の2本の走査線の間に
3本以上作成される場合も、上述の繰返し読みだしの回
数を増加させることで対応できる。水平方向の拡大も同
様で、画素メモリは記憶された画素を保持する機能を有
することになる。以上垂直方向の拡大で説明してきた
が、水平方向の拡大も同様に、垂直拡大の場合の走査線
を画素と考えるだけでよい。
【0045】ところで、図3における一点鎖線内の回路
は図15のような回路構成にしてもよい。図15におい
て、1701は前記加算器207から出力された映像信
号が入力する映像入力端子、1702は映像信号をそれ
ぞれ一画素遅延する遅延回路、A〜Dは画素で、映像の
入力端子1701に入力された映像信号の画素Dに対し
てC〜Aはそれぞれ1〜3画素遅延している。また、1
703、1704はハイパスフィルタ(HPF)、17
05、1706は係数器、209、210は前記水平用
係数器、211は前記加算器である。Yは加算器211
の出力、すなわち垂直補間及び水平補間され拡大された
画像の走査線の出力であり、数2で表される。
【数2】
【0046】同図の構成は、水平方向の画素合成による
高域周波数成分の低下を防ぐという利点がある。つま
り、HPF1703、係数器1705、加算器1707
により画素Cの高域補正を行い、HPF1704、係数
器1706、加算器1708により画素Bの高域補正を
行っている。この高域補正された画素C、Bが、係数器
209、210によりN/[2n]、1−N/[2n]
なる係数倍された後、加算器211により合成しても、
高域周波数成分の劣化の少ない補間画素が実現でき、性
能の向上が図れる。
【0047】図15は水平拡大で説明したが、垂直拡大
の場合も同様でA〜Dを走査線、遅延回路1702はそ
れぞれ入力された映像信号を1ライン遅延すると考えれ
ばよい。
【0048】本発明は、図2、図6、図15に示すよう
に、N/[2n]、1−N/[2n]の係数の合成に種
々の構成が考えられ、変形も可能であるが、これらの係
数を近似して合成する回路を有するものはすべて、本発
明に含まれるものである。
【0049】こうして拡大処理された映像信号は、拡大
処理回路104から出力され、ワイド画面ディスプレイ
106に供給され、ワイドな画面に縦横の歪のない画像
として、入力された映像信号による画像の全体または一
部分が表示される。
【0050】以上図面を用いて説明してきたように、こ
の係数近似拡大を用いることによって、[2n](n=
3〜8)で決まるある有限な回路であらゆる拡大倍率も
実現でき、指定された画像の任意部分をワイド画面全体
に高画質な拡大画像として表示することができる。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、係数をN/[2n]で
近似することにより[2n]の大きさで決まるある有限
な回路規模で、N/[2n]で作成することのできない
補間走査線を必要とする拡大倍率、また(N+1)/N
倍以外の拡大倍率も含めたあらゆる拡大倍率を実現で
き、入力された映像信号による画像の任意部分を任意の
拡大倍率でワイド画面に高画質な拡大画像として表示で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すブロック図である。
【図2】本発明においてワイド画面に画像の任意部分を
拡大して表示した様子を示す説明図である。
【図3】図1におけるアスペクト比変換回路と拡大処理
回路の一具体例を示すブロック図である。
【図4】4/3倍に拡大する場合の走査線構造の一例を
示す説明図である。
【図5】図3における係数器の一具体例を示す回路図で
ある。
【図6】図3における破線内の回路の他の具体例を示す
ブロック図である。
【図7】4/3倍に拡大する場合の補間走査線の重心の
位置を示す説明図である。
【図8】[2n]=256に設定した場合の補間走査線
の重心の位置を示す説明図である。
【図9】N/256で表される係数では作成できない位
置に補間走査線の重心の位置がある場合の例を示す説明
図である。
【図10】図3における垂直拡大制御回路の係数近似回
路部分の一具体例を示すブロック図である。
【図11】3/2倍に拡大する場合の係数をN/8で近
似した場合の補間走査線の重心の位置を示す説明図であ
る。
【図12】7/6倍に拡大する場合の係数をN/8で近
似した場合の補間走査線の重心の位置を示す説明図であ
る。
【図13】7/5倍に拡大する場合の係数をN/8で近
似した場合の補間走査線の重心の位置を示す説明図であ
る。
【図14】7/5倍に拡大する場合の走査線構造の一例
を示す説明図である。
【図15】図3における一点鎖線内の回路の他の具体例
を示すブロック図である。
【図16】従来技術においてワイド画面に画像を拡大し
て表示した様子を示す説明図である。
【図17】従来技術においてワイド画面に画像を4/3
倍に拡大して表示した様子を示す説明図である。
【符号の説明】
101…映像信号の入力端子、102…補間倍速処理回
路、103…アスペクト比変換回路、104…拡大処理
回路、105…モ−ド設定回路、106…ワイド画面デ
ィスプレイ、201…映像信号の入力端子、202…フ
ィ−ルドメモリ、203、204…ラインメモリ、20
5、206…垂直用係数器、207…加算器、208…
画素メモリ、209、210…水平用係数器、211…
加算器、212…映像信号の出力端子、213…垂直拡
大制御回路、214…水平拡大制御回路、301…引き
算回路、501…映像信号の入力端子、502…映像信
号の出力端子、1201…係数発生回路、1202…N
/[2n]係数変換回路、1701…映像信号の入力端
子、1702…遅延回路、1703、1704…HP
F、1705、1706…係数器、1707、1708
…加算器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 勝又 賢治 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所映像メデイア研究所内 (72)発明者 高田 春樹 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所映像メデイア研究所内 (72)発明者 紺野 光央 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所映像メデイア研究所内 (72)発明者 鈴木 直 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立画像情報システム内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のアスペクト比を持つ映像信号を入
    力し、該映像信号による画像を前記第1のアスペクト比
    よりも大きな第2のアスペクト比を持つワイド画面に表
    示するワイド画面テレビジョン受像機において、 前記映像信号を入力し、該映像信号のアスペクト比を前
    記第1のアスペクト比から前記第2のアスペクト比に変
    換して出力するアスペクト比変換回路と、該アスペクト
    比変換回路から出力された映像信号を入力し、該映像信
    号による画像を前記ワイド画面の垂直方向に縮小または
    拡大すべく、前記画像における隣合う上下2つの画素を
    それぞれN/[2n],1−N/[2n](但し、[2
    n]は2のn乗を表わし、nは3〜8の自然数、Nは0
    ≦N≦[2n]である。)なる係数にて係数倍して合成
    することにより、補間画素を作成して出力する垂直拡大
    回路と、該垂直拡大回路から出力された映像信号を入力
    し、該映像信号による画像を前記ワイド画面の水平方向
    に縮小または拡大すべく、前記画像における隣合う左右
    2つの画素をそれぞれN/[2n],1−N/[2n]
    なる係数にて係数倍して合成することにより、補間画素
    を作成して出力する水平拡大回路と、前記映像信号によ
    る画像の縮小または拡大すべき部分を指定すると共に、
    N/[2n],1−N/[2n]なる係数では作成でき
    ない補間画素を必要とする倍率及び(N+1)/N倍以
    外の倍率を含む種々の設定拡大倍率の中から、任意の拡
    大倍率を選択して指定するモ−ド設定回路と、を有し、
    前記映像信号による画像の全体または一部分を縮小ある
    いは拡大して前記ワイド画面に表示し得るようにしたこ
    とを特徴とするワイド画面テレビジョン受像機。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のワイド画面テレビジョ
    ン受像機において、前記アスペクト比変換回路の前段
    に、前記映像信号がインタレ−ス走査方式の映像信号で
    ある場合に、該映像信号に対しフィ−ルド間演算を含む
    走査線補間処理を施す補間処理回路を設けたことを特徴
    とするワイド画面テレビジョン受像機。
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