上述した特許文献1では、垂直方向の画素数を縮小する際に使用する垂直補間回路と垂直方向の画素数を拡大する際に使用する垂直補間回路とを備えるものである。このように2個の垂直補間回路を備えることで、それだけコスト高となるという問題点がある。
そこで、1個の垂直補間回路を兼用して画素数の縮小および拡大の双方を行う構成とすることが考えられる。図14は、1個の垂直補間回路を兼用して画素数の縮小および拡大の双方を行うように構成された画像信号処理部204を備えた画像表示装置200の構成を示している。
この画像表示装置200は、装置全体の動作を制御するシステムコントローラ201と、画像信号Vaが入力される入力端子202とを有している。ここでは、画像信号Vaとして、上述した480i信号が入力されるものとする。この480i信号は、720×480ドットの解像度を持っている。
また、画像表示装置200は、入力端子202に入力される画像信号Va(480i信号)に基づいて、当該画像信号Vaの画面モードを検出する画面モード検出部203を有している。ここで、画面モード検出部203は、入力画像信号Va(480i信号)がレターボックス画面モードであるかフル画面モードであるかを検出し(図13参照)、画面モード検出信号MDを出力する。上述したシステムコントローラ201は、この画面モード検出部203から出力される画面モード検出信号MDに基づいて、後述する画像信号処理部204の動作を制御する。
また、画像表示装置200は、入力端子202に入力される画像信号Va(480i信号)に基づいて、後述する表示素子としてのディスプレイ205に画像を表示するための画像信号Vbを生成する画像信号処理部204を有している。画像信号処理部204は、画像信号Vaの水平方向および垂直方向の画素数を変換する機能を持っている。画像信号処理部204は、システムコントローラ201の制御のもと、水平方向および垂直方向のそれぞれについて、画素数を減らす縮小処理あるいは画素数を増やす拡大処理を選択的に実行する。
また、画像表示装置200は、画像信号処理部204で生成された画像信号Vbによる画像を表示するディスプレイ205を有している。このディスプレイ205は、例えばWXGAの表示規格(解像度1366×768ドット)に対応した、LCD、PDP等のフラットパネルディスプレイである。この場合、上述した画像信号処理部204で生成される画像信号Vbは、WXGA用の768p信号である。
図14に示す画像表示装置200の動作を説明する。
入力端子202には画像信号Va(480i信号)が入力される。この画像信号Vaは、画面モード検出部203および画像信号処理部204に供給される。画面モード検出部203では、画像信号Va(480i信号)がレターボックス画面モードであるかフル画面モードであるかが検出される。この画面モード検出部203から出力される画面モード検出信号MDは、システムコントローラ201に供給される。システムコントローラ201は、この画面モード検出信号MDに基づいて、画像信号処理部204の動作を制御する。
画像信号Va(480i信号)がレターボックス画面モードにある場合、画像信号処理部204では、画像信号Vaに基づいてレターボックスの有効画面のみを表示する画像信号Vbが生成される。この場合、画像信号処理部204では、垂直方向に関しては、原信号の180本部分が倍速変換とI/P変換とで720本に変換され、さらに補間処理によって画素数が720から768に変換され(図13参照)、水平方向に関しては補間処理によって画素数が720から1366に変換されて、画像信号Vbとしての768p信号が生成される。この画像信号Vbはディスプレイ205に供給され、当該ディスプレイ205の画面全体に、レターボックス画面モードに係る480i信号のレターボックスの有効画面のみが表示される。
一方、画像信号Va(480i信号)がフル画面モードにある場合、画像信号処理部204では、画像信号Vaに基づいてフル画面を表示する画像信号Vbが生成される。この場合、画像信号処理部204では、垂直方向に関しては、原信号の240本部分が倍速変換とI/P変換とで960本に変換され、さらに補間処理によって画素数が960から768に変換され(図13参照)、水平方向に関しては補間処理によって画素数が720から1366に変換されて、画像信号Vbとしての768p信号が生成される。この画像信号Vbはディスプレイ205に供給され、当該ディスプレイ205の画面全体に、フル画面モードに係る480i信号のフル画面が表示される。
次に、画像信号処理部204の詳細を説明する。
この画像信号処理部204は、倍速変換部211と、I/P変換部212と、水平縮小補間部213と、垂直ローパスフィルタ214とを有している。倍速変換部211は、入力される画像信号Vaに対して倍速変換の処理を行って各フィールドのライン数を2倍として出力する。この倍速変換部211は、必要とされるときのみ上述の倍速変換の処理を行い、その他のときは入力される画像信号Vaをそのまま出力する。
I/P変換部212は、倍速変換部211から入力される画像信号がインタレース方式であるときプログレッシブ方式に変換する。このI/P変換部212は、入力される画像信号がプログレッシブ方式であるときは、入力される画像信号をそのまま出力する。水平縮小補間部213は、水平方向の画素数を縮小する必要があるときは、I/P変換部212から入力される画像信号に対して水平方向に補間処理を行って水平方向の画素数を縮小して出力する。この水平縮小補間部213は、水平方向の画素数を縮小する必要がないときは、入力される画像信号をそのまま出力する。
垂直ローパスフィルタ214は、後述する垂直補間フィルタ215で垂直方向の画素数の縮小を行うときは、折り返し歪みの発生を防止するため、動作をオンとして、水平縮小補間部213から入力される画像信号の垂直方向の帯域を制限して出力する。この垂直ローパスフィルタ214は、垂直補間フィルタ215で垂直方向の画素数の縮小を行わないときは、動作をオフとして、入力される画像信号をそのまま出力する。
また、画像信号処理部204は、垂直補間フィルタ215と、フィールドメモリ216とを有している。垂直補間フィルタ215は、入力される画像信号に対して、垂直方向に補間処理を行って、垂直方向の画素数の縮小または拡大を行う。フィールドメモリ216は、画像信号をフィールド単位で記憶するものである。
この垂直補間フィルタ215は、画面モード検出信号MDがレターボックス画面モードを示すフィールド、およびこの画面モード検出信号MDが示す画面モードがレターボックス画面モードからフル画面モードに変化した最初のフィールドでは、画素数を拡大する補間処理を行う。また、この垂直補間フィルタ215は、その他の、画面モード検出信号MDがフル画面モードを示すフィールドでは、画素数を縮小する補間処理を行う。
また、画像信号処理部204は、垂直エンハンサ217と、水平拡大補間部218とを有している。垂直エンハンサ217は、垂直補間フィルタ215で垂直方向の画素数の拡大を行うときは、画像のボケを軽減するため、入力される画像信号の高域を強調する。この垂直エンハンサ217は、垂直補間フィルタ215で垂直方向の画素数の拡大を行わないときは、入力される画像信号をそのまま出力する。水平拡大補間部218は、水平方向の画素数を拡大する必要があるときは、垂直エンハンサ217から入力される画像信号に対して水平方向に補間処理を行って水平方向の画素数を拡大して、画像信号Vbとして出力する。この水平拡大補間部218は、水平方向の画素数を拡大する必要がないときは、入力される画像信号をそのまま、画像信号Vbとして出力する。
また、画像信号処理部204は、切換スイッチSW1〜SW3を有している。切換スイッチSW1のa側の固定端子は垂直ローパスフィルタ214の出力側に接続され、そのb側の固定端子はフィールドメモリ216の出力側に接続され、その可動端子は垂直補間フィルタ215の入力側に接続される。切換スイッチSW2のa側の固定端子は垂直補間フィルタ215の出力側に接続され、そのb側の固定端子は垂直ローパスフィルタ215の出力側に接続され、その可動端子はフィールドメモリ216の入力側に接続される。切換スイッチSW3のa側の固定端子はフィールドメモリ216の出力側に接続され、そのb側の固定端子は垂直補間フィルタ215の出力側に接続され、その可動端子は垂直エンハンサ217の入力側に接続される。
そして、切換スイッチSW1〜SW3は、それぞれ、画面モード検出信号MDがレターボックス画面モードを示すフィールド、およびこの画面モード検出信号MDが示す画面モードがレターボックス画面モードからフル画面モードに変化した最初のフィールドではb側に接続され、その他の、画面モード検出信号MDがフル画面モードを示すフィールドではa側に接続される。
画像信号処理部204の動作を説明する。
まず、入力端子202に入力される画像信号Va(480i信号)がレターボックス画面モードである場合について説明する。この場合、垂直方向の画素数を拡大する必要があるので、切換スイッチSW1〜SW3は、それぞれb側に接続される。この場合、垂直ローパスフィルタ214の出力側は切換スイッチSW2を介してフィールドメモリ216の入力側に接続され、このフィールドメモリ216の出力側は切換スイッチSW1を介して垂直補間フィルタ215の入力側に接続され、この垂直補間フィルタ215の出力側は切換スイッチSW3を介して垂直エンハンサ217の入力側に接続される。またこの場合、垂直補間フィルタ215は、垂直方向の画素数を、720から768に拡大する補間処理を行う状態とされる(図13参照)。
入力画像信号Va(480i信号)は、倍速変換部211でライン数が2倍とされ、さらにI/P変換部212でインタレース方式からプログレッシブ方式に変換される。この場合、各フィールドのレターボックスの有効画面のライン数は、倍速変換部211で180本から360本に変換され、I/P変換部212で360本から720本に変換される。
I/P変換部212から出力される画像信号は水平縮小補間部213に入力される。この場合、水平方向の画素数を縮小する必要がなく、水平縮小補間部213からは入力された画像信号がそのまま出力される。この水平縮小補間部213から出力される画像信号は垂直ローパスフィルタ214に入力される。この場合、垂直補間フィルタ215で垂直方向の画素数を720から768に拡大するものであり、垂直ローパスフィルタ214からは入力された画像信号がそのまま出力される。
この垂直ローパスフィルタ214から出力される画像信号は、切換スイッチSW1を介してフィールドメモリ216に入力される。このフィールドメモリ216には、各フィールドにおいて、レターボックスの有効画面に対応した720本のラインが書き込まれる。
また、このフィールドメモリ216から、画像信号Vbに同期した各フィールドにおいて、720本のラインが読み出される。このフィールドメモリ216から出力される画像信号は、切換スイッチSW1を介して垂直補間フィルタ215に入力される。この垂直補間フィルタ215では、各フィールドにおいて、垂直方向の画素数が720から768に変換される。そして、この垂直補間フィルタ215から出力される画像信号は切換スイッチSW3を介して垂直エンハンサ217に入力される。上述したように垂直補間フィルタ215で垂直方向の画素数が拡大されるので、垂直エンハンサ217では入力される画像信号に対して垂直方向の高域が強調される。
この垂直エンハンサ217から出力される画像信号は水平拡大補間部218に入力される。この水平拡大補間部218では、水平方向の画素数が720から1366に拡大される。これにより、水平拡大補間部218から、画像信号Vbとしての768p信号が出力される。この768p信号は、レターボックス画面モードに係る480i信号のレターボックスの有効画面のみを表示するためのものである。
次に、入力端子202に入力される画像信号Va(480i信号)がフル画面モードである場合について説明する。この場合、垂直方向の画素数を縮小する必要があるので、切換スイッチSW1〜SW3は、それぞれa側に接続される。この場合、垂直ローパスフィルタ214の出力側は切換スイッチSW1を介して垂直補間フィルタ215の入力側に接続され、この垂直補間フィルタ215の出力側は切換スイッチSW2を介してフィールドメモリ216の入力側に接続され、このフィールドメモリ216の出力側は切換スイッチSW3を介して垂直エンハンサ217の入力側に接続される。またこの場合、垂直補間フィルタ215は、垂直方向の画素数を、960から768に縮小する補間処理を行う状態とされる(図13参照)。
入力画像信号Va(480i信号)は、倍速変換部211でライン数が2倍とされ、さらにI/P変換部212でインタレース方式からプログレッシブ方式に変換される。この場合、各フィールドのフル画面のライン数は、倍速変換部211で240本から480本に変換され、I/P変換部212で480本から960本に変換される。
I/P変換部212から出力される画像信号は水平縮小補間部213に入力される。この場合、水平方向の画素数を縮小する必要がなく、水平縮小補間部213からは入力された画像信号がそのまま出力される。この水平縮小補間部213から出力される画像信号は垂直ローパスフィルタ214に入力される。この場合、垂直補間フィルタ215で垂直方向の画素数を960から768に縮小するものであり、垂直ローパスフィルタ214では、入力された画像信号の垂直方向の帯域が制限される。
この垂直ローパスフィルタ214から出力される画像信号は、切換スイッチSW1を介して垂直補間フィルタ215に入力される。この垂直補間フィルタ215では、各フィールドにおいて、垂直方向の画素数が960から768に変換される。そして、この垂直補間フィルタ215から出力される画像信号は切換スイッチSW2を介してフィールドメモリ216に入力される。このフィールドメモリ216には、各フィールドにおいて、フル画面に対応した768本のラインが書き込まれる。
また、このフィールドメモリ216から、画像信号Vbに同期した各フィールドにおいて、768本のラインが読み出される。このフィールドメモリ216から出力される画像信号は、切換スイッチSW3を介して垂直エンハンサ217に入力される。上述したように垂直補間フィルタ215で垂直方向の画素数が縮小されるので、垂直エンハンサ217からは入力された画像信号がそのまま出力される。
この垂直エンハンサ217から出力される画像信号は水平拡大補間部218に入力される。この水平拡大補間部218では、水平方向の画素数が720から1366に拡大される。これにより、水平拡大補間部218から、画像信号Vbとしての768p信号が出力される。この768p信号は、フル画面モードに係る480i信号のフル画面を表示するためのものである。
上述したように、画像信号処理部204では、原則として、入力画像信号Va(480i信号)がレターボックス画面モードであるときレターボックスの有効画面の垂直方向の画素数が768となるように変換され、一方入力画像信号Va(480i信号)がフル画面モードであるときフル画面の垂直方向の画素数が768となるように変換される。
しかし、入力画像信号Va(480i信号)がレターボックス画面モードからフル画面モードに移行する遷移時には、一時的にこの原則が崩れ、ディスプレイ205に表示される画像が乱れる。
図15は、この遷移時における画像信号処理の動作の一例を示している。
入力画像信号Va(480i信号)の画面モードが図15Aに示すように変化し、画面モード検出部203から出力される画面モード検出信号MDが示す画面モードが図15Bに示すように変化するものとする。ここで、図15Aは、I/P変換部212でプログレッシブ方式に変換された後の状態を示しており、フィールドF1,F2の入力画像信号Va(480i信号)はレターボックス画面モードにあり、フィールドF3〜F7の入力画像信号Va(480i信号)はフル画面モードにある。また、図15Bにおいて、「W」はレターボックス画面モードを示し、「S」はフル画面モードを示している。この例では、例えば入力画像信号Va(480i信号)にレターボックス画面モードであるかフル画面モードであるかを識別するための情報が付加されているものとし、画面モード検出部203では、入力画像信号Va(480i信号)の画面モードが変化した場合、それを直ちに検出できるものとする。
この場合、システムコントローラ201の制御のもと、切換スイッチSW1〜SW3が図15Cに示すように切り換えられる。すなわち、切換スイッチSW1〜SW3は、画面モード検出信号MDがレターボックス画面モード「W」を示すフィールドF1,F2、および画面モード検出信号MDが示す画面モードがフル画面モード「S」に変化した最初のフィールドF3ではb側に接続され、その後のフィールドF4〜F7ではa側に接続される。
また、垂直ローパスフィルタ214の動作は、システムコントローラ201の制御のもと、図15Dに示すように切り換えられる。すなわち、フィールドF1〜F3ではその動作がオフとされ、その後のフィールドF4〜F7ではその動作がオンとされる。また、垂直補間フィルタ215の動作は、システムコントローラ201の制御のもと、図15Eに示すように切り換えられる。すなわち、垂直補間フィルタ215は、フィールドF1〜F3では垂直方向の画素数を720から768に拡大する補間処理を行うようにされ、その後のフィールドF4〜F7では垂直方向の画素数を960から768に縮小する補間処理を行うようにされる。
そのため、図15Fに示すように、フィールドF1〜F3では、垂直ローパスフィルタ214から出力された画像信号(垂直方向の帯域制限はされていない)が切換スイッチSW2を介してフィールドメモリ216に直接供給されて書き込まれ、またフィールドF4〜F7では、垂直ローパスフィルタ214から出力された画像信号(垂直方向の帯域制限がされている)は、切換スイッチSW1を介して垂直補間フィルタ215に入力されて垂直方向の画素数が960から768に縮小された後、切換スイッチSW2を介してフィールドメモリ216に供給されて書き込まれる。
なお、フィールドF1,F2ではレターボックスの有効画面に対応する720本のラインがフィールドメモリ216に書き込まれ、フィールドF3ではフル画面に対応する960本のラインがフィールドメモリ216に書き込まれ、フィールドF4〜F7ではフル画面に対応する768本のラインがフィールドメモリ216に書き込まれる。
また、図15Gに示すように、フィールドF1〜F3では、フィールドメモリ216から読み出された画像信号が切換スイッチSW1を介して垂直補間フィルタ215に入力されて垂直方向の画素数が720から768に拡大された後、切換スイッチSW3を介して垂直エンハンサ217に入力され、またフィールドF4〜F7では、フィールドメモリ216から読み出された画像信号が切換スイッチSW3を介して直接垂直エンハンサ217に入力される。なお、フィールドF1〜F3では、垂直エンハンサ217で垂直方向の高域が強調されるが、フィールドF4〜F7では、垂直エンハンサ217で垂直方向の高域が強調されることはない。
以上から、図15Hに示すように、フィールドF2,F3では、レターボックスの有効画面の垂直方向の画素数が768画素となるように変換された出力画像信号Vbが得られ、フィールドF5〜F7では、フル画面の垂直方向の画素数が768画素となるように変換された出力画像信号Vbが得られるが、フィールドF4では、そのいずれでもない出力画像信号Vbが得られる。
つまり、フィールドF3では、I/P変換部212から出力される960本のラインがフィールドメモリ216に書き込まれる。そして、フィールドF4では、垂直補間フィルタ215は縮小補間処理のために使用され、フィールドメモリ216から読み出される、上述したフィールドF3で書き込まれた960本のラインのうち、768本のラインが切換スイッチSW3を介して直接垂直エンハンサ217に入力される。したがって、フィールドF4では、その768本のラインからなる画像信号Vbが得られる。
この場合、フィールドF4以降では、入力画像信号Va(480i信号)がフル画面モードに変化した後の画像が表示されることになるが、フィールドF4と、フィールドF5以降では、その垂直方向の画像サイズが段階的(1段階)に変化し、表示画像に乱れが発生する。
図16は、この遷移時における画像信号処理の動作の他の一例を示している。
入力画像信号Va(480i信号)の画面モードが図16Aに示すように変化し、画面モード検出部203から出力される画面モード検出信号MDが示す画面モードが図16Bに示すように変化するものとする。ここで、図16Aは、I/P変換部212でプログレッシブ方式に変換された後の状態を示しており、フィールドF1,F2の入力画像信号Va(480i信号)はレターボックス画面モードにあり、フィールドF3〜F7の入力画像信号Va(480i信号)はフル画面モードにある。また、図16Bにおいて、「W」はレターボックス画面モードを示し、「S」はフル画面モードを示している。
この例では、入力画像信号Va(480i信号)にレターボックス画面モードであるかフル画面モードであるかを識別するための情報は付加されておらず、画面モード検出部203では、入力画像信号Va(480i信号)の画面モードが変化しても、それを直ちに検出できず、画面モード検出信号MDが示す画面モードは2フィールド遅れて変化するものとする。
この場合、システムコントローラ201の制御のもと、切換スイッチSW1〜SW3が図16Cに示すように切り換えられる。すなわち、切換スイッチSW1〜SW3は、画面モード検出信号MDがレターボックス画面モード「W」を示すフィールドF1〜F4、および画面モード検出信号MDが示す画面モードがフル画面モード「S」に変化した最初のフィールドF5ではb側に接続され、その後のフィールドF6,F7ではa側に接続される。
また、垂直ローパスフィルタ214の動作は、システムコントローラ201の制御のもと、図16Dに示すように切り換えられる。すなわち、垂直ローパスフィルタ214は、フィールドF1〜F5ではその動作がオフとされ、その後のフィールドF6,F7ではその動作がオンとされる。また、垂直補間フィルタ215の動作は、システムコントローラ201の制御のもと、図16Eに示すように切り換えられる。すなわち、垂直補間フィルタ215は、フィールドF1〜F5では垂直方向の画素数を720から768に拡大する補間処理を行うようにされ、その後のフィールドF6,F7では垂直方向の画素数を960から768に縮小する補間処理を行うようにされる。
そのため、図16Fに示すように、フィールドF1〜F5では、垂直ローパスフィルタ214から出力された画像信号(垂直方向の帯域制限はされていない)が切換スイッチSW2を介してフィールドメモリ216に直接供給されて書き込まれ、またフィールドF6,F7では、垂直ローパスフィルタ214から出力された画像信号(垂直方向の帯域制限がされている)は、切換スイッチSW1を介して垂直補間フィルタ215に入力されて垂直方向の画素数が960から768に縮小された後、切換スイッチSW2を介してフィールドメモリ216に供給されて書き込まれる。
なお、フィールドF1,F2ではレターボックスの有効画面に対応する720本のラインがフィールドメモリ216に書き込まれ、フィールドF3,F4ではフル画面に対応する960本のラインのうち720本のラインがフィールドメモリ216に書き込まれ、フィールドF5ではフル画面に対応する960本のラインがフィールドメモリ216に書き込まれ、フィールドF6,F7ではフル画面に対応する768本のラインがフィールドメモリ216に書き込まれる。
また、図16Gに示すように、フィールドF1〜F5では、フィールドメモリ216から読み出された画像信号が切換スイッチSW1を介して垂直補間フィルタ215に入力されて垂直方向の画素数が720から768に拡大された後、切換スイッチSW3を介して垂直エンハンサ217に入力され、またフィールドF6,F7では、フィールドメモリ216から読み出された画像信号が切換スイッチSW3を介して直接垂直エンハンサ217に入力される。なお、フィールドF1〜F5では、垂直エンハンサ217で垂直方向の高域が強調されるが、フィールドF6,F7では、垂直エンハンサ217で垂直方向の高域が強調されることはない。
以上から、図16Hに示すように、フィールドF2,F3では、レターボックスの有効画面の垂直方向の画素数が768画素となるように変換された出力画像信号Vbが得られ、フィールドF7では、フル画面の垂直方向の画素数が768画素となるように変換された出力画像信号Vbが得られるが、フィールドF4〜F6では、そのいずれでもない出力画像信号Vbが得られる。
つまり、フィールドF3,F4ではI/P変換部212から出力される960本のラインのうち720本のラインがフィールドメモリ216に書き込まれ、フィールド5ではI/P変換部212から出力される960本のラインがフィールドメモリ216に書き込まれる。そして、フィールドF4,F5では、垂直補間フィルタ215が拡大補間処理のために使用され、フィールドメモリ216から読み出される、上述したフィールドF3,F4で書き込まれた720本のラインに対して拡大補間処理され、その垂直方向の画素数が720から768に拡大される。そのため、フィールドF4,F5では、フル画面モードに係る960本のラインのうち、720本のラインが変換されて得られた768本のラインからなる画像信号Vbが得られる。因みに、同じ拡大率で960本のラインを変換するとすれば、1024本のラインが得られることとなる。
また、フィールドF6では、垂直補間フィルタ215は縮小補間処理のために使用され、フィールドメモリ216から読み出される、上述したフィールドF5で書き込まれた960本のラインのうちの768本のラインが切換スイッチSW3を介して直接垂直エンハンサ217に入力される。したがって、フィールドF6では、その768本のラインからなる画像信号Vbが得られる。
この場合、フィールドF4以降では、入力画像信号Va(480i信号)がフル画面モードに変化した後の画像が表示されることになるが、フィールドF4,F5と、フィールドF6と、F7以降とでは、その垂直方向の画像サイズが段階的(2段階)に変化し、表示画像に乱れが発生する。
この発明の目的は、補間方向の画素数を拡大する第1の変換モードからそれを縮小する第2の変換モードに移行する遷移時における補間方向の画像サイズの変化を抑制し、表示画像の乱れを軽減することにある。
この発明に係る画像信号処理装置は、垂直または水平の補間方向の画素数が第1の数である第1の画像信号をこの補間方向の画素数が第2の数である第2の画像信号に変換する画像信号処理装置であって、画像信号をフィールド単位で記憶するフィールドメモリと、画像信号に対して補間方向に補間処理を行って、この補間方向における画素数を第1の数から第2の数に変換する第1の補間手段とを備え、第2の数が第1の数より大きい第1の変換モード時には、第1の画像信号をフィールドメモリを介して第1の補間手段に供給し、この第1の補間手段で補間方向に補間処理を行って第2の画像信号を得、第2の数が第1の数より小さい第2の変換モード時には、第1の画像信号に対して第1の補間手段で補間方向に補間処理を行って第2の画像信号を得ると共に、この第2の画像信号をフィールドメモリを介して出力し、フィールドメモリの入力側(書き込み側)または出力側(読み出し側)に、第1の変換モードから第2の変換モードに移行する遷移時に画像信号に対して補間方向に補間処理を行ってこの補間方向の画素数を調整する第2の補間手段をさらに備えるものである。
また、この発明に係る画像信号処理方法は、垂直または水平の補間方向の画素数が第1の数である第1の画像信号をこの補間方向の画素数が第2の数である第2の画像信号に変換する画像信号処理方法であって、第2の数が第1の数より大きい第1の変換モード時には、第1の画像信号をフィールドメモリに書き込むと共に、このフィールドメモリより読み出した第1の画像信号に対して第1の補間手段で補間方向に補間処理を行って第2の画像信号を得、第2の数が第1の数より小さい第2の変換モード時には、第1の画像信号に対して第1の補間手段で補間方向に補間処理を行って第2の画像信号を得、この第2の画像信号をフィールドメモリに書き込むと共に、このフィールドメモリより読み出した第2の画像信号を出力し、第1の変換モードから第2の変換モードに移行する遷移時に、フィールドメモリに書き込む画像信号またはフィールドメモリから読み出した画像信号に対して第2の補間手段で補間方向に補間処理を行ってこの補間方向の画素数を調整するものである。
また、この発明に係る画像表示装置は、垂直または水平の補間方向の画素数が第1の数である第1の画像信号をこの補間方向の画素数が第2の数である第2の画像信号に変換する画像信号処理部と、この画像信号処理部で得られた第2の画像信号による画像を表示する表示素子とを備え、画像信号処理部は、上述した画像信号処理装置と同様に構成されるものである。
この発明においては、垂直または水平の補間方向の画素数が第1の数である第1の画像信号が、その補間方向の画素数が第2の数である第2の画像信号に変換される。第2の数が第1の数より大きく、画素数を拡大する第1の変換モード時には、以下のようにして第2の画像信号が得られる。すなわち、第1の画像信号がフィールドメモリに書き込まれる。その後、このフィールドメモリより第1の画像信号が読み出され、この読み出された第1の画像信号に対して補間方向に画素数拡大の補間処理が行われて第2の画像信号が得られる。
また、第2の数が第1の数より小さく、画素数を縮小する第2の変換モード時には、第1の画像信号に対して補間方向に画素数縮小の補間処理を行われて第2の画像信号が得られる。その後、この第2の画像信号がフィールドメモリを介して出力される。このように、フィールドメモリを介在させることで、出力される第2の画像信号の垂直および水平のタイミングを、所定のタイミングに合わせることが容易となる。また、画素数の縮小、拡大に応じて補間処理をフィールドメモリの入力側(書き込み側)で行うか出力側(読み出し)で行うかを切り換えることで、フィールドメモリのメモリ容量を小さくできる。
上述した画素数拡大の補間処理および画素数縮小の補間処理を同一の補間手段で行う場合、第1の変換モードから第2の変換モードに移行する遷移時には、補間方向の画像サイズに段階的な変化が発生し、表示画像が乱れたものとなる。そこで、フィールドメモリに書き込む画像信号またはフィールドメモリから読み出した画像信号に対して補間方向に補間処理が行われ、この補間方向の画素数が調整される。この場合、補間方向の画素数が少なくなるように、あるいは補間方向の画素数が多くなるように補間処理が行われる。これにより、補間方向の画像サイズの段階的な変化を抑制でき、表示画像の乱れを軽減できる。
例えば、補間方向の画素数を調整する第2の補間手段では、補間位置の画素データとしてその補間位置に最も近い画素位置の画素データを用いる最近傍の補間処理が行われる。例えば、フィールドメモリの出力側(読み出し側)で補間方向の画素数を調整する場合、最近傍の補間処理を行うことで、フィールドメモリから複数ライン同時に読み出す必要がなく、メモリバンド巾の増加を招かない。また、上述したように最近傍の補間処理を行う場合、フィールドメモリに対する画像信号の書き込みまたは読み出しを制御することで、補間処理を行うことができる。なお、フィールドメモリの入力側(書き込み側)で補間方向の画素数を調整する場合、sin(x)/x、双線形等による補間処理を行っても、メモリバンド巾の増加を招かない。
最近傍の補間処理を行う場合には、補間方向の画質が劣化する。そこで例えば、この最近傍の補間処理を行う画像信号に対して、ローパスフィルタを用いて、補間方向の帯域を制限し、その画質の劣化が目立たないようにすることが行われる。このローパスフィルタとして、画素数の縮小時に、折り返し歪みの発生を防止するために、補間処理される画像信号の帯域を制限するためのローパスフィルタを用いることができる。
この発明によれば、画素数を拡大する第1の変換モード時には、フィールドメモリから読み出された第1の画像信号に対して補間方向に補間処理を行って第2の画像信号を得、画素数を縮小する第2の変換モード時には、第1の画像信号に対して補間方向に補間処理を行って得られた第2の画像信号をフィールドメモリを介して出力するものにあって、第1の変換モードから第2の変換モードに移行する遷移時に、フィールドメモリに書き込む画像信号またはフィールドメモリから読み出した画像信号に対して補間方向に補間処理を行ってこの補間方向の画素数を調整するものであり、当該遷移時における補間方向の画像サイズの段階的な変化を抑制でき、表示画像の乱れを軽減できる。
この発明の第1の実施の形態を説明する。図1は、第1の実施の形態としての画像表示装置100の構成を示している。
この画像表示装置100は、装置全体の動作を制御するシステムコントローラ101と、画像信号Vaが入力される入力端子102とを有している。ここでは、画像信号Vaとして、上述した480i信号が入力されるものとする。この480i信号は、720×480ドットの解像度を持っている。
また、画像表示装置100は、入力端子102に入力される画像信号Va(480i信号)に基づいて、当該画像信号Vaの画面モードを検出する画面モード検出部103を有している。ここで、画面モード検出部103は、画像信号Va(480i信号)が、レターボックス画面モードであるかフル画面モードであるかを検出し(図13参照)、画面モード検出信号MDを出力する。上述したシステムコントローラ101は、この画面モード検出部103から出力される画面モード検出信号MDに基づいて、後述する画像信号処理部104の動作を制御する。
また、画像表示装置100は、入力端子102に入力される画像信号Va(480i信号)に基づいて、後述する表示素子としてのディスプレイ105に画像を表示するための画像信号Vbを生成する画像信号処理部104を有している。画像信号処理部104は、画像信号Vaの水平方向および垂直方向の画素数を変換する機能を持っている。画像信号処理部104は、システムコントローラ101の制御のもと、水平方向および垂直方向のそれぞれについて、画素数を減らす縮小処理あるいは画素数を増やす拡大処理を選択的に実行する。
また、画像表示装置100は、画像信号処理部104で生成された画像信号Vbによる画像を表示するディスプレイ105を有している。このディスプレイ105は、例えばWXGAの表示規格(解像度1366×768ドット)に対応した、LCD、PDP等のフラットパネルディスプレイである。この場合、上述した画像信号処理部104で生成される画像信号Vbは、WXGA用の768p信号である。
図1に示す画像表示装置100の動作を説明する。
入力端子102には画像信号Va(480i信号)が入力される。この画像信号Vaは、画面モード検出部103および画像信号処理部104に供給される。画面モード検出部103では、画像信号Va(480i信号)がレターボックス画面モードであるかフル画面モードであるかが検出される。この画面モード検出部103から出力される画面モード検出信号MDは、システムコントローラ101に供給される。システムコントローラ101は、この画面モード検出信号MDに基づいて、画像信号処理部104の動作を制御する。
画像信号Va(480i信号)がレターボックス画面モードにある場合、画像信号処理部104では、画像信号Vaに基づいてレターボックスの有効画面のみを表示する画像信号Vbが生成される。この場合、画像信号処理部104では、垂直方向に関しては、原信号の180本部分が倍速変換とI/P変換とで720本に変換され、さらに補間処理によって画素数が720から768に変換され(図13参照)、水平方向に関しては補間処理によって画素数が720から1366に変換されて、画像信号Vbとしての768p信号が生成される。この画像信号Vbはディスプレイ105に供給され、当該ディスプレイ105の画面全体に、レターボックス画面モードに係る480i信号のレターボックスの有効画面のみが表示される。
一方、画像信号Va(480i信号)がフル画面モードにある場合、画像信号処理部104では、画像信号Vaに基づいてフル画面を表示する画像信号Vbが生成される。この場合、画像信号処理部104では、垂直方向に関しては、原信号の240本部分が倍速変換とI/P変換とで960本に変換され、さらに補間処理によって画素数が960から768に変換され(図13参照)、水平方向に関しては補間処理によって画素数が720から1366に変換されて、画像信号Vbとしての768p信号が生成される。この画像信号Vbはディスプレイ105に供給され、当該ディスプレイ105の画面全体に、フル画面モードに係る480i信号のフル画面が表示される。
次に、画像信号処理部104の詳細を説明する。
この画像信号処理部104は、倍速変換部111と、I/P変換部112と、水平縮小補間部113と、垂直ローパスフィルタ114とを有している。倍速変換部111は、入力される画像信号Vaに対して倍速変換の処理を行って各フィールドのライン数を2倍として出力する。この倍速変換部111は、必要とされるときのみ上述の倍速変換の処理を行い、その他のときは入力される画像信号Vaをそのまま出力する。
I/P変換部112は、倍速変換部111から入力される画像信号がインタレース方式であるときプログレッシブ方式に変換する。このI/P変換部112は、入力される画像信号がプログレッシブ方式であるときは、入力される画像信号をそのまま出力する。水平縮小補間部113は、水平方向の画素数を縮小する必要があるときは、I/P変換部112から入力される画像信号に対して水平方向に補間処理を行って水平方向の画素数を縮小して出力する。この水平縮小補間部113は、水平方向の画素数を縮小する必要がないときは、入力される画像信号をそのまま出力する。
垂直ローパスフィルタ114は、後述する垂直補間フィルタ115で垂直方向の画素数の縮小を行うときは、折り返し歪みの発生を防止するため、動作をオンとして、水平縮小補間部113から入力される画像信号の垂直方向の帯域を制限して出力する。この垂直ローパスフィルタ114は、垂直補間フィルタ115で垂直方向の画素数の縮小を行わないときは、動作をオフとして、入力される画像信号をそのまま出力する。
また、画像信号処理部104は、第1の補間手段としての垂直補間フィルタ115と、フィールドメモリ116とを有している。垂直補間フィルタ115は、入力される画像信号に対して、垂直方向に補間処理を行って、垂直方向の画素数の縮小または拡大を行う。フィールドメモリ116は、画像信号をフィールド単位で記憶するものである。
この垂直補間フィルタ115は、画面モード検出信号MDがレターボックス画面モードを示すフィールド、およびこの画面モード検出信号MDが示す画面モードがレターボックス画面モードからフル画面モードに変換した最初のフィールドでは、画素数を拡大する補間処理を行う。また、この垂直補間フィルタ115は、その他の、画面モード検出信号MDがフル画面モードを示すフィールドでは、画素数を縮小する補間処理を行う。
ここで、垂直補間フィルタ115における補間処理について説明する。垂直補間フィルタ115は、例えば補間関数としてsin(x)/xを用いた補間処理を行う。図2は、補間関数としてsin(x)/xを用いた場合の補間処理を示している。なお、図2では、垂直方向の画素間隔を1として示している。この場合、図2Bに示す垂直方向の画素データC,Dの間に位置する、図2Cの画素データXを生成するとき、補間関数は、図2Aに示すように、画素データXに対応する位置に頂点が位置するように配置される。
ここで、補間関数の頂点の値を1とし、画素データB,C,D,Eに対応する値を、それぞれの画素データB,C,D,Eに乗算して、その和をとることで、画素データXが求められる。
図3は、図2に示した補間処理を行う4タップ構成の垂直補間フィルタ115を示している。
入力信号は3個のラインメモリ411〜413の直列回路に入力される。ラインメモリ411〜413は、それぞれ1水平期間分の遅延時間を持つ遅延回路を構成している。
入力信号に乗算器414で係数C4が乗算されて得られた信号およびラインメモリ411の出力信号に乗算器415で係数C3が乗算されて得られた信号は加算器416で加算される。また、この加算器416の出力信号およびラインメモリ412の出力信号に乗算器417で係数C2を乗算して得られた信号は加算器418で加算される。
さらに、加算器418の出力信号およびラインメモリ413の出力信号に乗算器419で係数C3を乗算して得られた信号は加算器420で加算される。そして、この加算器420の出力信号が、垂直補間フィルタ115の出力信号とされる。
乗算器414,415,417,419には、それぞれ補間係数ROM421,422,423,424より係数C4,C3,C2,C1が供給される。補間係数ROM421,422,423,424には、図4に示すように、それぞれ補間関数の1≦x<2,0≦x<1,−1≦x<0,−2≦x<−1の範囲の値が記憶されている。
これらの補間係数ROM421,422,423,424に、それぞれ、補間点の位相PH(図2の処理例では、画素データX,Dの垂直方向の間隔)に対応した読み出しアドレスWADを供給することで、この補間点の位相PHに対応した係数C4,C3,C2,C1が読み出される。
図1に戻って、また、画像信号処理部104は、垂直エンハンサ117と、水平拡大補間部118とを有している。垂直エンハンサ117は、垂直補間フィルタ115で垂直方向の画素数の拡大を行うときは、画像のボケを軽減するため、入力される画像信号の高域を強調する。この垂直エンハンサ117は、垂直補間フィルタ115で垂直方向の画素数の拡大を行わないときは、入力される画像信号をそのまま出力する。水平拡大補間部118は、水平方向の画素数を拡大する必要があるときは、垂直エンハンサ117から入力される画像信号に対して水平方向に補間処理を行って水平方向の画素数を拡大して、画像信号Vbとして出力する。この水平拡大補間部118は、水平方向の画素数を拡大する必要がないときは、入力される画像信号をそのまま、画像信号Vbとして出力する。
また、画像信号処理部104は、第2の補間手段としての簡易縮小回路119を有している。この簡易縮小回路119は、垂直補間フィルタ115で垂直方向の画素数を拡大するモード(第1の変換モード)から、垂直補間フィルタ115で垂直方向の画素数を縮小するモード(第2の変換モード)に移行する遷移時に、フィールドメモリ116より読み出される画像信号の垂直方向の画素数を縮小する。この簡易縮小回路119は、画面モード検出信号MDが示す画面モードがレターボックス画面モードからフル画面モードに変化したフィールドの次のフィールドで、垂直方向の画素数を960から768に縮小する処理を行う。本実施の形態において、簡易縮小回路119は、補間位置の画素データとして補間位置に最も近い画素位置の画素データを用いる最近傍補間の補間処理を行って、画素数を縮小する。
ところで、この最近傍補間の補間処理によって画素数が縮小された後の画像信号による画像の画質は劣化したものとなる。そこで、本実施の形態においては、その画質劣化が目立つことを低減するため、最近傍補間の補間処理が行われる画像信号に対し、その垂直方向の帯域を制限する垂直ローパスフィルタが備えられる。本実施の形態においては、この垂直ローパスフィルタとして、上述した垂直ローパスフィルタ114が兼用され、当該画像信号をフィールドメモリ116に書き込む際にその垂直方向の帯域が制限される。
垂直ローパスフィルタ114は、上述したように、折り返し歪みの発生を防止するため、垂直補間フィルタ115で垂直方向の画素数の縮小を行うフィールドでその動作がオンとされるものであるが、さらに、この垂直ローパスフィルタ214は、画面モード検出信号MDが示す画面モードがレターボックス画面モードからフル画面モードに変化した最初のフィールドでもその動作がオンとされる。
また、画像信号処理部104は、切換スイッチSW1〜SW4を有している。切換スイッチSW1のa側の固定端子は垂直ローパスフィルタ114の出力側に接続され、そのb側の固定端子はフィールドメモリ116の出力側に接続され、その可動端子は垂直補間フィルタ115の入力側に接続される。切換スイッチSW2のa側の固定端子は垂直補間フィルタ115の出力側に接続され、そのb側の固定端子は垂直ローパスフィルタ115の出力側に接続され、その可動端子はフィールドメモリ116の入力側に接続される。
切換スイッチSW3のa側の固定端子は切換スイッチSW4の可動端子に接続され、そのb側の固定端子は垂直補間フィルタ115の出力側に接続され、その可動端子は垂直エンハンサ117の入力側に接続される。切換スイッチSW4のc側の固定端子は簡易縮小回路119の出力側に接続され、そのd側の固定端子はフィールドメモリ116の出力側に接続される。
そして、切換スイッチSW1〜SW3は、それぞれ、画面モード検出信号MDがレターボックス画面モードを示すフィールド、およびこの画面モード検出信号MDが示す画面モードがレターボックス画面モードからフル画面モードに変化した最初のフィールドではb側に接続され、その他の、画面モード検出信号MDがフル画面モードを示すフィールドではa側に接続される。また、切換スイッチSW4は、画面モード検出信号MDが示す画面モードがレターボックス画面モードからフル画面モードに変換したフィールドの次のフィールドではc側に接続され、その他のフィールドではd側に接続される。
画像信号処理部104の動作を説明する。
まず、入力端子102に入力される画像信号Va(480i信号)がレターボックス画面モードである場合について説明する。この場合、垂直方向の画素数を拡大する必要があるので、切換スイッチSW1〜SW3は、それぞれb側に接続される。この場合、垂直ローパスフィルタ114の出力側は切換スイッチSW2を介してフィールドメモリ116の入力側に接続され、このフィールドメモリ116の出力側は切換スイッチSW1を介して垂直補間フィルタ115の入力側に接続され、この垂直補間フィルタ115の出力側は切換スイッチSW3を介して垂直エンハンサ117の入力側に接続される。またこの場合、垂直補間フィルタ115は、垂直方向の画素数を、720から768に拡大する補間処理を行う状態とされる(図13参照)。
入力画像信号Va(480i信号)は、倍速変換部111でライン数が2倍とされ、さらにI/P変換部112でインタレース方式からプログレッシブ方式に変換される。この場合、各フィールドのレターボックスの有効画面のライン数は、倍速変換部111で180本から360本に変換され、I/P変換部112で360本から720本に変換される。
I/P変換部112から出力される画像信号は水平縮小補間部113に入力される。この場合、水平方向の画素数を縮小する必要がなく、水平縮小補間部113からは入力された画像信号がそのまま出力される。この水平縮小補間部113から出力される画像信号は垂直ローパスフィルタ114に入力される。この場合、垂直補間フィルタ115で垂直方向の画素数を720から768に拡大するものであり、垂直ローパスフィルタ114からは入力された画像信号がそのまま出力される。
この垂直ローパスフィルタ114から出力される画像信号は、切換スイッチSW1を介してフィールドメモリ116に入力される。このフィールドメモリ116には、各フィールドにおいて、レターボックスの有効画面に対応した720本のラインが書き込まれる。
また、このフィールドメモリ116から、画像信号Vbに同期した各フィールドにおいて、720本のラインが読み出される。このフィールドメモリ116から出力される画像信号は、切換スイッチSW1を介して垂直補間フィルタ115に入力される。この垂直補間フィルタ115では、各フィールドにおいて、垂直方向の画素数が720から768に変換される。そして、この垂直補間フィルタ115から出力される画像信号は切換スイッチSW3を介して垂直エンハンサ117に入力される。上述したように垂直補間フィルタ115で垂直方向の画素数が拡大されるので、垂直エンハンサ117では入力される画像信号に対して垂直方向の高域が強調される。
この垂直エンハンサ117から出力される画像信号は水平拡大補間部118に入力される。この水平拡大補間部118では、水平方向の画素数が720から1366に拡大される。これにより、水平拡大補間部118から、画像信号Vbとしての768p信号が出力される。この768p信号は、レターボックス画面モードに係る480i信号のレターボックスの有効画面のみを表示するためのものである。
次に、入力端子102に入力される画像信号Va(480i信号)がフル画面モードである場合について説明する。この場合、垂直方向の画素数を縮小する必要があるので、切換スイッチSW1〜SW3は、それぞれa側に接続される。この場合、垂直ローパスフィルタ114の出力側は切換スイッチSW1を介して垂直補間フィルタ115の入力側に接続され、この垂直補間フィルタ115の出力側は切換スイッチSW2を介してフィールドメモリ116の入力側に接続され、このフィールドメモリ116の出力側は切換スイッチSW4,SW3を介して垂直エンハンサ117の入力側に接続される。またこの場合、垂直補間フィルタ115は、垂直方向の画素数を、960から768に縮小する補間処理を行う状態とされる(図13参照)。
入力画像信号Va(480i信号)は、倍速変換部111でライン数が2倍とされ、さらにI/P変換部112でインタレース方式からプログレッシブ方式に変換される。この場合、各フィールドのフル画面のライン数は、倍速変換部111で240本から480本に変換され、I/P変換部112で480本から960本に変換される。
I/P変換部112から出力される画像信号は水平縮小補間部113に入力される。この場合、水平方向の画素数を縮小する必要がなく、水平縮小補間部113からは入力された画像信号がそのまま出力される。この水平縮小補間部113から出力される画像信号は垂直ローパスフィルタ114に入力される。この場合、垂直補間フィルタ115で垂直方向の画素数を960から768に縮小するものであり、垂直ローパスフィルタ114では、入力された画像信号の垂直方向の帯域が制限される。
この垂直ローパスフィルタ114から出力される画像信号は、切換スイッチSW1を介して垂直補間フィルタ115に入力される。この垂直補間フィルタ115では、各フィールドにおいて、垂直方向の画素数が960から768に変換される。そして、この垂直補間フィルタ115から出力される画像信号は切換スイッチSW2を介してフィールドメモリ116に入力される。このフィールドメモリ116には、各フィールドにおいて、フル画面に対応した768本のラインが書き込まれる。
また、このフィールドメモリ116から、画像信号Vbに同期した各フィールドにおいて、768本のラインが読み出される。このフィールドメモリ116から出力される画像信号は、切換スイッチSW4,SW3を介して垂直エンハンサ117に入力される。上述したように垂直補間フィルタ115で垂直方向の画素数が縮小されるので、垂直エンハンサ117からは入力された画像信号がそのまま出力される。
この垂直エンハンサ117から出力される画像信号は水平拡大補間部118に入力される。この水平拡大補間部118では、水平方向の画素数が720から1366に拡大される。これにより、水平拡大補間部118から、画像信号Vbとしての768p信号が出力される。この画像信号768p信号は、フル画面モードに係る480i信号のフル画面を表示するためのものである。
上述したように、画像信号処理部104では、原則として、入力画像信号Va(480i信号)がレターボックス画面モードであるときレターボックスの有効画面の垂直方向の画素数が768となるように変換され、一方入力画像信号Va(480i信号)がフル画面モードであるときフル画面の垂直方向の画素数が768となるように変換される。
次に、図5を参照して、入力画像信号Va(480i信号)がレターボックス画面モードからフル画面モードに移行する遷移時における動作の一例を説明する。
入力画像信号Va(480i信号)の画面モードが図5Aに示すように変化し、画面モード検出部103から出力される画面モード検出信号MDが示す画面モードが図5Bに示すように変化するものとする。ここで、図5Aは、I/P変換部112でプログレッシブ方式に変換された後の状態を示しており、フィールドF1,F2の入力画像信号Va(480i信号)はレターボックス画面モードにあり、フィールドF3〜F7の入力画像信号Va(480i信号)はフル画面モードにある。また、図5Bにおいて、「W」はレターボックス画面モードを示し、「S」はフル画面モードを示している。この例では、例えば入力画像信号Va(480i信号)にレターボックス画面モードであるかフル画面モードであるかを識別するための情報が付加されているものとし、画面モード検出部103では、入力画像信号Va(480i信号)の画面モードが変化した場合、それを直ちに検出できるものとする。
この場合、システムコントローラ101の制御のもと、切換スイッチSW1〜SW3が図5Cに示すように切り換えられる。すなわち、切換スイッチSW1〜SW3は、画面モード検出信号MDがレターボックス画面モード「W」を示すフィールドF1,F2、および画面モード検出信号MDが示す画面モードがフル画面モード「S」に変化した最初のフィールドF3ではb側に接続され、その後のフィールドF4〜F7ではa側に接続される。
また、垂直ローパスフィルタ114の動作は、システムコントローラ101の制御のもと、図5Dに示すように切り換えられる。すなわち、垂直ローパスフィルタ114は、フィールドF1,F2ではその動作がオフとされ、その後のフィールドF3〜F7ではその動作がオンとされる。また、垂直補間フィルタ115の動作は、システムコントローラ101の制御のもと、図5Eに示すように切り換えられる。すなわち、フィールドF1〜F3では垂直方向の画素数を720から768に拡大する補間処理を行うようにされ、その後のフィールドF4〜F7では垂直方向の画素数を960から768に縮小する補間処理を行うようにされる。
また、切換スイッチSW4は、システムコントローラ101の制御のもと、画面モード検出信号MDが示す画面モードがフル画面モード「S」に変化したフィールドF3の次のフィールドF4ではc側に接続され、その他のフィールドF1〜F3,F5〜F7ではd側に接続される。また、簡易縮小回路119は、システムコントローラ101の制御のもと、フィールドF4でその動作がオンとされ、その他のフィールドF1〜F3,F5〜F7ではその動作がオフとされる。
そのため、図5Fに示すように、フィールドF1〜F3では、垂直ローパスフィルタ114から出力された画像信号(フィールドF1,F2では垂直方向の帯域が制限されていないが、フィールドF3では垂直方向の帯域が制限がされている)が切換スイッチSW2を介してフィールドメモリ116に直接供給されて書き込まれ、またフィールドF4〜F7では、垂直ローパスフィルタ114から出力された画像信号(垂直方向の帯域が制限されている)は、切換スイッチSW1を介して垂直補間フィルタ115に入力されて垂直方向の画素数が960から768に縮小された後、切換スイッチSW2を介してフィールドメモリ116に供給されて書き込まれる。
なお、フィールドF1,F2ではレターボックスの有効画面に対応する720本のラインがフィールドメモリ116に書き込まれ、フィールドF3ではフル画面に対応する960本のラインがフィールドメモリ116に書き込まれ、フィールドF4〜F7ではフル画面に対応する768本のラインがフィールドメモリ116に書き込まれる。
また、フィールドメモリ116から読み出された画像信号は、図5Gに示すように処理される。すなわち、フィールドF1〜F3では、フィールドメモリ116から読み出された画像信号が切換スイッチSW1を介して垂直補間フィルタ115に入力されて垂直方向の画素数が720から768に拡大された後、切換スイッチSW3を介して垂直エンハンサ117に入力される。
またフィールドF4では、フィールドメモリ116から読み出された画像信号が簡易縮小回路119に入力されて垂直方向の画素数が960から768に縮小された後、切換スイッチSW4,SW3を介して垂直エンハンサ117に入力される。さらに、フィールドF5〜F7では、フィールドメモリ116から読み出された画像信号が切換スイッチSW3を介して直接垂直エンハンサ117に入力される。なお、フィールドF1〜F3では、垂直エンハンサ117で垂直方向の高域が強調されるが、フィールドF4〜F7では、垂直エンハンサ117で垂直方向の高域が強調されることはない。
以上から、図5Hに示すように、フィールドF2,F3では、レターボックスの有効画面の垂直方向の画素数が768となるように変換された出力画像信号Vbが得られ、フィールドF4〜F7では、いずれのフィールドでもフル画面の垂直方向の画素数が768となるように変換された出力画像信号Vbが得られる。したがってこの場合、フィールドF4以降では、入力画像信号Va(480i信号)がフル画面モードに変化した後の画像が表示されることになるが、図15Hに示すようにその垂直方向の画像サイズが段階的に変化するということがなく、表示画像に乱れが発生するということはない。
次に、図6を参照して、入力画像信号Va(480i信号)がレターボックス画面モードからフル画面モードに移行する遷移時における動作の他の一例を説明する。
入力画像信号Va(480i信号)の画面モードが図6Aに示すように変化し、画面モード検出部103から出力される画面モード検出信号MDが示す画面モードが図6Bに示すように変化するものとする。ここで、図6Aは、I/P変換部112でプログレッシブ方式に変換された後の状態を示しており、フィールドF1,F2の入力画像信号Va(480i信号)はレターボックス画面モードにあり、フィールドF3〜F7の入力画像信号Va(480i信号)はフル画面モードにある。また、図6Bにおいて、「W」はレターボックス画面モードを示し、「S」はフル画面モードを示している。
この例では、入力画像信号Va(480i信号)にレターボックス画面モードであるかフル画面モードであるかを識別するための情報は付加されておらず、画面モード検出部103では、入力画像信号Va(480i信号)の画面モードが変化しても、それを直ちに検出できず、画面モード検出信号MDが示す画面モードは2フィールド遅れて変化するものとする。
この場合、システムコントローラ101の制御のもと、切換スイッチSW1〜SW3が図6Cに示すように切り換えられる。すなわち、切換スイッチSW1〜SW3は、画面モード検出信号MDがレターボックス画面モード「W」を示すフィールドF1〜F4および画面モード検出信号MDが示す画面モードがフル画面モード「S」に変化した最初のフィールドF5ではb側に接続され、その後のフィールドF6,F7ではa側に接続される。
また、垂直ローパスフィルタ114の動作は、システムコントローラ101の制御のもと、図6Dに示すように切り換えられる。すなわち、垂直ローパスフィルタ114は、フィールドF1〜F4ではその動作がオフとされ、その後のフィールドF5〜F7ではその動作がオンとされる。また、垂直補間フィルタ115の動作は、システムコントローラ101の制御のもと、図6Eに示すように切り換えられる。すなわち、フィールドF1〜F5では垂直方向の画素数を720から768に拡大する補間処理を行うようにされ、その後のフィールドF6,F7では垂直方向の画素数を960から768に縮小する補間処理を行うようにされる。
また、切換スイッチSW4は、システムコントローラ101の制御のもと、画面モード検出信号MDが示す画面モードがフル画面モード「S」に変化したフィールドF5の次のフィールドF6ではc側に接続され、その他のフィールドF1〜F5,F7ではd側に接続される。また、簡易縮小回路119は、システムコントローラ101の制御のもと、フィールドF6でその動作がオンとされ、その他のフィールドF1〜F5,F7ではその動作がオフとされる。
そのため、図6Fに示すように、フィールドF1〜F5では、垂直ローパスフィルタ114から出力された画像信号(フィールドF1〜F4では垂直方向の帯域が制限されていないが、フィールドF5では垂直方向の帯域が制限がされている)が切換スイッチSW2を介してフィールドメモリ116に直接供給されて書き込まれ、またフィールドF6,F7では、垂直ローパスフィルタ114から出力された画像信号(垂直方向の帯域が制限されている)は、切換スイッチSW1を介して垂直補間フィルタ115に入力されて垂直方向の画素数が960から768に縮小された後、切換スイッチSW2を介してフィールドメモリ116に供給されて書き込まれる。
なお、フィールドF1,F2ではレターボックスの有効画面に対応する720本のラインがフィールドメモリ116に書き込まれ、フィールドF3,F4ではフル画面に対応する960本のラインのうち720本のラインがフィールドメモリ116に書き込まれ、フィールドF5ではフル画面に対応する960本のラインがフィールドメモリ116に書き込まれ、フィールドF6,F7ではフル画面に対応する768本のラインがフィールドメモリ116に書き込まれる。
また、フィールドメモリ116から読み出された画像信号は、図6Gに示すように処理される。すなわち、フィールドF1〜F5では、フィールドメモリ116から読み出された画像信号が切換スイッチSW1を介して垂直補間フィルタ115に入力されて垂直方向の画素数が720から768に拡大された後、切換スイッチSW3を介して垂直エンハンサ117に入力される。
またフィールドF6では、フィールドメモリ116から読み出された画像信号が簡易縮小回路119に入力されて垂直方向の画素数が960から768に縮小された後、切換スイッチSW4,SW3を介して垂直エンハンサ117に入力される。さらに、フィールドF7では、フィールドメモリ116から読み出された画像信号が切換スイッチSW3を介して直接垂直エンハンサ117に入力される。なお、フィールドF1〜F5では、垂直エンハンサ117で垂直方向の高域が強調されるが、フィールドF6,F7では、垂直エンハンサ117で垂直方向の高域が強調されることはない。
以上から、図6Hに示すように、フィールドF2,F3では、レターボックスの有効画面の垂直方向の画素数が768となるように変換された出力画像信号Vbが得られ、フィールドF4,F5では、フル画面モードに係る960本のラインのうち、720本のラインが変換されて得られた768本のラインからなる画像信号Vbが得られる。因みに、同じ拡大率で960本のラインを変換するとすれば、1024本のラインが得られることとなる。また、図6Hに示すように、フィールドF6,F7では、いずれのフィールドでもフル画面の垂直方向の画素数が768となるように変換された出力画像信号Vbが得られる。
したがってこの場合、フィールドF4以降では、入力画像信号Va(480i信号)がフル画面モードに変化した後の画像が表示されることになるが、図16Hに示すようにその垂直方向の画像サイズが2段階に変化するということがなく、1段階の変化に抑えることができ、表示画像の乱れを軽減できる。
次に、図7のフローチャートを参照して、垂直ローパスフィルタ114、補間フィルタ115、簡易縮小回路119および切換スイッチSW1〜SW3,SW4に対するシステムコントローラ101の制御動作を説明する。
まず、ステップST1で、処理を開始し、ステップST2で、画面モードがレターボックス画面モード「W」であるか否かを判定する。この判定は、画面モード検出部103から供給される画面モード検出信号MDに基づいて行う。レターボックス画面モード「W」でない、つまりフル画面モード「S」であると判定するときは、ステップST3に進む。
このステップST3では、切換スイッチSW1〜SW3をa側に切り換える。そして、ステップST4で、垂直補間フィルタ115を縮小補間処理を行うように切り換え、ステップST5で、垂直ローパスフィルタ114の動作をオンとする。そして、ステップST6で、画面モードがレターボックス画面モード「W」であるか否かを判定する。レターボックス画面モード「W」であると判定するときは、ステップST7に進む。上述したステップST2で、レターボックス画面モード「W」であると判定するときも、ステップST7に進む。
このステップST7では、切換スイッチSW1〜SW3をb側に切り換える。そして、ステップST8で、垂直補間フィルタ115を拡大補間処理を行うように切り換え、ステップST9で、垂直ローパスフィルタ114の動作をオフとする。そして、ステップST10で、画面モードがフル画面モード「S」であるか否かを判定する。画面モードがフル画面モード「S」であると判定するときは、ステップST11に進む。
このステップST11では、垂直ローパスフィルタ114の動作をオンとする。そして、ステップST12で、1フィールドが経過したか否かを判定する。1フィールドが経過したと判定するときは、ステップST13に進む。このステップST13では、切換スイッチSW1〜SW3をa側に切り換える。そして、ステップST14で、垂直補間フィルタ115を縮小補間処理を行うように切り換え、ステップST15で、切換スイッチSW4をc側に切り換えると共に、簡易縮小回路119の動作をオンとする。
次に、ステップST16で、1フィールドが経過したか否かを判定する。1フィールドが経過したと判定するときは、ステップST17で、切換スイッチSW4をd側に切り換えると共に、簡易縮小回路119の動作をオフにする。そして、ステップST18で、画面モードがレターボックス画面モード「W」であるか否かを判定する。レターボックス画面モード「W」であると判定するときは、ステップST7に戻り、上述したと同様の処理を繰り返す。
以上説明したように、図1に示す画像表示装置100によれば、入力画像信号Va(480i信号)がレターボックス画面モードからフル画面モードに移行する遷移時に、フィールドメモリ116の出力側に設けられた簡易縮小回路119により、垂直方向の画素数を縮小する調整を行うものであり、垂直方向の画像サイズの段階的な変化を抑制でき、表示画像の乱れを軽減できる。
また、簡易縮小回路119では、最近傍の補間処理が行われるものであり、フィールドメモリから複数ライン同時に読み出す必要がなく、メモリバンド巾の増加を招くことはない。
また、この最近傍の補間処理を行う場合には、垂直補間フィルタ115で行っているsin(x)/xによる補間処理に比べて垂直方向の画質が劣化したものとなるが、この最近傍の補間処理が行われる画像信号を、垂直ローパスフィルタを用いて垂直方向の帯域を制限したものとしているので、その画質の劣化が目立たないようになる。
さらに、この垂直ローパスフィルタとして、垂直補間フィルタ115で画素数を縮小する際に、折り返し歪みの発生を防止するために、補間処理される画像信号の帯域を制限するための垂直ローパスフィルタ114を用いるものであり、コストの低減を図ることができる。
なお、図1に示す画像信号処理部104では、フィールドメモリ119から読み出された画像信号に対して簡易縮小回路119で垂直方向の画素数を縮小するための補間処理を行う構成となっている。しかし、最近傍の補間処理を行う場合には、フィールドメモリ116に対する画像信号の読み出しを制御するのみで、その補間処理を達成できる。すなわち、フィールドメモリ116に対する垂直方向の読み出しアドレスを、補間位置に最も近い画素位置に対応したアドレスとすることで、最近傍の補間処理を行うことができる。
また、図1に示す画像信号処理部104では、フィールドメモリ119から読み出された画像信号に対して簡易縮小回路119で垂直方向の画素数を縮小する補間処理を行う構成となっている。しかし、例えば、上述した図6に示す画像信号処理の動作例のように、入力画像信号Va(480i信号)にレターボックス画面モードであるかフル画面モードであるかを識別するための情報は付加されておらず、画面モード検出部103では、入力画像信号Va(480i信号)の画面モードが変化しても、それを直ちに検出できず、画面モード検出信号MDが示す画面モードが遅れて変化する場合には、簡易縮小回路119の代わりに、簡易拡大回路を設けるようにしてもよい。
この簡易拡大回路は、フィールドメモリ116から読み出された画像信号の垂直方向の画素数を720から768に拡大するものである。このように簡易拡大回路を用いる場合にあっても、その他の部分は図1に示す画像信号処理部104と同様に構成され、同様に動作する。
図8を参照して、入力画像信号Va(480i信号)がレターボックス画面モードからフル画面モードに移行する遷移時における動作の一例を説明する。図8A〜図8Fは、図6A〜図6Fと同じであり、その説明は省略する。
フィールドメモリ116から読み出された画像信号は、図8Gに示すように処理される。すなわち、フィールドF1〜F5では、フィールドメモリ116から読み出された画像信号が切換スイッチSW1を介して垂直補間フィルタ115に入力されて垂直方向の画素数が720から768に拡大された後、切換スイッチSW3を介して垂直エンハンサ117に入力される。
またフィールドF6では、フィールドメモリ116に書き込まれている960本のラインのうち720本のラインが読み出されてなる画像信号は、簡易拡大回路に入力されてその垂直方向の画素数が720から768に拡大された後、切換スイッチSW4,SW3を介して垂直エンハンサ117に入力される。さらに、フィールドF7では、フィールドメモリ116から読み出された画像信号が切換スイッチSW3を介して直接垂直エンハンサ117に入力される。なお、フィールドF1〜F5では、垂直エンハンサ117で垂直方向の高域が強調されるが、フィールドF6,F7では、垂直エンハンサ117で垂直方向の高域が強調されることはない。
以上から、図8Hに示すように、フィールドF2,F3では、レターボックスの有効画面の垂直方向の画素数が768となるように変換された出力画像信号Vbが得られ、フィールドF4〜F6では、フル画面モードに係る960本のラインのうち、720本のラインが変換されて得られた768本のラインからなる画像信号Vbが得られる。因みに、同じ拡大率で960本のラインを変換するとすれば、1024本のラインが得られることとなる。また、図8Hに示すように、フィールドF7では、フル画面の垂直方向の画素数が768となるように変換された出力画像信号Vbが得られる。
したがってこの場合も、フィールドF4以降では、入力画像信号Va(480i信号)がフル画面モードに変化した後の画像が表示されることになるが、図16Hに示すようにその垂直方向の画像サイズが2段階に変化するということがなく、1段階の変化に抑えることができ、表示画像の乱れを軽減できる。
次に、この発明の第2の実施の形態を説明する。図9は、第2の実施の形態としての画像表示装置100Aの構成を示している。
この画像表示装置100Aは、図1に示す画像表示装置100における画像信号処理部104が、画像信号処理部104Aに置き換えられたものであって、画像表示装置100と同様の動作をする。
画像信号処理部104Aの詳細を説明する。この画像信号処理部104Aにおいて、図1に示す画像信号処理部104と対応する部分には同一符号を付し、適宜その説明を省略する。
この画像信号処理部104Aは、第2の補間手段としての簡易縮小回路120を有している。この簡易縮小回路120は、垂直補間フィルタ115で垂直方向の画素数を拡大するモード(第1の変換モード)から、垂直補間フィルタ115で垂直方向の画素数を縮小するモード(第2の変換モード)に移行する遷移時に、フィールドメモリ116に書き込まれる画像信号の垂直方向の画素数を縮小する。
この簡易縮小回路120は、画面モード検出信号MDが示す画面モードがレターボックス画面モードからフル画面モードに変化した最初のフィールドで、垂直方向の画素数を960から768に縮小する処理を行う。本実施の形態において、簡易縮小回路120は、補間位置の画素データとして補間位置に最も近い画素位置の画素データを用いる最近傍補間の補間処理を行って、画素数を縮小する。
ところで、この最近傍補間の補間処理によって画素数が縮小された後の画像信号による画像の画質は劣化したものとなる。そこで、本実施の形態においては、その画質劣化が目立つことを低減するため、最近傍補間の補間処理が行われる画像信号の垂直方向の帯域を制限する垂直ローパスフィルタが備えられる。本実施の形態においては、この垂直ローパスフィルタとして、垂直補間フィルタ115で画素数を縮小する際に、折り返し歪みの発生を防止するために、補間処理される画像信号の帯域を制限するための垂直ローパスフィルタ114が用いられる。
また、図1に示す画像信号処理部104ではフィールドメモリ116の出力側(読み出し側)に簡易縮小回路119が配置されているが、この画像信号処理部104Aでは、フィールドメモリ116の入力側(書き込み側)に簡易縮小回路120が配置される。すなわち、垂直ローパスフィルタ114の出力側は、簡易縮小回路120の入力側および切換スイッチSW5のd側の固定端子に接続される。また切換スイッチSW5のc側の固定端子は簡易縮小回路120の出力側に接続され、その可動端子は切換スイッチSW2のb側の固定端子に接続される。また、切換スイッチSW3のa側の固定端子はフィールドメモリ116の出力側に接続される。
ここで、切換スイッチSW1〜SW3の切り換え動作は、図1に示す画像信号処理部104における切換スイッチSW1〜SW3の切り換え動作と同じである。また、切換スイッチSW5は、画面モード検出信号MDが示す画面モードがレターボックス画面モードからフル画面モードに変化した最初のフィールドではc側に接続され、その他のフィールドではd側に接続される。
この画像信号処理部104Aのその他は、図1に示す画像信号処理部104と同様に構成される。
画像信号処理部104Aの動作を説明する。
入力端子102に入力される画像信号Va(480i信号)がレターボックス画面モードである場合の動作、および入力端子102に入力される画像信号Vaとしての480i信号がフル画面モードである場合の動作については、図1に示す画像信号処理部104の動作と同様であるのでその詳細説明は省略する。
ここでは、入力画像信号Va(480i信号)がレターボックス画面モード(第1の変換モード)からフル画面モード(第2の変換モード)に移行する遷移時における動作について説明する。
図10を参照して、入力画像信号Va(480i信号)がレターボックス画面モードからフル画面モードに移行する遷移時における動作の一例を説明する。
入力画像信号Va(480i信号)の画面モードが図10Aに示すように変化し、画面モード検出部103から出力される画面モード検出信号MDが示す画面モードが図10Bに示すように変化するものとする。ここで、図10Aは、I/P変換部112でプログレッシブ方式に変換された後の状態を示しており、フィールドF1,F2の入力画像信号Va(480i信号)はレターボックス画面モードにあり、フィールドF3〜F7の入力画像信号Va(480i信号)はフル画面モードにある。また、図10Bにおいて、「W」はレターボックス画面モードを示し、「S」はフル画面モードを示している。この例では、例えば入力画像信号Va(480i信号)にレターボックス画面モードであるかフル画面モードであるかを識別するための情報が付加されているものとし、画面モード検出部103では、入力画像信号Va(480i信号)の画面モードが変化した場合、それを直ちに検出できるものとする。
この場合、システムコントローラ101の制御のもと、切換スイッチSW1〜SW3が図10Cに示すように切り換えられる。すなわち、切換スイッチSW1〜SW3は、画面モード検出信号MDがレターボックス画面モード「W」を示すフィールドF1,F2、および画面モード検出信号MDが示す画面モードがフル画面モード「S」に変化した最初のフィールドF3ではb側に接続され、その後のフィールドF4〜F7ではa側に接続される。
また、垂直ローパスフィルタ114の動作は、システムコントローラ101の制御のもと、図10Dに示すように切り換えられる。すなわち、垂直ローパスフィルタ114は、フィールドF1,F2ではその動作がオフとされ、その後のフィールドF3〜F7ではその動作がオンとされる。また、垂直補間フィルタ115の動作は、システムコントローラ101の制御のもと、図10Eに示すように切り換えられる。すなわち、フィールドF1〜F3では垂直方向の画素数を720から768に拡大する補間処理を行うようにされ、その後のフィールドF4〜F7では垂直方向の画素数を960から768に縮小する補間処理を行うようにされる。
また、切換スイッチSW5は、システムコントローラ101の制御のもと、画面モード検出信号MDが示す画面モードがフル画面モード「S」に変化した最初のフィールドF3ではc側に接続され、その他のフィールドF1,F2,F4〜F7ではd側に接続される。また、簡易縮小回路120は、システムコントローラ101の制御のもと、フィールドF3でその動作がオンとされ、その他のフィールドF1,F2,F4〜F7ではその動作がオフとされる。
そのため、垂直ローパスフィルタ114から出力される画像信号は、図10Fに示すように処理される。すなわち、フィールドF1,F2では、垂直ローパスフィルタ114から出力された画像信号(垂直方向の帯域が制限されていない)が切換スイッチSW5,SW2を介してフィールドメモリ116に直接供給されて書き込まれる。フィールド3では、垂直ローパスフィルタ114から出力された画像信号(垂直方向の帯域が制限されている)が簡易縮小回路120に入力されて垂直方向の画素数が960から768に縮小された後、切換スイッチSW5,SW2を介してフィールドメモリ116に書き込まれる。また、フィールドF4〜F7では、垂直ローパスフィルタ114から出力された画像信号(垂直方向の帯域が制限されている)は、切換スイッチSW1を介して垂直補間フィルタ115に入力されて垂直方向の画素数が960から768に縮小された後、切換スイッチSW2を介してフィールドメモリ116に供給されて書き込まれる。
なお、フィールドF1,F2ではレターボックスの有効画面に対応する720本のラインがフィールドメモリ116に書き込まれ、フィールドF3〜F7ではフル画面に対応する768本のラインがフィールドメモリ116に書き込まれる。
また、フィールドメモリ116から読み出された画像信号は、図10Gに示すように処理される。すなわち、フィールドF1〜F3では、フィールドメモリ116から読み出された画像信号が切換スイッチSW1を介して垂直補間フィルタ115に入力されて垂直方向の画素数が720から768に拡大された後、切換スイッチSW3を介して垂直エンハンサ117に入力される。フィールドF4〜F7では、フィールドメモリ116から読み出された画像信号が切換スイッチSW3を介して直接垂直エンハンサ117に入力される。なお、フィールドF1〜F3では、垂直エンハンサ117で垂直方向の高域が強調されるが、フィールドF4〜F7では、垂直エンハンサ117で垂直方向の高域が強調されることはない。
以上から、図10Hに示すように、フィールドF2,F3では、レターボックスの有効画面の垂直方向の画素数が768となるように変換された出力画像信号Vbが得られ、フィールドF4〜F7では、いずれのフィールドでもフル画面の垂直方向の画素数が768となるように変換された出力画像信号Vbが得られる。したがってこの場合、フィールドF4以降では、入力画像信号Va(480i信号)がフル画面モードに変化した後の画像が表示されることになるが、図15Hに示すようにその垂直方向の画像サイズが段階的に変化するということがなく、表示画像に乱れが発生するということはない。
次に、図11を参照して、入力画像信号Va(480i信号)がレターボックス画面モードからフル画面モードに移行する遷移時における動作の他の一例を説明する。
入力画像信号Va(480i信号)の画面モードが図11Aに示すように変化し、画面モード検出部103から出力される画面モード検出信号MDが示す画面モードが図11Bに示すように変化するものとする。ここで、図11Aは、I/P変換部112でプログレッシブ方式に変換された後の状態を示しており、フィールドF1,F2の入力画像信号Va(480i信号)はレターボックス画面モードにあり、フィールドF3〜F7の入力画像信号Va(480i信号)はフル画面モードにある。また、図11Bにおいて、「W」はレターボックス画面モードを示し、「S」はフル画面モードを示している。
この例では、入力画像信号Va(480i信号)にレターボックス画面モードであるかフル画面モードであるかを識別するための情報は付加されておらず、画面モード検出部103では、入力画像信号Va(480i信号)の画面モードが変化しても、それを直ちに検出できず、画面モード検出信号MDが示す画面モードは2フィールド遅れて変化するものとする。
この場合、システムコントローラ101の制御のもと、切換スイッチSW1〜SW3が図11Cに示すように切り換えられる。すなわち、切換スイッチSW1〜SW3は、画面モード検出信号MDがレターボックス画面モード「W」を示すフィールドF1〜F4および画面モード検出信号MDが示す画面モードがフル画面モード「S」に変化した最初のフィールドF5ではb側に接続され、その後のフィールドF6,F7ではa側に接続される。
また、垂直ローパスフィルタ114の動作は、システムコントローラ101の制御のもと、図11Dに示すように切り換えられる。すなわち、垂直ローパスフィルタ114は、フィールドF1〜F4ではその動作がオフとされ、その後のフィールドF5〜F7ではその動作がオンとされる。また、垂直補間フィルタ115の動作は、システムコントローラ101の制御のもと、図11Eに示すように切り換えられる。すなわち、フィールドF1〜F5では垂直方向の画素数を720から768に拡大する補間処理を行うようにされ、その後のフィールドF6,F7では垂直方向の画素数を960から768に縮小する補間処理を行うようにされる。
また、切換スイッチSW5は、システムコントローラ101の制御のもと、画面モード検出信号MDが示す画面モードがフル画面モード「S」に変化した最初のフィールドF5ではc側に接続され、その他のフィールドF1〜F4,F6,F7ではd側に接続される。また、簡易縮小回路120は、システムコントローラ101の制御のもと、フィールドF5でその動作がオンとされ、その他のフィールドF1〜F4,F6,F7ではその動作がオフとされる。
そのため、垂直ローパスフィルタ114から出力される画像信号は、図11Fに示すように処理される。すなわち、フィールドF1〜F4では、垂直ローパスフィルタ114から出力された画像信号(垂直方向の帯域が制限されていない)が切換スイッチSW5,SW2を介してフィールドメモリ116に直接供給されて書き込まれる。フィールドF5では、垂直ローパスフィルタ114から出力された画像信号(垂直方向の帯域が制限されている)が簡易縮小回路120に入力されて垂直方向の画素数が960から768に縮小された後、切換スイッチSW5,SW2を介してフィールドメモリ116に書き込まれる。また、フィールドF6,F7では、垂直ローパスフィルタ114から出力された画像信号(垂直方向の帯域が制限されている)は、切換スイッチSW1を介して垂直補間フィルタ115に入力されて垂直方向の画素数が960から768に縮小された後、切換スイッチSW2を介してフィールドメモリ116に供給されて書き込まれる。
なお、フィールドF1,F2ではレターボックスの有効画面に対応する720本のラインがフィールドメモリ116に書き込まれ、フィールドF3,F4ではフル画面に対応する960本のラインのうち720本のラインがフィールドメモリ116に書き込まれ、フィールドF5〜F7ではフル画面に対応する768本のラインがフィールドメモリ116に書き込まれる。
また、フィールドメモリ116から読み出された画像信号は、図11Gに示すように処理される。すなわち、フィールドF1〜F5では、フィールドメモリ116から読み出された画像信号が切換スイッチSW1を介して垂直補間フィルタ115に入力されて垂直方向の画素数が720から768に拡大された後、切換スイッチSW3を介して垂直エンハンサ117に入力される。
またフィールドF6,F7では、フィールドメモリ116から読み出された画像信号が切換スイッチSW3を介して直接垂直エンハンサ117に入力される。なお、フィールドF1〜F5では、垂直エンハンサ117で垂直方向の高域が強調されるが、フィールドF6,F7では、垂直エンハンサ117で垂直方向の高域が強調されることはない。
以上から、図11Hに示すように、フィールドF2,F3では、レターボックスの有効画面の垂直方向の画素数が768となるように変換された出力画像信号Vbが得られ、フィールドF4,F5では、フル画面モードに係る960本のラインのうち、720本のラインが変換されて得られた768本のラインからなる画像信号Vbが得られる。因みに、同じ拡大率で960本のラインを変換するとすれば、1024本のラインが得られることとなる。また、図11Hに示すように、フィールドF6,F7では、いずれのフィールドでもフル画面の垂直方向の画素数が768となるように変換された出力画像信号Vbが得られる。
したがってこの場合、フィールドF4以降では、入力画像信号Va(480i信号)がフル画面モードに変化した後の画像が表示されることになるが、図16Hに示すようにその垂直方向の画像サイズが2段階に変化するということがなく、1段階の変化に抑えることができ、表示画像の乱れを軽減できる。
次に、図12のフローチャートを参照して、垂直ローパスフィルタ114、補間フィルタ115、簡易縮小回路120および切換スイッチSW1〜SW3,W5に対するシステムコントローラ101の制御動作を説明する。
まず、ステップST21で、処理を開始し、ステップST22で、画面モードがレターボックス画面モード「W」であるか否かを判定する。この判定は、画面モード検出部103から供給される画面モード検出信号MDに基づいて行う。レターボックス画面モード「W」でない、つまりフル画面モード「S」であると判定するときは、ステップST23に進む。
このステップST23では、切換スイッチSW1〜SW3をa側に切り換える。そして、ステップST24で、垂直補間フィルタ115を縮小補間処理を行うように切り換え、ステップST25で、垂直ローパスフィルタ114の動作をオンとする。そして、ステップST26で、画面モードがレターボックス画面モード「W」であるか否かを判定する。レターボックス画面モード「W」であると判定するときは、ステップST27に進む。上述したステップST22で、レターボックス画面モード「W」であると判定するときも、ステップST27に進む。
このステップST27では、切換スイッチSW1〜SW3をb側に切り換える。そして、ステップST28で、垂直補間フィルタ115を拡大補間処理を行うように切り換え、ステップST29で、垂直ローパスフィルタ114の動作をオフとする。そして、ステップST20で、画面モードがフル画面モード「S」であるか否かを判定する。画面モードがフル画面モード「S」であると判定するときは、ステップST31に進む。
このステップST31では、垂直ローパスフィルタ114の動作をオンとする。そして、ステップST32で、切換スイッチSW5をc側に切り換えると共に、簡易縮小回路120の動作をオンとする。
次にステップST33で、1フィールドが経過したか否かを判定する。1フィールドが経過したと判定するときは、ステップST34に進む。このステップST34では、切換スイッチSW4をd側に切り換えると共に、簡易縮小回路120の動作をオフにする。そして、ステップST35で、切換スイッチSW1〜SW3をa側に切り換え、ステップST36で、垂直補間フィルタ115を縮小補間処理を行うように切り換える。そして、ステップST37で、画面モードがレターボックス画面モード「W」であるか否かを判定する。レターボックス画面モード「W」であると判定するときは、ステップST27に戻り、上述したと同様の処理を繰り返す。
以上説明したように、図9に示す画像表示装置100Aによれば、入力画像信号Va(480i信号)がレターボックス画面モードからフル画面モードに移行する遷移時に、フィールドメモリ116の入力側に設けられた簡易縮小回路120により、垂直方向の画素数を縮小する調整を行うものであり、垂直方向の画像サイズの段階的な変化を抑制でき、表示画面の乱れを軽減できる。
また、簡易縮小回路120では最近傍の補間処理が行われ、垂直補間フィルタ115で行っているsin(x)/xによる補間処理に比べて垂直方向の画質が劣化したものとなる。しかし、この最近傍の補間処理が行われる画像信号を、垂直ローパスフィルタを用いて垂直方向の帯域を制限したものとしているので、その画質の劣化が目立たないようになる。
さらに、この垂直ローパスフィルタフィルタとして、垂直補間フィルタ115で画素数を縮小する際に、折り返し歪みの発生を防止するために、補間処理される画像信号の帯域を制限するための垂直ローパスフィルタ114を用いるものであり、コストの低減を図ることができる。
なお、図9に示す画像信号処理部104Aでは、フィールドメモリ116に書き込む画像信号に対して簡易縮小回路120で垂直方向の画素数を縮小するための補間処理を行う構成となっている。しかし、上述したように最近傍の補間処理を行う場合には、フィールドメモリ116に対する画像信号の書き込みを制御するのみで、その補間処理を達成できる。すなわち、フィールドメモリ116に書き込むべきラインを、補間位置に最も近い画素位置に対応したラインとすることで、最近傍の補間処理を行うことができる。また、上述したようにフィールドメモリ116の入力側で補間処理を行う場合には、sin(x)/x、双線形等による補間処理を行っても、フィールドメモリ116のメモリバンド巾の増加を招かない。
また、図9に示す画像信号処理部104Aでは、フィールドメモリ116に書き込まれる画像信号に対して簡易縮小回路120で垂直方向の画素数を縮小する補間処理を行う構成となっている。しかし、例えば、上述した図11に示す画像信号処理の動作例のように、入力画像信号Va(480i信号)にレターボックス画面モードであるかフル画面モードであるかを識別するための情報は付加されておらず、画面モード検出部103では、入力画像信号Va(480i信号)の画面モードが変化しても、それを直ちに検出できず、画面モード検出信号MDが示す画面モードが遅れて変化する場合には、簡易縮小回路120の代わりに、簡易拡大回路を設けて、フル画面に対応する960本のラインのうち720本のラインに対して、垂直方向の画素数を720から768に拡大する補間処理を行うようにしてもよい。これによれば、上述したフィールドメモリ116の出力側に簡易拡大回路を設ける場合と同様に(図8H参照)、垂直方向の画像サイズが2段階に変化するということがなく、1段階の変化に抑えることができ、表示画像の乱れを軽減できる。
なお、上述実施の形態においては、垂直方向の拡大補間および縮小補間を一個の垂直補間フィルタ115を用いて行うものにあって、簡易縮小回路119,120等で垂直方向の画素数を調整して、垂直方向の画像サイズの段階的な変化を軽減するものを示したが、同様に、水平方向の拡大補間および縮小補間を一個の水平補間フィルタを用いて行うものにあっては、簡易縮小回路等で水平方向の画素数を調整して、水平方向の画像サイズの段階的な変化を軽減することができる。
また、上述実施の形態においては、入力画像信号Vaがレターボックス画面モードまたはフル画面モードに変化する480i信号から、WXGAの表示規格のディスプレイ105に画像を表示するための画像信号Vb(768p信号)を得るものを示したが、この発明は一般的に一個の補間フィルタを用い、補間方向の拡大補間および縮小補間を適宜切り換えて実行するものに適用でき、切り換えの遷移時における補間方向の画像サイズの段階的な変化を軽減できる。
100,100A・・・画像表示装置、101・・・システムコントローラ、102・・・入力端子、103・・・画面モード検出部、104,104A・・・画像信号処理部、105・・・ディスプレイ、111・・・倍速変換部、112・・・I/P変換部、113・・・水平縮小補間部、114・・・垂直ローパスフィルタ、115・・・垂直補間フィルタ、116・・・フィールドメモリ、117・・・垂直エンハンサ、118・・・水平拡大補間部、119,120・・・簡易縮小回路