JPH0563913U - サスペンション装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両のサスペンションにおいて、スタビライ
ザバーの後端部が取り付けられるピンに摩耗や異音の発
生を防止すると共に、スタビライザバーの脱着を容易に
し、部品点数を少なくする。 【構成】 リーフスプリング１と共にフロントアクスル
５に固定されたピンブラケット３の先端筒部にピンの中
央部を保持せしめ、ピンの先細端部がスタビライザバー
４の後端部３３を直接支持し、ピンに固定されたストッ
パによりピンをピンブラケット３に対して回り止めす
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、車両のサスペンション装置におけるスタビライザの保持機構に関す る。

【０００２】

【従来の技術】

従来のバスにおけるフロントサスペンションは、図８〜図１０に例示されてい るように、リーフスプリング１、エアスプリング２及びピンブラケット３がボル ト４によりフロントアクスル５上に共締めされ、ピンブラケット３の先端筒部６ にはピン７の中央部分が圧入され、ピン７の一端とフレーム８との間にショック アブソーバ９が装着されると共に、ピン７の他端にはラバーブッシュ１０を介し てスタビライザロッド１１の下端１２が取り付けられ、ピンブラケット筒部６と スタビライザロッド下端１２との間に円筒状のスペーサ１３が設置されている。

【０００３】 他方、全体的にコ字状のスタビライザバー１４は、車幅方向に延びる中央部分 がクロスメンバから垂下するブラケット１５にスタビライザブッシュ１６を介し て支持されると共に、後方に向かって延びた両端部分がそれぞれ上下のラバーシ ート１７に挟まれるようにしてスタビライザロッド１１の上端１８に連結されて いる。

【０００４】 この場合には、フロントアクスル５に上下荷重が作用すると、スタビライザロ ッド１１を経てスタビライザブッシュ１６の支持機構に大きなこじれが生じてそ の寿命に問題があり、また、スタビライザロッド１１、ラバーシート１７等多く の部品点数を必要とすると同時に、フロントアクスル５近傍の狭いスペースにス タビライザロッド１１等を収容する必要がある等の不具合があった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、スタビライザバーを上記ピンに連結するスタビライザロッドを省略 して、部品点数の削減とアクスル近傍におけるスペースの自由度増大を図ろうと するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

このため、本考案にかかるサスペンション装置は、アクスルに固定されたピン ブラケット、同ピンブラケットに中央部が保持され端部が先細となったピン、上 記中央部に対し上記先細端部の反対側の上記ピンに固定され上記ピンブラケット に係合して上記ピンの回り止めをするストッパ及びラバーブッシュを介して上記 先細端部に端部が支持されたスタビライザバーを有している。

【０００７】

【作用】

すなわち、ピンに固定されたストッパがピンブラケットに係合してピンの回り 止めをし、ピンとピンブラケットとの間に相対的回転がないため、この部分に負 荷が作用しても摩耗や異音が発生することがなく、また、ピンの先細端部にスタ ビライザバーの端部が保持され、ピンの先細端部と反対側にストッパが固定され ているので、ピンブラケットに対してピンを先細端部と反対側から挿入、あるい は反対側に抜き出すことにより、ピンブラケットをアクスルに固定したままスタ ビライザバーを容易に取り付け、取り外しすることができる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例について前記従来装置と同等部分には同一符号を付けて 説明する。 図１及び図２において、バスのフロントサスペンション２０のリーフスプリン グ１及びピンブラケット３がＵボルト２１によりフロントアクスル５上に共締め され、リーフスプリング１の上面にエアスプリング２が取り付けられており、ピ ンブラケット３は図３及び図４に示されているように先端に筒部６をそなえ、筒 部６に下記のピンが保持されている。

【０００９】 また、フレーム８と上記ピンとの間にショックアブソーバ９が装着される一方 、図示しないクロスメンバから垂下するブラケット１５に吊り具２２を介してケ ース２３が取り付けられ、全体的にコ字状のスタビライザバー１４の車幅方向に 延びる中央部分がスタビライザブッシュ１６を介してケース２３内に保持されて いる。

【００１０】 図５及び図６に示されているように、ピン２４は比較的大径の中央部２５と、 中央部２５を挟んで形成された軸端部２６及び先細端部２７とを形成し、中央部 ２５に対し先細端部２７の反対側に、中央部２５へ向かって屈曲した二股部２８ を有するストッパ２９が固定されている。

【００１１】 図７に示されているように、ピンブラケット筒部６にはピン２４の中央部２５ が嵌入されて、ストッパ２９の二股部２８がピンブラケット３に係合することに よりピン２４がピンブラケット３に対して回り止めされ、ピン軸端部２６にショ ックアブソーバ９の下端が取り付けられると共に、ピン２４の先細端部２７には 、スペーサ３０及び抜け止めワッシャ３１に内筒が挟持されるように固定された ラバーブッシュ３２を介してスタビライザバー１４の後端部３３が取り付けられ ている。

【００１２】 上記のように、ピン２４がピンブラケット３に対して回り止めされているため 、フロントアクスル５に上下負荷が加えられても、ピン２４とピンブラケット３ との間に摩耗や異音が発生することがなく、また、ピン２４の先細端部２７にス タビライザバー１４の後端部３３が取り付けられているので、ピン軸端部２６か らショックアブソーバ９の下端を取り外してピン２４をピンブラケット３から軸 端部２６側に抜き出すことにより、リーフスプリング１及びピンブラケット３を フロントアクスル５から取り外すことなく、スタビライザバー１４をピン２４か ら容易に取り外すことができ、また、スタビライザバー１４の取り付けも上記と 逆の手順により簡単に行うことができ、従って、これらの作業性が大幅に改善さ れる。

【００１３】 さらに、スタビライザバー１４の後端部３３がピン２４の先細端部２７に直接 取り付けられていて、従来のようにスタビライザロッドを使用していないため、 強度上の問題もなく部品点数を少なくし、フロントアクスル５近傍におけるスペ ースの自由度を増大させることができる。

【００１４】

【考案の効果】

本考案にかかるサスペンション装置においては、ピンに固定されたストッパが ピンブラケットに係合してピンの回り止めをしているため、これらの間に摩耗や 異音が発生することがなく、また、ピンの先細端部にスタビライザバーの端部が 保持されているので、先細端部と反対側からピンを脱着することによりピンブラ ケットをアクスルに固定したままスタビライザバーを容易に脱着できて、作業性 が大幅に改善されると共に、部品点数も少なくできる長所がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例における要部側面図。

【図２】図１の要部左側面図。

【図３】上記実施例の一部拡大上面図。

【図４】図３の側面図。

【図５】上記実施例の一部拡大正面図。

【図６】図５の左側面図。

【図７】図２の VIIーVII 線に沿う断面拡大図。

【図８】従来装置における要部側面図。

【図９】図８の右側面図。

【図１０】図９のＸーＸ線に沿う断面拡大図。

【符号の説明】

１ リーフスプリング ２ エアスプリング ３ ピンブラケット ５ フロントアクスル ６ ピンブラケット筒部 ９ ショックアブソーバ １４ スタビライザバー ２０ フロントサスペンション ２４ ピン ２５ ピン中央部 ２７ ピン先細端部 ２９ ストッパ ３２ ラバーブッシュ ３３ スタビライザバー後端部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 アクスルに固定されたピンブラケット、
   同ピンブラケットに中央部が保持され端部が先細となっ
   たピン、上記中央部に対し上記先細端部の反対側の上記
   ピンに固定され上記ピンブラケットに係合して上記ピン
   の回り止めをするストッパ及びラバーブッシュを介して
   上記先細端部に端部が支持されたスタビライザバーを有
   するサスペンション装置。