JPH05638B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、波形状薄板からなるブレードを有し
このブレードの両面でそれぞれ温度の異なる空気
の送風機能をもつと同時にブレードを介して温度
の異なる空気間で熱交換をも行なうことのできる
熱交換型送風機に関するものである。

従来例の構成とその問題点 第１図は従来の熱交換型送風機のインペラ部分
を示し、１はステンレス、アルミニウム、樹脂等
の波状薄板で構成されるブレード、２はブレード
１を回転中心軸から支持し、かつ回転軸にインペ
ラを固定するためのボス３を有する主板である。
４はブレード１を主板２と共に外周方向から支持
する外周板で、略リング状の可撓性のシール材５
が固定してある。

第２図は上記インペラをケーシングに組込んだ
概略断面構造を示し、６はブレード１の両面の空
気流れを分離する仕切板、７，８はそれぞれの面
の流れを導く第１、第２フアンケースである。

また、第１フアンケース７側の空気流れを９、
第２フアンケース８側の空気流れを１０とする
と、インペラが回転すると空気流れ９，１０はブ
レード１を介して熱交換することになる。

前記シール材５は第３図のように仕切板６に対
し、第２ケーシング８側から第１ケーシング７側
に渡つて位置し、外周板４と仕切板６の隙間をシ
ールしている。

上記構成においては、第１ケーシング７側と第
２ケーシング８側の負荷が異なると、第１ケーシ
ング７側と第２ケーシング８側の圧力P_A，P_Bが
異なり、P_A＞P_Bの場合、空気流れ９から空気流
れ１０に空気が洩れたり、空気流９が高温多湿と
した場合、ブレード１により熱交換され生じた凝
縮水水ａは遠心力により前記シール材５に至つた
のちシール材５より第２ケーシング８側に飛散さ
れるといつた問題点があつた。

発明の目的 本発明はこのような従来の問題を解消し、熱交
換率の向上をはかつた熱交換型送風機を提供する
ものである。

発明の構成 本発明の熱交換型送風機は、ブレードと外周板
と仕切板を備え、前記仕切板の内周端には、略リ
ング状でかつ可撓性を有し、内周側が開放した断
面略Ｖ字型のシール材を固定し、前記外周板には
前記シール材内に位置する摺動部と、この摺動部
の両側に位置してブレード両側の２種類の空気流
を外側方向に整流する整流板を設けたことによ
り、ブレード両側の外周方向の風力に影響される
ことなく、ブレード両側の内圧により前記シール
材を前記外周板の摺動部に押圧し、シール効果を
もたせ、熱交換効率の向上をはかるものである。

実施例の説明 以下、添付図面に基づいて本発明の一実施例に
ついて説明する。

第４図は熱交換型送風機のインペラ部分を示し
１１はステンレス、アルミニウム、樹脂等の波形
状薄板で構成されるブレード、１２はブレード１
１を回転中心側から支持しかつ固定するためのボ
ス１３を有する主板である。

１４はブレード１１を主板１２と共に外周方向
から支持する略リング状の外周板である。

第５図は、上記インペラを組込んだ衣類乾燥機
の概略断面構造を示し、１５は乾燥機の外枠、１
６は外枠１５内に回転自在に設置したドラム、１
７はドラム１６内に被乾燥物を投入するためのド
ア、１８は第４図に示したインペラ、１９はイン
ペラ１８を回転させる回転軸で、主板１２のボス
１３に固定してある。

２０はインペラ１８を内包し通風路を形成する
ケーシング、２１はインペラ１８の両面の空気流
を通風路部分で仕切る仕切板で、外周板１４の外
周方向に位置する。２２は高温多湿な乾燥用循環
空気を導くためのダクトで、途中にヒータ２３を
設けている。

２４は吸気された冷却空気を排気するためのダ
クトである。２５，２６はそれぞれ乾燥用循環空
気、冷却空気の流れを示している。２７は除湿水
を機外に排出する排水口である。

上記構成において、電源を入れてモータ（図示
せず）を回転させ、この回転力でインペラ１８を
回転させると、インペラ１８の両面で２つの異な
る空気流、すなわち、循環空気２５、冷却空気２
６の流れが発生する。乾燥用循環空気２５はヒー
タ２３で加熱された後にドラム１６に入り、ドラ
ム１６内の衣類を加熱した後にインペラ１８の一
方の面に沿つて移動し、ダクト２２を介し再びヒ
ータ２３方向に向かう。

冷却空気２４は機外から吸込まれ、インペラ２
０の他方の面に沿つて移動し、ダクト２４を介し
再び機外へ出る。そして、両空気はブレード１１
の両面溝部分を薄板１枚を間に挾んで隣り合つて
流れ、この時、温度の高い乾燥用循環空気２５か
ら温度の低い冷却空気２６へとブレード１１を介
して熱が移動し、循環空気２５は冷却され、これ
に含まれている水分は凝結し、水滴となり、排水
口２７より排水され、乾燥用循環空気２５は除湿
された乾燥用循環空気２５はインペラ１８とケー
シング２０及び仕切板２１とで構成される通風路
を通り、循環用ダクト２２を通りヒータ２３部分
を通り、ここで加熱されドラム１６にもどるとい
う循環を行なう。一方、冷却空気２６は機外より
吸入され、インペラ１８内に入り、ここで乾燥用
循環空気を冷却し、排気ダクト２４より機外へ排
気される。

前記構成において、仕切板の内周端には第６
図、第７図のように略リング状でかつ可撓性を有
し、内周側が開放した断面路Ｖ字型のシール材２
８が固定されている。

また、外周板１４には、シール材２８内に位置
する摺動部１４ａと、この摺動部１４ａの両側に
位置して循環空気２５、冷却空気２６の流れを外
側方向に整流する整流板１４ｂ，１４ｃが設けて
ある。

上記構成において、インペラ１８が回転すると
循環空気２５、冷却空気２６側にそれぞれ吐出圧
Pa，Pbが発生し、前記シール材２８を前記外周
板１４の摺動部１４ａに押圧し、仕切板２１と外
周板１４の隙間をシールすることが出来る。

また、前記外周板の整流板１４ｂ，１４ｃによ
り循環空気２５、冷却空気２６をそれぞれ外側方
向α，βへ整流し、前記シール材２８と摺動部１
４ａの隙間を広げようとする風圧も発生しない。

また、例えば循環空気２５側と冷却空気２６側
の負荷が異なり、Pa＞Pbとなつたと仮定しても、
シール材２８の断面が略Ｖ字型で、摺動部１４ａ
に両側から位置する為、前記内圧Pa，Pbにより
シール材２８は摺動部１４ａに押圧されシールさ
れることになる。

また、シール材２８が仕切板２１に固定されて
いることと、前記外周板１４に整流板１４ｂ，１
４ｃが設けられているため、ブレード１１に生じ
た凝縮水ｂはα方向に飛散され、循環空気２５側
から冷却空気２６へ凝縮水ｂが洩れることはな
い。

発明の効果 上記実施例の説明からあきらかなように、本発
明の熱交換型送風機は、とくに略リング状でかつ
可撓性を有し、内周側が開放した断面略Ｖ字型の
シール材を仕切板に固定し、外周板の摺動部をシ
ール材内に位置するように設け、さらに外周板に
は空気流を外側方向に整流する整流板を設けるこ
とにより、風圧に左右されることなく、内圧によ
り仕切板と外周板のシールが出来、熱交換効率の
向上と水洩れ防止をはかることができるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の熱交換型送風機のインペラを示
す斜視図、第２図は同インペラをケーシングに組
込んだ縦断面図、第３図は同シール部を示す拡大
断面図、第４図は本発明の一実施例を示す熱交換
型送風機のインペラを示す斜視図、第５図は同熱
交換型送風機を用いた衣類乾燥機の縦断面図、第
６図は同シール部の拡大断面図、第７図は同シー
ル部を示す断面斜視図、第８図は同吐出圧を示す
Ｐ−Ｑ曲線特性図である。 １１…ブレード、１４…外周板、１４ａ…摺動
部、１４ｂ，１４ｃ…整流板、２１…仕切板、２
８…シール材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 溝部分が回転中心軸から放射状に位置する波
   形状薄板からなるブレードと、このブレードの外
   周部を支持する外周板と、前記外周板の外周方向
   に配しブレード両面の溝部分を流れる２種類の空
   気流を分離する仕切板を備え、前記仕切板の内周
   端には、略リング状でかつ可撓性を有し、内周側
   が開放した断面略Ｖ字型のシール材を固定し、前
   記外周板には前記シール材内に位置する摺動部
   と、この摺動部の両側に位置して前記２種類の空
   気流を外側方向に整流する整流板を設けた熱交換
   型送風機。