JPH0520596B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は除湿型衣類乾燥機等に利用される、両
面における送風機能と熱交換機能を有する熱交換
型送風機に関するものである。

従来の技術 従来、この種の熱交換型送風機は第１図、第２
図に示すようなものが特開昭57−47187号公報、
同57−67790号公報他で開示されている。

第１図、第２図において、１は溝部分が回転中
心軸２からほぼ放射状に位置する波形状薄板より
なるブレードであり、中心部にボス３を有する内
周板４はブレード１の内周部に位置し、外周板５
はブレード１の外周部に位置してそれぞれ設けら
れている。前記ブレード１、内周板４、外周板５
とにより熱交換型送風機のインペラ６が構成され
ている。７はインペラ６の両面を流れる２種の空
気のうず巻室を形成するケーシングであり、８は
両空気が混流しないように外周板５の外周方向に
配した仕切板である。前記インペラ６はそれ自身
が２種の空気流れを気密的に分離している。９，
１０はそれぞれ２種の空気の吸気口、１１，１２
は排気口であり、１３，１４は２種の空気流れを
示している。

以上のように構成された従来の熱交換型送風機
について、以下その動作について説明する。まず
電源を投入するモータ（図示せず）が回転し、イ
ンペラ６を駆動する。これにより、２種の空気は
波形状のブレード１の両面を溝部に吸気口９，１
０より独立して吸気される。この時両空気はブレ
ード１を介してその両側を隣合つて流れるため、
２種の空気に温度差があると温度の高い方の空気
から温度の低い方の空気に熱が伝わり、熱交換を
行なう。熱交換を行なつた両空気は独力して排気
口１１，１２より排気される。

発明が解決しようとする課題 熱交換型送風機の熱交換能力は波形状のブレー
ド１の表面積と空気風量にほぼ比例する。ブレー
ド表面積は一般の熱交換器の伝熱面積に相当する
もので、ブレード表面積を大きくすると熱交換能
力を大きくすることができる。しかしながらブレ
ード表面積を大きくすることは、インペラ６の大
型化を意味し、装置全体が大きなものとなつてし
まうという欠点を有している。また空気風量を増
大させれば熱交換能力は増大するが、風量増大の
ためには大巾な外径アツプや回転数のアツプが必
要であり、熱交換型送風機の装置全体の大型化や
騒音が大きくなるという問題があつた。

そこで本発明は、大型化および高速回転化せず
に熱交換能力の増大と送風能力の増大をはたすこ
とを目的としている。

課題を解決するための手段 上記課題を解決するために、本発明は両面にお
いて送風機能を有するとともに両面に流れる空気
間の熱交換機能を有するインペラを備え、このイ
ンペラは回転軸を固定する内周板と、その外周に
連設する両面に送風路となる放射状で断面形状が
先細り状の溝を有する波形状の熱交換用ブレード
と、この熱交換用ブレードの外周に連設した外周
部と、前記内周板および外周板を境にして、両周
板から溝の端部におけるコーナ部に至るまでの部
分を閉鎖する内外閉鎖部を有し、前記インペラの
少なくとも片面において、前記外閉鎖部の外周部
に送風用補助ブレードを設けたもので、熱交換能
力の向上および送風能力の増大をはたすことがで
きるものである。

作 用 本発明の熱交換型送風機は、上記構成により、
インベラが回転すると中心部より吸気された空気
は熱交換用ブレードにより送風され、その後さら
に送風用補助ブレードにより加圧送風される。こ
のため熱交換用ブレードのみの場合に比べて大巾
な風量増大をはたすことができ、このため熱交換
を行なうブレード表面での流速が増し、熱交換能
力の向上をはたすことができるものである。

実施例 以下本発明の一実施例について、図面を参照し
ながら説明する。従来例と同じ構成のものは同一
符号を付して詳細な説明を省略している。

第３図、第４図において、１は金属又は樹脂製
の波形状薄板より成る熱交換用ブレード、３は内
周板４に設けたボス、５は外周板であり、６は熱
交換用ブレード１、内周板４、外周板５で構成す
るインペラである。内周板４と外周板５を境にし
て熱交換用ブレード１の溝端部におけるコーナ部
を閉鎖して、内外閉鎖部としている。７はケーシ
ング、８は仕切板、９，１０はそれぞれ２種の空
気の吸気口、１１，１２は排気口であり、１３，
１４は２種の空気流れを示している。前記熱交換
用ブレード１の前記外閉鎖部の外周部には送風用
補助ブレード１５を設けている。本実施例では送
風用補助ブレード１５は多翼フアンの形状を有し
ている。

第５図は上記熱交換型送風機を用いた衣類乾燥
機を示す。この場合、２種の空気流れとして、高
温空気は衣類を乾燥させるための乾燥用空気であ
り、低温空気は室温の冷却用空気である。１６は
乾燥機本体、１７は回転自在に設けられ、モータ
１８によりドラムベルト１９を介して駆動させる
ドラム、２０は本体１の前面に設けた衣類投入
口、２１はドラム１６内へ送風される乾燥用空気
を加熱するための熱源である。そして、第３図に
示したインペラ６は本体１６の背面に設けてお
り、熱交換用ブレード１の冷却空気側の外周部に
送風用補助ブレード１５が位置している。インペ
ラ６はモータ１８によりフアンベルト２２を介し
て駆動される。２３は支持板で、インペラ６とケ
ーシング７を保持している。２４，２５は裏板２
６に設けた冷却空気の吸気口と排気口である。２
７は循環ダクトで、ケーシング７と熱源２１の吸
気側とを連絡する通風路の機能を有している。２
８はインペラ６において凝縮された除湿水の排水
口である。２９，３０はそれぞれ乾燥用空気と冷
却空気の流れを示している。

以上のように構成された本発明による熱交換型
送風機を用いた衣類乾燥機について、以下その動
作について説明する。

電源が投入されると、モータ１８が回転し、衣
類を収納したドラム１７が回転すると共に熱交換
型送風機のインペラ６が回転する。また熱源２１
に通電され、加熱された乾燥用空気はドラム１７
中の衣類より水分を奪い、多湿となつた乾燥用空
気はインペラ６に吸気されると同時に、冷却空気
は吸気口２４よりインペラ６の反対の面に吸気さ
れ、インペラ６の熱交換用ブレード１を介し両者
は熱交換される。この時乾燥用空気は冷却され、
凝縮がおこり除湿水として排水口２８より本体１
６外へ排出される。凝縮により除湿された乾燥用
空気は、循環ダクト２７を通り熱源２１に送りこ
まれ、ここで再び加熱されドラム１７内へ導びか
れ乾燥用空気は循環される。一方冷却用空気はイ
ンペラ６で熱交換され、加熱された後排気口２５
より機外に排気される。

一般に送風機の能力は、Ｑの流量を流した時得
られる圧力Ｈとの関係特性すなわちQH特性で表
わせる。そこで、送風用補助ブレード１５を持つ
熱交換型送風機のQH特性を第６図の実線で示
し、従来の熱交換型送風機のQH特性を破線で示
し、熱交換型送風機を衣類乾燥機に用いた時、流
量Ｑを流すに必要な圧力Ｈとの関係特性すなわち
負荷特性を一点鎖線で示す。これによれば本発明
による熱交換型送風機を衣類乾燥機に応用した場
合、約25％の風量アツプがはたせる。第７図には
衣類乾燥機の冷却用空気風量に対して熱交換型送
風機の熱交換能力を表わす熱通過率と除湿量を示
す。第６図、第７図より、本発明の熱交換型送風
機を採用し冷却風量を約25％増大させれば、熱通
過率すなわち熱交換能力が約10％向上し、これに
より衣類乾燥機の基本性能の向上すなわち除湿量
を約10％アツプさせることができる。

なお、本実施例では送風用補助ブレード１５の
形状を多翼フアン形状（シロツコフアン形状）と
したが、第８図に示すように前進翼形状としても
同様の効果を奏することができる。また第９図に
示すように送風用補助ブレード１５を波形状の熱
交換用ブレードの外周方向にやや離して設けるこ
ともできる。この場合、熱交換用ブレードからの
空気および熱交換用ブレードと送風用補助ブレー
ド１５との間の空気に送風用補助ブレードが有効
に作用しさらに効果が増大する。

さらに、本実施例では片面だけに送風用補助ブ
レード１５を設けたが、両面に設ければさらに効
果は大きなものとなる。

発明の効果 以上のように本発明は、両面において送風機能
を有するとともに両面に流れる空気間の熱交換機
能を有するインペラを備え、このインペラは回転
軸を固定する内周板と、その外周に連設する両面
に送風路となる放射状で断面形状が先細り状の溝
を有する波形状の熱交換用ブレードと、この熱交
換用ブレードの外周に連設した外周板と、前記内
周板および外周板を境にして、両周板から溝の端
部におけるコーナ部に至るまでの部分を閉鎖する
内外閉鎖部を有し、前記インペラの少なくとも片
面において、前記外閉鎖部の外周部に送風用補助
ブレードを設けたもので、熱交換能力の向上およ
び送風能力の増大をはたすことができ、その効果
は大なるものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のインペラの斜視図、第２図は従
来の熱交換型送風機の側面断面図、第３図は本発
明の一実施例のインペラの斜視図、第４図は本発
明の一実施例を示す熱交換型送風機の側断面図、
第５図は同熱交換型送風機を用いた衣類乾燥機の
側断面図、第６図は送風機のQH特性図、第７図
は同送風機を衣類乾燥機に用いた場合の特性図、
第８図、第９図は本発明となるその他の実施例を
示すインペラの平面図である。 １……熱交換用ブレード、４……内周板、５…
…外周板、１５……送風用補助ブレード。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 両面において送風機能を有するとともに両面
   に流れる空気間の熱交換機能を有するインペラを
   備え、このインペラは回転軸を固定する内周板
   と、その外周に連設する両面に送風路とする放射
   状で断面形状が先細り状の溝を有する波形状の熱
   交換用ブレードと、この熱交換用ブレードの外周
   に連設した外周板と、前記内周板および外周板を
   境にして、両周板から溝の端部におけるコーナ部
   に至るまでの部分を閉鎖する内外閉鎖部を有し、
   前記インペラの少なくとも片面において、前記外
   閉鎖部の外周部に送風用補助ブレードを設けた熱
   交換型送風機。