JPH056378Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、ウインドウ開閉装置に関するもの
であり、特に車体への取付部及びウインドウの取
付ブラケツトを延設し、ハンドグリツプとしたウ
インドウ開閉装置に関するものである。

〔従来の技術及び考案が解決しようとする問題点〕

ウインドウ開閉装置は、その支持アームの取付
部に大なる力が作用する為、十分な取付強度が必
要とされている。然し、従来型は前記取付部が小
さい為、車体側に負荷が集中し、撓みが発生し易
い。そして、この車体側の撓みのためウインドウ
閉塞時の機密性が悪化する傾向があつた。又、ウ
インドウの横巾が長い場合には該ウインドウの左
右両端部に撓みが発生し、前述同様該ウインドウ
の機密性が損われるという欠陥が生じていた。そ
こで、之等撓みの発生を解消し、該ウインドウの
閉塞時に於ける機密性の高いウインドウ開閉装置
を得るために解決せらるべき技術的問題点が生じ
てくるのである。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は、上記問題点に鑑みこれを解決せん
として提案せられたものであり、トラクイタ等の
車体に取付けられた支持アームの先端にリンクの
一端部を枢着し、該リンクの他端部をハンドルの
基部に枢着すると共に、該ハンドルの一端部に把
手部を設け、且つ、該ハンドルの他端部をウイン
ドウに固設した取付ブラケツトに枢着したウイン
ドウ開閉装置に於て、前記支持アームの基部より
アームを延設し、該アームの先端を湾曲して前記
車体へ取付けると共に、前記取付ブラケツトを左
右に延設し、複数の取付片にて該取付ブラケツト
を前記ウインドウに固設したことを特徴とするウ
インドウ開閉装置を提供せんとするものである。

〔作用〕

この考案は、ウインドウに固設した取付ブラケ
ツトにハンドルの一端部が枢着されており、この
ハンドルの把手部を車体の外側方向へ回動するこ
とにより、該ハンドルの基部に枢着されたリンク
が支持アームの先端部を中心に回動する。そし
て、前記ハンドルの他端部が車体の外側方向に移
動してウインドウが外側へ開放する。この時、前
記支持アームの基部にかかる応力は延設されたア
ームの取付部へ分散され、従来型のように車体側
に撓みが発生することがなくなる。又、前記ハン
ドルの把手部を車体の内側方向へ回動すれば、前
述とは逆作用によりウインドウが閉塞される。而
も前記ウインドウの取付ブラケツトは左右に延設
されており、複数の取付片にて固設されている
為、該ウインドウの左右両端部が撓むことなく車
体に密着して閉塞されるのである。

〔実施例〕

以下、この考案の一実施例を別紙添附の図面に
従つて詳述する。トラクタ１の側面ドア２，２
に、サイドウインドウ３，３と下部ウインドウ
４，４とが装着されている。そして、このサイド
ウインドウ３の上端部には、前記側面ドア２に止
着された蝶番５，５が固着され、該サイドウイン
ドウ３が蝶番５５を回動中心に車体外側方向へ開
放するように形成されている。更に、該サイドウ
インドウ３を当接した車体側には、ゴムシール６
を固設し、該サイドウインドウ３の閉塞時に於け
る密着性を効果的ならしめる。又、前記下部ウイ
ンドウ４はその周囲にゴムシール７を嵌着し、前
記側面ドア２の下部へ嵌め殺しに取付けられてい
る。そして、前記側面ドア２内側に固設した中央
フレーム８の略中央部位に、本考案のウインドウ
開閉装置９の取付部１０をビス１１，１１にて緊
締する。この取付部１０には、斜め上方に突設さ
れた支持アーム１２が熔着してあり、更に、該支
持アーム１２の基部から斜め下方にアーム１３を
延設する。そして、該アーム１３の延設部を湾曲
してその先端部を、前記側面ドア２に止着された
取付板１４へ熔着する。又、前記支持アーム１２
の先端にピン１５を嵌着し、このピン１５にリン
ク１６の一端部を枢着すると共に、該リンク１６
の他端部をハンドル１７の基部に嵌着されたピン
１８へ枢着する。更に、このハンドル１７の一端
部１７ａに把手部１９を固設する。又、前記サイ
ドウインドウ３の下端部へ水平方向に適宜数の取
付片２０，２０…を固設し、この取付片２０，２
０…へ取付ブラケツト２１を架設する。そして、
該取付ブラケツト２１の略中央部に溝２２を穿設
し、この溝２２に前記ハンドル１７の他端部１７
ｂを挿入し、ピン２３にて枢着する。尚、この取
付ブラケツト２１は、乗員がハンドグリツプとし
て使用するに耐えるものであれば、該取付ブラケ
ツト２１の材質及び形状は特に限定せらるべきで
ない。

而して、第３図に於て、前記ハンドル１７の把
手部１９を矢印Ａ方向に回動すると、該ハンドル
１７基部のピン１８にて枢着されたリンク１６
が、前記ピン１５を回動中心にして矢印Ａ方向に
回動する。そして、該ハンドル１７の他端部１７
ｂは矢印Ｂ方向に移動し、前記サイドウインドウ
３の下端部も前記蝶番５，５を回動中心に矢印Ｂ
方向に移動し、サイドウインドウ３が車体外側に
開放される。又、上記操作と逆の操作を為すこと
により前記サイドウインドウ３は閉塞されるので
あるが、サイドウインドウ３の下端部は前記ゴム
シール６に圧接し高い機密性を保持する。そし
て、之等の開閉作動時に前記支持アーム１２の取
付部１０へかかる応力は、延設されたアーム１３
の取付板１４に分散されるので前記中央フレーム
８に集中せず、依つて、撓みが発生することはな
い。又、該アームはハンドグリツプとしても使用
可能である。

〔考案の効果〕

この考案は、上記一実施例に詳述したように、
ウインドウ開閉装置の支持アームの基部よりアー
ムを延設し、取付部の取付ピツチを広くしたこと
により該支持アームの基部にかかる応力が分散さ
れ、従来型のように、車体側に撓みが発生して該
ウインドウ閉塞時の機密性が悪化することがなく
なる。又、ウインドウの取付ブラケツトも左右に
延設し、取付ピツチを広くしたことにより該ウイ
ンドウの左右両端部が撓むことがなくなり、閉塞
時の機密性が向上する。而して、従来型に於て困
難であつたウインドウ部のシール性を向上せし
め、強い風雨に際しても雨水が漏入することがな
くなる。又、前記延設したアーム及び取付ブラケ
ツトは夫々ハンドグリツプとしても使用可能であ
り、取手が不要となる為、コストダウンにも寄与
する等、正に実用的価値ある考案である。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の一実施例を示すものであり、第
１図はトラクタの一部切欠側面図、第２図は要部
拡大図、第３図は第２図のＡ−Ａ線矢視断面図で
ある。 符号説明、１……トラクタ、３……サイドウイ
ンドウ、９……ウインドウ開閉装置、１０……取
付部、１２……支持アーム、１３……アーム、１
６……リンク、１７……ハンドル、１７ａ……一
端部、１７ｂ……他端部、１９……把手部、２０
……取付片、２１……取付ブラケツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トラクタ等の車体に取付けられた支持アームの
   先端にリンクの一端部を枢着し、該リンクの他端
   部をハンドルの基部に枢着すると共に、該ハンド
   ルの一端部に把手部を設け、且つ、該ハンドルの
   他端部をウインドウに固設した取付ブラケツトに
   枢着したウインドウ開閉装置に於て、前記支持ア
   ームの基部よりアームを延設し、該アームの先端
   を湾曲して前記車体へ取付けると共に、前記取付
   ブラケツトを左右に延設し、複数の取付片にて該
   取付ブラケツトを前記ウインドウに固設したこと
   を特徴とするウインドウ開閉装置。