JPH0563637B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は遠心ポンプの羽根車に関係し、より
詳細には研磨物で懸濁した流体を吸出する遠心ポ
ンプの羽根車に関係する。

［従来の技術］ 研磨物で懸濁した流体を遠心ポンプで吸出する
ときには上記流体中の研磨物により遠心ポンプの
構成部材が磨滅され、例えば羽根車やケーシング
や羽根車の側面に隣接するケーシングライナー等
の磨滅される構成部材の実用上の耐用年数が減少
されるばかりでなく、構成部材中の回転部品の側
面と静止部品の側面との間の〓間が拡大されて遠
心ポンプからの流体の漏出や遠心ポンプ中におけ
る流体のスリツページ（slippage）が生じてヘツ
ド及び効率の実損失が生じる。

この問題を解決する手段として、羽根車の側面
に上記側面から突出して上記側面に隣接するケー
シングの側面に対して適切な〓間を形成した複数
の補助翼が設けることが知られている。

これらの補助翼は様々な形状に構成されてお
り、例えば半径方向に直線状に延出したり、また
は半径方向に対して傾斜した方向に直線状に延出
したり、またはこれらを組み合わせた形状に構成
されている。補助翼の目的は、羽根車の側面とケ
ーシングの側面との間の〓間に入り込んだ流体に
対して補助翼により遠心力を発生させ上記〓間か
ら吐出させることにより研磨物で懸濁した流体が
上記〓間に入り込むことを抑制することである。
この目的に使用される複数の補助翼は半径方向の
外方に向かうに連れて相互間の間の間隔が広がつ
ている。即ち、羽根車の外周端における相互に隣
接する補助翼間の空間は羽根車の内周端における
上記相互に隣接する補助翼間の空間よりも極めて
大きく、２または３倍である（オーストリア特許
第22513号参照）。

より最近の技術（オーストリア特許第30237／
84号参照）では、環状部材が羽根車の外周端に沿
い延出しており、この結果として羽根車から吐出
された流体が羽根車の側面とケーシングの側面と
の間の〓間に入り込むのが抑制され、ひいては上
記流体に含まれる研磨物が上記〓間に入り込むの
が抑制される。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながらこれら従来の技術では、上記〓間
中で補助翼により発生された遠心力により補助翼
の内端から外端に向かう流れを発生された流体は
第１図に矢印で示す如くケーシングの側面に沿い
補助翼の内端に戻され、上記〓間中で再循環され
る。

この再循環によつても上記〓間に面した部材の
表面が磨滅して上記〓間の寸法が増大され、再循
環と磨滅とがさらに悪化する。

この発明は上記事情の下でなされ、この発明の
目的は、上述した再循環を抑制出来、遠心ポンプ
の羽根車、ケーシング、ケーシングライナー等の
遠心ポンプの構成部材の耐用年数を改善すること
が出来る遠心ポンプ羽根車を提供することであ
る。

［課題を解決するための手段］ 上述した目的を達成する為に、この発明に従つ
て遠心ポンプ羽根車では、少なくとも１つの側面
に配置された補助翼と；周面またはその近傍で補
助翼の外端に連結された環状突起と；隣接した補
助翼の間で隣接した補助翼の両端から実質的に離
間して延出しており、隣接した補助翼の間に環状
突起と協働してポケツトを構成する少なくとも１
つのさらなる突起と；を備えたことを特徴として
いる。

前記少なくとも１つのさらなる突起は前記環状
突起に体して同心的なさらなる環状突起を備えて
いることが出来、また隣接した補助翼の間で延出
し隣接した補助翼の間にポケツトを構成する非連
続の突起を備えていることも出来る。

前記遠心ポンプ羽根車は、共通の回転軸に相互
に平行に配置されて回転軸の回りに回転し一方に
中央吸入開口が規定されている２つの回転部材
と、２つの回転部材の間で略半径方向に延出した
複数の一次羽根と、を備えていて、複数の補助翼
が２つの回転部材の少なくとも一方の外面に配置
されて外面の中心部の近傍から少なくとも一方の
回転部材の周面の近傍まで略半径方向に延出し外
面から軸方向に突出し、環状突起が上記少なくと
も一方の回転部材の外面で上記少なくとも一方の
回転部材の周面の回りに走り、少なくとも１つの
さらなる環状突起が上記環状突起に対して同心的
であり環状突起と回転軸との間に位置している、
ことも出来る。

［作用］ 上記ポケツトは上記〓間で補助翼により発生さ
れた遠心力により補助翼の内端から外端に向かう
大きな流れを分断し上述した再循環を防止する。

［実施例］ この発明の一実施例では、第２図及び第３図に
示される如く、共通の回転中心軸上に同心的にま
た相互に平行に配置された２つの回転部材の相互
間で略半径方向に延出した複数の一次羽根を有し
た羽根車１の両外側面に軸方向の外側に突出して
いる複数の補助翼３，４が設けられている。これ
らの補助翼３，４は、羽根車１が収容される遠心
ポンプのケーシング２において羽根車１の外側面
に対向する内側面に対して所定〓間を介して配置
されている。

複数の補助翼３，４は上記両外側面において羽
根車１の回転中心から外周面近傍まで半径方向に
延出しているとともに羽根車１の回転方向に対し
て逆方向に傾斜している。

羽根車１の両外側面の外周端に環状の突起５，
６が配置されており、環状の突起５，６は両外側
面に夫々において複数の補助翼３，４の外周端を
相互に接続している。

羽根車１の両外側面の中で羽根車１の中央吸入
開口の側には複数の補助翼４の内端と外周端との
間にもう１つの環状の突起が軸方向に突出して同
心的に設けられており、また上記両外側面の中で
羽根車１の回転中心軸の突出側には複数の補助翼
４の内端と外周端との間にさらにつの環状の突起
７，８が軸方向に突出して同心的に設けられてい
る。

上記両外側面のもう１つの及びさらに２つの環
状の突起７，８は両外側面の外周端の環状の突起
５，６と協働して複数の補助翼３及び４の間にポ
ケツト９を構成している。

上述した実施例でこれら複数の補助翼３，４や
環状の突起５，６やもう１つの及びさらに２つの
環状の突起７，８の夫々の高さは相互に同じであ
るが、羽根車１を使用する遠心ポンプの寸法に従
つて変化させることが出来る。

第４図にはこの発明の第２の実施例に従つた遠
心ポンプ羽根車が示されており、この実施例では
羽根車１の両外側面で複数の補助翼の内端と外周
端との間には、第１の実施例のもう１つの及びさ
らに２つの環状の突起７，８に代わり、複数の補
助翼中で隣接した補助翼の間で延出し同じ同心円
上には配置されず千鳥状に配置された非連続の突
起１０が設けられている。

非連続の突起１０もまた上記両外側面の外周端
の環状の突起と協働して複数の補助翼の間にポケ
ツト１１を構成している。

なお隣接した補助翼の間で個々の非連続の突起
１０は羽根車１の回転中心軸に対して円弧状に延
出しているが、直線状でも良いし、上記回転中心
軸に対して傾斜していても良いし、またはもつと
間がつていても良い。

上述した種々の実施例はこの発明を説明する為
のものでありこの発明を上述した種々の実施例に
限定するものではない。この発明の範囲内で上述
した羽根車の種々の変形例がなされることは当業
者にとり明白である。

［発明の効果］ 以上詳述した如く、この発明に従つた遠心ポン
プ羽根車では上記ポケツトが上記〓間中で補助翼
により発生された遠心力により補助翼の内端から
外端に向かう流体の大きな流れを分断し上述した
再循環を防止出来るので、遠心ポンプの羽根車、
ケーシング、ケーシングライナー等の遠心ポンプ
の構成部材の耐用年数を改善することが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の遠心ポンプにおける羽根車の
外側面と羽根車を収容したケーシングの内側面と
の間の〓間中で上記羽根車の外側面の半径方向に
延出した複数の補助翼が流体に与える遠心力によ
り流体が再循環する様子を示す従来の遠心ポンプ
の概略的な縦断面図；第２図は、この発明の第１
の実施例に従つた遠心ポンプ羽根車を備えた遠心
ポンプの概略的の縦断面図；第３図は、第２図の
遠心ポンプ羽根車の概略的な側面図；そして、第
４図は、この発明の第２の実施例に従つた遠心ポ
ンプ羽根車の概略的な側面図である。 １……羽根車、２……ケーシング、３，４……
補助翼、５，６……環状の突起、７，８……さら
に２つの環状の突起、９……ポケツト、１０……
非連続の突起、１１……ポケツト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 少なくとも１つの側面に配置された補助翼
   ３，４と； 周面またはその近傍で補助翼の外端に連結され
   た環状突起５，６と； 隣接した補助翼の間で隣接した補助翼の両端か
   ら実質的に離間して延出しており、隣接した補助
   翼の間に環状突起と協働してポケツトを構成する
   少なくとも１つのさらなる突起７と； を備えたことを特徴とする遠心ポンプ羽根車。 ２ 前記少なくとも１つのさらなる突起が前記環
   状突起に対して同心的なさらなる環状突起を備え
   ていることを特徴とする特許請求の範囲第１項に
   記載の遠心ポンプ羽根車。 ３ 少なくとも１つの側面に配置された補助翼
   と； 周面またはその近傍で補助翼の外端に連結され
   た環状突起と； 隣接した補助翼の間で延出しており、隣接した
   補助翼の間にポケツトを構成する非連続の突起
   と； を備えたことを特徴とする遠心ポンプ羽根車。 ４ 少なくとも１つの側面に配置された補助翼
   と； 周面またはその近傍で補助翼の外端に連結され
   た環状突起と； 隣接した補助翼の間で環状突起に対して同心的
   に延出しており、隣接した補助翼の内端から実質
   的に外方に離間していて隣接した補助翼の間に環
   状突起と協働してポケツトを構成する少なくとも
   １つのさらなる環状突起と； を備えたことを特徴とする遠心ポンプ羽根車。 ５ 回転軸を有した平坦な回転部材と； 回転部材の一面上に配置され、回転軸に沿つて
   一例に配置された中央吸入開口を形成し、実質的
   に半径方向に延出された複数の一次羽根と； 回転部材の他面上に配置され、他面の中心部か
   ら回転部材の周面近傍へと略半径方向に延出し、
   他面から軸方向に突出した複数の補助翼と； 補助翼の外端の周面の回りに走る環状突起と； 環状突起に対して同心的であり、環状突起と回
   転軸との間に位置している少なくとも１つのさら
   なる環状突起と； を備えており、 回転部材がポンプケースに配置され回転軸の回
   りに回転された時に複数の一次羽根が液体を揚
   げ、少なくとも１つのさらなる環状突起が環状突
   起と協働して他面に沿つた液体の再循環を規制す
   る、ことを特徴とする遠心ポンプ羽根車。 ６ 前記少なくとも１つのさらなる環状突起が、
   前記複数の補助翼の中の隣接した２つの間を夫々
   が延出する非連続的な一連の部分を備えているこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第５項に記載の遠
   心ポンプ羽根車。 ７ 共通の回転軸に相互に平行に配置されて回転
   軸の回りに回転し、一方に中央吸入開口が規定さ
   れている２つの回転部材と； ２つの回転部材の間で略半径方向に延出した複
   数の一次羽根と； ２つの回転部材の少なくとも一方の外面に配置
   され、外面の中心部の近傍から少なくとも一方の
   回転部材の周面の近傍まで略半径方向に延出し、
   外面から軸方向に突出した複数の補助翼と； 上記少なくとも一方の回転部材の外面で上記少
   なくとも一方の回転部材の周面の回りに走る環状
   突起と； 環状突起に対して同心的であり、環状突起と回
   転軸との間に位置した少なくとも１つのさらなる
   環状突起と； を備え、 ２つの回転部材がポンプケースに配置され回転
   軸の回りに回転された時に複数の一次羽根が液体
   を揚げ、少なくとも１つのさらなる環状突起が環
   状突起と協働して他面に沿つた液体の再循環を規
   制する、ことを特徴とする遠心ポンプ羽根車。 ８ 前記少なくとも１つのさらなる環状突起が、
   前記複数の補助翼の中の隣接した２つの間を夫々
   が延出する非連続的な一連の部分を備えているこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第７項に記載の遠
   心ポンプ羽根車。