JPH0563235U - 穀粒収容タンク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 濡れ状態の穀粒を貯留した場合でも穀粒を穀
粒排出口へ円滑に流下させることができる穀粒収容タン
クを提供する。 【構成】 タンク１の下部に穀粒排出口５を備えた穀粒
収容タンクであって、タンク１の前後側壁７，８にわた
ってネジ軸９を回動操作可能に架設するとともに、タン
ク１内の貯留穀粒に掻き作用を与える掻き部材１０をネ
ジ軸９に螺着して、かつ、この掻き部材１０を、タンク
１におけるネジ軸９の軸芯と平行な側壁面１２ａ，１３
ａに摺接して、ネジ軸９の軸芯周りでの回動を規制して
ある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、タンクの下部に穀粒排出口を備えた穀粒収容タンク構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、この種の穀粒収容タンク構造としては、例えば実開平３−６１８４ ２号公報に開示されたコンバインに搭載されたもののように、下すぼまり状に形 成されたタンクに穀粒を貯留して、穀粒排出口に穀粒が収束しながら排出するよ うにした構造のものが知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来構造のものにあっては、例えば朝露等で濡れた状態の 稲を刈り取って脱穀処理した後その穀粒をタンクに貯留すると、タンク内の穀粒 同士が塊状になり易くなって、穀粒排出口への下すぼまり状の通路に穀粒塊が架 橋された状態になり、穀粒流下が妨げられる虞れが高いという欠点があった。 本考案は、上記実情に鑑みてなされたものであって、濡れ状態の穀粒を貯留し た場合でも穀粒を穀粒排出口へ円滑に流下させることができる穀粒収容タンクの 提供を目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案にかかる穀粒収容タンクは、上記目的を達成するために、冒記構造のも のにおいて、前記タンクの前後側壁にわたってネジ軸を回動操作可能に架設する とともに、前記タンク内の貯留穀粒に掻き作用を与える掻き部材を前記ネジ軸に 螺着して、かつ、この掻き部材を、前記タンクにおける前記ネジ軸の軸芯と平行 な側壁面に摺接して、前記ネジ軸の軸芯周りでの回動を規制してあることを特徴 構成とする。 かかる特徴構成による作用・効果は次の通りである。

【０００５】

【作用】

即ち、ネジ軸を回動操作することによって掻き部材はタンク内をネジ軸の軸心 方向にタンクの側壁面に摺接しながら移動することになり、この掻き部材を穀粒 貯留状態のタンクにおいて適宜移動させると、タンク内の穀粒は掻き部材で攪拌 されることになる。

【０００６】

【考案の効果】

従って、掻き部材で適宜タンク内の穀粒を攪拌できるので、例えばタンク内で 塊状となった穀粒を細かく崩すことができて、穀粒排出口への通路に穀粒塊が架 橋しないようにでき、よって、円滑に穀粒を流下させることができるに至った。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図１乃至図３に、コンバインに搭載した穀粒収容タンクとしてのグレンホッパ １を示している。このグレンホッパ１は、脱穀装置２で脱穀処理された後の穀粒 を揚送装置３により揚送供給するものであって、脱穀装置２の横側方箇所に並設 している。

【０００８】 そして、グレンホッパ１は、その上半部部分１ａを直方体状のケースに構成す るとともに、その下半部部分１ｂを前後左右の４箇所において夫々下方に下すぼ まり状に延出して、下端部にシャッター４で開閉自在にした穀粒排出口５を設け ている。これら穀粒排出口５の下方には、穀粒排出口５から落下してきた穀粒を 受け止め回収する回収袋Ａを吊り下げ支持するための袋支持杆６，６を配設して いる。

【０００９】 グレンホッパ１を開閉自在とするように、グレンホッパ１の天井板１Ａは、グ レンホッパ１上端部に揺動可能に枢着している。グレンホッパ１の上半部分１ａ には、その前側壁７と後側壁８とにわたってネジ軸９を回動可能に枢支架設して いるとともに、このネジ軸９に螺着したコマ部材１０ａとこのコマ部材１０ａに 固定した板状部材１０ｂとで掻き部材１０を構成している。この掻き部材１０の 板状部材１０ｂの左右両端縁部には樹脂製摺接部材１１，１１を固着していると ともに、この樹脂製摺接部材１１，１１とグレンホッパ１のネジ軸９軸心方向と 平行をなす左右両側壁１２，１３の内壁面１２ａ，１３ａとが摺接するようにし ている。このため、後述するようにネジ軸９を回動したときに掻き部材１０が連 れ回りすることがないように、側壁１２，１３の内面で板状部材１０ｂが回り止 め規制される。そして、ネジ軸９の前端部には、電動モータ１４が連動連結され ている。また、前側壁７及び後側壁８の内面側には、前記掻き部材１０の位置検 出するリミットスイッチ１５，１６を夫々配設している。これらリミットスイッ チ１５，１６は、電動モータ１４によって回動駆動されたネジ軸９が掻き部材１ ０をネジ軸９軸心方向に移動させたときに、移動終端部となる前側壁７又は後側 壁８近くに掻き部材１０が移動してきたことを検出するためのものであって、掻 き部材１０の接当でスイッチング操作されるものである。掻き部材１０でスイッ チング操作されたリミットスイッチ１５，１６からの出力信号により、図示しな い制御回路は電動モータ１４の駆動を停止するようにしている。電動モータ１４ は、コンバインの図示しない操縦パネルに設けた始動スイッチのスイッチング操 作で掻き部材１０の移動駆動開始信号を発信して、前記制御回路にその信号が入 力され、電動モータ１４が駆動開始される。従って、電動モータ１４で駆動され たネジ軸９の回動で掻き部材１０はネジ軸９軸心方向に移動開始し、移動終端近 くでリミットスイッチ１５、またはリミットスイッチ１６をスイッチング操作す ることで制御回路により電動モータ１４を停止して掻き部材１０の移動も停止す ることになる。

【００１０】 上記構成により、穀粒がグレンホッパ１内に貯留された状態で掻き部材１０を 移動させることによって、掻き部材１０の移動軌跡に重合する範囲にある貯留穀 粒が掻き部材１０で押し動かされ、穀粒同士が水分等で密着して塊状となってい ても、それを小さく分散させるように作用することになる。

【００１１】 さらに、機体内方がわに位置する穀粒排出口５を非使用状態にして、機体外方 に位置する穀粒排出口５のみを使用状態にできるようにするために、揚送装置３ からの穀粒を機体外方に位置する穀粒排出口５へ案内し、かつ機体内方がわに位 置する穀粒排出口５への穀粒流下を阻止する仕切り板１７をグレンホッパ１内に ボルト連結可能に設けても良い。４つの穀粒排出口５を全て使用状態にする場合 は、仕切り板１７をグレンホッパ１内から取り外しておく。尚、仕切り板１７と 前記掻き部材１０とは干渉しないように配置することはいうまでもない。

【００１２】 尚、本考案は次のように実施しても良い。 （イ）掻き部材１０はグレンホッパ１内を常時往復移動を繰り返すように、また は、１往復駆動されたら停止するように制御すること。 （ロ）ネジ軸９の駆動を手動で行えるようにすること。 （ハ）掻き部材１０の回動規制を、グレンホッパ１の内壁面の１面のみで行うこ と、または、天井板１Ａの内面も回動規制面として利用すること。 （ニ）掻き部材１０をレーキ状に構成すること。 （ホ）穀粒を袋回収する型式でないタンクに構成すること。

【００１３】 尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記 すが、該記入により本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】穀粒収容タンクを示す一部破断側面図

【図２】穀粒収容タンクを示す横断平面図

【図３】コンバインに搭載された穀粒収容タンクを示す
一部破断正面図

【符号の説明】

１ タンク ５ 穀粒排出口 ６ 前側壁 ７ 後側壁 ８ ネジ軸 １０ 掻き部材 １２ａ，１３ａ 側壁面

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 タンク（１）の下部に穀粒排出口（５）
   を備えた穀粒収容タンクであって、前記タンク（１）の
   前後側壁（７），（８）にわたってネジ軸（９）を回動
   操作可能に架設するとともに、前記タンク（１）内の貯
   留穀粒に掻き作用を与える掻き部材（１０）を前記ネジ
   軸（９）に螺着して、かつ、この掻き部材（１０）を、
   前記タンク（１）における前記ネジ軸（９）の軸芯と平
   行な側壁面（１２ａ），（１３ａ）に摺接して、前記ネ
   ジ軸（９）の軸芯周りでの回動を規制してある穀粒収容
   タンク。