JPH0563147B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

（産業上の利用分野） 本発明は、イチヨウ抽出物を含有してなるイチ
ヨウ抽出物入り健康飲料に関する。 （従来技術並びに問題点） イチヨウは古くから去痰、鎮咳、解毒、治淋、
瀬尿抑制、滋養の効があるとされ、民間薬として
用いられており、ガン、肺結核、タコ、ウオノ目
等の治療にも利用されている。一方、イチヨウ葉
より抽出したエキスには血管拡張、血流増大、血
管系の老化防止、特に脳及び皮膚の末梢血流の改
善、精神的症候の改善等の効果があり、脳動脈硬
化、老人ボケ、糖尿病性血管障害、皮膚血行障
害、精神障害等の治療を目的とした現代療法にも
用いられている。 しかしながら、上記のように脳卒中や老人ボケ
の予防並びに治療に効果があるイチヨウ葉抽出エ
キスは現在、ヨーロツパにおいて医薬品として用
いられているにすぎず、日本国内での利用はほと
んど検討されていない。 一部にこれを健康維持食品の中に含むと称し販
売するようなことが行なわれているが、その香
味、風味に決して良いものではなく、食品という
よりはむしろ薬品に近いものばかりか、有効成分
とされるフラボン配糖体やテルペン類の有無も明
確ではない。 したがつて脳卒中や老人ボケの予防並びに治療
のため優れた効果を有するイチヨウ抽出物を含
み、香味、風味が良く何人も食することが出来且
つ有効成分とされるフラボン配糖体やテルペン類
を含有し医療効果の特性を充分に発揮し得る食品
の開発が求められていた。 （発明の目的） 本発明は、脳卒中や老人ボケの予防並びに治療
のため優れた効果を有するイチヨウ抽出物を含
み、香味、風味が良く、何人も食することが出来
且つ有効成分とされるフラボン配糖体やテルペン
類を含有し医療効果の特性を充分に発揮し得る食
品の開発を目的とする。 （発明の構成） 本発明のイチヨウ抽出物入り健康飲料は、糖類
100重量部に対するイチヨウ葉抽出物の割合が0.3
〜４重量部であり、前記イチヨウ葉抽出物を0.02
〜0.2％（Ｗ／Ｖ）含有する健康飲料である。こ
こで述べるイチヨウ抽出物はギンコイツクアシツ
ド、ビロボール等の低極性フエノールを含有せ
ず、ギンコライド、ビロバライド等のテルペン類
あるいはケルセチン配糖体、ケンフエロール配糖
体等のフラボン配糖体のいずれかまたは両者を含
むものであり、例えば乾燥イチヨウ葉を含水低級
アルコールで抽出した後得られた抽出物より脂溶
性有機溶媒を用いて低極性化合物を除くか、ある
いはさらに水と混和しない有機溶媒により抽出す
るといつた公知の方法により製造することが出来
る。 抽出物中のフラボン配糖体やテルペン類の定性
確認並びに定量は薄層クロマトグラフイーや高速
液体クロマトグラフイーによつて容易に行なうこ
とが出来る。 イチヨウ抽出物は強い苦味を有するが、これは
イチヨウ葉中の有効成分とされるケルセチン配糖
体、ケンフエロール配緒体等のフラボン配糖体及
びギンコライド、ビロバライド等のテルペン類、
そのものの苦味に起因する。本発明者等は、イチ
ヨウ抽出物入り飲料を開発するに当り、この苦味
物質による医療効果の特性を維持するとともに、
苦味を適度におさえ、そのほのかな苦味を特徴と
する風味を生かすよう種々検討し本発明を完成し
た。 本発明の健康飲料は例えば次のようにして作る
ことが出来る。 まずイチヨウ葉を含水−エタノール中で加熱還
流し葉を瀘別して得られるエタノール溶液を濃縮
し、蒸留水とクロロホルムを加えクロロホルム可
溶部を除き、水層をメチルエチルケトンで抽出す
る。抽出物にエタノールを加え不溶物を除いた後
エタノール溶液を濃縮乾固しイチヨウ葉抽出物と
する。 これを所定の蒸留水に溶解し、シヨ糖、ブドウ
糖、果糖、マルトース等の糖類を加え必要に応じ
て酸味料、香料、ビタミン等を添加し、さらに炭
酸ガスを溶解させて炭酸飲料とする。前記糖類に
対するイチヨウ葉抽出物の割合は、糖類100重量
部に対して0.3〜４重量部である。 イチヨウ抽出物は任意の割合で用いることが出
来るが風味としての適度な苦味と医療効果を発揮
させるためには上記の方法で抽出した抽出物を用
いる場合最終製品中0.02〜0.2％（Ｗ／Ｖ）に調
整することが望ましい。 なお、イチヨウ抽出物中のフラボン配糖体やテ
ルペン類は溶解性がよいので最終製品中で分離す
ることはない。 （発明の効果） このようにして製造されたイチヨウ抽出物入り
健康飲料には、フラボン配糖体やテルペン類の苦
味成分が含まれていて脳卒中や老人ボケの予防や
治療の効果が期待出来る。しかもイチヨウ抽出物
の添加は、ほのかな苦味を特徴とする風味をかも
し出し、よつて得られる製品は従来にない効果と
風味を兼ね備えた全く新しい健康飲料であるとい
うことが言える。 （実施例） 次に実施例とその製品の風味試験並びに効果試
験の結果を示す。 実施例１および２、比較例１および２ 果糖約30％を含む異性化糖500ｇとシヨ糖50ｇ
を蒸留水10に溶かし第１表に示した量のイチヨ
ウ抽出物を添加溶解させた。 これに香料を加えそれぞれ100mlをビンに分注
し炭酸ガスを注入し健康飲料とした。

【表】 風味試験は実施例１および２、比較例１および
２につき10名のパネラーによる官能テストで行な
い下記の評価基準により判定した。 結果を第２表に示す。

【表】

【表】 上記の試験結果からイチヨウ抽出物を適度に配
合すれば不快な苦味を感じることのない十分に飲
用に足る健康飲料が出来ることが分かつた。 次に実施例で得られた健康飲料を用いて行なつ
た効果試験例を示す。 効果試験例 １ 64才の女子 実施例の２で得られた健康飲料100mlを朝晩
２回、１ケ月投与したところ血流障害に起因す
る長年の耳鳴りが改善された。 ２ 33才の男子 実施例の２で得られた健康飲料100mlを朝晩
２回、10日間投与したところ記憶力、集中力の
著しい改善が認められ知的作業能力が増強し
た。 ３ 32才の女子 実施例２で得られた健康飲料100mlを毎朝１
回、10日間投与したところ末梢の血行不足によ
る手足の疼痛、しびれ、冷感の緩和が見られ
た。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 糖類100重量部に対するイチヨウ葉抽出物の
   割合が0.3〜４重量部であり、前記イチヨウ葉抽
   出物を0.02〜0.2％（Ｗ／Ｖ）含有するイチヨウ
   抽出物入り健康飲料。 ２ イチヨウ葉抽出物が低極性フエノールを含有
   せず、テルペン類あるいはフラボン配糖体のいず
   れかまたは両者を主成分として含有することを特
   徴とする特許請求の範囲第１項記載のイチヨウ抽
   出物入り健康飲料。