JPH056287B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH056287B2
JPH056287B2 JP10545885A JP10545885A JPH056287B2 JP H056287 B2 JPH056287 B2 JP H056287B2 JP 10545885 A JP10545885 A JP 10545885A JP 10545885 A JP10545885 A JP 10545885A JP H056287 B2 JPH056287 B2 JP H056287B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
target
transparent conductive
substrate
conductive film
oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP10545885A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS61263008A (ja
Inventor
Uchitsugu Minami
Hidehito Nanto
Shinzo Takada
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
OOSAKA TOKUSHU GOKIN KK
Original Assignee
OOSAKA TOKUSHU GOKIN KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by OOSAKA TOKUSHU GOKIN KK filed Critical OOSAKA TOKUSHU GOKIN KK
Priority to JP10545885A priority Critical patent/JPS61263008A/ja
Publication of JPS61263008A publication Critical patent/JPS61263008A/ja
Publication of JPH056287B2 publication Critical patent/JPH056287B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Non-Insulated Conductors (AREA)
  • Manufacturing Of Electric Cables (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、透明導電膜の製造方法およびその装
置に関する。
(従来の技術) 一般に、液晶表示素子等の表示素子、あるいは
薄膜太陽電池等においては、それらの透明電極あ
るいは透明な赤外線遮へいや透明な静電遮へい等
の形成の為、透明導電膜が必要不可欠であるが、
従来この透明導電膜としては酸化インジウム−酸
化スズ系薄膜(ITO膜)が汎用されている。
(発明が解決しようとする問題点) しかし、このITO膜は可視光の範囲で高い透過
率と赤外域での高い反射率を示し、10-4Ωcmオー
ダーの低い抵抗率を実現できるという利点がある
が、低抵抗率のものを得るためには、基体を約
300℃以上に加熱しながら真空蒸着あるいはスパ
ツタリングする必要があるため、プラスチツクフ
イルムのような耐熱性に劣る基体上に形成でき
ず、また低温で形成ができないという欠点があつ
た。
他方、最近有望な透明導電膜用材料として、低
温基体上に2×10-4Ωcmオーダーの低抵抗率透明
導電膜の作成が可能な酸化亜鉛(ZnO)が注目さ
れている。しかしながら、このZnO系薄膜は、そ
の製造方法によつて特性が著しく左右され、良質
のものを多量生産することができないという問題
があることが明らかになつた。即ち、ZnO系薄膜
は、マグネトロンスパツタリングによりITO膜に
劣らぬ高い可視光透過率と低い抵抗率を持つ透明
導電膜の製造が可能であるが、低抵抗率の透明導
電膜を得るためには基板をターゲツトの表面に対
してほぼ垂直に配置しなければならず、その結
果、ターゲツト表面に近い所と遠い所で膜厚が不
均一となり、膜厚および抵抗率の均一な大面積の
透明導電膜を製造することが不可能である。ま
た、酸化亜鉛薄膜の膜厚が不均一になるのを防止
するためには、基板をターゲツト表面と平行に配
置してスパツタリングすればよいが、これでは低
抵抗率を得るための必須条件、即ち、基板をター
ゲツト表面に対して垂直に配置するという条件を
満足させることができないため、低抵抗率の透明
導電膜が得られないという問題がある。
従つて、本発明の目的は、可視光透過率が高
く、抵抗率が低い大面積の透明導電膜を低温で任
意の基体上に形成できる透明導電膜の製造方法お
よびその装置を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、前記問題点を解決するため、アノー
ドの開口部に臨み、かつ、表面がアノードの表面
とほぼ同一レベルになるように配設された透明導
電膜形成材料からなるターゲツト表面上に、マグ
ネトロンカソードにより形成される磁界と交差
し、かつ、その中央部を包囲する電場を形成させ
ると共に、外部より前記マグネトロンカソードの
磁界の方向と逆方向のプラズマ集束磁界を印加
し、基体をターゲツト表面に対して垂直に保持さ
せると共に、前記ターゲツト及びマグネトロンカ
ソードの略中央部に垂直方向に設けた貫通口内を
通過させつつマグネトロンスパツタリングするよ
うにしたものである。
本発明方法により製造される透明導電膜の形成
材料としては、酸化亜鉛または酸化インジウムの
単体の他、酸化亜鉛に酸化ホウ素、酸化アルミニ
ウム、酸化ガリウム、酸化インジウムからなる群
から選ばれた少なくとも一種の酸化物を20wt%
以下含有させたもの、あるいは酸化亜鉛に20wt
%以下のこれらの少なくとも一種の酸化物と共に
10wt%以下の酸化ホウ素を含有させたもの、又
は酸化インジウムに酸化スズを50wt%以下含有
させたものを使用すれば良い。酸化ホウ素、酸化
アルミニウム、酸化ガリウム、酸化インジウムか
らなる群から選ばれた少なくとも一種の酸化物の
含有量を20wt%以下としたものは、20wt%を越
えると、結晶性が極度に悪化してしまい、低い抵
抗率が得られないからである。また、酸化ホウ素
は酸化亜鉛の結晶性を改善する効果があり、添加
量を増加するにつれて抵抗率が低くなるが、
10wt%を越えると、その添加効果が飽和するの
で前記範囲とした。
本発明によれば、前記方法は、略中央部に貫通
口を有し、該貫通口に対応する貫通口を有するタ
ーゲツトを装着される少なくとも1基のマグネト
ロンカソードと、該マグネトロンカソードの貫通
口と同軸に、かつ、そのターゲツト取り付け面側
に近接して配設された少なくとも一つのアノード
と、基体をターゲツト表面に対し垂直に保持し前
記貫通口内を移動させる基体搬送手段と、これら
を収容する真空槽と、該真空槽を包囲し、かつ前
記ターゲツトとほぼ同一レベルに配設されたプラ
ズマ集束用コイルとからなる透明導電膜の製造装
置を用いることによつて実施できる。
好ましい実施態様においては、所定間隔をおい
て2基のマグネトロンカソードが一直線上に、か
つ、それらのターゲツト取り付け面を対向させて
配設され、両マグネトロン間にそれらの間に形成
される空間を包囲するアノードが配設される。
他の実施態様においては、所定間隔をおいて2
基以上のマグネトロンカソードが一直線上に、か
つ、それらのターゲツト取り付け面を同一方向に
向けて配設され、アノードが各マグネトロンカソ
ードのターゲツト取り付け面と平行に配設され
る。
基体搬送手段としては、真空槽の一端側から他
端側へ移動する基体キヤリア、あるいは真空槽の
一端側から他端側へ移動する基体移動用ガイドと
巻き取り機構からなる搬送機構など任意の手段を
採用できる。
以下、本発明に係る装置を添付の図面を参照し
て具体的に説明する。
第1図及び第2図は本発明の一実施例に係る透
明導電膜製造装置であるマグネトロンスパツタリ
ング装置を示し、1はマグネトロンカソード、2
は透明導電膜形成材料からなるターゲツト、3は
アノード、4は外部ソレノイドコイル、5は基
板、7は真空槽で、マグネトロンカソード1は電
磁石または永久磁石を内蔵し、その中心部には基
板5を通過させるための矩形の貫通口8が形成さ
れ、該貫通口8と同様な貫通口15を設けたター
ゲツト2を装着するようにしてある。
アノード3は、その中央部に開口部3aを有
し、マグネトロンカソード1の貫通口8と同軸
に、そのターゲツト取り付け面側に平行に配設さ
れ、その表面はターゲツト2の表面とほぼ同一レ
ベルに位置するようにマグネトロンカソード1に
装着されている。アノード3の中央開口部3aの
寸法は、ターゲツト2の外形寸法より若干小さく
形成され、中央開口部はターゲツト2の外形より
内側に位置している。
また、マグネトロンカソード1の上方には、そ
の貫通口8と同軸にマスクを兼ねたガイド部材6
が配設され、その上端側に隣接して搬送装置を構
成する一対の送りローラ9が配置されている。ま
た、マグネトロンカソード1の下方にも一対の送
りローラ10が配設され、これらの送りローラ
9,10により板状あるいはシート状の基板5が
ターゲツト2の表面に対して垂直に保持されると
共に、一定の速度でマグネトロンカソード1及び
ターゲツト2にそれぞれ設けた貫通口8,15を
通つて一方向へ搬送される。
これらの部材は、いずれも真空槽7の内部に配
設され、その外側には、アノード3を包囲し、タ
ーゲツトとほぼ同一レベルにソレノイドコイル4
が配設され、マグネトロン放電により生成される
プラズマを集束させるようにしてある。
前記構成の装置の使用に際しては、マグネトロ
ンカソード1の上にターゲツト2を取り付けた
後、2枚のガラス基板を重ね合わせたものを送り
ローラ9間を介してガイド部材6に通し、ターゲ
ツト2及びマグネトロンカソード1に設けた貫通
口8,15を経て下側の送りローラ9に導いてセ
ツトし、次いで、真空槽内を真空排気した後、雰
囲気ガスを供給して所定圧力に維持し、前記基板
を一定速度で移動させながら、外部ソレノイドコ
イル4により磁界を印加しつつ、マグネトロンス
パツタリングを行なうようにすれば良い。このと
き、次のような現象によりスパツタが行われる。
即ち、本発明に係る装置においては、アノード
3をマグネトロンカソード1に近接して、かつ、
該マグネトロンカソード上のターゲツト2の表面
とほぼ同一平面になるように配設しているため、
アノード3とカソード1間に電圧、例えば、直流
電圧を印加すると、そのときの電界は、第6図に
破線で示すように、アノード3からターゲツト2
表面に向かう円弧状の電気力線で表される状態と
なり、全体としてはターゲツト2の中央部の貫通
口15を包囲する長円形ドーナツ状の電場が形成
され、アノード側はその内側の縁に電気力線が集
中した状態となる。このため、スパツタに伴つて
発生する二次電子や酸素イオンなどの荷電粒子は
正極に向かつて、即ち、アノード3に向かつて突
き進むことになり、基板5が前記電界の影響を殆
ど受けないターゲツト2の中央部に位置するた
め、透明導電膜に悪影響を及ぼす二次粒子や酸素
イオン等の荷電粒子が基板5に飛来するのが阻止
される。
他方、ターゲツト2の裏面にはマグネトロンカ
ソードの電磁石や永久磁石などの磁石20が配置
されているため、電気磁気学的には、第6図に実
線で示すように、中央の磁極からその周囲の磁極
に向かう磁力線aで表されるオープンフラツクス
(外部漏洩磁界)がターゲツト2の表面に現れる。
従つて、同図に破線で示すアノード3からの電気
力線がターゲツト表面に垂直に入射するまでの過
程で前記オープンフラツクスと直交する部分が生
じ、その直交電磁界により濃密度プラズマが生成
され、それによりターゲツトがスパツタされる。
また、この直交電磁界により電子や各種イオン等
の荷電粒子がサイクロイド運動し、電子とアルゴ
ンガス等の中性ガスとの衝突が繰り返されるた
め、イオン化効率が上昇すると同時に、スパツタ
率も増大し、高速成膜が可能となる。
前記プラズマは直交電磁界により圧縮され細く
絞られるため、基板5に直接衝突する機会が著し
く減少し、従つて、低温基板上への成膜が可能と
なるため、基板の温度上昇が抑制される。なお、
ターゲツト2の表面はプラズマによつて局部的に
削り取られ、長円形リング状のエロージヨン部2
aが形成されるが、マグネトロンスパツタでは、
ターゲツトの中央部がスパツタされることがない
ので、ターゲツト2の中央部に基板5を位置さ
せ、それを垂直方向に移動させることによつて、
膜厚が均一で均質な透明導電膜が形成される。こ
のターゲツトエロージヨン部2aは、ターゲツト
表面近傍に形成される電気力線とオープンフラツ
クスとが直交する部分の直下に形成される。
また、外部ソレイドコイルからの磁界が第6図
に磁力線bで示すように、ターゲツトの中央部上
方では磁石のオープンフラツクスの方向と逆向き
に作用し、ターゲツトエロージヨン部を拡大させ
ると同時に、γ−粒子や酸素イオン等の荷電粒子
を中心部に集束させる作用を有している。このた
め、前記荷電粒子は、第6図に示すように、外部
ソレノイドコイル4による磁力線bを軸として螺
旋運動をしながらアノード3に達することにな
る。この時、基板がターゲツト表面に対してほぼ
垂直に配置されているため、基板の表面に対して
平行な荷電粒子の運動成分によつて、スパツタさ
れた原子が基板上に付着する時の原子の再配列に
より結晶化が促進され、結晶性が向上し、また、
アノード3がターゲツト2とほぼ同一の面にある
ため、成膜に有害なイオン等は大部分がアノード
に向かうことになる。
なお、第6図には、スパツタされた原子の軌跡
を直線で示してあるが、実際には、雰囲気中のガ
ス圧力が比較的高いため、ジグザグした軌跡を描
きながら基板に達する。
基板としてガラス基板のような硬質基板や所定
の長さのフイルム等を用いて透明導電膜を連続的
に製造する場合には、第2図に示すように、基板
送りローラ9,10とガイド6(これは膜を付着
させたくない空間のマスクの働きもする)によつ
て、基板を順次連続的に一方の方向に移動させる
ようにすれば良い。
また、基板としてプラスチツクフイルムシート
などの連続的に長い有機フイルムを用いる場合
は、第3図に示すように、マグネトロンカソード
1の上側にフイルム供給ローラ11を、また下側
にフイルム巻き取りローラ12をそれぞれ配設
し、これらのローラをモータ(図示せず)で直接
あるいは動力伝達機構を介して駆動し、フイルム
をフイルム供給ロール11からガイドロール12
を介して供給し、透明導電膜を形成して巻取ロー
ル13で巻き取るようにすれば大面積の透明導電
膜を製造できる。
第4図は本発明に係る透明導電膜製造装置の他
の実施例を示し、この装置は所定間隔をおいて2
基のマグネトロンカソード1を一直線上に、か
つ、それらのターゲツト取り付け面を同一方向に
向けて配設し、各マグネトロンカソードのターゲ
ツト取り付け面側にアノード3を配設すると共
に、その前方にガイド部材6をそれぞれ配設し、
真空槽の周囲にアノード3を包囲するようにソレ
ノイドコイル4をそれぞれ配置し、基板5を水平
方向に搬送するようにした点が異なるだけで、各
部の基本的構成は第1図の装置と同じである。こ
の装置では、各マグネトロンカソード1に取り付
けるターゲツト2を異なる透明導電膜形成材料で
形成すれば、2層積層した透明導電膜を形成する
ことができる。また、マグネトロンカソード1を
3個以上平行に、かつ連続的に配列するようにす
れば、各種の薄膜の連続多層コーテイングや成膜
の高速化を図ることができる。
第5図は本発明に係るさらに他の実施例を示
し、所定間隔をおいて2基のマグネトロンカソー
ド1を一直線上に、かつ、それらのターゲツト取
り付け面を対向させて配設し、両マグネトロン間
にそれらの間に形成される空間を包囲する円筒状
のアノード3を配設し、各アノード3を包囲する
ように外部ソレノイドコイル4を配設し、円筒状
基板5の表面に透明導電膜を形成するようにした
ものである。
前記実施例では、それぞれ一種類のアノード配
設方法を採用しているが、アノード3は第1図〜
第3図のごとくターゲツトとほぼ同一面上もしく
は第4図のごとくターゲツトと平行あるいは第5
図のごとくターゲツト周辺上のいずれにも配設す
ることが可能である。
前記実施例では、基体の形状が板状もしくは円
形のものを採用しているが、本発明方法によれ
ば、マグネトロンカソードおよびターゲツトの中
心部に基体の形状に合せた貫通口を設けることに
よつて、板、パイプ、角柱、フイルム等ほぼ任意
の形状の基体の表面に膜を形成することができ
る。
また、いずれの実施例においても、1枚の基板
の両面に同時に膜を形成しても良く、また、2枚
の基板を重ね合わせ、それらを一体的に同時に移
動させて、各基板の片面のみに膜を形成するよう
にしても良い。
本発明に係る透明導電膜製造装置は外部磁界印
加形マグネトロンスパツタ装置であるので、ター
ゲツトとして他の材料を採用すれば、前記透明導
電膜と同様低温基体上に各種材料の薄膜を高速で
形成することができる。さらに、ターゲツトの寸
法等を変えることにより、均一な膜厚と低い抵抗
率を有し、大面積の透明導電膜を製造することが
できる。
(作用) 前記本発明方法および装置においては、通常使
用されるマグネトロンカソードのスパツタされな
い部分である中心部に設けた貫通口を基体が通過
するようにしたことと、外部からプラズマ集束磁
界を印加するようにしたことによつて次のような
作用効果を与える。
(1) ターゲツト中心部の貫通口に基体を通過させ
ながら膜を形成させているため、基体をターゲ
ツト表面に対して垂直に配置でき、これが透明
導電膜の抵抗率を高くする原因となるイオン
種、例えば、負にイオン化した酸素(O2)の
基板への飛来を少なくし、キヤリア密度および
移動度の減少を防止する働きをする。
(2) 外部印加磁界の作用によりプラズマ中の荷電
粒子(アルゴンイオン、スパツタされたイオ
ン、電子)がローレンツ力を受けるため、基板
がターゲツト表面に対して垂直に配置されてい
ることと相まつて、基板上に飛来する各種の粒
子は基板表面に平行方向に運動エネルギーを付
与され、基板表面に到達することによつて、結
晶核の形成および原子や分子の再配列を促進す
るエネルギーを与え、また、その結果、低温の
基板上でも大きな膜付着力を与える。
(3) これらの効果はいずれも多結晶質透明導電膜
の結晶性を改善するため、膜のキヤリア移動度
を増大させ、従つて、この移動度の増大効果お
よび前記のイオン化酸素の導入阻止効果による
キヤリア密度および移動度の減少防止が低い抵
抗率を実現する要因となつている。
(4) 外部よりプラズマ集束用磁界を印加している
ため、マグネトロンカソードの中心部に設ける
基体通過用の貫通口は、円形、四辺形、楕円形
等の各種の形状とすることができるが、基体を
移動させるので、基体の回転等を必要とするこ
となく、これらの基体の表面上に均一に、かつ
大面積の透明導電膜を形成することができる。
(5) 外部から磁界を印加しているため、プラズマ
のピンチ効果によつて低ガス圧での安定なプラ
ズマ生成を行わせることができると同時に、プ
ラズマを集束させターゲツトの表面でのスパツ
タガス(Ar)の電離効率を高めるため、大き
な膨形成速度を達成でき、透明導電膜を安価に
製造することを可能にしている。
以下、本発明の実施例について説明する。
実施例 1 第1図に示す装置を用い、純度(99.99%)の
酸化亜鉛(ZnO)に2wt%の酸化アルミニウム
(Al2O3)を添加して焼結させた幅8cm、長さ15
cmの長方形状の焼結体をターゲツト2とし、ター
ゲツト2の中心部に幅5mmで長さ11cmの貫通口8
を設け、ガラス基板5を2枚重ねて配置し、その
積層基板5を、0.3cm/minの速度でゆつくり移
動させながら、下記の条件で純アルゴンをスパツ
タガスとしてスパツタリングを行ない、透明導電
膜を形成した。
スパツタ条件 アルゴンガス圧:0.75Pa ドーパント:酸化アルミニウム (純度99.99%) 高周波電力:200W プラズマ集束磁界:5×10-3T 基板:幅10mm、厚さ1mm 2枚の基板上に幅10cmにわたつて、膜厚の変化
率が±3%以内である厚さの均一な透明導電膜が
得られた。また、その平均抵抗率は2.8×10-4Ωcm
で、可視光透過率が85%以上であつた。なお、こ
の時の成膜速度は40nm/minであつた。
次に、同じターゲツトおよび同じ装置を用い、
同じスパツタ条件下で、厚さ100μmの透明有機
フイルム基板5の両面に約400nmのアルミニウ
ム添加酸化亜鉛透明導電膜を形成した。基板フイ
ルム5を移動させながら連続的に成膜を行ない、
幅10cmにわたつて、膜厚の変化率が±3%以内の
均一な厚さを有し、その平均抵抗率が3.1×10-4Ω
cmで可視光透過率が80%以上の無帯電透明導電膜
を得た。
実施例 2 前記実施例1と同じ装置を用い、純度99.99%
の酸化インジウム(In2O3)に5wt%の酸化スズ
(SnO2)を添加して焼結させた幅8cm、長さ15cm
の長方形状の焼結体からなるターゲツトを用い
て、下記の条件でスパツタリングを行ない、ガラ
ス基板上に厚さ約200nmのITO透明導電膜を形
成した。
得られたITO透明導電膜は、基板の幅10cmにわ
たつて膜厚の変化率が±3%以内の均一な厚さを
有し、その平均抵抗率が2.9×10-4Ωcmで、可視光
透過率が85%以上であつた。
スパツタ条件 スパツタガス:アルゴン(Ar)+酸素(O2) スパツタガス圧力:5.3×10-1Pa 酸素分圧:4.3×10-3Pa ドーパント:酸化スズ(純度99.99%) 高周波電力:200W プラズマ集束磁界:5×10-3T 基板:幅10cm、厚さ1mmのガラス 基板の移動速度:2.5cm/min 次に、ガラス基板の代りに、厚さ100μmの透
明有機フイルム基板5を用い、同じ条件下でスパ
ツタリングを行つた。基板フイルム5の両面に膜
厚が約200nmのITO膜を幅10cmにわたつて形成
した。平均抵抗率が4.5×10-4Ωcmで可視光透過率
が80%以上の無帯電透明導電フイルムを得た。
実施例 3 第4図に示す装置を用い、純度99.99%の酸化
インジウム(In2O3)および純度99.99%の酸化ス
ズ(SnO2)の2種類の焼結体を各々のターゲツ
ト2とし、スパツタガスとして純アルゴンを用い
て、それぞれのターゲツト2の中心部に幅5mmで
長さ10cmの貫通口を設け、ガラス基板5を2枚重
ねて配置し、その基板5を5cm/minの速度で、
最初にIn2O3ターゲツトを、次に、SnO2ターゲツ
トを通過させながら、下記の条件でスパツタリン
グを行い、透明導電膜を形成した。また、この時
の膜厚は約200nmであつた。
スパツタ条件 ターゲツトの大きさ:8cm×15cm スパツタガス圧力:0.65Pa 高周波電力:200W プラズマ集束磁界:5×10-3T 基板:幅10cm、厚さ1mmのガラス 2枚の基板上にそれぞれ幅10cmにわたつて膜厚
の変化率が±3%以内で、厚さが均一なIn2O3
およびSnO2膜の2層からなる透明導電膜が得ら
れた。また、その平均抵抗率は4.5×10-4Ωcmで可
視光透過率が85%以上であり、アモルフアスシリ
コン薄膜太陽電池用透明電極としての応用に好適
な透明導電膜である。
実施例 4 第5図に示す装置を用い、2wt%の酸化ガリウ
ム(Ga2O3)を添加した酸化亜鉛(ZnO)からな
る焼結体をターゲツト2とし、ターゲツトの中心
部に直径11cmの貫通口を設け、直径10cmのガラス
パイプを0.6cm/minの速度で移動させながら、
下記の条件でスパツタガスとして純アルゴンを用
いてスパツタリングを行い、ガリウム添加酸化亜
鉛透明導電膜を形成した。
スパツタ条件 アルゴンガス圧:0.75Pa ドーパント:酸化ガリウム(純度99.99%) 高周波電力:200W ターゲツトの大きさ:外径18cm、内径11cmの ドーナツ状 プラズマ集束磁界:5×10-3T ターゲツト間隔:8cm ガラスパイプは厚さ約500nmの透明導電膜で
均一にコーテイングでき、高い成膜速度が得られ
た。
(発明の効果) 本発明によれば、通常使用されるスパツタ装置
と異なり、マグネトロンカソードの中心部に基体
を通過させる穴(貫通口)を設け、基体をターゲ
ツト表面に対して垂直に配置してマグネトロンス
パツタリングを行なうため、イオン化した酸素
(O2)の基板への飛来を少なくし、実質的にキヤ
リア密度の増加を図ることができ、また、膜中へ
の酸素やアルゴンガスの吸着を少なくすることが
できるため、キヤリア移動度の増大を図ることが
でき、抵抗率を低減できる。また、基体はターゲ
ツトの略中央部に配設され、該中央部を一定速度
で通るため、多様な形状の基体表面に均一な大面
積の膜を形成できる。
さらに、外部印加磁界の作用により、プラズマ
中の粒子が基体表面に平行方向の運動エネルギー
を付与され、基体上に飛来した各種の粒子が基板
表面に衝突することによつて、結晶核の形成およ
び原子や分子の再配列を促進するエネルギーを与
えるため、基体が低温にもかかわらず、多結晶質
酸化物透明導電膜の結晶性を改善し、キヤリア移
動度を増大させ、一段と抵抗率の低減化を実現で
きる。加えて、この結晶性の改善効果は膜の基体
上への付着力を高めるため、低温基体上に高性能
透明導電膜を形成できる。また、外部から磁界を
印加しているため、プラズマのピンチ効果によつ
て低ガス圧での安定なプラズマ生成を行わせるこ
とができると同時に、プラズマを集束させターゲ
ツトの表面でのスパツタガスの電離効率を高める
ことができ、大きな膜形成速度を達成できる。従
つて、本発明によれば、特性的に高温処理工程の
下で製造できるITO膜に優る大面積の各種透明導
電膜を各種形状の低温基体上に安価に多量生産で
きるなど優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法の実施に使用する透明導電
膜製造装置の概略説明図、第2図は第1図の装置
の使用態様を示す概略斜視図、第3図は第1図の
装置の他の使用態様を示す概略斜視図、第4図は
本発明に係る透明導電膜製造装置の他の実施例を
示す概略説明図、第5図は本発明に係る透明導電
膜製造装置のさらに他の実施例を示す概略説明
図、第6図は第1図の装置の動作時の電磁界分布
状態を示す説明図である。 1……マグネトロンカソード、2……ターゲツ
ト、3……アノード、3a……アノード開口部、
4……外部ソレノイドコイル、5……基板、7〜
真空槽、9,10,11,12,13〜送りロー
ラ(搬送手段)、8,15……貫通口。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アノードの開口部に臨み、かつ、表面がアノ
    ードの表面とほぼ同一レベルになるように配設さ
    れた透明導電膜形成材料からなるターゲツト表面
    上に、マグネトロンカソードにより形成される磁
    界と交差し、かつ、その中央部を包囲する電場を
    形成させると共に、外部より前記マグネトロンカ
    ソードの磁界の方向と逆方向のプラズマ集束磁界
    を印加し、基体をターゲツト表面に対して垂直に
    保持させると共に、前記ターゲツト及びマグネト
    ロンカソードの略中央部に垂直方向に設けた貫通
    口内を通過させつつマグネトロンスパツタリング
    することを特徴とする透明導電膜の製造方法。 2 前記ターゲツトが酸化亜鉛の焼結体からなる
    特許請求の範囲第1項記載の透明導電膜の製造方
    法。 3 前記ターゲツトが酸化ホウ素、酸化アルミニ
    ウム、酸化ガリウム及び酸化インジウムからなる
    群から選ばれた少なくとも一種の酸化物を20wt
    %以下含有する酸化亜鉛の焼結体からなる特許請
    求の範囲第1項記載の透明導電膜の製造方法。 4 前記ターゲツトが酸化アルミニウム、酸化ガ
    リウム及び酸化インジウムからなる群から選ばれ
    た少なくとも1種の酸化物を20wt%以下と酸化
    ホウ素を10wt%以下含有する特許請求の範囲第
    1項記載の透明導電膜の製造方法。 5 前記ターゲツトが酸化インジウムの焼結体か
    らなる特許請求の範囲第1項記載の透明導電膜の
    製造方法。 6 前記ターゲツトが酸化スズを50wt%以下含
    有する酸化インジウムの焼結体からなる特許請求
    の範囲第1項記載の透明導電膜の製造方法。 7 前記ターゲツトがスズを40wt%以下含有す
    るインジウム合金からなり、プラズマ生成ガスが
    アルゴンと80%以下の酸素との混合ガスからなる
    特許請求の範囲第1項記載の透明導電膜の製造方
    法。 8 略中央部に貫通口を有し、該貫通口に対応す
    る貫通口を有するターゲツトを装着される少なく
    とも1基のマグネトロンカソードと、該マグネト
    ロンカソードの貫通口と同軸に、かつ、そのター
    ゲツト取り付け面側に近接して配設された少なく
    とも一つのアノードと、基体をターゲツト表面に
    対し垂直に保持し前記貫通口内を移動させる基体
    搬送手段と、これらを収容する真空槽と、該真空
    槽を包囲し前記ターゲツトとほぼ同一レベルに配
    設されたプラズマ集束用コイルとからなる透明導
    電膜の製造装置。 9 前記アノードが所定間隔をおいてターゲツト
    面と平行に配設されている特許請求の範囲第7項
    記載の透明導電膜の製造装置。 10 前記アノードがマグネトロンカソードの貫
    通口と同軸にマグネトロンカソードのターゲツト
    取り付け面の周辺上に立てて配設されている特許
    請求の範囲第7項記載の透明導電膜の製造装置。 11 所定間隔をおいて2基のマグネトロンカソ
    ードが一直線上に、かつ、それらのターゲツト取
    り付け面を対向させて配設されている特許請求の
    範囲第7項〜第9項記載の透明導電膜の製造装
    置。 12 所定間隔をおいて少なくとも2基のマグネ
    トロンカソードが一直線上に、かつ、それらのタ
    ーゲツト取り付け面を同一方向に向けて配設され
    ている特許請求の範囲第7項〜第9項記載の透明
    導電膜の製造装置。 13 前記基体搬送手段が真空槽の一端側から他
    端側へ移動する基体キヤリアからなる特許請求の
    範囲第7項〜第11項のいずれか一項記載の装
    置。 14 前記基体搬送手段が真空槽の一端側から他
    端側へ移動する基体移動用ガイドと巻き取り機構
    からなり、前記基体がフイルムからなる特許請求
    の範囲第7項〜第11項のいずれか一項記載の装
    置。
JP10545885A 1985-05-16 1985-05-16 透明導電膜の製造方法及びその装置 Granted JPS61263008A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10545885A JPS61263008A (ja) 1985-05-16 1985-05-16 透明導電膜の製造方法及びその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10545885A JPS61263008A (ja) 1985-05-16 1985-05-16 透明導電膜の製造方法及びその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS61263008A JPS61263008A (ja) 1986-11-21
JPH056287B2 true JPH056287B2 (ja) 1993-01-26

Family

ID=14408137

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10545885A Granted JPS61263008A (ja) 1985-05-16 1985-05-16 透明導電膜の製造方法及びその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS61263008A (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1947210A1 (fr) * 2007-01-16 2008-07-23 ARCELOR France Procede de revetement d'un substrat, installation de mise en oeuvre du procede et dispositif d'alimentation en metal d'une telle installation
US8895427B2 (en) 2008-09-04 2014-11-25 Kaneka Corporation Substrate having a transparent electrode and method for producing the same

Also Published As

Publication number Publication date
JPS61263008A (ja) 1986-11-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1905865B1 (en) Sputtering apparatus and method for manufacturing transparent conducting film
EP0385475A2 (en) Method of forming a transparent conductive film
JPH02104663A (ja) 高効率シートプラズマスパタリング装置
CN101575698A (zh) 磁控溅射设备和薄膜制造方法
JP5447240B2 (ja) マグネトロンスパッタリング装置および透明導電膜の製造方法
JP2635385B2 (ja) イオンプレーティング方法
CN113403595A (zh) 一种旋转镜像靶磁控溅射设备
JPS5855566A (ja) 対向タ−ゲツト式スパツタ装置
JPS61221363A (ja) スパツタ装置
JPH056287B2 (ja)
WO2018068833A1 (en) Magnet arrangement for a sputter deposition source and magnetron sputter deposition source
JPH0329216A (ja) 透明電導膜の形成方法
JPH056286B2 (ja)
JP2009138230A (ja) スパッタ装置及び成膜方法
JPS6361387B2 (ja)
JPH0273963A (ja) 低温基体への薄膜形成方法
JP2020056051A (ja) 成膜装置、成膜方法、および電子デバイスの製造方法
WO2024143399A1 (ja) 成膜装置
JPH06145976A (ja) 薄膜形成装置
KR20120000317A (ko) 전자 물질막 형성 장치
US20140166479A1 (en) Sputtering apparatus
JP2002339061A (ja) 薄膜形成方法
JPH0273967A (ja) 高効率スパッタリング方法
JP2012158823A (ja) 成膜方法
JP2015183242A (ja) 薄膜製造方法