JPH056286B2 - - Google Patents

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JPH056286B2
JPH056286B2 JP5525985A JP5525985A JPH056286B2 JP H056286 B2 JPH056286 B2 JP H056286B2 JP 5525985 A JP5525985 A JP 5525985A JP 5525985 A JP5525985 A JP 5525985A JP H056286 B2 JPH056286 B2 JP H056286B2
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transparent conductive
target
conductive film
anode
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JP5525985A
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Uchitsugu Minami
Shinzo Takada
Hidehito Nanto
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OOSAKA TOKUSHU GOKIN KK
Original Assignee
OOSAKA TOKUSHU GOKIN KK
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  • Manufacturing Of Electric Cables (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は透明導電膜の製造方法、特に、150℃
以下の低温で低抵抗率の透明導電膜を製造する方
法およびその装置に関する。 (従来の技術) 一般に、透明な赤外線遮蔽板や静電遮蔽板ある
いは液晶表示素子やエレクトロルミネセンス表示
素子等にあつては、透明導電膜が必要不可欠であ
るが、こと透明導電膜としては、従来、ITO膜と
して知られている酸化インジウム−酸化スズ系透
明導電膜が汎用されているが、近年、安価な酸化
亜鉛を材料とする透明導電膜が注目されるように
なつてきている。 (発明が解決しようとする問題点) 前記ITO膜は、光学特性、電気特性および耐熱
性に優れているが、原材料のインジウムは希少金
属であるため資源的な問題があり、また高価であ
るため製造コストが高いという問題があつた。ま
た、低抵抗率のITO膜を製造するためには、300
〜600℃程度の高温処理が必要であるため、プラ
スチツクフイルムなど耐熱性に劣る基体上に形成
できず、またエネルギー消費量が多く製品コスト
が高くなるという問題があつた。 他方、酸化亜鉛を材料とする透明導電膜は、ス
パツタ法などの薄膜形成技術によつて製造できる
が、低抵抗率のものを製造するのが困難であつ
た。即ち、従来のスパツタ装置では、通常、アノ
ードをターゲツトに対向して平行に設置し、それ
らの間に平行電界を形成させ、アノードにセツト
した基板上に膜を形成させているため、ターゲツ
トからスパツタされたターゲツトの原子と共に、
二次電子(γ−粒子)や酸素イオンその他の負イ
オンがアノードに引き寄せられて基板表面に衝突
し、基板上の透明導電膜に損傷を与えたり、酸素
過剰により酸化を促進させるため、低抵抗率の透
明導電膜を製造することが困難であつた。 従つて、本発明は、可視光透過率が高く、低抵
抗率の透明導電膜を150℃以下の低温で、安価に、
かつ容易に製造できる方法及びその装置を得るこ
とを目的とする。 (問題点を解決するための手段) 本発明は、前記問題を解決するため、アノード
の開口部に臨み、かつ、表面がアノードの表面と
ほぼ同一レベルになるように配設されたターゲツ
ト表面上に、マグネトロンカソードにより形成さ
れる磁界と交差する断面円弧状の電場を形成させ
ると共に、外部より前記マグネトロンカソードの
磁界の方向と逆方向のプラズマ集束磁界を印加し
つつ、前記ターゲツトの表面を含む平面に対して
ほぼ垂直及び/または平行に配置された基板上に
前記ターゲツトから透明導電膜形成材料をマグネ
トロンスパツタリングするようにしたものであ
る。 ターゲツトとしては、酸化インジウム−酸化ス
ズ系や酸化亜鉛系など公知の透明導電膜形成材料
からなるターゲツトを使用できるが、少なくとも
一種の族元素を含有する酸化亜鉛もしくは亜鉛
合金からなるターゲツトが好適である。 酸化亜鉛透明導電膜中に含有させる族元素の
含有量は、亜鉛原子に対し1〜20原子%、好まし
くは、2〜6原子%とするのが適当である。この
族元素としては、アルミニウム、スカンジウ
ム、ガリウム、イツトリウム及びインジウム、ホ
ウ素などが挙げられ、これらは単独であるいは2
種以上を含有させることができる。また、酸化亜
鉛透明導電膜中に族元素を含有させる方法とし
ては、薄膜形成過程で原材料の亜鉛もしくは酸化
亜鉛中に金属、合金、酸化物、ハロゲン化物等の
形態で導入するのが好適である。 本発明方法を実施する装置は、マグネトロンス
パツタ装置からなり、第1図および第2図に示す
ように、ターゲツト1を担持するマグネトロンカ
ソード5と、このマグネトロンカソード5に近接
して配設されたアノード2と、透明導電膜が形成
される基板3a,3b,3cを保持する非金属製
基板ホルダー7,8と、これらの部材を収容する
真空槽6と、プラズマ形成空間を包囲して配置さ
れたプラズマ集束コイル4とから構成されてい
る。なお、9はシールである。 アノード2は、本発明に従い、その中央部に開
口部2aが形成され、該アノードに近接してその
下方に、かつ、その開口部の中心線と同軸にマグ
ネトロンカソード5が配設されている。マグネト
ロンカソード5は、電磁石または永久磁石を内蔵
する公知構造のもので、その上にターゲツト1が
アノードの開口部2aに臨むように、かつ、その
表面がアノード2の表面とほぼ同一レベルに位置
するように配置されている。 真空槽6の外周部にはソレノイドコイル4が配
置され、このソレノイドコイル4はターゲツト表
面に垂直で、かつターゲツト中央部のマグネトロ
ンカソードの磁界とは反発する方向の磁界を発生
してプラズマを集束させるようにしてある。この
プラズマを集束させる磁界の強度は、通常、2×
10-3〜10-2Tに設定される。 非金属製基板ホルダー7,8はセラミツクスあ
るいはプラスチツク等の絶縁体で形成され、基板
3をターゲツト表面に対してほぼ垂直又は平行に
保持するようにしてある。この基板ホルダー7,
8は、基板をターゲツト1と平行に配置する場合
は、非金属製であることが不可欠であるが、基板
をターゲツト表面を含む平面に対してほぼ垂直に
配置したりその他の場合には必ずしも非金属製で
ある必要はなく、金属製であつても良い。 図には、3種類の基板ホルダーを内蔵する装置
を示しているが、これらは必ずしも全部必要では
なく、いずれも一種の基板ホルダーを設けるだけ
で良いことは言うまでもない。また、基板をター
ゲツトと垂直に配置する場合はガラス等の硬質基
板を使用する限り、大面積化が困難であるが、フ
イルムのような軟質基板を用いる場合や基板をタ
ーゲツトと平行に配置する場合は、大面積のター
ゲツトを使用すれば、大面積の透明導電膜を形成
できる。 (作用) 本発明においては、アノード2をマグネトロン
カソード5に近接して、かつ、該マグネトロンカ
ソード上のターゲツト1の表面とほぼ同一平面に
なるように配設しているため、基板ホルダーとし
て、例えば、非金属製基板ホルダー7を採用した
場合、アノード2とカソード5間に電圧(例え
ば、直流電圧)を印加すると、そのときの電界
は、第6図に破線で示すように、アノード2から
ターゲツト表面に向かう円弧状の電気力線で表わ
される状態となり、全体としてはドーナツ状の電
場が形成され、しかも、アノード側はターゲツト
とほぼ同一平面に配置されているアノードの内側
の縁に電気力線が集中した状態となる。このた
め、スパツタに伴つて発生する二次電子や酸素イ
オンなどの荷電粒子12は正極に向かつて、即
ち、アノード2に向かつて突き進むことになり、
それらの軌道外の適当な位置に基板ホルダー7を
配置しておけば、二次粒子や酸素イオン等の荷電
粒子の影響を受ける事なく、スパツタされた原子
11が基板3a,3bに到達し、透明導電膜が形
成される。 他方、基板ホルダーが金属製である場合、基板
3aのようにターゲツト表面に対して垂直に保持
させた垂直基板配置では、電界の分布状態は殆ど
アノードの形状により支配されるため、その基板
ホルダーの材質による影響は微少であるが、基板
3bのようにターゲツト表面に対して平行に保持
する平行基板配置では、ターゲツト1に対向する
基板ホルダーが+電位のアノードと同時に作用す
るため、前記ドーナツ状の電界分布が乱れ、従来
のアノード配置に近い形となり、スパツタされた
原子が荷電粒子の影響を著しく受けて、透明導電
膜の電気的特性の低下を招く。従つて基板をター
ゲツト表面に対して平行ひ配置する場合には、基
板ホルダーは非金属製の絶縁体であることが必須
となる。 また、ターゲツト1の裏面にはマグネトロンカ
ソードの電磁石や永久磁石などの磁石10が配置
されているため、電気磁気学的には、第6図に実
線で示すように、中央の磁石10からその周囲の
磁石に向かう磁力線aで表されるオープンフラツ
クス(外部漏洩磁界)がターゲツト1の表面に現
れる。従つて、同図に破線で示すアノード2から
の電気力線がターゲツト表面に垂直に入射するま
での過程で前記オープンフラツクスと直交する部
分が生じ、その直交電磁界により濃密度プラズマ
が生成される一方、この直交電磁界により電子や
各種イオン等の荷電粒子12がサイクロイド運動
し、電子とアルゴンガス等の中性ガスとの衝突が
繰り返されるため、イオン化効率が上昇すると同
時に、スパツタ率も増大し、高速成膜が可能とな
る。 前記プラズマは直交電磁界により圧縮され細く
絞られるため、基板3a,3bに直接衝突する機
会が著しく減少し、その結果、低温基板上への成
膜を可能にしている。一方、ターゲツト1の表面
はプラズマによつて局部的に削り取られ、ドーナ
ツ状のエロージヨン部1aが形成されるが、マグ
ネトロンスパツタでは、ターゲツトの中央部がス
パツタされることがない。なお、このターゲツト
エロージヨン部1aは、アノード2の配置状態に
拘わらず、ターゲツト表面近傍に形成される電気
力線と磁力線(この場合、オープンフラツクス)
とが直交する部分の直下に形成される。 さらに、外部ソレノイドコイル4による磁力線
bは、第6図に示すように、中央部では磁石のオ
ープンフラツクスの方向と逆向きに作用している
ため、ターゲツトエロージヨン部1aを拡大する
作用と同時に、γ−粒子や酸素イオン等の荷電粒
子12を中心部に収束させる作用を有している。
このため、前記荷電粒子12は、第6図に示すよ
うに、外部ソレノイドコイル4による磁力線bを
軸として螺旋運動をしながらアノード2に達する
ことになる。この時、第6図の基板3aのように
基板がターゲツト表面に対してほぼ垂直に配置さ
れている場合、基板3aの表面に対して平行な荷
電粒子の運動成分のため、スパツタされた原子が
基板上に付着する時の結晶化が促進され、付着時
の原子の再配列による結晶性の優れた膜形成が行
われ、アノード2がターゲツト1とほぼ同一の面
にあるため、成膜に有害なイオン等は大部分がア
ノードに向かうことになる。 しかし、第6図の基板3bのように基板がター
ゲツト表面に対して平行に配置され、基板ホルダ
ーが金属製である場合、前記イオン等が高速で基
板に衝突することになり、結晶化促進効果はほと
んど期待できないことになる。なお、第6図に
は、スパツタされた原子11の軌跡を直線で示し
たあるが、実際には、雰囲気中のガス圧力が比較
的高いため、ジグザグした軌跡を描きながら基板
に達する。 本発明において、前記族元素を1〜20原子%
含有させているのは次の理由による。即ち、酸化
亜鉛は不純物を添加しなくてもマグネトロンスパ
ツタリング等の成膜方法によつて、真性格子欠陥
によるドナー準位により縮退したN形半導体が比
較的容易に得られ、ほぼ1020cm-3オーダの伝導電
子密度を実現できるが、族元素を酸化亜鉛に導
入することによつて、族元素の原子がドナーと
して有効に働き、1021cm-3オーダの伝導電子密度
を実現でき、従つて、族元素を含有しない場合
に比べて、電子移動度が大きく変化しないため、
透明導電膜の抵抗率を約1桁低くすることができ
る。しかし、その含有量が1原子%未満では、そ
の添加効果が十分に得られず、また20原子%を越
えると、結晶性が悪化し抵抗率が増加するからで
ある。 以下、本発明の実施例について説明する。 実施例 1 第1図および第2図に示す装置を用い、それぞ
れ2wt%の酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ガリ
ウム(Ga2O3)、酸化ホウ素(B2O3)もしくは酸
化インジウム(In2O3)を添加した酸化亜鉛
(ZnO)からなる幅6cm、長さ10cmの長方形状の
ターゲツト1をマグネトロンカソード上に装着
し、スパツタガスとして純アルゴンを用いて、タ
ーゲツト1表面にほぼ垂直に基板3aを、またタ
ーゲツト表面に平行に基板3cを配置し、下記の
条件で20分間スパツタリングを行ない、透明導電
膜を形成した。なお、基板3a,3cはいずれも
ガラスで、特に加熱もしくは冷却などの温度制御
をすることなく、常温から温度の自然変化のまま
スパツタリングしたため、90℃程度の温度上昇が
あつた。また、この時の成膜速度は垂直基板3a
で約20nm/min、平行基板3cで約30nm/min
であつた。基板3a,3cを保持するホルダ7,
8はセラミツクス(東芝セラミツクス製のマイカ
レツクス)で作製した。 <スパツタ条件> アルゴンガス圧:6.5Pa 高周波電力:70W プラズマ集束磁界:5×10-3T 平行基板(配置場所):30mm×60mmガラス (ターゲツト上32n
m) 垂直基板(配置場所):15mm×70mmガラス (アノード上5mm) 得られた透明導電膜の抵抗率および可視光透過
率(波長400〜800nm)を垂直および平行基板に
ついて調べたところ、第1表に示す結果が得られ
た。
【表】
【表】 第1表の結果から明らかなように、いずれの場
合も抵抗率が10-4Ωcm以下で可視光透過率80%以
上の透明導電膜が得られた。これらの値は使用し
た基板の全面積にわたつて、ほぼ均一であり、特
に抵抗率の基板上での分布は±5%以内である。
また、垂直基板は平行基板に比べて、より低い抵
抗率が得られる。 実施例 2 酸化亜鉛に2wt%の酸化アルミニウムを添加し
てなるターゲツトを用い、ガラス基板をターゲツ
ト表面に対してほぼ垂直になるように、加熱ヒー
タ付きの支持具で固定して、基板表面の温度を
100℃から400℃まで変化させて、実施例1と同条
件下でスパツタリングして透明導電膜を形成し
た。得られた透明導電膜の抵抗率の基板温度依存
性を第3図に示す。 第3図から明らかなように、約150℃以下の低
温基板上に低抵抗率透明導電膜が得られた。ま
た、可視光透過率は基板温度によりほとんど変化
しなかつた。 実施例 3 酸化亜鉛に添加する酸化アルミニウムの含有量
を0.1wt%から20wt%まで変化させて複数のター
ゲツトを用意し、各ターゲツトをマグネトロンカ
ソードに装着する一方、ターゲツト表面に対して
平行および垂直にガラス基板を配置し、実施例1
と同条件でスパツタリングして透明導電膜を形成
した。基板の温度は故意に制御していないため、
スパツタリング中、自然変化で常温から最高120
℃位まで上昇した。また、この時の成膜速度は添
加酸化アルミニウムの量が約3wt%を越えると、
徐々に減少し、10wt%では無添加の場合の1/2程
度であつた。 第4図は得られた透明導電膜の抵抗率の酸化ア
ルミニウム含有量依存性を示している。 第4図より明らかなように、垂直に配置した基
板の方がより低抵抗率の透明導電膜が得られた。
また、いずれの基板配置においても、酸化アルミ
ニウムが1〜5wt%で10-4Ωcmオーダの抵抗率の
得られることがわかつた。この傾向は、酸化ガリ
ウムあるいは酸化ホウ素もしくは酸化インジウム
を酸化亜鉛に添加した場合においても同様であつ
た。 つぎに、前記のスパツタ条件下で、ターゲツト
は2wt%の酸化アルミニウムを含有する酸化亜鉛
を用いて、プラズマ集束磁界の強さを変化させて
形成した透明導電膜の抵抗率の変化を第5図に示
す。 第5図から明らかなように、垂直配置基板およ
び平行配置基板共に、約5×10-3Tのプラズマ集
束磁界を印加しつつスパツタリングすると、最低
抵抗率が実現でき、これよりも強くても弱くて
も、抵抗率が増大する。磁界の強さはターゲツト
表面に対して垂直な成分をターゲツト中心面上の
位置において測定した。以上の事実から低温下で
低い抵抗率の透明導電膜を得るためには、本発明
法にかかるプラズマ集束磁界の印加が不可欠であ
ることがわかる。 実施例 4 第1図に示す装置を用い、基板としてプラスチ
ツクフイルムからなる軟質基板3bを用いる一
方、酸化亜鉛に2wt%の酸化アルミニウムを添加
したターゲツトを用いて、軟質基板3bを巻き取
り機構で巻き取りながら、実施例1と同条件下で
スパツタリングして透明導電膜を形成した。基板
は幅10cmで、厚さ100μmのプラスチツクフイル
ムを使用し、アノード面上5mmの高さに、ターゲ
ツト表面に対してほぼ垂直(ターゲツトの中心側
へ約30°傾けている)に配置した。成膜の有効基
板面積100mm×15mm(膜を付着させたくない部分
はセラミツクスでマスクしている)にわたつて、
膜厚変化率±5%以内で、抵抗率が2〜3×
10-4Ωcmの透明導電膜が得られた。 前記実施例では、ターゲツトとして酸化物を使
用しているが、亜鉛(Zn)とアルミニウム(Al)
あるいはガリウム(Ga)あるいはホウ素(B)もし
くはインジウム(In)の合金をターゲツトとし、
スパツタガスとしてアルゴンと酸素の混合ガスを
使用してもよい。 また、前記実施例では高周波電力を投入してい
るが、これを直流にかえることも可能である。 前記実施例の垂直基板配置の場合は、基板を相
対して2箇所に同時に配置し、同時に2枚の基板
に成膜出来る。さらに、ターゲツトの寸法、ター
ゲツト−基板間の間隔、外部印加磁界の強さ、投
入電力を変えることにより、均一な膜厚と低い抵
抗率を有し、大面積の透明導電膜を製造すること
が出来る。 前記実施例においては、いずれも酸化亜鉛系薄
膜を形成しているが、本発明にかかる透明導電膜
製造方法および装置は、膜製造速度が速いので、
ITO膜その他の透明導電膜約150℃以下の低温下
で製造するのにも使用出来る。 (発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明によれ
ば、次のような優れた効果が得られる。 (1) アノードを基板側でなくターゲツト表面とほ
ぼ同一レベルに位置するように配置し、プラズ
マ集束磁界を印加しながらマグネトロンスパツ
タリングするようにしているため、キヤリア密
度を減少させ、抵抗率を高くする原因となるイ
オン種、例えば、酸素イオンの基板上への飛
来、従つて、酸素イオン等の膜への導入が低減
され、また、膜上に飛来する各種の粒子の運動
エネルギーが膜中へ取り込まれるアルゴンガス
等を減少させ、結晶化を促進することによつ
て、大きな移動度が実現できる。 (2) 外部磁界の作用によりプラズマ中の荷電粒子
(アルゴンイオン、スパツタされたイオン、電
子)がローレンツ力を受けるため、基板表面に
平行方向の運動エネルギーを付与され、基板上
に飛来した各種の粒子が基板表面に衝突するこ
とによつて、結晶核の形成および原子や分子の
再配列を促進するエネルギーを与える。 (3) アノードを基板側でなくターゲツト表面とほ
ぼ同一レベルに位置するように配置し、マグネ
トロンカソードを採用しているため、スパツタ
リング中の基板の温度上昇を抑制でき、低温で
成膜が可能であり、酸化亜鉛に族元素を導入
することができるため、これらの作用の相乗効
果によつて、低温基体上での成膜においても、
一段と抵抗率の低減化を実現出来る。 (4) 基板ホルダーを非金属製とした場合には、基
板ホルダーによつて電界がシールドされず、ま
た外部から磁界を印加しているため、プラズマ
のピンチ効果によつて低ガス圧での安定なプラ
ズマ生成を行なわせることができると同時に、
プラズマを集束させ、ターゲツト表面でのスパ
ツタガスの電離効率を高め、各種粒子に大きな
運動エネルギーを付与でき、大きな成膜速度を
速めることができる。このため、本発明によれ
ば、特性的に300℃以上の高温処理によつて形
成したITO膜と同程度の特性を有する透明導電
膜を、安価な酸化亜鉛を原料として用いて、約
150℃以下の低温で安価に多量生産できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法の実施に使用するマグネト
ロンスパツタ装置の概略断面正面図、第2図はそ
の概略断面側面図、第3図は本発明にかかるマグ
ネトロンスパツタリングによつて形成したアルミ
ニウム含有酸化亜鉛透明導電膜の抵抗率の基板温
度依存性を示すグラフ、第4図は本発明にかかる
マグネトロンスパツタリングによつて形成したア
ルミニウム含有酸化亜鉛透明導電膜の抵抗率のア
ルミニウム含有量依存性を示すグラフ、第5図は
抵抗率の外部印加プラズマ集束磁界依存性を示す
グラフ、第6図は本発明に係る装置の動作状態を
示す説明図である。 1……ターゲツト、2……アノード、2a……
アノード開口部、3,3a,3b,3c……基
板、4……ソレノイドコイル、5……マグネトロ
ンカソード、6……真空槽、7……基板ホルダ、
8……非金属製基板ホルダ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アノードの開口部に臨み、かつ、表面がアノ
    ードの表面とほぼ同一レベルになるように配設さ
    れたターゲツト表面上に、マグネトロンカソード
    により形成される磁界と交差する断面円弧状の電
    場を形成させると共に、外部よりターゲツト表面
    に垂直で前記マグネトロンカソードの磁界の方向
    と逆方向のプラズマ集束磁界を印加しつつ、前記
    ターゲツトの表面を含む平面に対してほぼ垂直及
    び/または平行に配置された基板上に前記ターゲ
    ツトから透明導電膜形成材料をマグネトロンスパ
    ツタリングすることを特徴とする透明導電膜の製
    造方法。 2 前記ターゲツトが少なくとも一種の族元素
    を含有する酸化亜鉛からなる特許請求の範囲第1
    項記載の透明導電膜の製造方法。 3 前記ターゲツトが亜鉛原子に対して1〜20原
    子%のアルミニウム、ガリウム、ホウ素もしくは
    インジウムを含有する亜鉛合金からなる特許請求
    の範囲第1項記載の透明導電膜の製造方法。 4 プラズマ生成ガスがアルゴンと酸素の混合ガ
    スからなる特許請求の範囲第3項記載の透明導電
    膜の製造方法。 5 開口部を有するアノードと、該アノードに近
    接してその下方に配設され、ターゲツトを前記ア
    ノードの開口部に臨ませ、かつ、その表面が前記
    アノードの表面とほぼ同一レベルになるように保
    持するマグネトロンカソードと、前記ターゲツト
    の表面に対してほぼ垂直および/または平行に基
    板を保持する基板保持手段と、ターゲツト表面に
    垂直で前記マグネトロンカソードの磁界の方向と
    逆方向のプラズマ集束磁界をプラズマ発生領域に
    印加するプラズマ集束コイルとを備えたマグネト
    ロンスパツタ装置からなる透明導電膜製造装置。 6 前記基板保持手段が、基板をターゲツト表面
    に対してほぼ垂直に保持する基板ホルダーである
    特許請求の範囲第5項記載の透明導電膜製造装
    置。 7 前記基板保持手段が基板をプラズマ発生領域
    近傍にプラズマ発生領域外から搬送する基板キヤ
    リヤからなる特許請求の範囲第5項記載の透明導
    電膜製造装置。 8 前記基板保持手段が装置の一端側から他端側
    へ移動する基板移動用ガイドと巻き取り機構から
    なり、前記基板がフイルムからなる特許請求の範
    囲第5項記載の透明導電膜製造装置。
JP5525985A 1985-03-18 1985-03-18 透明導電膜の製造方法及びその装置 Granted JPS61214306A (ja)

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JP5525985A JPS61214306A (ja) 1985-03-18 1985-03-18 透明導電膜の製造方法及びその装置

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JP5525985A JPS61214306A (ja) 1985-03-18 1985-03-18 透明導電膜の製造方法及びその装置

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JPS61214306A JPS61214306A (ja) 1986-09-24
JPH056286B2 true JPH056286B2 (ja) 1993-01-26

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ID=12993596

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