JPH0562841U - ディファレンシャル装置の打痕判別装置 - Google Patents

ディファレンシャル装置の打痕判別装置

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JPH0562841U JP297892U JP297892U JPH0562841U JP H0562841 U JPH0562841 U JP H0562841U JP 297892 U JP297892 U JP 297892U JP 297892 U JP297892 U JP 297892U JP H0562841 U JPH0562841 U JP H0562841U
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】本考案は、打痕の検査時間を短縮し、打痕の検
査精度を高めることを最も主要な特徴とする。 【構成】デフキャリヤ組立体13の歯車機構14の動作
時の振動を検出するセンサ31を設け、このセンサ31
からの検出信号をFFT32(高速フーリエ変換装置)
に入力し、このFFT32によってデフキャリヤ組立体
13の歯車15の打痕の有無を判別してこのFFT32
からの判別結果を表示装置33に表示する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は例えば自動車等の車両用のディファレンシャル装置内に組み込まれ た歯車機構の歯車に形成された打痕の有無を判別するディファレンシャル装置の 打痕判別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、例えば自動車等の車両用のディファレンシャル装置内に組み込まれた 歯車機構の歯車には焼き入れ等の熱処理加工が施されている。ところで、例えば 図4の(A)に示すようなディファレンシャル装置の歯車機構1の歯車2に他の 部品等が打ち付けられた場合には同図の(B)に示すように歯車2の歯面に例え ば1〜2mm程度の打ち傷である打痕3が形成されるおそれがある。
【0003】 このように打痕3が形成された歯車2がディファレンシャル装置内に組み込ま れ、そのままの状態で車体に搭載された場合には車両走行時にディファレンシャ ル装置から発生する騒音が大きくなり、車両の乗り心地が悪くなる問題がある。
【0004】 そこで、従来は例えばディファレンシャル装置の歯車機構1の組み立て後、作 業者が歯車機構1の歯車2の歯面を目視して打痕3の有無を検査したり、或いは 歯車機構1を試験モータによって低負荷回転させた際の聴感によって歯車2の歯 面の打痕3の有無を検査するようにしていた。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
従来のように作業者による歯車2の歯面の目視検査や、歯車機構1の低負荷回 転時の聴感検査では打痕3の大きさが小さい場合には打痕3の判別が困難であり 、検査精度が低下する問題がある。
【0006】 さらに、打痕3の検査には時間がかかるうえ、作業員の熟練が必要になる問題 がある。また、作業員の熟練の度合いに応じて打痕3の検査結果にばらつきが生 じ、検査精度の向上を図るうえで問題がある。
【0007】 この考案は上記事情に着目してなされたもので、打痕の検査時間を短縮するこ とができるとともに、打痕の検査精度を高めることができるディファレンシャル 装置の打痕判別装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この考案はディファレンシャル装置の歯車機構の動作時に発生する振動または 音の少なくともいずれか一方を検出するセンサと、このセンサからの検出信号を 入力し、前記ディファレンシャル装置の歯車に打痕が無い場合の正常データの入 力状態と前記ディファレンシャル装置の歯車の打痕による異常データの入力状態 とを判別する判別手段と、この判別手段からの判別結果に応じて前記ディファレ ンシャル装置の歯車の打痕の有無を表示する表示手段とを具備したものである。
【0009】
【作用】
上記の構成において、ディファレンシャル装置の歯車機構の動作時に発生する 振動または音の少なくともいずれか一方をセンサによって検出し、このセンサか らの検出信号を判別手段に入力してディファレンシャル装置の歯車に打痕が無い 場合の正常データの入力状態とディファレンシャル装置の歯車の打痕による異常 データの入力状態とを判別するとともに、この判別手段からの判別結果に応じて ディファレンシャル装置の歯車の打痕の有無を表示手段に表示するようにしたも のである。
【0010】
【実施例】
以下、この考案の一実施例を図1乃至図3を参照して説明する。図1はこの考 案の一実施例のディファレンシャル装置の打痕判別装置の概略構成を示すもので 、11はディファレンシャル装置の組立てラインに配設されたトップローラーチ ェーンコンベア、12はこのトップローラーチェーンコンベア11上に配設され た組立パレット、13はこの組立パレット12上に装着されたディファレンシャ ル装置のデフキャリヤ組立体である。この場合、組立パレット12上に装着され たデフキャリヤ組立体13は下側に入力軸との連結フランジ部13a、上側にア クスルシャフトとの連結部13bがそれぞれ配置されている。
【0011】 また、トップローラーチェーンコンベア11の中途部にはデフキャリヤ組立体 13内に組み込まれた歯車機構14の歯車15の打痕の有無を検査する打痕検査 部16が設けられている。この打痕検査部16には組立パレット12を検出する パレット検出器が設けられているとともに、トップローラーチェーンコンベア1 1の上側にワーク押え17、コンベア11の下側にワークドライバ18がそれぞ れ配設されている。
【0012】 ワーク押え17には複数の押え部材19…が設けられている。これらの押え部 材19…の上端部は連結部材20を介して連結されている。さらに、この連結部 材20の上側にはワーク押え17を昇降駆動する例えばエアシリンダ等の第1の 駆動シリンダ21が配設されている。この第1の駆動シリンダ21に連結された 流体回路には図示しないコントローラからの制御信号によって切換え動作が制御 される切換え弁が配設されている。そして、この切換え弁の切換え動作にともな い第1の駆動シリンダ21が駆動され、この第1の駆動シリンダ21によってワ ーク押え17が上方の待機位置と下方の押え位置との間で昇降駆動されるように なっている。
【0013】 また、ワークドライバ18にはユニットケース22が設けられている。このユ ニットケース22内には試験用の駆動モータ23が配設されている。さらに、こ のユニットケース22の上面にはデフキャリヤ組立体13の連結フランジ部13 aに着脱可能に連結される連結部材24が設けられている。
【0014】 この連結部材24はユニットケース22内の軸受部25に回転自在に軸支され た回転軸26の上端部に連結されている。この回転軸26の下端部には駆動歯車 27が固定されている。この駆動歯車27は駆動モータ23の回転軸23aに固 定されたピニオンギア28に中間歯車29を介して連結されている。
【0015】 さらに、ワークドライバ18のユニットケース22の下側にはワークドライバ 18を昇降駆動する例えばエアシリンダ等の第2の駆動シリンダ30が配設され ている。この第2の駆動シリンダ30に連結された流体回路には図示しないコン トローラからの制御信号によって切換え動作が制御される切換え弁が配設されて いる。そして、この切換え弁の切換え動作にともない第2の駆動シリンダ30が 駆動され、この第2の駆動シリンダ30によってワークドライバ18が下方の待 機位置と上方のデフキャリヤ組立体13の連結フランジ部13aに連結部材24 を連結させる連結位置との間で昇降駆動されるようになっている。
【0016】 また、打痕判別装置にはデフキャリヤ組立体13のハウジングに着脱可能に固 定される先端マグネット付き振動センサ31が設けられている。この振動センサ 31はこのセンサ31からの検出信号を入力し、デフキャリヤ組立体13の歯車 15に打痕が無い場合の正常データの入力状態とデフキャリヤ組立体13の歯車 15の打痕による異常データの入力状態とを判別する判別手段であるFFT(高 速フーリエ変換装置)32に接続されている。このFFT32にはセンサ31か らの検出信号にもとづいて入力データの振動波形を表示する表示部32aが設け られている。
【0017】 さらに、このFFT32にはこのFFT32からの判別結果に応じてデフキャ リヤ組立体13の歯車15の打痕の有無を表示する判別表示装置(表示手段)3 3に接続されている。この判別表示装置33には打痕なしの状態を表示するOK 表示ランプ33aと、打痕有の状態を表示するNG表示ランプ33bとが設けら れている。
【0018】 次に、上記構成の作用について図2のフローチャートを参照して説明する。ま ず、ディファレンシャル装置の組立てラインではトップローラーチェーンコンベ ア11の駆動にともない組立パレット12上のデフキャリヤ組立体13が搬送さ れる。
【0019】 このとき、打痕検査部16ではパレット検出器によってコンベア11上の組立 パレット12の有無が検出される(ステップS1)。ここで、打痕検査部16で コンベア11上に組立パレット12がない状態が検出されている場合にはワーク 押え17が上方の待機位置、ワークドライバ18が下方の待機位置でそれぞれ待 機される。
【0020】 そして、コンベア11上の組立パレット12が打痕検査部16まで搬送された ことが検出されると第1の駆動シリンダ21によってワーク押え17が下方の押 え位置まで下降操作され(ステップS2)、図1に示すように組立パレット12 にデフキャリヤ組立体13が押し付けられた状態で位置決めされる。
【0021】 さらに、ステップS3でワーク押え17によるデフキャリヤ組立体13の位置 決めが完了した状態が検出されると、続いて第2の駆動シリンダ30によってワ ークドライバ18が上昇操作され(ステップS4)、このワークドライバ18の 連結部材24が上方のデフキャリヤ組立体13の連結フランジ部13aに連結さ れる。
【0022】 そして、ワークドライバ18の連結部材24が上方のデフキャリヤ組立体13 の連結フランジ部13aに連結された連結完了状態か否かが判断され(ステップ S5)、連結完了状態と判断された場合にはさらにデフキャリヤ組立体13のハ ウジングに先端マグネット付き振動センサ31が固定された状態か否かが判断さ れる(ステップS6)。
【0023】 ここで、デフキャリヤ組立体13のハウジングに先端マグネット付き振動セン サ31が固定された状態と判断された場合にはワークドライバ18の駆動モータ 23が駆動され、このワークドライバ18によってデフキャリヤ組立体13の歯 車機構14が回転駆動される(ステップS7)。
【0024】 このデフキャリヤ組立体13の歯車機構14の回転駆動時には振動センサ31 によってデフキャリヤ組立体13のハウジングの振動が検出される。さらに、こ の振動センサ31からの検出信号はFFT32に入力され、分析される(ステッ プS8)。
【0025】 このFFT32では表示部32aに図3(A)に示すように振幅が比較的小さ い振動波形が表示される場合にはデフキャリヤ組立体13の歯車15に打痕が無 い場合の正常データの入力状態と判断される。また、FFT32の表示部32a に図3(B)に示すように適宜の設定レベルL1 以上の振幅の振動波形が表示さ れる場合にはデフキャリヤ組立体13の歯車15の打痕による異常データの入力 状態と判断される。
【0026】 そして、FFT32で正常データの入力状態か否かが判断され(ステップS9 )、正常データの入力状態が判断された場合には判別表示装置33でOK表示ラ ンプ33aが点灯されたのち(ステップS10)、組立パレット12が次の工程 に搬送される(ステップS11)。
【0027】 また、FFT32で異常データの入力状態と判断された場合には判別表示装置 33でNG表示ランプ33bが点灯されたのち(ステップS12)、組立パレッ ト12が次の工程に搬送される前に排除される(ステップS13)。
【0028】 そこで、上記構成のものにあってはデフキャリヤ組立体13の歯車機構14の 動作時に発生する振動をセンサ31によって検出し、このセンサ31からの検出 信号をFFT32に入力してデフキャリヤ組立体13の歯車15に打痕が無い場 合の正常データの入力状態とデフキャリヤ組立体13の歯車15の打痕による異 常データの入力状態とを判別するとともに、このFFT32からの判別結果に応 じてデフキャリヤ組立体13の歯車15の打痕の有無を判別表示装置33に表示 するようにしたので、従来のように作業者による歯車15の歯面の目視検査や、 歯車機構14の低負荷回転時の聴感検査に比べて歯車15の歯面の打痕の検査時 間を短縮することができるとともに、打痕の検査精度を高めることができる。
【0029】 さらに、歯車15の歯面の打痕の検査には格別に作業員の熟練を必要とはしな いので、従来のように作業員の熟練の度合いに応じて打痕の検査結果にばらつき が生じることを防止することができ、検査精度の一層の向上を図ることができる 。
【0030】 また、外乱ノイズに対する歯車15の歯面の打痕の信号の比(S/N比)が最 も大きくなるように振動センサ31の選択および測定位置の設定を行なうことに より、検査精度をさらに高めることができる。
【0031】 なお、この考案は上記実施例に限定されるものではない。例えば、上記実施例 ではデフキャリヤ組立体13の歯車機構14の動作時に発生する振動を検出する 振動センサ31を設け、この振動センサ31からの検出信号にもとづいてデフキ ャリヤ組立体13の歯車15の打痕の有無を判別する構成のものを示したが、デ フキャリヤ組立体13の歯車機構14の動作時に発生する音を検出するセンサを 設け、このセンサからの検出信号にもとづいてデフキャリヤ組立体13の歯車1 5の打痕の有無を判別する構成にしてもよい。 さらに、その他この考案の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは 勿論である。
【0032】
【考案の効果】
この考案によればディファレンシャル装置の歯車機構の動作時に発生する振動 または音の少なくともいずれか一方を検出するセンサを設け、このセンサからの 検出信号を判別手段に入力し、ディファレンシャル装置の歯車に打痕が無い場合 の正常データの入力状態とディファレンシャル装置の歯車の打痕による異常デー タの入力状態とを判別するとともに、判別手段からの判別結果に応じてディファ レンシャル装置の歯車の打痕の有無を表示手段に表示するようにしたので、打痕 の検査時間を短縮することができるとともに、打痕の検査精度を高めることがで きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示す概略構成図。
【図2】打痕判別装置の動作を説明するフローチャー
ト。
【図3】高速フーリエ変換装置に表示される振動波形を
示すもので、(A)は打痕なしの場合の振動波形を示す
特性図、(B)は打痕有りの場合の振動波形を示す特性
図。
【図4】(A)はディファレンシャル装置内のリングギ
アを示す要部の斜視図、(B)はリングギアに形成され
た打痕を示す要部の斜視図。
【符号の説明】
13…デフキャリヤ組立体,14…歯車機構,15…歯
車,31…振動センサ,32…FFT(判別手段),3
3…判別表示装置(表示手段)。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディファレンシャル装置の歯車機構の動
    作時に発生する振動または音の少なくともいずれか一方
    を検出するセンサと、このセンサからの検出信号を入力
    し、前記ディファレンシャル装置の歯車に打痕が無い場
    合の正常データの入力状態と前記ディファレンシャル装
    置の歯車の打痕による異常データの入力状態とを判別す
    る判別手段と、この判別手段からの判別結果に応じて前
    記ディファレンシャル装置の歯車の打痕の有無を表示す
    る表示手段とを具備したことを特徴とするディファレン
    シャル装置の打痕判別装置。
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