JPH0562706A - 金属酸化物−水素蓄電池およびその製造方法 - Google Patents

金属酸化物−水素蓄電池およびその製造方法

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JPH0562706A
JPH0562706A JP3221407A JP22140791A JPH0562706A JP H0562706 A JPH0562706 A JP H0562706A JP 3221407 A JP3221407 A JP 3221407A JP 22140791 A JP22140791 A JP 22140791A JP H0562706 A JPH0562706 A JP H0562706A
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metal oxide
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storage battery
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JP3221407A
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Hiroshi Kawano
博志 川野
Gohei Suzuki
剛平 鈴木
Nobuyuki Yanagihara
伸行 柳原
Akira Ota
璋 太田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 セパレータに保持される電解液を改良して金
属酸化物−水素蓄電池の充放電を向上させる。 【構成】 本発明は、金属酸化物を主体とした正極、水
素を電気化学的に吸蔵・放出する水素吸蔵合金およびそ
の水素化物の何れか一方を主体とした負極、セパレー
タ、およびアルカリ性電解液から構成される金属酸化物
−水素蓄電池において、前記アルカリ性電解液は主成分
として10重量%以上25重量%未満の水酸化カリウム
を含有する水溶液であり、この水溶液が、1.2重量%
未満の水酸化リチウムを含有することを特徴とするもの
である。 【効果】 本発明のように、低濃度の電解液、すなわち
粘度の低い電解液を使用した場合には、この問題が緩和
され、長期に亘り電池が正常に作動できるようになる。
また、電解液中に必要量以上の水酸化リチウムを添加し
た場合、充電後の正極の活物質であるNiOOHがLi
NiO2 に変化し、極板の脆化、膨脹を助長することに
なるが、本発明においては、これを防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属酸化物−水素蓄電
池に関し、更に詳細には、金属酸化物を主体とした正
極、水素を電気化学的に吸蔵・放出する水素吸蔵合金お
よびその水素化物の何れか一方を主体とした負極、セパ
レータ、およびアルカリ性電解液から構成される金属酸
化物−水素蓄電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ニッケル−カドミウム蓄電池に代表され
るアルカリ蓄電池は、高エネルギ密度化、軽量化を目指
して、電池の高容量化技術が検討されてきた。しかし、
現在では、この電池系よりも更に高容量化が期待できる
ニッケル・水素蓄電池が注目されている。この電池は、
負極として水素を電気化学的に吸蔵・放出可能な合金ま
たはその水素化物で形成された負極、ニッケル酸化物で
形成された正極、セパレータ、およびアルカリ性電解液
から構成されている。
【0003】このニッケル・水素蓄電池においても、電
解液として、ニッケル・カドミウム蓄電池に使用されて
いる水酸化カリウムの水溶液が使用できる。そしてその
濃度は、導電率、充電効率およびその他の電池特性を考
慮し、従来、25〜30重量%の高濃度にすることが望
ましいとされている。また、高温時の充電効率を改善
し、またニッケルの利用率を向上させ、放電容量を増大
させるため、水酸化リチウムを1.5重量%以上添加す
ることが望ましいとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ニッケ
ル・水素蓄電池、特に電池の高容量化を目的に、正極の
活物質である水酸化ニッケルを高密度充填した正極と組
み合わせ、前述したような高濃度の電解液を使用した場
合、充放電を繰り返すと、正極に膨張が顕著に現れる。
このように顕著な膨張が生ずると、セパレータが圧迫を
受け、セパレータ自身の空孔度の減少によるセパレータ
の保液量の低下が起こる。また、過充電時に正極から発
生する酸素ガスにより、セパレータ内の電解液もこのガ
スとともにセパレータから排出されていく。これらの過
程を経て、充放電に必要なセパレータの内の電解液が減
少して、電池の内部抵抗が増大し、放電電圧の低下、サ
イクル寿命が低下することになる。
【0005】一方、前述のように、電解液中に水酸化リ
チウムを添加することにより、放電電流の増大、および
高温での充電効率の向上が期待できるが、1.5重量%
以上の多量の水酸化リチウムを添加した場合、放電容量
の増大により、ニッケル正極の膨張が助長され、前述し
た問題が更に顕著となる。
【0006】なお、特公昭62−115657号公報に
は、セパレータを保液能力の大きい材料例えばナイロン
で形成し、あるいは親水性を向上させるためにセパレー
タに界面活性剤などを添加して、セパレータ内から排出
される電解液量を抑制する提案がなされている。しかし
ながら、こうすると、負極の活性度が高いことに起因
し、自己放電が増大してしまう。したがって、セパレー
タの材料としては、オレフィン系のポリプロピレンのよ
うな化学的に安定な材料を使用することが望ましく、む
やみに保液性を向上させたセパレータを使用することに
も限界がある。
【0007】そこで、本発明は、高容量でサイクル寿命
の長いニッケル・水素蓄電池を提供するにあたり、充放
電時に必要なセパレータ内の電解液を長期間保持し、充
放電の繰返しによる放電電圧、放電容量の低下を防ぐこ
とを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】これらの課題を解決する
にあたり、本発明の金属酸化物−水素蓄電池において
は、電解液とセパレータの親和性を向上させるために電
解液の濃度に着目し、その主成分たる水酸化カリウムの
濃度を、10重量%以上、25重量%未満としたことを
特徴とするものである。また、水酸化カリウム水溶液に
溶解させる水酸化リチウムの濃度を1.2重量%未満と
したことを特徴とするものである。
【0009】更に、前記水酸化カリウムの濃度が12重
量%以上20重量%未満で、水酸化リチウムの濃度が
0.1重量%以上1.2重量%未満であることが望まし
い。
【0010】電池の正極は金属酸化物を主体とするもの
で、その金属酸化物としてはニッケル酸化物を用いるこ
とが望ましい。
【0011】更に、本発明の金属酸化物−水素蓄電池の
製造方法は、電池を構成した後、主成分として25重量
%以上の水酸化カリウムを含有するアルカリ性電解液を
注入し、この状態で10以下の充放電を繰り返し、その
後、主成分としての10重量%以上25重量%未満の水
酸化カリウムおよび1.2重量%未満の水酸化リチウム
を含有するアルカリ性電解液に取り替えることによって
蓄電池を製造することを特徴とするものである。
【0012】
【作用】金属酸化物−水素蓄電池は、深い充放電の繰り
返しにより正極の膨張が認められ、セパレータ内の電解
液が排出されてくるが、電解液中の水酸化カリウムを高
濃度とした場合、電解液の粘度も上昇し、一度排出され
た電解液は再度セパレータ内へ取り込まれることが少な
くなる。しかし、本発明のように、低濃度の電解液、す
なわち粘度の低い電解液を使用した場合には、この問題
が緩和され、長期に亘り電池が正常に作動できるように
なる。
【0013】また、電解液中に必要量以上の水酸化リチ
ウムを添加した場合、充電後の正極の活物質であるNi
OOHがLiNiO2 に変化し、極板の脆化、膨脹を助
長することになる。従って本発明のように低濃度の電解
液と水酸化リチウムを限定することにより、セパレータ
内に電解液が常時含浸された状態を形成しやすくするこ
とができ、電池の長寿命化が可能になる。
【0014】電池構成後低濃度の電解液を使用した場
合、充放電を繰返すことにより放電容量は徐々に増加す
るが、最大容量に達するまでに長期間を要する。この点
を改善するため、電池構成後高濃度の電解液で充放電を
行うことにより放電容量の増加の程度が大きくなり、最
大容量に速く達するようになる。その後、電解液濃度を
低くすれば、上記と同様の効果が得られる。
【0015】
【実施例】以下、添付図面を参照しつつ、本発明の好ま
しい実施例を詳細に説明する。
【0016】(実施例1)図1は、本発明の実施例によ
るニッケル・水素蓄電池の構成図であり、このニッケル
・水素蓄電池は、水素吸蔵合金を主構成材とする負極
1、焼結式ニッケル正極2をセパレータ3を介して交互
に重ねて構成された電極群Gを有している。
【0017】負極1を構成する水素吸蔵合金は、次のよ
うにして作製される。先ず、市販の金属(純度99.5
%以上)を採用し、MmNi3.8 Co0.5 Mn0.4 Al
0.3 の組成になるように各々の金属を配合し、高周波誘
導加熱溶解炉で焼成して合金を製造した。この合金を粉
砕機を用いて粒径が50μm以下になるまで機械的に細
かく微粉砕し、合金粉末とした。この粉末と、耐アルカ
リ性の合成樹脂であるポリビニルアルコールを温水で溶
解した水溶液を混合し、ペースト状とする。次にこのペ
ーストを、合金の支持体と集電体を兼ね備えた発泡状ニ
ッケル多孔体内へ加圧により充填し、乾燥、加圧プレス
を行い、水素吸蔵合金負極とした。正極にはその一例と
して公知の方法により作製された焼結式ニッケル極を採
用し、セパレータには特公昭62−1156577号公
報に記載されているポリプロピレン製の不織布をスルホ
ン化処理したものを使用した。
【0018】上記電極群Gは、耐アルカリ性樹脂からな
る電槽4内に挿入されており、この電槽4内には電解液
5が収容されている。電槽4の上部は、電解液の注入孔
を兼ねた安全弁7を有する蓋6で密封されている。電池
はまた、上記正極2に接続された正極端子8、および負
極1に接続された負極端子9を有している。
【0019】以上により、正極1は10Ah、負極2は
15Ahになるように設定した正極容量規制で、公称容
量10Ahの単電池を作製した。
【0020】このようにして作製した単電池へ、水酸化
リチウムの濃度を0.5重量%とし、(表1)のA〜G
に示される水酸化カリウム水溶液の濃度が異なる電解液
を注液し、電池を試作した。これらの電池を0.1Cm
A(1A)の電流で15時間充電し、次いで0.2Cm
A(2A)の電流で電池電圧が0.9Vを示すまで放電
を続けた。この条件で充放電を2回繰返した後の2サイ
クル目の放電容量を(表1)に示す。
【0021】
【表1】
【0022】さらに3サイクル目以降は1/3CmA
(3.3A)の電流で3.5時間充電し、放電も1/3
CmAの電流で0.9Vまで放電を続け、サイクル寿命
試験を行った。3サイクル目の放電容量は(表1)に、
以降の容量変化は図2に示す。
【0023】(表1)に示すように、電解液濃度が高く
なるにしたがって2サイクル目あるいは3サイクル目の
放電容量は大きくなる傾向を示す。よって初期容量の大
きなものを得たい場合は電解液を高濃度にすることが良
い。
【0024】しかし図2のサイクル寿命の試験結果か
ら、低濃度にした電池Aは容量低下が認められないが、
900サイクルを経過しても放電容量が6.8Ahを越
えることがなかった。本発明の実施例である電池B、
C、Dは900サイクルを経過しても容量低下は全く認
められず、良好なサイクル寿命を示した。また電池Eも
500サイクルまでにおいては大きな容量低下は認めら
れず、比較的短寿命でも放電容量の大きな電池が必要な
場合は有効な方法であることがわかる。電池F、Gに示
す高濃度の電解液を使用した場合は、初期容量は大きい
が充放電の経過とともに容量低下が大きくなり、電池の
内部抵抗の上昇時に見られる充電電圧の上昇、放電電圧
の低下が認められた。また容量低下をきたした電池を分
解し、正極の厚さの変化を測定した結果、電池F、Gは
初期に比べ43〜51%厚くなっていた。その他の電池
に使用した正極の900サイクル後の厚さは、電池A、
B、C、D、Eについてそれぞれ3.1、12.3、2
8.3、35.4、38.1%初期に比べて厚くなって
いた。
【0025】これらの結果より、電解液濃度を高くする
につれて初期の放電容量が増大し、ニッケル正極の充電
状態と放電状態の体積変化を電極内部で吸収しきれなく
て、電極が膨脹したことがいえる。そしてセパレータが
圧迫されて低孔度化し、電解液の保持量が減少するとと
もに吸液性も減少したものと考えられる。このような状
態で過充電を行った場合、酸素ガスの発生にともなって
電解液がセパレータ外部へ放出される。この結果、高濃
度領域の電解液を使用した電池F、Gは電解液の流動性
が悪く粘度も高いため、再度セパレータ内へ吸収される
量が少なくなる。一方電池B、C、D、Eは低濃度領域
であるため、正極の膨脹が生じたにもかかわらず再度セ
パレータ内へ吸収され、放電容量の低下が起こらなかっ
たものと考えられる。
【0026】以上の結果より高容量で長寿命のニッケル
−水素蓄電池を構成する場合の電解液濃度としては、1
0重量%以上25重量%未満の電解液濃度にすることが
望ましい。さらに限定すると12重量%以上20重量%
未満にすることで本発明の効果が得られることがいえ
る。
【0027】次にニッケル正極の放電容量を向上させる
目的で水酸化リチウムの添加量を変化させた場合の本発
明の効果について調べた。
【0028】電池構成は前述した公称容量10Ahの電
池の構成方法を用い、(表2)に示す水酸化リチウムの
濃度を変化させた電解液を使用した電池H〜MをDとと
もに作製し、同様な条件で充放電を行った。ここで使用
した電解液は、全て水酸化リチウムが20重量%のもの
を使用した。2サイクル目と3サイクル目の放電容量は
(表2)に示し、サイクル寿命の試験結果を図3に示
す。
【0029】
【表2】
【0030】(表2)の結果より、水酸化リチウムの添
加量と放電容量は比例関係にあり、水酸化リチウムの添
加による効果が認められる。図3に示すサイクル寿命の
結果から、水酸化リチウムを1.5重量%以上にした場
合に容量低下が大きくなることが明らかになった。これ
らの正極も900サイクル経過後に厚さを測定した結
果、電池H、I、D、J、K、L、Mの順で膨脹の度合
が大きく、それぞれ11.3、24.8、35.4、4
1.3、44.4、50.4、59.5%膨脹してい
た。この結果より、水酸化リチウムを添加すると正極活
物質である水酸化ニッケルと反応し、結晶構造の大きい
LiNiO2 の形成、あるいは充放電効率の低下するγ
−タイプのオキシ水酸化ニッケルの形成が促進されたこ
となどによるものと考えられる。
【0031】これらの結果より、電解液中に水酸化リチ
ウムを添加することは放電容量の向上に効果があるが、
長寿命の電池を構成する上では1.2重量%未満にする
ことが有効な方法であるといえる。
【0032】また、水酸化リチウムが無添加の場合、初
期容量が7.2Ahであるのに対して0.1重量%添加
することで9.1Ahまで向上し、500サイクル後で
10.4Ahを示すようになった。従って0.1重量%
以上添加されているほうが実用的な価値は大きくなる。
【0033】(実施例2)実施例1に示した蓄電池にお
いては、充放電初期における容量が小さい。この現象を
解消するため、充放電初期、即ち正極の膨脹現象が起こ
らない領域において25重量%以上の高濃度の電解液を
使用し、10回までの充放電を繰返し、その後低濃度の
電解液に液替えすることを試みた。実施した電池は実施
例1に示した電池構成と同様なもので、表3に示すよう
な初期電解液、液替え後の電解液を使用した。ここで液
替えする場合、どうしても電極内に電解液が残るため、
初期注液した電解液量と排出した電解液量から所定の電
解液量になるように算出し、注液した。
【0034】充放電条件は1サイクル目、2サイクル目
は0.1CmA(1A)で15時間充電し、0.2Cm
A(2A)で0.9Vまで放電した。3サイクル目以降
は1/3CmA(3.3A)で3.5時間充電し、同じ
く1/3CmAで0.9Vまで放電した。さらに10サ
イクル経過後所定の電解液濃度に調整し、3サイクル目
以降と同じ充放電条件でサイクル寿命を調べた。(表
3)には10サイクル目と11サイクル目、即ち電解液
調整前後の容量を示す。さらに(表4)にその電池の1
1サイクル目以降のサイクル寿命試験での放電容量を示
す。
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】(表3)の結果より、10サイクル目と1
1サイクル目の放電容量を比較した場合、低濃度にした
ことで放電容量の低下は少ない、最初から12重量%に
設定した電池Cに比べて同じ濃度に調整した電池Oの放
電容量のほうが大きくなった。この結果より、初期に高
濃度の電解液で充放電することにより、電池の活性化が
早期に進むことがわかる。また初期の電解液濃度を電池
N、P、Rの順に25、30、35重量%と変化させた
場合について比較すると、高濃度にするほうが放電容量
が大きくなり電池の活性化が早く進むことがわかる。
【0038】一方、(表4)に示すように電池C及びN
〜Rは充放電の繰返しによる放電容量の変化が少なく、
安定した容量を示すことがわかる。
【0039】これらの結果より、電池構成後高濃度の電
解液を注液し初期活性の工程を行うことで、放電容量の
向上が初期より可能になる。また別の実験より、液替え
するときの電解液に水酸化リチウムを添加することで放
電容量の向上が認められたが、実施例1に示したように
1.5重量%以上添加した場合はサイクル寿命特性の低
下が認められ、この場合においても水酸化リチウムの濃
度は1.2重量%未満、実用的には0.1重量%以上
1.2重量%未満にすることが望ましいことがわかっ
た。
【0040】このようにニッケル−水素蓄電池において
は、電解液濃度と水酸化リチウムの最適濃度があり、そ
の組合せによってさらに高容量、長寿命化が考えられ
る。例えば電解液である水酸化カリウム水溶液の濃度が
高いときは水酸化リチウムの濃度を低くする。或いは水
酸化カリウム水溶液の濃度が低いときは水酸化リチウム
の濃度を高くし、電解液全体の濃度を調整することで、
さらに電池特性の向上を可能にできる。
【0041】これまでの実施例においては正極活物質と
してニッケルの酸化物について示したが、充放電により
活物質の体積変化が起こる金属酸化物として酸化銀、マ
ンガンとニッケルの混合酸化物を用いても同様な結果が
得られた。よって本発明は金属酸化物−水素蓄電池であ
れば適用できることがいえる。
【0042】
【発明の効果】以上示したように、本発明によれば高容
量に充填された金属酸化物正極を用いた金属酸化物−水
素蓄電池の長寿命化と初期特性の改善が可能になり、高
エネルギー密度で長寿命の電池を提供することができ、
その工業的価値は大きいものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による10Ahのニッケル水素
蓄電池の構成図
【図2】電解液濃度を変化させた時の充放電サイクル数
と放電容量の変化の関係を示す図
【図3】電解液中に水酸化リチウムを添加した場合の充
放電サイクル数と放電容量の変化の関係を示す図
【符号の説明】
1 負極 2 正極 3 セパレータ 4 電槽 5 電解液 6 蓋 7 安全弁 8 正極端子 9 負極端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 璋 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属酸化物を主体とした正極、水素を電気
    化学的に吸蔵・放出する水素吸蔵合金およびその水素化
    物の何れか一方を主体とした負極、セパレータ、および
    アルカリ性電解液から構成される金属酸化物−水素蓄電
    池において、前記アルカリ性電解液は主成分として10
    重量%以上25重量%未満の水酸化カリウムを含有する
    水溶液であり、この水溶液が、1.2重量%未満の水酸
    化リチウムを含有することを特徴とする金属酸化物−水
    素蓄電池。
  2. 【請求項2】前記水酸化カリウムの濃度が12重量%以
    上20重量%未満で、水酸化リチウムの濃度が0.1重
    量%以上1.2重量%未満であることを特徴とする請求
    項1の金属酸化物−水素蓄電池。
  3. 【請求項3】金属酸化物がニッケル酸化物であることを
    特徴とする請求項1または2の金属酸化物−水素蓄電
    池。
  4. 【請求項4】金属酸化物を主体とした正極、水素を電気
    化学的に吸蔵・放出する水素吸蔵合金およびその水素化
    物の何れか一方を主体とした負極、およびセパレータか
    ら構成される金属酸化物−水素蓄電池を構成した後、主
    成分として25重量%以上の水酸化カリウムを含有する
    アルカリ性電解液を注入し、この状態で10以下の充放
    電を繰り返し、その後、主成分としての10重量%以上
    25重量%未満の水酸化カリウムおよび1.2重量%未
    満の水酸化リチウムを含有するアルカリ性電解液に取り
    替えることによって蓄電池を製造することを特徴とする
    金属酸化物−水素蓄電池の製造方法。
  5. 【請求項5】取り替える電解液の前記水酸化カリウムの
    濃度が12重量%以上20重量%未満で、水酸化リチウ
    ムの濃度が0.1重量%以上1.2重量%未満であるこ
    とを特徴とする請求項4の金属酸化物−水素蓄電池の製
    造方法。
  6. 【請求項6】金属酸化物がニッケル酸化物であることを
    特徴とする請求項4または5の金属酸化物−水素蓄電池
    の製造方法。
JP3221407A 1991-09-02 1991-09-02 金属酸化物−水素蓄電池およびその製造方法 Pending JPH0562706A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06283195A (ja) * 1993-03-30 1994-10-07 Furukawa Battery Co Ltd:The ニッケル−水素二次電池
JP2002075318A (ja) * 2000-08-30 2002-03-15 Matsushita Electric Ind Co Ltd 二次電池

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JPH06283195A (ja) * 1993-03-30 1994-10-07 Furukawa Battery Co Ltd:The ニッケル−水素二次電池
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