JPH0562422B2 - - Google Patents
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- JPH0562422B2 JPH0562422B2 JP59125744A JP12574484A JPH0562422B2 JP H0562422 B2 JPH0562422 B2 JP H0562422B2 JP 59125744 A JP59125744 A JP 59125744A JP 12574484 A JP12574484 A JP 12574484A JP H0562422 B2 JPH0562422 B2 JP H0562422B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- magnetic pole
- pole piece
- objective lens
- electron beam
- diameter
- Prior art date
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- Expired - Lifetime
Links
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- 238000010894 electron beam technology Methods 0.000 description 20
- 230000003287 optical effect Effects 0.000 description 16
- 230000004075 alteration Effects 0.000 description 8
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- 230000037431 insertion Effects 0.000 description 5
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- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 3
- 230000004907 flux Effects 0.000 description 2
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- 230000003247 decreasing effect Effects 0.000 description 1
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Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J37/00—Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
- H01J37/02—Details
- H01J37/04—Arrangements of electrodes and associated parts for generating or controlling the discharge, e.g. electron-optical arrangement or ion-optical arrangement
- H01J37/10—Lenses
- H01J37/14—Lenses magnetic
- H01J37/141—Electromagnetic lenses
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- Electromagnetism (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
本発明は透過電子顕微鏡に用いられる対物レン
ズに関する。
ズに関する。
[従来技術]
生物切片等を低倍率で観察する場合には、像の
コントラストを大きくするため、対物絞りとして
絞り穴の径ができるだけ小さいものを用いること
が好ましい。しかるに、従来の対物レンズを用い
た電子顕微鏡においては、穴径の小さい絞りを選
択すると視野がカツトされてしまうため、生物切
片等の低倍率広視野像を良好なコントラストのも
とで観察することはできなかつた。
コントラストを大きくするため、対物絞りとして
絞り穴の径ができるだけ小さいものを用いること
が好ましい。しかるに、従来の対物レンズを用い
た電子顕微鏡においては、穴径の小さい絞りを選
択すると視野がカツトされてしまうため、生物切
片等の低倍率広視野像を良好なコントラストのも
とで観察することはできなかつた。
[発明の目的]
本発明はこのような従来の欠点を解決して、生
物切片等の低倍像を良好なコントラストで観察す
ることを可能にする透過電子顕微鏡における対物
レンズを提供することを目的としている。
物切片等の低倍像を良好なコントラストで観察す
ることを可能にする透過電子顕微鏡における対物
レンズを提供することを目的としている。
[発明の作用]
以下、本発明において基本になつている考えを
説明する。
説明する。
試料SPを透過した電子線EBの軌跡を幾何光学
的に描いてみると、第1図に示すようになる。こ
の図より、対物レンズOLの後焦点面Uの位置に
回折像DIが形成されるため、この位置に絞りを
挿入すれば、極めて小さい絞り穴を有する絞りを
挿入しても、視野は何らカツトされず、高いコン
トラストの広視野低倍像を観察できるはずであ
る。そこで、後焦点面がどのような位置になる
か、上磁極片と下磁極片の間隔が例えば16mmで、
磁極片のテーパー角が60°であるようなレンズに
対して、この幾何光学的な軌跡にかえて、電子線
の軌跡を電子計算機を用いて描いてみた。この
際、透過電子顕微鏡においては、電子線は光軸に
平行な軌跡をとつて試料に入射するという仮定の
もとで取り扱うのが一般的であるため、電子線
EBは光軸Cに平行な軌跡をとつて試料SPに入射
するものとした。その結果、電子線EBの軌跡は
第2図において細線Mで示すようになつた。但
し、第2図において、横軸は対物レンズの下磁極
片の頂面Kを基準とした光軸方向の座標Z(mm)、
縦軸は光軸Cからの相対距離及び磁束密度B(テ
スラー)を示しており、Jは上磁極片の底面、曲
線Gは軸上磁界分布を示している。この第2図に
よれば、電子線EBが光軸Cと交わる位置は図中
aで示した点であり、回折像はこの点を含む面に
形成されるはずである。ところで、絞りは通常下
磁極片の頂面Kと試料ホルダーとの間の第2図に
おいて一点鎖線Aで示される位置の近傍に挿入さ
れるが、もし実際の対物レンズにおける電子線の
軌跡がこの第2図の通りであるとすれば、絞りの
挿入位置を下側(図中右側)に移動させる程視野
は拡大するはずであるが、経験上は全く逆に絞り
の挿入位置を上側(図中左側)に移動させる程視
野は拡大する。そこで、この第2図と実際との相
違がどこで生じたか検討した。第2図から明らか
なように、試料SPに光軸Cと平行な電子線を入
射させるためには、試料SPよりわずか12mm程度
上側の位置において、電子線EBを大きな角度で
光軸Cと交差するように入射させなければならな
いことが分かる。しかしながら、このようなこと
は、対物レンズよりはるか上方にあるコンデンサ
レンズによつては困難であるはずであり、従つ
て、光軸Cに平行な軌跡をとつて電子線EBが試
料SPに入射するということはなく、実際には電
子線EBは対物レンズに入射する位置で光軸Cに
平行になる程度であると思われる。このような前
提のもとで、電子計算機を利用して上記対物レン
ズに対して電子線の軌跡を描いてみると、第3図
において細線M′で示すようなものとなり、絞り
の挿入位置を上側に移動させる程、視野が拡大す
るという経験とも一致することが分つた。尚、第
3図においては、第2図と同一の要素に対しては
同一番号を付していると共に、横軸及び縦軸は2
図と同一にとられている。この第3図より、光軸
Cに平行な軌跡をとつて対物レンズに入射する電
子線EBが光軸Cと交差する点の位置(以下Zcで
表わす)が、試料位置(以下Zoで表わす)から
大きく離れるような特性を有する電子レンズを求
めるべきであることが分つた。
的に描いてみると、第1図に示すようになる。こ
の図より、対物レンズOLの後焦点面Uの位置に
回折像DIが形成されるため、この位置に絞りを
挿入すれば、極めて小さい絞り穴を有する絞りを
挿入しても、視野は何らカツトされず、高いコン
トラストの広視野低倍像を観察できるはずであ
る。そこで、後焦点面がどのような位置になる
か、上磁極片と下磁極片の間隔が例えば16mmで、
磁極片のテーパー角が60°であるようなレンズに
対して、この幾何光学的な軌跡にかえて、電子線
の軌跡を電子計算機を用いて描いてみた。この
際、透過電子顕微鏡においては、電子線は光軸に
平行な軌跡をとつて試料に入射するという仮定の
もとで取り扱うのが一般的であるため、電子線
EBは光軸Cに平行な軌跡をとつて試料SPに入射
するものとした。その結果、電子線EBの軌跡は
第2図において細線Mで示すようになつた。但
し、第2図において、横軸は対物レンズの下磁極
片の頂面Kを基準とした光軸方向の座標Z(mm)、
縦軸は光軸Cからの相対距離及び磁束密度B(テ
スラー)を示しており、Jは上磁極片の底面、曲
線Gは軸上磁界分布を示している。この第2図に
よれば、電子線EBが光軸Cと交わる位置は図中
aで示した点であり、回折像はこの点を含む面に
形成されるはずである。ところで、絞りは通常下
磁極片の頂面Kと試料ホルダーとの間の第2図に
おいて一点鎖線Aで示される位置の近傍に挿入さ
れるが、もし実際の対物レンズにおける電子線の
軌跡がこの第2図の通りであるとすれば、絞りの
挿入位置を下側(図中右側)に移動させる程視野
は拡大するはずであるが、経験上は全く逆に絞り
の挿入位置を上側(図中左側)に移動させる程視
野は拡大する。そこで、この第2図と実際との相
違がどこで生じたか検討した。第2図から明らか
なように、試料SPに光軸Cと平行な電子線を入
射させるためには、試料SPよりわずか12mm程度
上側の位置において、電子線EBを大きな角度で
光軸Cと交差するように入射させなければならな
いことが分かる。しかしながら、このようなこと
は、対物レンズよりはるか上方にあるコンデンサ
レンズによつては困難であるはずであり、従つ
て、光軸Cに平行な軌跡をとつて電子線EBが試
料SPに入射するということはなく、実際には電
子線EBは対物レンズに入射する位置で光軸Cに
平行になる程度であると思われる。このような前
提のもとで、電子計算機を利用して上記対物レン
ズに対して電子線の軌跡を描いてみると、第3図
において細線M′で示すようなものとなり、絞り
の挿入位置を上側に移動させる程、視野が拡大す
るという経験とも一致することが分つた。尚、第
3図においては、第2図と同一の要素に対しては
同一番号を付していると共に、横軸及び縦軸は2
図と同一にとられている。この第3図より、光軸
Cに平行な軌跡をとつて対物レンズに入射する電
子線EBが光軸Cと交差する点の位置(以下Zcで
表わす)が、試料位置(以下Zoで表わす)から
大きく離れるような特性を有する電子レンズを求
めるべきであることが分つた。
本発明者は、対物レンズの形状を種々変化させ
ると共に、対物レンズの励磁強度を種々変化させ
て、レンズ特性の変化を電子計算機を用いて算出
してみた。まず、前方磁界を弱くするために上磁
極片の穴径b1を小さくしてみた。上磁極片の穴
径b1を小さくすると磁界分布のピークが上磁極
側に吸い寄せられるため、むしろZcとZoはやや
近づく程度の変化はあるものの、ZcとZoの距離
はさほどど大きな変化がないことが分つた。そこ
で、球面収差係数Csを小さくするため、例えば、
0.8S≦b1≦1.2Sに従つて上磁極片の穴径b1を定め
れば良い。次に上磁極片の底面の径D1の穴径b
1に対する大きさを種々変化させたところ、第4
図aにその磁極片の形状を示すようにD1≦3b1に
した場合には、対物レンズの各励磁強度に対して
前記交差点の位置Zc及び試料位置Zoは各々第4
図bにおいて曲線Zc,Zoで示す如きものとなつ
た。但し第4図a及び後述する第5図a、第6図
a、第8図aにおいて、縦軸は試料SPが配置さ
れる位置を原点とする位置座標(mm)を示してお
り、横軸の右半分は磁束密度を表わしている。
又、第4図b及び後述する第5図b、第6図b、
第7図b、第8図bにおいて、横軸はレンズの励
磁強度KATを、又縦軸は長さ(mm)を示してお
り、曲線Zc,Zo,Cs,Cc,Foは各々各励磁強度
における交差点の位置Zc、試料位置Zo、球面収
差係数、色収差係数、焦点距離を示している。こ
れに対して第5図aにその磁極片の形状を示すよ
うにD1≧3b1とした場合には、ZcとZoは第5図
bに示すような値をとることが分つた。この第4
図bと第5図bを用いて、試料SPを座標原点に
配置する実際の場合において比較すると、第5図
aのようにD1≧3b1とした場合には、ZcとZoの
距離は1.4mm程度以上となり、第4図aに示した
そうでない場合より大きくすることができること
が分つた。次に、下磁極片の穴径及び頂面の径を
各々b2,D2とすると、第5図aの場合と同様に
D2/b2=2に維持したまま、b2を小さくすると、
zcとzoは第6図bに示すような値をとり、試料
SPを座標原点に配置する実際の場合におけるzc
とzoとの距離は、2.7mm程度以上となることがわ
かつた。従つて、D2/b2=2に維持したまま、
b2を小さくすることはzcとzoとの距離を大きく
する上で極めて有効であることが分かつた。即ち
b2を小さくした場合にzcとzoとの距離がどのよ
うに変化するかを第8図aに示すようなD2=
2b1,b1=0.9S,D1=3.6b1,θ2=45°のレンズに
ついて検討した。第8図aに示すb2=0.3Sのレン
ズにおいては、第8図bのデータに示すようにzc
とzoとの距離は3.8mmとなり、b2の他の値に対し
ては第7図の曲線Lで示すようになつた。
ると共に、対物レンズの励磁強度を種々変化させ
て、レンズ特性の変化を電子計算機を用いて算出
してみた。まず、前方磁界を弱くするために上磁
極片の穴径b1を小さくしてみた。上磁極片の穴
径b1を小さくすると磁界分布のピークが上磁極
側に吸い寄せられるため、むしろZcとZoはやや
近づく程度の変化はあるものの、ZcとZoの距離
はさほどど大きな変化がないことが分つた。そこ
で、球面収差係数Csを小さくするため、例えば、
0.8S≦b1≦1.2Sに従つて上磁極片の穴径b1を定め
れば良い。次に上磁極片の底面の径D1の穴径b
1に対する大きさを種々変化させたところ、第4
図aにその磁極片の形状を示すようにD1≦3b1に
した場合には、対物レンズの各励磁強度に対して
前記交差点の位置Zc及び試料位置Zoは各々第4
図bにおいて曲線Zc,Zoで示す如きものとなつ
た。但し第4図a及び後述する第5図a、第6図
a、第8図aにおいて、縦軸は試料SPが配置さ
れる位置を原点とする位置座標(mm)を示してお
り、横軸の右半分は磁束密度を表わしている。
又、第4図b及び後述する第5図b、第6図b、
第7図b、第8図bにおいて、横軸はレンズの励
磁強度KATを、又縦軸は長さ(mm)を示してお
り、曲線Zc,Zo,Cs,Cc,Foは各々各励磁強度
における交差点の位置Zc、試料位置Zo、球面収
差係数、色収差係数、焦点距離を示している。こ
れに対して第5図aにその磁極片の形状を示すよ
うにD1≧3b1とした場合には、ZcとZoは第5図
bに示すような値をとることが分つた。この第4
図bと第5図bを用いて、試料SPを座標原点に
配置する実際の場合において比較すると、第5図
aのようにD1≧3b1とした場合には、ZcとZoの
距離は1.4mm程度以上となり、第4図aに示した
そうでない場合より大きくすることができること
が分つた。次に、下磁極片の穴径及び頂面の径を
各々b2,D2とすると、第5図aの場合と同様に
D2/b2=2に維持したまま、b2を小さくすると、
zcとzoは第6図bに示すような値をとり、試料
SPを座標原点に配置する実際の場合におけるzc
とzoとの距離は、2.7mm程度以上となることがわ
かつた。従つて、D2/b2=2に維持したまま、
b2を小さくすることはzcとzoとの距離を大きく
する上で極めて有効であることが分かつた。即ち
b2を小さくした場合にzcとzoとの距離がどのよ
うに変化するかを第8図aに示すようなD2=
2b1,b1=0.9S,D1=3.6b1,θ2=45°のレンズに
ついて検討した。第8図aに示すb2=0.3Sのレン
ズにおいては、第8図bのデータに示すようにzc
とzoとの距離は3.8mmとなり、b2の他の値に対し
ては第7図の曲線Lで示すようになつた。
一方、前述した第5図aに示した対物レンズ
は、D2=2b1,D1=3.6b1,θ2=60°,b2=b1=
0.9Sの場合であり、この対物レンズにおけるzcと
zoとの距離は、前述したように第5図bより1.4
程度であつた。また、前述した第6図aに示した
対物レンズは、θ2の値を除けば第8図と同一の設
定をしている。従つて、第6図aに示した対物レ
ンズは、D2=2b1,D1=3.6b1,θ2=60°,b2=
0.3Sに設定してある。この対物レンズにおけるzc
とzoとの距離は前述したように第6図bより2.7
であつた。上記2つのデータに基づいて、D2=
2b1,D1=3.6b1,θ2=60°のレンズに対してzcと
zoとの距離をb2の関数としてプロツトすれば、
第7図の曲線L′で示すものとなる。ところで、充
分なコントラストを得るためには、絞りの径は経
験から200μm程度以下でなければならない。も
し、絞りの径がかなり大きければ、第3図の点a
よりかなり後方に絞りを配置してもM′で示した
電子線を絞り穴に取り込めるはずであるが、上記
のように絞りの径は小さいため、第3図において
絞りは径を無視して点として扱わなければならな
い。このような状況のもとで、試料ホルダーの厚
みと試料ホルダーの傾斜を許容できる余裕を考慮
するとzcとzoとの距離は2.7mm程度以上あること
が必要になる。第7図の曲線L,L′で示した結果
より、上記条件を満たすためには45°≦θ2<60°の
範囲で選択したθ2をΘとするとき、b2を b2≦0.3S+0.2S×(60−Θ)/(60−45)を満
たすように選択することが必要になる。
は、D2=2b1,D1=3.6b1,θ2=60°,b2=b1=
0.9Sの場合であり、この対物レンズにおけるzcと
zoとの距離は、前述したように第5図bより1.4
程度であつた。また、前述した第6図aに示した
対物レンズは、θ2の値を除けば第8図と同一の設
定をしている。従つて、第6図aに示した対物レ
ンズは、D2=2b1,D1=3.6b1,θ2=60°,b2=
0.3Sに設定してある。この対物レンズにおけるzc
とzoとの距離は前述したように第6図bより2.7
であつた。上記2つのデータに基づいて、D2=
2b1,D1=3.6b1,θ2=60°のレンズに対してzcと
zoとの距離をb2の関数としてプロツトすれば、
第7図の曲線L′で示すものとなる。ところで、充
分なコントラストを得るためには、絞りの径は経
験から200μm程度以下でなければならない。も
し、絞りの径がかなり大きければ、第3図の点a
よりかなり後方に絞りを配置してもM′で示した
電子線を絞り穴に取り込めるはずであるが、上記
のように絞りの径は小さいため、第3図において
絞りは径を無視して点として扱わなければならな
い。このような状況のもとで、試料ホルダーの厚
みと試料ホルダーの傾斜を許容できる余裕を考慮
するとzcとzoとの距離は2.7mm程度以上あること
が必要になる。第7図の曲線L,L′で示した結果
より、上記条件を満たすためには45°≦θ2<60°の
範囲で選択したθ2をΘとするとき、b2を b2≦0.3S+0.2S×(60−Θ)/(60−45)を満
たすように選択することが必要になる。
他方、b2の変化に伴う球面収差係数Csの変化
をD2=2b1,D1=3.6b1,θ2=45°のレンズに対し
て算出すると、第7図において曲線Vで示すよう
になつた。また、D2=2b1,D1=3.6b1,θ2=60°
のレンズに対して球面収差係数Csを考えると、
第7図の曲線Vよりも各b2の値に対してやや下
側に位置する値となる。この第7図よりzcとzo
との距離を大きくするためには、b2をできるだ
け小さくすれば良いが、b2を0.2S程度にすると、
Csは10mm程度になつてしまうため、実用上問題
を生じる。したがつて、b2は0.3S程度以上である
ことが必要である。
をD2=2b1,D1=3.6b1,θ2=45°のレンズに対し
て算出すると、第7図において曲線Vで示すよう
になつた。また、D2=2b1,D1=3.6b1,θ2=60°
のレンズに対して球面収差係数Csを考えると、
第7図の曲線Vよりも各b2の値に対してやや下
側に位置する値となる。この第7図よりzcとzo
との距離を大きくするためには、b2をできるだ
け小さくすれば良いが、b2を0.2S程度にすると、
Csは10mm程度になつてしまうため、実用上問題
を生じる。したがつて、b2は0.3S程度以上である
ことが必要である。
以上より結局45°≦θ2<60°
の条件のもとで選択したθ2をΘとするとき、b2
を 0.3S≦b2≦0.3S+0.2S×(60−Θ)/15を満た
すように選択することが必要となる。
を 0.3S≦b2≦0.3S+0.2S×(60−Θ)/15を満た
すように選択することが必要となる。
[発明の構成]
本発明は上述した考えに基づいて成されたもの
であり、上磁極片の底面の径及び下磁極片の頂面
の径を各々D1,D2、上下磁極片の穴径を各々
b1,b2、上下磁極片の間隔をS、下磁極片のテ
ーパー角をθ2とするとき、 D1≧3.6b1 且つ 45°≦θ2<60° 且つ D2/b2を略2にすると共に、 上記条件のもとで選択したθ2をΘとするとき、
b2を 0.3S≦b2≦0.3S+0.2S×(60−Θ)/15を満た
すように選択した透過電子顕微鏡における対物レ
ンズを特徴としている。
であり、上磁極片の底面の径及び下磁極片の頂面
の径を各々D1,D2、上下磁極片の穴径を各々
b1,b2、上下磁極片の間隔をS、下磁極片のテ
ーパー角をθ2とするとき、 D1≧3.6b1 且つ 45°≦θ2<60° 且つ D2/b2を略2にすると共に、 上記条件のもとで選択したθ2をΘとするとき、
b2を 0.3S≦b2≦0.3S+0.2S×(60−Θ)/15を満た
すように選択した透過電子顕微鏡における対物レ
ンズを特徴としている。
[実施例]
以下、図面に基づき本発明の一実施例を詳述す
る。
る。
第9図は本発明の一実施例を示すためのもの
で、図中1は上磁極片であり、この上磁極片の穴
径b1は10mm、底面の径D1は36mmにされてい
る。2は下磁極片であり、この下磁極片の穴径b
2は5mmであり、頂面の径D2は10mmに形成され
ている。上磁極片1と下磁極片2の間隔Sは11mm
とされており、又下磁極片2のテーパー角θ2は
45°にされている。3,4は磁極片を支持するた
めのスペーサーであり、5はヨークであり、6は
励磁コイルである。
で、図中1は上磁極片であり、この上磁極片の穴
径b1は10mm、底面の径D1は36mmにされてい
る。2は下磁極片であり、この下磁極片の穴径b
2は5mmであり、頂面の径D2は10mmに形成され
ている。上磁極片1と下磁極片2の間隔Sは11mm
とされており、又下磁極片2のテーパー角θ2は
45°にされている。3,4は磁極片を支持するた
めのスペーサーであり、5はヨークであり、6は
励磁コイルである。
このような構成の対物レンズにおいて、励磁コ
イル6に例えば6.5KIT(キロアンペアターン)で
励磁すれば、ZcとZoとの距離を3.8mmとすること
ができる。そのため、電子線EBが光軸と交差す
る点aを絞りの挿入位置の極めて近傍に位置させ
ることができる。
イル6に例えば6.5KIT(キロアンペアターン)で
励磁すれば、ZcとZoとの距離を3.8mmとすること
ができる。そのため、電子線EBが光軸と交差す
る点aを絞りの挿入位置の極めて近傍に位置させ
ることができる。
なお、レンズの球面収差係数は実用上問題にな
らない程度に小さければ良いので、b1はその限
りで、0.8S≦b1≦1.2Sの範囲を越えて設定しても
良い。
らない程度に小さければ良いので、b1はその限
りで、0.8S≦b1≦1.2Sの範囲を越えて設定しても
良い。
[効果]
上述した説明から明らかなように、本発明に基
づく対物レンズにおいては、電子線EBが光軸と
交差する点aを絞りの挿入位置の極めて近傍に位
置させることができ、そのため、本発明に基づく
対物レンズを使用した透過電子顕微鏡において
は、生物接片等を観察する場合に、像のコントラ
ストを大きくするため絞り穴の小さい絞りを用い
ても、視野は殆どカツトされず、低倍率広視野像
を良好なコントラストのもとで観察することがで
きる。
づく対物レンズにおいては、電子線EBが光軸と
交差する点aを絞りの挿入位置の極めて近傍に位
置させることができ、そのため、本発明に基づく
対物レンズを使用した透過電子顕微鏡において
は、生物接片等を観察する場合に、像のコントラ
ストを大きくするため絞り穴の小さい絞りを用い
ても、視野は殆どカツトされず、低倍率広視野像
を良好なコントラストのもとで観察することがで
きる。
第1図は小さな絞り穴を有する絞りを用いても
原理的には視野はカツトされないことを示すため
の幾何光学図、第2図は試料に入射する位置で電
子線が光軸に平行になるものと仮定した場合の電
子線の軌跡を示すための図、第3図は対物レンズ
に入射する位置で電子線が光軸に平行になるもの
と仮定した場合の電子線の軌跡を示すための図、
第4図乃至第8図は磁極片の形状を種々変化させ
た際の各励磁強度における交差点Zc、試料位置
Zo、球面収差係数Cs、色収差係数Cc、焦点距離
Foの値を示すための図、第9図は本発明の一実
施例を示すための図である。 OL……対物レンズ、U……後焦点面、DI……
回折像、SP……試料、C……光軸、EB……電子
線、K……上磁極片の底面、J……下磁極片の頂
面、1……上磁極片、2……下磁極片、3,4…
…スペーサー、5……ヨーク、6……励磁コイ
ル。
原理的には視野はカツトされないことを示すため
の幾何光学図、第2図は試料に入射する位置で電
子線が光軸に平行になるものと仮定した場合の電
子線の軌跡を示すための図、第3図は対物レンズ
に入射する位置で電子線が光軸に平行になるもの
と仮定した場合の電子線の軌跡を示すための図、
第4図乃至第8図は磁極片の形状を種々変化させ
た際の各励磁強度における交差点Zc、試料位置
Zo、球面収差係数Cs、色収差係数Cc、焦点距離
Foの値を示すための図、第9図は本発明の一実
施例を示すための図である。 OL……対物レンズ、U……後焦点面、DI……
回折像、SP……試料、C……光軸、EB……電子
線、K……上磁極片の底面、J……下磁極片の頂
面、1……上磁極片、2……下磁極片、3,4…
…スペーサー、5……ヨーク、6……励磁コイ
ル。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 上磁極片の底面の径及び下磁極片の頂面の径
を各々D1,D2、上下磁極片の穴径を各々b1,
b2、上下磁極片の間隔をS、下磁極片のテーパ
ー角をθ2とするとき、 D1≧3.6b1 且つ 45°≦θ2<60° 且つ D2/b2を略2にすると共に、 上記条件のもとで選択したθ2をΘとするとき、
b2を 0.3S≦b2≦0.3S+0.2S×(60−Θ)/15を満た
すように選択した透過電子顕微鏡における対物レ
ンズ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59125744A JPS614143A (ja) | 1984-06-19 | 1984-06-19 | 透過電子顕微鏡における対物レンズ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59125744A JPS614143A (ja) | 1984-06-19 | 1984-06-19 | 透過電子顕微鏡における対物レンズ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS614143A JPS614143A (ja) | 1986-01-10 |
JPH0562422B2 true JPH0562422B2 (ja) | 1993-09-08 |
Family
ID=14917721
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP59125744A Granted JPS614143A (ja) | 1984-06-19 | 1984-06-19 | 透過電子顕微鏡における対物レンズ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS614143A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4535602B2 (ja) * | 2000-11-13 | 2010-09-01 | 株式会社アドバンテスト | 電子ビーム露光装置及び電子レンズ |
-
1984
- 1984-06-19 JP JP59125744A patent/JPS614143A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS614143A (ja) | 1986-01-10 |
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