JPS623542B2 - - Google Patents

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JPS623542B2
JPS623542B2 JP55008722A JP872280A JPS623542B2 JP S623542 B2 JPS623542 B2 JP S623542B2 JP 55008722 A JP55008722 A JP 55008722A JP 872280 A JP872280 A JP 872280A JP S623542 B2 JPS623542 B2 JP S623542B2
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JP
Japan
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excitation
objective lens
magnetic pole
lens
objective
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JP55008722A
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JPS56107459A (en
Inventor
Akira Yonezawa
Kohei Shirota
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Akashi Seisakusho KK
Original Assignee
Akashi Seisakusho KK
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Filing date
Publication date
Application filed by Akashi Seisakusho KK filed Critical Akashi Seisakusho KK
Priority to JP872280A priority Critical patent/JPS56107459A/ja
Priority to US06/229,527 priority patent/US4383176A/en
Priority to GB8102713A priority patent/GB2070848B/en
Publication of JPS56107459A publication Critical patent/JPS56107459A/ja
Publication of JPS623542B2 publication Critical patent/JPS623542B2/ja
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/02Details
    • H01J37/04Arrangements of electrodes and associated parts for generating or controlling the discharge, e.g. electron-optical arrangement or ion-optical arrangement
    • H01J37/10Lenses
    • H01J37/14Lenses magnetic
    • H01J37/141Electromagnetic lenses

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
  • Electron Beam Exposure (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、電子顕微鏡に使用される対称磁界型
対物レンズの改良に関するものである。
一般に電子顕微鏡の対物レンズの性能は球面収
差係数Cs及び色収差係数Ccを重要な因子として
決定され、これら諸収差の小さいもの程性能が良
い対物レンズとされる。さらにまた電子顕微鏡の
対物レンズの性能を決定する要因として広視野像
が得られること及び視野周辺部における像のボケ
及び歪みが生じないことも重要な因子とされる。
従来においては、これらの諸要因を満足させるも
のはなく、特に低倍像観察においては、対物レン
ズの諸収差が著しく現われるか又は広視野を得に
くいといつた問題を有していた。
例えば上記球面収差係数、色収差係数による影
響を小さくするために、対物レンズにおける励磁
を強くすることにより、これらの収差係数を小さ
くした対物レンズとしてRiecke−Ruskaのコンデ
ンサーオブジエクテイブレンズ(以下C.O.レン
ズという。またその起磁力をJc.o.とする)があ
る。このレンズは、上において述べたのと同様対
称磁界型対物レンズであるから、第1図に示され
ているように上側磁極片11の孔径と、下側磁極
片2の孔径とがいずれも同じ寸法bに設定され、
試料は磁極片間の中点0に置かれる様になつてい
る。しかし、C.O.レンズを使つた電子顕微鏡で
は試料よりも集束レンズ側の磁場において強力な
励磁を行うため、この励磁により電子ビームが強
く収束されるため(第1図)、照射ビームのコン
トロールが難しいという難点があつた。その上、
低倍像観察において広視野像を得にくいという欠
点をも有している。
他方、C.O.レンズを使わない通常の電子顕微
鏡にあつては、対物レンズはJc.o.より小さな起
磁力でもつて使用されているが、この様に起磁力
を小さくすることによつて球面及び色収差係数が
大きくなるという不都合が生じ易い。そして収差
係数を小さくするために起磁力Jを上げて行き、
Jc.o.に近づけるとC.O.レンズの場合と同様に、
良質の低倍像を得にくくなるという問題がある。
Jc.o.より大きな起磁力を有する対物レンズと
して、Suzuki−TochigiのSゾーンレンズが公知
である。このレンズにおいては試料は上、下側磁
極片間の中点0よりも下方に置かれ、対物レンズ
に平行に入射した電子束は、試料前方で、一度収
束して後、試料に、ほぼ平行照射される。このS
ゾーンレンズによれば、磁極片の励磁が飽和状態
に達していない時ならばC.O.レンズより小さい
収差係数が得られ、C.O.レンズの起磁力よりも
低い起磁力の対物レンズと同様に照射電子ビーム
のコントロールは容易であるが、低倍像観察を行
う場合には実際上対物レンズ絞りによる視野の低
減とか像が大きく歪むとかの問題を生じ易かつ
た。
本発明は以上の問題に着目して為されたもの
で、その目的は電子顕微鏡の対称磁界型対物レン
ズにおいて、上下磁極片間距離やこれら磁極片に
開設された孔径の寸法を最適に設定し、更に上記
磁極片間に加わる励磁力を一定の範囲に設定せし
めることにより、収差係数が小さく、しかも低倍
率観察においても対物絞りによる視野の減少がな
く又像の歪み及びボケを最小限に抑えることので
きる対物レンズを提供することである。
以下、本発明を添付の図面を参照して説明す
る。
第1図は、先にも述べたように電子顕微鏡の対
称磁界型対物レンズの概略図であるが、この図に
示すように対物レンズは上側磁極片1と、この上
側磁極片1から一定の間隔をあけられ且つ上側磁
極片1に相対向して配置された下側磁極片2とを
有している。これら上側磁極片1と下側磁極片2
には電子線の束が通るための孔径の同じ孔3及び
3′が開設され、これらの孔3,3′の中心には光
軸Zが通つている。かかる電子顕微鏡の対物レン
ズにおいて、いま上下磁極片1,2間の距離を
S、磁極片に開設された孔3,3′の孔径をbと
し、上下磁極片1,2間に加わる起磁力をJとお
くと、対物レンズを通る電子ビームの収束点、試
料を照射する電子線の傾き、収差係数等を求める
ことができる。
一般的に、回転対称な磁界型レンズにおいて、
光軸(Z軸とする)方向の磁場分布をBz(Z)
とすると、電子の近軸軌道は、 dy/dz+eBz(Z)/8my(Z)
=O……(1) の解として求めることができる(なおここでは電
子の回転運動は考慮しない)。ここで e:電子の電荷 mp:電子の質量 U*:加速電圧(相対論補正してある) である(引用文献として、Glaser、W;
Grundlagender Elektronenoptikがある)。
上下磁極片1,2にあけられた孔3,4の孔径
bが同じであるような、いわゆる対称磁界型レン
ズにあつては、上記(1)式における磁場分布Bz
(Z)は、磁極片1,2および磁気ヨークが飽和
状態にまで励磁されていない時、次の式によつて
求められる。
ここで μ:真空の透磁率 I0(t):変形されたベツセル関数 であり、座標の原点Oを上下磁極片の中点にとつ
ている。これらの式から電子の軌道を求めること
ができる。
また、対物レンズの球面収差係数をCs、色収
差係数をCcとすると、これらの収差係数は次式
によつて求められる。
s=e/128mZ1 Z0〔(3e/m
BZ4 +8B′z2)y4−8B y2y′2〕dz ……(3) Cc=−e/8mZ1 Z0 y2dz ……(4) ここで Z0:試料位置 Z1:像面位置 である。
いま、S/b=2に設定して対物レンズに無限
遠結像(Z1=∞)を行わせた場合の収差係数C
s,Ccと磁極片間距離Sとの比及び焦点距離f0
Sの比の対物レンズ励磁の強さ√2 *に対す
る変化を示すと第2図の様になる。この図におい
て、対物レンズの上下極間距離Sを一定とすれ
ば、Cs,Cc,f0は対物レンズの励磁によつて変
化することがわかる。そして第2図から明らかに
なる様に、対物レンズを強励磁にするに従つて球
面収差係数Cs等は小さくなる。第2図中、上記
のC.O.レンズは励磁の強さ√2 *が20AT/
V〓(アンペア・ターン/(ボルト)〓)程度に
おいて使用される。このことを示すため、第2図
中においてC.O.レンズの励磁強さをC.O.で示し
てある。
第2図において、代表的な励磁の強さの値とし
てA:17、B:23、C:29.4(単位はいずれも、
AT/V〓)を選び、各励磁に対する照射電子束
の径路及び試料4の位置Z0を第3図に示した。こ
こにおいて、集束レンズにより作られた対物レン
ズ前方のクロスオーバー点は対物レンズ中心Oよ
りも集束レンズ(コンデンサ−レンズ)側、Zc
=−7Sの位置に設定した。また、第3図におい
て結像レンズ側における電子線束の収束点を符号
Fで示した。この収束点Fの位置に対物絞り5を
置けば、対物絞り5によつて電子線束が遮られる
こともなく視野の減少は起らない。励磁点Aにお
ける照射電子線束の経路が第3図aに示されてい
るが、この図からも明らかになる様にAの励磁で
は種の問題が生じる。例えば試料4と電子線束の
収束点Fとの距離が小さい(0.2S以下の距離しか
ない)ため、視野の減少を防ぐため上記収束点F
に対称絞り5をおいた時、試料4と対物絞り5と
が不当に接近してしまい、試料観察角度を変える
べく当該試料4を傾斜させたりすることが困難に
なつて来る。また試料4に対して大きな傾斜角を
採らせる必要がある場合には電子顕微鏡の上下磁
極片1,2間の距離Sを大きくする必要が生じ、
収差係数が大きくなつてしまうという不都合が生
じる。
励磁点Bにおける照射電子線束の経路が第3図
bに示されているが、このような電子線束照射を
行つた場合、収束点Fは対物レンズの二つの磁極
片1,2間をはるかに超えた位置に来ることとな
る。このように孔3の中で電子線束の収束が起つ
ているため、対物絞り5の挿入が極めて困難とな
り、又第3図bに示されている様に磁極片1,2
間に対物絞りを配置すると、該対物絞りを絞り込
めば絞り込むに従つて対物レンズの視野を狭めて
しまうことになる。さらにまたこの様な励磁状態
にあつては、対物レンズの励磁作用がわずかに変
化するだけで、Fの位置が大きく変わつてしまう
という不都合がある。
以上のような励磁点A(17AT/V〓)及び励
磁点B(23AT/V〓)における対物レンズの励
磁に対して励磁点C(29.4AT/V〓)における
照射電子線束の経路を検討すると第3図cのよう
になる。この図から明らかなように励磁点Cでの
励磁を行つた場合、照射電子線束は下側磁極片2
よりやや前方において収束点Fを形成している一
方、この収束点Fと試料4との距離もかなり大き
く(0.3S以上の距離が確保される)とることがで
きる。このため対物レンズ内への絞り5の挿入は
比較的簡単に行うことができる上、試料を必要に
応じて傾斜させる場合、大きな傾斜角をとらせる
ことが可能となる。
このように、集束レンズによるクロスオーバ点
の位置Zcが、Zc=−7S(ここで符号マイナス
は、クロスオーバー点Zcが対物レンズ中心Oよ
りも集束レンズ側にあることを示す)である時、
対物レンズの上下磁極片1,2間に置かれた試料
は、対物レンズが励磁点Cにおける励磁を行つて
いる場合に最も良好な照射電子線束経路が得られ
ることがわかつた。しかし、集束レンズの励磁を
変化させ、クロスオーバー点の位置Zcを変化さ
せれば、試料位置Zoよりも後方における照射電
子線束の収束点Fの位置(ZFとする)もまた変
化することは容易に理解できるであろう。ここで
Zcは対物レンズの励磁を0とした時に、集束レ
ンズによつて作られるクロスオーバー点の位置を
示す。
S/b=2に設定し対物レンズの励磁を
29.4AT/V〓とした時のZc/SとZF/Sとの関
係を求めると第4図のようになつた。なお、この
図において座標原点は対物レンズの上下励極片間
の中点であり、横軸に集束レンズによるクロスオ
ーバー点Zcと磁極間距離Sとの比、縦軸に対物
レンズにおける照射電子線束の収束点Fの位置Z
Fと磁極間距離Sとの比をとつてある。またこの
縦軸においては光軸方向(即ち第4図下方)を正
にとつている。この図から明らかになるように、
Zc/Sが図中の符号DEで示す範囲内(−2≦
Zc/S≦0.5)にあるとき以外においては、収束
点Fは下側磁極片2の頂面付近に位置しており
(ZF/S≒0.5)、試料の観察に適した状況が得ら
れる。
F/S=FOとなる、横軸に平行な線は収束点
Fの漸近線であり、光軸に対して平行に対物レン
ズに入射した電子線(即ちZc/S=∞)が試料
後方で光軸と交わる点を表わしている。第4図を
見ると明らかなように、−1<Zc/S<0におい
て収束点Fは無限遠へと遠去かるため、かかる条
件下では収束点Fに対物絞り5を配置することは
困難となる。しかし集束レンズによるクロスオー
バー点の位置Zcが上記の様な範囲内にある時に
対物レンズの励磁を29.4AT/V〓に維持する
と、対物レンズにおける照射電子線束は対物絞り
5の絞り径よりも小さな径を持つ極めて小径(約
10μ〓以下)の電子線束となつて下側磁極片2の
孔3を透過する。したがつてこの様な場合に対物
絞り5を照射電子線束の収束点Fに合わせて配置
する必要はなく、上側磁極片1と下側磁極片2と
の間に配置することができる。以上の事柄から、
F/S=FOの点(下側磁極片2のわずか前方の
位置)に対物絞りを置けば、実質的にZcの全可
変範囲について対物絞りによる視野の減少はなく
なる。このように対物絞り5を下側磁極片2付近
におくことにより、試料4と対物絞り5との間隔
を比較的大きくとることができるため比較的大角
度の試料傾斜を行うことができ、又上下極片1,
2間の距離Sを小さくすることが可能となり、収
差係数CsやCcが小さくなるという利点が得られ
る。
ここで、 ZA=0.5S−FO とおくと、ZAは下側磁極片2と対物絞り5との
距離を表わす。そこで、対物絞り5の位置が下側
磁極片付近の範囲(正確には0≦ZA≦0.15S)に
収まることのできる、対物励磁の強さ√2 *
(便宜上Jで代表させる)の範囲をs/bに対し
て求め、その範囲を第5図に斜線で示した。その
図中、曲線L1はZA=0、即ちFOが下側磁極片
2の頂面に一致するような対物励磁の強さとS/
bとの関係を示し、曲線L2はZA=0.15Sとなるよ
うな対物励磁の強さとS/bとの関係を示してい
る。またこの図から明らかになるように、曲線
L2よりも上の励磁を与えるとZA>0.15Sとなる。
このことは第4図のグラフに照らしてみると、試
料4と対物絞り5の位置FOとの距離が0.2S以下
になることを意味し、この様な高励磁下において
は試料4を比較的大角度で傾斜させ得るという上
記利点がえられなくなる。よつて試料4の操作性
を良好に保ちながら広視野を得るためには、第5
図中斜線で示す範囲に対物励磁JとS/bとの関
係を維持すべきであることがわかつた。なおここ
でC.O.レンズの励磁(便宜上Jc.o.で代表させ
る)とS/bとの関係をグラフに示すと第5図破
線C.O.のようになる。したがつて第5図中斜線
で示す範囲での対物励磁Jを破線C.O.を基準に
して表わすと、S/bの範囲が1≦S/b≦5で
は、ほぼ 1.4Jc.o.≦J≦1.7Jc.o. なる関係が成り立つ。なお第5図において明らか
なようにs/b<1においては曲線L1,L2の傾
斜変化率が大きく実用性を伴わないこと、及び次
に述べるように、平行照射条件を満さず、大きな
ボケ及び歪を発生しやすいので上記s/bの範囲
は考慮してない。
次に、電子顕微鏡の性能を決める上で重要とな
る事柄は全視野において像にボケ及び歪みができ
なくすることである。ここで第3図を参照する
と、a,bいずれの励磁においても、試料4の、
光軸Zから離れた部位では電子線は試料4に対し
て垂直ではなく、傾いた方向に入射している。試
料上の点Pに入射する電子線の、当該点Pにおけ
る接線が光軸Zが交わる点をQとし、試料4の位
置ZoとQとの距離をlとして(第6図参照)
l/Sの値を求めることにより、像のボケ及び歪
みの大きさを見積ることができる。この場合、試
料より集束レンズ側の対物レンズの磁場の収差を
無視すれば、lの大きさはPの位置に関係なく一
定に決まる。通常、このl/Sの値が小さい、す
なわち傾きが大きいと像のボケ及び歪みが大きく
なつて良質の広視野像は得にくくなる。そして第
3図cの励磁にも見られる様に、試料4に垂直に
電子線が入射する照射(即ちl=∞、∴l/S=
∞)は「平行照射」と名付けられ、通常この照射
においてボケ及び歪みを量も小さくすることがで
きるが、この状態を実験で見出すことは容易でな
い。前記軌道計算により、以下のごとく「平行照
射」となる条件を明確にすることができた。
第2図及び第3図においてB(=23)、C(=
29.4)の各励磁(単位はいずれもAT/V〓)に
おけるl/Sの値をZc/Sに対して求め、その
結果を第7図に示した。なお、この図で破線はB
の励磁下での変化を表わし、一点鎖線はCの励磁
下での変化を表す。集束レンズにおいて、点光源
から出た電子線束を試料4位置に収束させたとき
l/S=0となるが、この時のZc/Sの値を第
7図中、BO,COで示してある。B,C、いずれ
の対物励磁においても、集束レンズの励磁を変化
させてZc/Sを可変とすれば試料4に当る照射
面積を変化させることができる。しかし第7図か
ら対物励磁の強さをB、即ち23AT/V〓にした
場合と、C、即ち29.4AT/V〓にした場合とで
はl/S、即ちlの値が著しく異なつていること
がわかる。このことを例えば第3図に示した例に
ついて検討する。既に述べてあるように第3図に
示すような電子線経路は集束レンズによる収束点
がZc=−7Sの位置にある時に得られた。この式
を満足する点は第7図中符号eで示されている
が、この座標位置におけるl/Sの値は、 Bの励磁においては、l/S=10-1 Cの励磁においては、l/S=102 となり、Cの励磁下ではBの励磁におけるよりも
はるかに平行照射に近いことを示している。また
第7図中、横軸座標の|Zc/S|の値が大きく
なるところでは、Cの励磁下でのl/Sの値はB
の励磁下でのl/Sの値よりも2乃至3桁大きな
値となる。このことは、Cの励磁下にある対物レ
ンズはBの励磁を受けた時よりもさらに一層平行
照射に近くなり、良質の広視野像が得られること
を示している。他方、第7図中−0.3≦Zc/S≦
−0.2においてはBの励磁下においてl/S=∞
となり平行照射が得られるのに対し、この範囲或
はZc/S=−0.5近辺においてはCの励磁下にお
いてl/Sは極めて小さな値となる。ところがこ
のようなZc/Sの値の範囲にあつては、上述し
たように、対物レンズにおける照射電子線束は対
物絞り5の絞り径よりも小さな径を持つ極小径
(約10μ〓以下)の電子線束となるため、Cの励
磁下においても像の歪みとか視野の狭小化といつ
た問題は起らないのである。
ちなみに、光軸Zに対して平行に入射した電子
線(即ちZc/S=∞)が試料4に垂直に入射し
得る(つまりl/S=∞)、対物レンズの励磁√
2 *とS/bとの関係を上記第5図中に一点
鎖線で示した。この曲線の前後においては、
比較的大きな集束レンズの励磁可変範囲に対して
大きなl/Sが得られ、像の歪みを極めて少なく
することができる。先の説明において試料4の操
作性を良好に保ちながら広視野像を得るのに適し
た対物レンズの励磁範囲は、第5図中、曲線
L1,L2を境とする斜線部であることを示し、こ
の範囲は、1≦S/b≦5においては、 1.4Jc.o.≦J≦1.7Jc.o. であらわされることを示した。
一方上記曲線Iが第5図中斜線で示す範囲中に
含まれるS/bの範囲は、1≦S/b≦5である
ことがわかる。従つて広視野像が得られるばかり
でなく像のボケ及び歪みの少ない像がえられるJ
及びS/bの条件は、1.4Jc.o.≦J≦1.7Jc.o.かつ
1≦S/b≦5であることが明らかとなつた。
以上述べて来たように本発明によれば、対物レ
ンズの上側励磁片及び下側磁極片間の距離Sとこ
れら両磁極片に開設された孔径bとの比を一定範
囲に保ち、且つこの対物レンズの磁極片間に加わ
る励磁力を一定範囲に維持することにより、歪み
の少ない良質の広視野像が得られ、しかも収差係
数が小さく、さらに比較的大きな角度に試料を傾
斜させることのできる電子顕微鏡の対物レンズを
提供することができた。
【図面の簡単な説明】
第1図は対称磁界型対物レンズにおける電子軌
道の例を示す図である。第2図は、S/b=2に
おける、対物レンズの励磁√2 *に対する球
面収差係数Cs/S、色収差係数Cc/Sおよび焦
点距離f0/Sをそれぞれ示す図である。第3図
は、S/b=2であり且つ、対物レンズの励磁√
2 *が(a)17AT/V〓、(b)23AT/〓および(c)
29.4AT/V〓である時の電子線軌道及び、試料
位置後方での電子収束点Fを示す図である。第4
図は、S/b=2且つ対物レンズの励磁を
29.4AT/V〓に維持し、集束レンズによる収束
点を変化させた時、Zc/Sに対する試料後方で
の電子束の収束点Fの位置ZF/Sの変化をグラ
フに示した図である。第5図は、対物絞り位置F
Oを下側磁極片の頂面付近き設定し得る、対物レ
ンズの励磁範囲、コンデンサ・オブジエクテイブ
レンズの励磁曲線、および光軸に平行に入射した
電子線が試料に入射し得る対物レンズの励磁と
S/bとの関係をそれぞれグラフに示した図であ
る。第6図は、試料に入射する電子線の傾き具合
を決定する方法を説明するための図である。第7
図は、S/b=2且つ対物レンズの励磁を
23AT/V〓又は29.4AV/V〓に維持したときの
それぞれの場合における、集束レンズの励磁変化
Zc/Sに対する電子線の試料への入射傾きl/
Sの変化を片対数グラフにして示した図である。 符号の説明、1……上側磁極片、2……下側磁
極片、3,3′……孔、4……試料、5……対物
絞り。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 磁界型電子レンズの光軸に関し、回転対称な
    形状を有し、上側磁極片1及び下側磁極片2の間
    の距離がS、上側磁極片1及び下側磁極片2に開
    設された孔3,3′の径がbに設定された電子顕
    微鏡の対称磁界型対物レンズにおいて、 1≦S/b≦5 であり、 且つこの範囲内でのS/bの任意の値におい
    て、対物レンズの励磁力をJとし、また、光軸に
    平行に対物レンズに入射した電子線が一度光軸と
    交わり、再び光軸に平行になつて対物レンズを出
    て行く状態にあるときのRiecke−Ruskaのコンデ
    ンサ・オブジエクテイブレンズの起磁力をJc.o.
    としたとき、 1.4Jc.o.≦J≦1.7Jc.o. なる関係が成り立つようにしたことを特微とする
    電子顕微鏡の対物レンズ。
JP872280A 1980-01-30 1980-01-30 Objective lens for electron microscope Granted JPS56107459A (en)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP872280A JPS56107459A (en) 1980-01-30 1980-01-30 Objective lens for electron microscope
US06/229,527 US4383176A (en) 1980-01-30 1981-01-29 Objective lens for electron microscope
GB8102713A GB2070848B (en) 1980-01-30 1981-01-29 Electron microscope magnetic objective lens

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP872280A JPS56107459A (en) 1980-01-30 1980-01-30 Objective lens for electron microscope

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS56107459A JPS56107459A (en) 1981-08-26
JPS623542B2 true JPS623542B2 (ja) 1987-01-26

Family

ID=11700835

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP872280A Granted JPS56107459A (en) 1980-01-30 1980-01-30 Objective lens for electron microscope

Country Status (3)

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