JPH0561451B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 イ 産業上の利用分野 本発明は、シリンダヘツドの中に取り付けられ
た少なくも一つの排気弁を有し、そしてシリンダ
の他端にシリンダ壁の中に置かれた半径方向と接
線方向の掃気口を有する、少なくとも一つのシリ
ンダを有する二サイクル内燃機関にかかわり、掃
気空気の供給は、シリンダの中に往復運動するピ
ストンによつて制御される。この種の掃気はユニ
フロー掃気と呼ばれる。

ロ 従来の技術 CH−PS第199869号は、シリンダの軸線上に置
かれた排気弁を有するこの種の機関を開示してい
る。この機関ではすべての半径方向の掃気口は、
ピストンの下思点の位置の近くにシリンダの周囲
に一列に均一に分布されているが、接線方向の口
はすべて、半径方向の口の列のすぐ上方に一列に
置かれている。この掃気口配列の効果は、接線方
向の口はシリンダの中に、シリンダ壁の近くに上
昇する渦巻く流れを生じるが、半径方向の口はシ
リンダの中心地帯に軸線方向の流れを生じること
である。軸線方向の流れは、掃気効果が増進され
そして燃焼が強められるように、さもなければ掃
気されない排気弁の下方の芯、すなわちちようど
中心地帯を掃気する。

ハ 発明が解決しようとする問題点 本発明の目的は、前に述べた種類の内燃機関の
掃気をさらに改良することである。

ニ 問題点を解決するための手段 したがつて本発明によれば、シリンダの周囲に
分布された半径方向の口と接線方向の口の両方
は、それらの出口横断面を一つの共通の列に置か
れている。口のこの配列のおかげで、いろいろな
方向に広がる掃気空気の流れは、シリンダの周囲
について考えると互いに隣接して置かれ、その結
果、実質的微小乱流が隣接する流れの間の境界地
帯に生じる。この種の微小乱流は、少なくとも一
つの噴射ノズルからシリンダ室の中に噴射される
燃料の粒子の蒸発と燃焼を促進し、その結果機関
の効率を増加し、そして同時に煙、CO、および
CHの放出を減少する。

本発明の構造上非常に簡単な開発で、半径方向
の口と接線方向の口は互いに交互の関係に置か
れ、その場合接線方向の口の軸線は、シリンダの
半径に対して約10°から20°までの角度にある。

本発明のもう一つ特徴によれば、三つの半径方
向の口と、それらのどの二つの間にも置かれたい
くつかの接線方向の口は、シリンダの周囲に均一
に分布されている。したがつて、三つの渦巻いて
上方に向けられる流れがシリンダの中に生じ、そ
れらが同じ方向に回るとき互いに引き寄せ、こう
して排気弁の下方の芯の地帯の徹底的掃気を行な
う。微小乱流の形成も強められる。

ホ 実施例 本発明の二つの実施例を図面について以下にさ
らに詳しく説明する。

第１図について述べると、詳しく示されい二サ
イクルデイーゼル機関は、その頂をシリンダヘツ
ドすなわちシリンダカバー２によつて閉ざされた
シリンダ１を有している。排気弁３はカバー２の
中心に置かれ、図示の位置にあるときカバーの中
の排出路４を閉じ、そして図示しない作動装置に
よつて開かれることができる。ピストン５は第１
図で垂直に往復運動することができ、そして第１
図にほぼその下思点の位置に示されている。

第１図について述べると、シリンダ壁１は、ピ
ストン５のすぐ上方に半径方向の掃気口６と接線
方向の掃気口７をつくられ、半径方向の口は接線
方向の口と交互に置かれている。シリンダ壁の中
のすべての口６，７の配列は、シリンダの内面に
延びるそれらの出口横断面が一つの共通の列に置
かれる、−すなわちすべての出口横断面がシリン
ダの中に同じ水準に置かれるようになつている。
まつすぐな長方形の横断面の半径方向の口６は、
シリンダの軸線に対して垂直に延びているが、接
線方向の口７は、シリンダの軸線について上方へ
傾斜して延び、そして第２図からわかるように、
それらの軸線８はシリンダの半径に対して約10°
から20°までの角度を含んでいる。したがつて、
口７のすべての軸線８は、シリンダの中心の想像
円９に接線方向に延びている。軸線８は接線方向
に延びるので、接線方向の口７の横断面は平行四
辺形によつて限られている。口６，７は互いにほ
ぼ同じ横断面積を有している。

したがつてシリンダ１のユニフロー掃気の場
合、掃気空気は口６，７を通つてシリンダ室には
いる。排気弁３は、口を通つてはいる空気が前の
作動行程の廃ガスを排出路４を通してシリンダか
ら追い出すように、掃気中開いている。掃気は、
上昇するピストンが口６，７を完全に覆うとき終
わり、そののちシリンダの中に閉じ込められた空
気はピストンの残りの上昇中圧縮され、排気弁３
は閉ざされてい。ピストン５の上思点の位置の近
くで、細かく分裂された形の燃料は噴射ノズル
（図示せず）を通して圧縮された空気の中に噴射
され、それは点火されて燃焼し、そののちピスト
ンは下降し始める。半径方向の口６は、シリンダ
の中心に向けられて、次いで第１図に矢Ａによつ
て示すように軸線方向に上方へそらされる空気の
流れを生じるが、接線方向の口７を通つてはいる
空気は、第１図に矢Ｂによつて示すようにシリン
ダの中に渦巻き運動を生じる。互いに隣接し、そ
して互いに同じ水準でシリンダにはいる空気の流
れは、それらのヘリの地帯に、噴射された燃料の
蒸発と燃焼を強める微小乱流を生じる。また、半
径方向の口６の中に生じる空気の流れは、排気弁
３の下方の芯すなわちちようど中心地帯の満足な
掃気を行なう。

第３図に示す実施例について述べると、三つの
半径方向の掃気口６はシリンダの周囲に均一に分
布されている。−すなわち、二つの口の軸線はそ
れらの間に120°の角を含んでいる。六つの接線方
向の口（７ａから７ｆまで）はどの二つの半径方
向の口６の間にも置かれ、シリンダの半径と口７
ａの軸線８の間の角は5°、口７ｂの軸線８の間の
角は10°などと、すぐ前の口に比べて5°増加して
いる。この点について重要なことは、半径方向の
口６に隣接する口７ｆの軸線８は、シリンダ室の
中に口６から遠ざかる方へ延びていることであ
る。接線方向の口（７ａから７ｆまで）のこの配
列により、同じ方向に互いに隣接して回る三つの
渦が作動中の機関に生じ、三つの渦はシリンダの
中心に向かつていつしよに引かれ、こうして排気
弁の下方の芯の地帯の強力な掃気を行なう。

【図面の簡単な説明】

第１図は、ユニフロー掃気を行ない、そして掃
気口を有するシリンダの断面の概略図、第２図
は、掃気口の近くの第１図のシリンダの断面図
で、図は第１図よりも拡大されており、そして第
３図は、掃気口の近くのシリンダの断面図で、掃
気口の配列は第２図に示す配列と異なつている。 図面の符号１は「シリンダ」、２は「シリンダ
ヘツド」、３は「排気弁」、４は「排出路」、５は
「ピストン」、６は「半径方向の掃気口」、７は
「接線方向の掃気口」、８は「接線方向の口の軸
線」、９は「想像円」、Ａ，Ｂは「矢」を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ シリンダヘツドの中に取り付けられた少なく
   とも一つの排気弁を有し、そしてシリンダの他端
   にシリンダ壁の中に置かれた半径方向と接線方向
   の掃気口を有する少なくとも一つのシリンダを有
   し、掃気空気の供給は、前記シリンダの中に往復
   運動するピストンによつて制御される二サイクル
   内燃機関において、前記シリンダの周囲に分布さ
   れた前記半径方向の掃気口と前記接線方向の掃気
   口の両方は、それらの出口横断面を一つの共通の
   列に置かれる、ことを特徴とする二サイクル内燃
   機関。 ２ 特許請求の範囲第１項記載の機関において、
   半径方向の口と接線方向の口は、互いに交互の関
   係に置かれる、ことを特徴とする二サイクルの内
   燃機関。 ３ 特許請求の範囲第２項記載の機関において、
   前記接線方向の口の軸線は、シリンダの半径に対
   して約10°から20°までの角度にある、ことを特徴
   とする二サイクル内燃機関。 ４ 特許請求の範囲第１項記載の機関において、
   三つの半径方向の口と、それらのどの二つの間に
   も置かれたいくつかの接線方向の口は、前記シリ
   ンダの周囲に均一に分布されている、ことを特徴
   とする二サイクル内燃機関。 ５ 特許請求の範囲第４項記載の機関において、
   前記接線方向の口の軸線と前記シリンダの半径の
   間の前記角度は、どの半径方向の口からも次の半
   径方向の口に増加する、ことを特徴とする二サイ
   クル内燃機関。