JPH0561154U - ファクシミリ装置の原稿解除機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スキャナーカバーを該カバーの原稿排出側に
設けたエキストローラと同軸回りに開閉させるタイプの
ファクシミリ装置について、カバー開放動作に連動して
カバー側のエキストローラと装置本体側のプレスローラ
との間に自動的に隙間が形成される原稿解除機構を実現
する。 【構成】 カバー２側のエキストローラ６に転接される
プレスローラ７を装置本体１内で上下動可能に弾性支持
すると共に、スキャナーカバー２側に該カバー２の開放
動作に連動してプレスローラ７を押し下げるレバー状の
押下部材１１を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ファクシミリ装置の原稿解除機構に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

装置本体上の原稿セット部から本体内のスキャナー部に原稿を自動給紙する機 種のファクシミリ装置では、原稿のペーパージャムや繰込みエラー等を発生した 際の原稿解除手段として、スキャナー部を覆うスキャナーカバー（フロントカバ ー）を装置本体上で開閉自在に取り付けるようにしたものが多い。

【０００３】 その場合、スキャナーカバーを開くと、カバー閉止状態で本体側のローラと転 接されているカバー側のローラが、一斉に上方退避位置に開放されるようにした カバー取付構造も提案されているが、こうすると、スキャナーカバーを該カバー に取り付けられるローラの回転軸と異軸回りにヒンジ止めしなければならず、カ バーの取付構造が複雑化する難がある。また、この取付構造であると、カバー開 放時には、カバー側に取り付けられている全てのローラが変位するため、駆動機 構の点からカバー側にはエキストローラ等の駆動ローラを設けることができず、 プレスローラのみ設置可能となる技術的制約を受ける。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

そこで、上記の不具合や制約を回避するための方策として、スキャナーカバー を装置本体上でその原稿排出側に設けたエキストローラと同軸回りに開閉させる カバー取付構造が指向される。

【０００５】 しかし、この取付構造を採用した場合の問題点として、原稿が原稿排出側のエ キストローラとプレスローラとの間に拘束された状態でペーパージャム等を起こ したときには、スキャナーカバーを開いても、原稿が相互に開離されないカバー 側のエキストローラと装置本体側のプレスローラとの間にニップされたままで、 原稿解除に支障を来たすことがある。

【０００６】 本考案は、このような課題に対処すべく、上述したエキストローラと同軸回り にスキャナーカバーを開閉させるタイプのファクシミリ装置について、カバー開 放時には、これに連動してカバー側のエキストローラと装置本体側のプレスロー ラとの間に自動的に隙間が形成されるように工夫した原稿解除機構を提案するも のである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

すなわち、本考案に基づく原稿解除機構は、スキャナーカバーを装置本体上で その原稿排出側に設けたエキストローラと同軸回りに開閉させるファクシミリ装 置において、エキストローラに転接されるプレスローラを装置本体内で上下動可 能に弾性支持すると共に、スキャナーカバー側に該カバーの開放動作に連動して プレスローラを押し下げる押下部材を設けている。

【０００８】

【作用】

この原稿解除機構では、スキャナーカバーを開放動作すると、カバー側に設け られた押下部材が装置本体内で上下動可能に弾性支持されたプレスローラを強制 的に押し下げて両者の間に隙間を形成する。従って、原稿がエキストローラとプ レスローラとの間に拘束された状態でペーパージャム等を起こしても、円滑に原 稿解除が行える。

【０００９】

【実施例】

図１と図２は本考案の一実施例を図示し、図において、１はファクシミリ装置 本体、２は装置本体１の上にスキャナー部を覆って取り付けられるスキャナーカ バーで、装置本体１との間に、本体１上の原稿セット部３から一旦斜め下向きに 繰り込まれる原稿（図示せず）を読取位置Ｓを通して装置本体１の側面に開口さ れる原稿排出口５から排出させる水平方向の給紙経路４を形成している。

【００１０】 このスキャナーカバー２は、その原稿排出側にエキストローラ６が設けられ、 装置本体１に対して、該エキストローラ６の図示しない回転軸と同軸（軸心Ｏ） にヒンジ止めして、同軸心Ｏの回りに開閉自在に取り付けられている。

【００１１】 一方、エキストローラ６の直下位置の装置本体１側には、エキストローラ６と 転接して従動回転されるプレスローラ７が回転フリーに軸支されている。このプ レスローラ７は、両端部のプレスシャフト７ａが両側に配した軸受部材８の縦溝 ８ａに挿入されて、該縦溝８ａに沿って上下動可能になっていると共に、両側プ レスシャフト７ａの下面側に本体１内のブラケット９から水平方向に延出された 板バネ１０を当接させて、上向き付勢状態で弾性支持されている。

【００１２】 そして、このように装置本体１側のプレスローラ７を上下動可能に弾性支持す ることを前提として、スキャナーカバー２側には、該カバー２の開放動作に連動 して本体１側のプレスローラ７を押し下げる押下部材１１が設けられている。こ の押下部材１１は、基端がスキャナーカバー２に固定され、先端部がカバー２の 開閉動作に伴ってプレスシャフト７ａの上に進退されるレバー状の部材からなっ ている。

【００１３】 具体的には、エキストローラ６から原稿挿入側に偏位した位置でスキャナーカ バー２の下縁部近傍にスライド溝１２を設け、このスライド溝１２にスライド自 在に装入されたスライダ１３に基端を所定の取付角度で固定して、レバー状押下 部材１１をスキャナーカバー２の下縁から本体１側のプレスローラ７に向けて延 出させると共に、スライダ１３に軸支されるピン軸１４と、プレスローラ寄りで 装置本体１の上縁部近傍に軸支されるピン軸１５とをリンク１６で連結して、ス キャナーカバー２を開放動作すると、原稿排出側にシフトされるスライダ１３の 動きに連動して、レバー状押下部材１１がプレスシャフト７ａの上に到来し、こ れを強制的に押し下げるように構成されている。

【００１４】 なお、給紙経路４を挾む装置本体１とスキャナーカバー２との原稿挿入側の対 応位置には、対をなす繰込みローラとセパレートローラや、同じく対をなすフィ ードローラとプレスローラなどが取り付けられている（図示省略）。

【００１５】 かかる原稿解除機構を設けたものであれば、スキャナーカバー２を開放動作す ると、図２に示すように、スキャナーカバー２側に設けられた押下部材１１がリ ンク長で規定されるスライダ１３の動きに連動して次第にプレスローラ７に近接 し、その先端部が本体１内で弾性支持されているプレスローラ７のプレスシャフ ト７ａの上面に当接して、これを下向きに強制的に押し下げ、両者の間にカバー 開度の増加に伴い増大される隙間Ｃを形成するものとなる。

【００１６】 従って、この原稿解除機構を採用すれば、原稿がエキストローラ６とプレスロ ーラ７との間に拘束された状態でペーパージャム等を起こしても、原稿を除去す る解除作業がスムーズに行えるものとなる。なお、原稿解除後、スキャナーカバ ー２を閉止すると、開放時と逆動作で押下部材１１が原稿挿入側に退避されると 同時に、プレスローラ７が板バネ１０のバネ作用でカバー２側のエキストローラ ６との転接位置に上昇し、図１に示す原稿の排出動作状態に自動復帰されること になる。

【００１７】 なお、スキャナーカバー側に設けられる押下部材は、該カバーの開放動作に連 動してプレスローラを押し下げる機能を果たすものであればよく、この目的の範 囲内で、押下部材の形状や取付構造或いはカバーとの連動機構については、設計 変更の余地がある。

【００１８】

【考案の効果】

以上の如く、本考案の原稿解除機構によれば、スキャナーカバー側に追加した 押下部材により、カバー開放時には、装置本体内で上下動可能に弾性支持されて いるプレスローラが自動的にエキストローラと開離した位置に押下されるように 工夫しているので、スキャナーカバーを該カバーの原稿排出側に設けたエキスト ローラと同軸回りに開閉させるカバー取付構造を採用する場合に見られる原稿解 除の不便となる不具合を的確に除去することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例を示すファクシミリ装置の概略断面図で
ある。

【図２】図１のカバー開放状態を示す同断面図である。

【符号の説明】

１ 装置本体 ２ スキャナーカバー ３ 原稿セット部 ４ 給紙経路 ５ 原稿排出口 ６ エキストローラ ７ プレスローラ ７ａ プレスシャフト ８ 軸受部材 ８ａ 縦溝 ９ ブラケット １０ 板バネ １１ レバー状押下部材 １２ スライド溝 １３ スライダ １４ ピン軸 １５ ピン軸 １６ リンク Ｏ 軸心 Ｓ 読取位置 Ｃ 隙間

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 スキャナーカバーを装置本体上でその原
   稿排出側に設けたエキストローラと同軸回りに開閉させ
   るファクシミリ装置において、エキストローラに転接さ
   れるプレスローラを装置本体内で上下動可能に弾性支持
   すると共に、スキャナーカバー側に該カバーの開放動作
   に連動してプレスローラを押し下げる押下部材を設けた
   ことを特徴とするファクシミリ装置の原稿解除機構。