JPH056102A - 磁気ブラシ現像装置 - Google Patents

磁気ブラシ現像装置

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JPH056102A
JPH056102A JP3220221A JP22022191A JPH056102A JP H056102 A JPH056102 A JP H056102A JP 3220221 A JP3220221 A JP 3220221A JP 22022191 A JP22022191 A JP 22022191A JP H056102 A JPH056102 A JP H056102A
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Kunihiko Sato
邦彦 佐藤
Yukio Sasaki
幸雄 佐々木
Akira Nagahara
明 長原
Makoto Araki
信 荒木
Hideaki Iwasaki
秀昭 岩崎
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 現像剤4が収容された現像器7と、放射状に
方向を変えて複数箇所に磁極を有し、現像器7に固定さ
れたマグネット1bと、マグネット1bの外周を覆うよ
うに配置されて現像器7の現像剤4を搬送するように回
転駆動されるスリーブ1aと、スリーブ1aによって搬
送される現像剤4の量を規制するために、スリーブ1a
に対向して配置された現像剤規制部材2とを有する磁気
ブラシ現像装置において、異なる現像装置間で画質のば
らつきがなく、画質が向上し、組立精度のマージンが広
くて、装置の設定を容易にすることを目的とする。 【構成】 スリーブ1aの現像剤規制部材2に対向する
位置6a及びその近傍6に、回転スリーブ1a周面の磁
束密度の垂直成分が略均一な磁束密度均一部Zを形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電子写真記録装置な
どに用いられる静電潜像を現像するための磁気ブラシ現
像装置に関する。現像装置に利用される現像法として
は、現像剤として、着色粉体であるトナーと磁性粉体で
あるキャリアを用いた、いわゆる二成分磁気ブラシ現像
法が、一般に広く利用されている。
【0002】そこで用いられるキャリアは、摩擦帯電等
によりトナーに電荷を付与するとともに、静電力により
トナーを保持、搬送するものである。また、現像剤を現
像部に搬送するための現像ローラは、磁力によってキャ
リアを保持し、搬送するものであり、現像ローラの磁気
特性は、画質に大きな影響を及ぼす。
【0003】
【従来の技術】まず、本発明に関する二成分磁気ブラシ
現像法の原理について、図18を参照して説明をする。
現像ローラ1は、複数の磁極を有するマグネット1b
と、マグネット1bの表面を覆い回転する回転スリーブ
1aにより構成される。
【0004】通常、マグネット1bは固定されており、
現像剤4はマグネット1bとの間に働く磁力により回転
スリーブ1aの表面に保持され、回転スリーブ1aの回
転により、感光体ドラム3と現像ローラ1が対向する現
像部9に搬送される。現像剤規制部材2即ちブレードは
現像ローラ1(回転スリーブ1a)に対向して設けられ
ており、現像部9に搬送される現像剤4の量を規制して
いる。
【0005】現像剤規制部材2を通過する現像剤4の量
は、現像ローラ1と現像剤規制部材2の間隔(ブレード
ギャップ)とこの部分の現像剤穂の立ち具合により決ま
る。したがって、現像剤規制部材2を通過した現像剤4
の量は、現像部9における現像剤穂の高さを決定する。
現像剤穂の高さは画質に大きな影響を与える。現像剤穂
の高さが低く、現像部9に搬送される現像剤4の量が少
ないと、現像するのに十分な量のトナーが供給されなく
なり、画像濃度が低下し、多量に現像剤4が供給される
と逆に画像のつぶれが生じる。
【0006】同様に、現像剤穂の高さの変化により、画
像がかすれたり、また感光体ドラム3にキャリアが付着
して画質が低下することもある。このため、この画質の
ばらつきをなくすためには、ブレードギャップを通過す
る現像剤4の量を一定にする必要がある。また、ブレー
ドギャップが一定であるとしても、ブレードギャップを
通過する現像剤4の量は、現像剤規制部材対向部6にお
ける現像ローラ1上の現像剤穂の立ち具合により決定さ
れる。
【0007】したがって、ばらつきのない一定の画質を
得るためには、現像剤規制部材対向部6における現像ロ
ーラ1上の現像剤穂の立ち具合も同様に同じにする必要
がある。この現像剤穂の立ち具合は、現像ローラ1上の
現像剤規制部材2の対向位置における垂直方向の磁束密
度で決定される。したがって、この対向位置における垂
直方向の磁束密度を一定にする必要がある。
【0008】図19は、従来の現像ローラ1の垂直方向
の磁束密度の垂直成分の分布を示している。なお、本明
細書中においては、以下「磁束密度の垂直成分」のこと
を、単に「磁束密度」という。磁束密度分布の磁束密度
のピークの所を磁極という。本例で磁極は、図19に示
されるように5ヵ所ある。磁極Aは、感光体ドラム3と
対向する磁極である。磁極B,磁極C,磁極Eは、主と
して現像剤4の搬送に利用される。磁極Dは、主として
現像剤4を現像ローラ1に付着させるために利用され
る。また現像剤規制部材対向部6は、磁極Bと磁極Cと
の間に位置している。
【0009】図20は、従来の現像剤規制部材対向部6
の磁束密度分布を拡大して示している。従来の現像装置
においては、このように、現像剤規制部材対向部6にお
ける現像ローラ1上の磁束密度の垂直成分の変化が大き
かった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、現像装置内
に取り付けられる部品は、各々に取り付け精度(製造上
許容される誤差)等を有する。すなわち、現像剤規制部
材2の取り付け精度が±0.5 度、マグネット1bの着磁
位置精度が±3度、マグネット1bの固定精度が±0.5
度、及びその他部品の加工精度が±1度あるとすると、
現像ローラ1の磁束密度分布に対する現像剤規制部材2
の相対位置は、位置精度範囲Qで示される精度を持つ。
位置精度範囲Qは、一般に上記精度の±5度で合計10
程度である。
【0011】従来の現像ローラ1では、この位置精度範
囲Q内における磁束密度の変化が大きいため、現像装置
一台ごとに現像剤規制部材対向部6の磁束密度分布が大
きく異なっていた。前述したように、磁束密度の相違
は、現像部に搬送される現像剤4の量の変化となって現
れ、これが画質に大きく影響する。このため、現像装置
ごとに画像濃度が著しく相違していたり、べた黒、細
線、網点パターンのかすれや、キャリアが感光体に付着
しやすい等という様々の問題が発生する事があった。
【0012】この発明は、そのような従来の欠点を解消
し、異なる現像装置間で画質のばらつきがなく、画質が
向上し、組立精度のマージンが広くて、装置の設定が容
易な磁気ブラシ現像装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の磁気ブラシ現像装置は、現像剤4が収容さ
れた現像器7と、放射状に方向を変えて複数箇所に磁極
を有し、上記現像器7に固定されたマグネット1bと、
上記マグネット1bの外周を覆うように配置されて上記
現像器7の現像剤4を搬送するように回転駆動される回
転スリーブ1aと、上記回転スリーブ1aによって搬送
される現像剤4の量を規制するために、上記回転スリー
ブ1aに対向して配置された現像剤規制部材2とを有す
る磁気ブラシ現像装置において、上記回転スリーブ1a
の上記現像剤規制部材2に対向する位置6a及びその近
傍6を含む所定区域内で、上記回転スリーブ1a周面の
磁束密度の垂直成分が所定の範囲内にある磁束密度均一
部Zを形成したことを特徴とする。
【0014】尚、上記磁束密度均一部Zが、上記マグネ
ット1bの着磁位置精度、上記現像器7に対する上記マ
グネット1bの取り付け精度、及び上記現像器7に対す
る上記現像剤規制部材2の取り付け精度のいずれよりも
広い角度範囲で磁束密度の垂直成分が略均一な磁束密度
分布を有するようにしてもよく、上記磁束密度均一部Z
が、上記磁束密度均一部Zと上記現像剤規制部材2との
間に生じる相対的取り付け位置精度よりも広い角度範囲
で磁束密度の垂直成分が略均一な磁束密度分布を有する
ようにしてもよい。
【0015】また、上記磁束密度均一部Zが、設計上の
上記現像剤規制部材対向位置6aを挟んでその両側に、
上記回転スリーブ1aの回転角にして少なくとも3度ず
つ、望ましくは少なくとも5度ずつ、最も望ましくは少
なくとも10度ずつ形成されているとよい。また、上記
磁束密度均一部Zの垂直方向の磁束密度が、設計上の上
記現像剤規制部材対向位置6aにおける設定値に対して
±20%以内、望ましくは±15%以内、最も望ましく
は±10%以内にあるとよい。
【0016】
【作用】本発明の作用を説明するため、現像剤規制部材
対向部6の磁束密度分布による現像剤穂の変化の様子を
図17に示す。図17の(a) に、本発明による現像剤規
制部材対向部6の現像剤穂の様子を示す。
【0017】本発明では、現像剤規制部材対向部6にお
ける磁束密度の垂直成分を略均一にしたので、この部分
の穂の立ち具合が略均一になる。したがって、磁束密度
分布に対する現像剤規制部材2の取り付け位置がずれて
も、現像剤規制部材対向部6の現像剤の穂の立ち具合が
均一であり、現像剤規制部材2を通過して現像部9に搬
送される現像剤4の量が変化しない。
【0018】図17の(b) に、従来技術における現像剤
規制部材対向部6の現像剤穂の様子を示す。従来技術で
は、現像剤規制部材対向部6における磁束密度の垂直成
分が変化しているので、この部分の穂の立ち具合が変化
している。したがって、磁束密度分布に対する現像剤規
制部材2の取り付け位置が部品の加工精度等によって設
計中心値6aよりずれると、現像剤規制部材対向部6の
現像剤4の穂立ちが違ってしまい、現像剤規制部材2を
通過して現像部に搬送される現像剤4の量が、現像装置
一台毎に違ってしまう。
【0019】すると、前述したように、現像剤4の量の
変化は画質に影響するため、現像装置毎に画質が違って
しまうことが多かった。以上のように、本発明では、一
台一台の現像装置において、一定の均質な画像品質を得
ることができる。その結果、画質の向上、部品の加工精
度の低減等に効果が大きい。
【0020】
【実施例】図面を参照して実施例を説明する。図1は、
電子写真式プリンタを示している。なお、本発明はプリ
ンタに限らず、複写機その他に広く適用することができ
る。図1において、3は軸中心に回転する感光体ドラ
ム。11は、感光体ドラム3に帯電をさせる前帯電器。
12は、走査されるレーザビームで感光体ドラム3を露
光して、感光体ドラム3の表面に静電潜像を形成する露
光器である。
【0021】また、10は、感光体ドラム3の静電潜像
を現像してトナー像にするための磁気ブラシ現像装置。
13は、トナー像を印字用紙に転写するための転写器。
14は、転写後に感光体ドラム3表面に残った残留トナ
ーを除去するためのクリーナー。15は、トナー像を用
紙に加熱定着させるための定着ローラである。図2は現
像装置10を示している。
【0022】現像器7内には、着色粉体であるトナー4
aと、磁性粉体であるキャリア4bからなる2成分現像
剤4が収容されている。トナー4aは、上部に設けられ
たトナーホッパ21から、トナー供給ローラ22によっ
て、現像器7内に補給される。本実施例では、トナーは
スチレンアクリル系、又はポリエステル系の樹脂で構成
されており、平均粒径11〜12μm である。また、キ
ャリアは、平均粒径100μm 程度であり、マグネタイ
ト、フェライト等の磁性体に樹脂コートしてある。キャ
リアの飽和磁化は80emu/g である。
【0023】23は、現像器7内で現像剤4を攪拌し
て、帯電させる攪拌装置。24は、現像剤規制部材2の
後ろに溜まった現像剤4を攪拌装置23に戻す、流れ規
制部材。25は、現像剤4の透磁率を測定することによ
り、現像剤4のトナー濃度を検出し、トナーの補給時期
を知らせる、トナー濃度センサである。現像器7の左端
部は開口していて、感光体ドラム3表面を現像するため
の現像部9になっている。そこには、着磁された磁性材
からなる円柱状のマグネット1bと、そのマグネット1
bの表面を覆うように配置されて回転駆動される筒状の
回転スリーブ1aとからなる現像ローラ1が設けられて
いる。
【0024】本実施例では、マグネット1bはフェライ
トで形成されており、またマグネット1bの軸は、例え
ばアルミ合金など非磁性体によって形成されている。ま
た、回転スリーブ1aは、例えばアルミ合金など非磁性
体によって形成されている。図3は現像ローラ1の一部
を切除して示す斜視図である。図3において、マグネッ
ト1bは、放射状に方向を変えて複数箇所(5箇所)に
着磁されている。
【0025】現像剤4は、マグネット1bとの間に働く
磁力によって回転スリーブ1aの表面に保持されて、回
転スリーブ1aの回転により現像部9に運ばれる。図2
に示されるように、回転スリーブ1aの軸方向と平行
に、非磁性の材質から成る現像剤規制部材(ブレード)
2が現像器7に固設されている。現像剤規制部材2と回
転スリーブ1aとの間には、一定の僅かな間隔(本実施
例では1.0mm)が形成されている。したがって、回転スリ
ーブ1aの回転によって搬送される現像剤4は、その高
さ(穂の高さ)が現像剤規制部材2によって一定の高さ
に規制されている。
【0026】そして、現像部9では、感光体ドラム3表
面の静電潜像を現像するトナー4aだけが、感光体ドラ
ム3側に移り、残りの現像剤4は、現像ローラ1によっ
て再び現像器7内に戻される。図4は、現像ローラ1の
磁束密度分布を示しており、6は、現像剤規制部材2に
対向する現像剤規制部材対向部である。
【0027】磁極Aは、感光体ドラム3と対向する磁極
でありN極である。磁極B,磁極C,磁極Eはともに主
として現像剤4の搬送に利用される。磁極Dは、主とし
て現像ローラ1に対して現像剤4を付着させるために利
用される。また、磁極E,磁極Dは同極とし、この間
で、現像剤4は現像ローラ1により剥離される。なお剥
離された現像剤4は、攪拌装置23によって攪拌され、
再び使用される。
【0028】図5の拡大図に示されるように、磁極Bと
磁極Cとの間の現像剤規制部材対向部6においては、磁
極Cによる磁束密度が、例えば80〜90ガウスで略一
定になるように形成されている。この80〜90ガウス
という磁束密度は、本実施例の装置において、良質な画
像を得るのに適度な大きさであり、装置の特性などに応
じた適当な強さを選択することができる。
【0029】この磁束密度均一部Zは、現像剤規制部材
対向位置6aを挟んでその両側に、各々10度以上、合
計20度の範囲に形成されている。このような広い範囲
の磁束密度均一部Zを形成する具体的な方法については
後述する。先に述べたように、装置内に取り付けられて
いる部品等は、各々に取り付け精度(製造上許容される
誤差)等を有する。したがって現像剤規制部材2の取り
付け精度が±0.5 度、マグネット1bの着磁位置精度が
±3度、マグネット1bの固定精度が±0.5 度、及びそ
の他部品の加工精度が±1度あれば、現像ローラ1の磁
束密度分布に対する現像剤規制部材2の相対位置は、位
置精度範囲Qで示される精度を持つ。
【0030】Qは10度(±5度)程度であり、本実施
例の磁束密度均一部Zの範囲は、Qの2倍程度広くなる
ように形成されている。その結果、現像剤規制部材対向
部6の磁束密度はほとんど変化しない。したがって、現
像装置が異なっていても、各現像装置において現像部9
に搬出される現像剤4の量は一定なものになる。
【0031】図6は、現像ローラ1の磁束密度分布に対
する現像剤規制部材2の相対的位置ずれと印字濃度(現
像濃度)との関係を示したグラフである。グラフの+,
−の各方向を図7に示す。図のようにマグネットの磁束
密度分布に対する現像剤規制部材の相対的位置が変化し
た場合、各々+,−方向とする。図6において、実線は
本実施例装置を示し、破線は従来の装置を示している。
このように、本実施例装置では、現像剤規制部材2が位
置精度範囲Q内のどこにあったとしても、印字濃度の変
化が小さい。
【0032】したがって、一台一台の現像装置におい
て、画像濃度、かぶり、かすれ、キャリアあがり等が所
定の範囲内に入る、同程度の一様な画像品質を得ること
ができる。図8は、現像装置に使用する現像ローラの磁
束密度均一部Zの角度範囲と、磁束密度の変化範囲を変
化させたとき、良好な印字の得られる現像装置の割合を
示している。出力画像の、4mm角べた黒部の画像濃度
(光学濃度)が 1.2以上の場合、良好な印字とした。
【0033】図中、◎は、良好な印字が得られる現像装
置の割合(装置の良好率)が略100%。〇は、良好な
印字が得られる現像装置の割合(装置の良好率)が80
%以上。△は、良好な印字が得られる現像装置の割合
(装置の良好率)が60%以上。×は、良好な印字が得
られる現像装置の割合(装置の良好率)が50%以下を
示す。
【0034】図8により、磁束密度均一部Zの角度範囲
がより広く、また前記角度範囲内における磁束密度の変
化範囲の狭い現像ローラを使った現像装置ほど、画像濃
度 1.2以上の良好な印字が得られる確率が高いことがわ
かる。例えば、前記角度範囲±10度以上で磁束密度の
変化範囲±10%以下の現像ローラ(図6の実施例に用
いた現像ローラ)を使用した現像装置では結果は最も良
く、装置の良好率はほぼ100%であった。
【0035】また、前記角度範囲±5度以上で磁束密度
の変化範囲±15%以下の現像ローラを使用した現像装
置では、装置の良好率は80%以上、前記角度範囲±3
度以上で磁束密度の変化範囲±20%以下の現像ローラ
を使用した現像装置では、装置の良好率は60%以上で
あった。前記角度範囲±2度以下で磁束密度の変化範囲
±25%以上の現像ローラを使用した現像装置では、装
置の良好率は50%以下であり、使用に耐えなかった。
【0036】また、前記角度範囲±2度以下で磁束密度
の変化範囲±10%以下の現像ローラを使用した現像装
置、及び前記角度範囲±10度以上で磁束密度の変化範
囲±25%以上の現像ローラを使用した現像装置では、
装置の良好率は60%以上であった。以上の実験結果よ
り、磁束密度均一部Zが、現像剤規制部材対向部6を挟
んでその両側に、角度範囲にして3度ずつ以上、望まし
くは5度ずつ以上、最も望ましくは10度ずつ以上形成
されているとよいことがわかる。
【0037】また、磁束密度均一部Zの垂直方向の磁束
密度が、上記現像剤規制部材対向部6における設定値に
対して±20%以内、望ましくは±15%以内、最も望
ましくは±10%以内にあるとよいことがわかる。尚、
本実験には、16種類の現像ローラを使用し、各20本
ずつ測定した。次に、上記のような角度範囲、磁束密度
の変化範囲の現像ローラを作製する方法について説明す
る。
【0038】まず、図9を参照して、マグネット1bの
着磁方法を説明する。図のように、マグネット原料1c
の回りに電磁石30を配置する。その後、電磁石30の
図示しないコイルに電流を流し、電磁石30に磁力を与
えることにより、マグネット原料1cを磁化し、マグネ
ット1bを形成する。ここで、各磁極の角度位置範囲
は、電磁石30の角度位置配置により決定され、また各
磁極の磁束密度の大きさは、電磁石30のコイルに流す
電流の大きさにより決定される。
【0039】図10に本発明の他の実施例の現像ローラ
1を示す。図中、マグネット1bは、面を持つ軸に磁石
を貼り合わせて構成されている。この磁石の各々の磁束
密度や角度配置により、良好な磁束密度分布が得られ
る。次に、図11〜図16を参照して、磁束密度均一部
Zを形成する具体的な方法について説明する。図11
は、現像剤規制部材(ブレード)2及びこのブレード2
を挟む現像ローラ1上の2つの磁極B,Cの位置関係を
示す。磁束密度均一部Zを作るには、現像剤規制部材
(ブレード)2を挟む2つの磁極B,Cのバランスを調
整する方法と、現像剤規制部材(ブレード)2の近傍に
新たな磁極を設ける方法の2つがある。
【0040】図12において、(a) に現像ローラ1の構
造、(b) に現像ローラ1の回転スリーブ1a上の磁束密
度の垂直分布を示す。現像ローラ1は、前述のように、
回転スリーブ1aと、マグネット1bとからなる。マグ
ネット1bには、等方性のフェライト磁石が用いられて
いる。外部から磁界を印加することにより、図12(a)
のように磁極(B,Cのみ示す)が形成される。このと
き、回転スリーブ1a上の磁束密度を測定した結果を示
したのが図12(b) で、同図の下側には磁極の位置を示
している。なお、図12(b) では、角度θを横軸にとっ
ている。
【0041】(1) 磁極のバランスによる方法 現像剤規制部材(ブレード)2を挟む2つの磁極B,C
のバランスを調整する方法について、図13を使って説
明する。磁極B,C間を広くすると、図13(a) に示す
ように磁極C(N極)から隣接する磁極BのS極に向か
う磁束だけでなく、軸側の磁極へも磁束ができる(図1
3(a) の破線)。このため、両方の磁束を打ち消しあっ
て、平らな部分ができる。もし、両方の磁極B,Cの磁
化の強さ、幅とも同じであれば、図13(b) に示すよう
に、磁束密度がゼロのところで平坦部ができる。ところ
が、磁極B,Cのどちらか一方の磁化の強さが、小さい
場合、あるいは磁極の幅が狭いと、図13(c) のよう
に、平坦部は、磁束密度がゼロとはならない。例えば、
磁極C(N極)の幅が狭いと、磁極B(S極)の回り込
みの磁束(方向が逆なのでN側の磁界となる)が大き
く、平坦部がN極側に移動し、N極側に平坦部ができる
(図13(c))。
【0042】したがって、2つの磁極B,Cのバランス
を調整する方法では、現像剤規制部材(ブレード)2を
挟む2つの磁極B,Cの中心位置間の角度θ0 (図1
2)が、磁極B,Cの幅(平均)の3倍以上であり、磁
極B,Cの一方の磁束幅が他方の磁束幅より狭く(8割
以下と)するか、或いは磁束密度を小さくすることによ
って、磁束密度均一部(平坦部)Zを形成することがで
きる。
【0043】(2) 新たな磁極を設ける方法 現像剤規制部材(ブレード)2の近傍に新たな磁極を設
ける方法について、図14を使って説明する。磁極B,
C間を広くすると、(1) で説明したように、磁束密度が
なだらかになる(平坦にならない。)(図14(a))。そ
こで、現像剤規制部材(ブレード)2とこれらの磁極
B,Cとの間に磁束幅が半分程度で、磁化の強さが磁極
B又はCの5〜50%の小さい磁極C′を設ける。この
磁極C′の回転スリーブ1a上の磁束密度分布を図14
(b) に示す。磁極B,C間の磁束密度は、両者の合成と
なるので、図14(a) のように、平坦部ができる。
【0044】したがって、現像剤規制部材(ブレード)
2を挟む2つの磁極B,Cの中心位置間の角度が2つの
磁極の幅(平均)の2倍以上であり、磁極幅が半分程度
で、磁化の強さが磁極B又はCの5〜50%以下の磁極
C′を平坦部を作らない磁極B,Cとブレード2との間
に設けることにより、磁束密度均一部Z(平坦部)を形
成することができる。
【0045】図15及び図16は上記(1) 及び (2)の実
施例における磁束分布を示すものである。図15は、磁
極A,B,C,D及びEの磁化の強さは一定であるが、
磁極幅を次のように変化させたものである。また、磁極
の位置を次のとおり設定した。 図16は、新たな磁極C′を設けたもので、磁極A,
B,C,C′,D及びEの磁化の強さ及び磁極幅を次の
ように設定した。また、磁極の位置を次のとおり設定し
た。
【0046】 磁極 極性 磁化の強さ 磁極幅 磁極位置 A N 1.8 (kG) 60° 0° B S 1.8 (kG) 30° 80° C′ N 0.2 (kG) 15° 117.5° C N 1.8 (kG) 25° 157.5° D S 1.8 (kG) 35° 212.5° E N 1.8 (kG) 40° 300° なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、
磁束密度均一部Zは、適度な磁束密度(例えば80〜9
0ガウス)が、設計上の現像剤規制部材対向位置6aを
挟んでその両側に少なくとも5度以上、合計10度以上
の範囲にあれば、従来に比べて装置間の画像品質が大幅
に均一化されるものである。また、その両側に少なくと
も3度以上、合計6度以上であっても相当の効果を有し
ている。
【0047】
【発明の効果】本発明の磁気ブラシ現像装置によれば、
マグネットの磁束密度分布と現像剤規制部材との相対的
取り付け位置がずれても、現像剤規制部材対向部の磁束
密度がほとんど変化しないので、異なる現像装置間で現
像剤流出量が均一にできる。その結果、現像装置がかわ
っても画質のばらつきがなく、一定の均質な画質を得る
ことができ、画質が向上し、部品の加工精度、組立精度
のマージンが広い現像装置を提供できる等の優れた効果
を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のプリンタの側面断面略示図である。
【図2】実施例の現像装置の側面断面図である。
【図3】実施例の現像ローラの斜視図である。
【図4】実施例の現像ローラの磁束密度分布図である。
【図5】実施例の現像ローラの磁束密度分布部分拡大図
である。
【図6】現像剤規制部材位置と印字濃度との関係を示す
線図である。
【図7】磁束密度分布に対する現像剤規制部材の相対的
位置を示す線図である。
【図8】画像評価結果を示す図表である。
【図9】着磁原理の説明図である。
【図10】他の実施例の現像ローラの側面図である。
【図11】ブレードと磁極B,Cの位置関係を示す図で
ある。
【図12】現像ローラ及び磁束密度を示す図である。
【図13】磁極B,Cのバランスにより磁束密度均一部
Zを形成する説明図である。
【図14】新たな磁極C′を設けて磁束密度均一部Zを
形成する説明図である。
【図15】図13の実施例における磁束密度を示す図で
ある。
【図16】図14の実施例における磁束密度を示す図で
ある。
【図17】現像剤穂の状態を示す部分拡大図である。
【図18】現像装置の原理説明図である。
【図19】従来例の現像ローラの磁束密度分布図であ
る。
【図20】従来例の現像ローラの磁束密度分布部分拡大
図である。
【符号の説明】
1…現像ローラ 1a…回転スリーブ 1b…マグネット 2…現像剤規制部材(ブレード) 4…現像剤 6…現像剤規制部材対向部 6a…現像剤規制部材対向位置 7…現像器 Z…磁束密度均一部 A,B,C,D,E…磁極 C′…新たに設ける磁極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒木 信 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 岩崎 秀昭 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 現像剤(4)が収容された現像器(7)
    と、放射状に方向を変えて複数箇所に磁極を有し、上記
    現像器(7)の内部に固定されたマグネット(1b)
    と、上記マグネット(1b)の外周を覆うように配置さ
    れて上記現像器(7)の現像剤(4)を搬送するように
    回転駆動される回転スリーブ(1a)と、上記回転スリ
    ーブ(1a)によって搬送される現像剤(4)の量を規
    制するために、上記回転スリーブ(1a)に対向して配
    置された現像剤規制部材(2)とを有する磁気ブラシ現
    像装置において、上記回転スリーブ(1a)の上記現像
    剤規制部材(2)に対向する位置(6a)及びその近傍
    (6)を含む所定区域内で、上記回転スリーブ(1a)
    周面の磁束密度の垂直成分が所定の範囲内にある磁束密
    度均一部(Z)を形成したことを特徴とする磁気ブラシ
    現像装置。
  2. 【請求項2】 上記磁束密度均一部(Z)が、上記マグ
    ネット(1b)の着磁位置精度、上記現像器(7)に対
    する上記マグネット(1b)の取り付け精度、及び上記
    現像器(7)に対する上記現像剤規制部材(2)の取り
    付け精度のいずれよりも広い範囲で磁束密度の垂直成分
    が略均一な磁束密度分布を有している請求項1記載の磁
    気ブラシ現像装置。
  3. 【請求項3】 上記磁束密度均一部(Z)が、上記磁束
    密度均一部(Z)と上記現像剤規制部材(2)との間に
    生じる相対的取り付け位置精度よりも広い範囲で磁束密
    度の垂直成分が略均一な磁束密度分布を有している請求
    項1記載の磁気ブラシ現像装置。
  4. 【請求項4】 上記磁束密度均一部(Z)が、上記現像
    剤規制部材対向位置(6a)を挟んでその両側に、上記
    回転スリーブ(1a)の回転角にして少なくとも10度
    ずつ形成されている請求項1記載の磁気ブラシ現像装
    置。
  5. 【請求項5】 上記磁束密度均一部(Z)の垂直方向の
    磁束密度が、上記現像剤規制部材対向位置(6a)にお
    ける値に対して、±10%以内にある請求項1又は2記
    載の磁気ブラシ現像装置。
  6. 【請求項6】 上記磁束密度均一部(Z)が、上記現像
    剤規制部材対向位置(6a)を挟んでその両側に、上記
    回転スリーブ(1a)の回転角にして少なくとも3度ず
    つ形成され、かつ、上記磁束密度均一部(Z)の垂直方
    向の磁束密度が、上記現像剤規制部材対向位置(6a)
    における値に対して、±20%以内にある請求項1記載
    の磁気ブラシ現像装置。
  7. 【請求項7】 上記磁束密度均一部(Z)が、上記現像
    剤規制部材対向位置(6a)を挟んでその両側に、上記
    回転スリーブ(1a)の回転角にして少なくとも3度ず
    つ形成され、かつ、上記磁束密度均一部(Z)の垂直方
    向の磁束密度が、上記現像剤規制部材対向位置(6a)
    における値に対して、±10%以内にある請求項1記載
    の磁気ブラシ現像装置。
  8. 【請求項8】 上記磁束密度均一部(Z)が、上記現像
    剤規制部材対向位置(6a)を挟んでその両側に、上記
    回転スリーブ(1a)の回転角にして少なくとも10度
    ずつ形成され、かつ、上記磁束密度均一部(Z)の垂直
    方向の磁束密度が、上記現像剤規制部材対向位置(6
    a)における値に対して、±20%以内にある請求項1
    又は4記載の磁気ブラシ現像装置。
  9. 【請求項9】 上記磁束密度均一部(Z)が、上記現像
    剤規制部材対向位置(6a)を挟んでその両側に、上記
    回転スリーブ(1a)の回転角にして少なくとも5度ず
    つ形成され、かつ、上記磁束密度均一部(Z)の垂直方
    向の磁束密度が、上記現像剤規制部材対向位置(6a)
    における値に対して、±15%以内にある請求項1又は
    4記載の磁気ブラシ現像装置。
  10. 【請求項10】 上記現像剤規制部材(2)は上記複数
    箇所の磁極の中の2つの磁極(B,C)の間に配置さ
    れ、これらの2つの磁極(B,C)の中心線間の角度
    (θ0)はこれらの2つの磁極(B,C)の幅の平均値の
    3倍以上で、かつこれらの2つの磁極(B,C)の一方
    の幅が他方の幅より小さいことを特徴とする請求項1記
    載の磁気ブラシ現像装置。
  11. 【請求項11】 上記現像剤規制部材(2)は上記複数
    箇所の磁極の中の2つの磁極(B,C)の間に配置さ
    れ、これらの2つの磁極(B,C)の中心線間の角度
    (θ0)はこれらの2つの磁極(B,C)の幅の平均値の
    3倍以上で、かつこれらの2つの磁極(B,C)の一方
    の磁束密度が他方の磁束密度より小さいことを特徴とす
    る請求項1記載の磁気ブラシ現像装置。
  12. 【請求項12】 上記現像剤規制部材(2)は上記複数
    箇所の磁極の中の2つの磁極(B,C)間に配置され、
    これらの2つの磁極(B,C)の中心線間の角度(θ0)
    はこれらの2つの磁極(B,C)の幅の平均値の2倍以
    上で、かつ上記現像剤規制部材(2)とこれらの2つの
    磁極(B,C)の間の位置に、上記2つの磁極(B又は
    C)の約半分の幅を有しかつ磁化の強さがこれらの2つ
    の磁極(B又はC)の5〜50%である別の磁極
    (C′)を設けたことを特徴とする請求項1記載の磁気
    ブラシ現像装置。
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